国籍法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月四日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百四十七号
国籍法
(この法律の目的)
第一條 日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。
(出生による国籍の取得)
第二條 子は、左の場合には、日本国民とする。
一 出生の時に父が日本国民であるとき。
二 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
三 父が知れない場合又は国籍を有しない場合において、母が日本国民であるとき。
四 日本で生れた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。
(帰化)
第三條 日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によつて、日本の国籍を取得することができる。
2 帰化をするには、法務総裁の許可を得なければならない。
第四條 法務総裁は、左の條件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 二十歳以上で本国法によつて能力を有すること。
三 素行が善良であること。
四 独立の生計を営むに足りる資産又は技能があること。
五 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
六 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壞することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
第五條 左の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務総裁は、その者が前條第一号に掲げる條件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の夫で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
二 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
三 日本で生れた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生れたもの
四 引き続き十年以上日本に居所を有する者
第六條 左の各号の一に該当する外国人については、法務総裁は、その者が第四條第一号、第二号及び第四号の條件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の妻
二 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
三 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、且つ、縁組の時本国法により未成年であつたもの
四 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの
第七條 日本に特別の功労のある外国人については、法務総裁は、第四條の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。
(国籍の喪失)
第八條 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
第九條 外国で生れたことによつてその国の国籍を取得した日本国民は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼつて日本の国籍を失う。
第十條 外国の国籍を有する日本国民は、日本の国籍を離脱することができる。
2 国籍を離脱するには、法務総裁に届け出なければならない。
3 国籍を離脱した者は、日本の国籍を失う。
(帰化及び国籍離脱の手続)
第十一條 帰化の許可の申請又は国籍離脱の届出は、帰化又は国籍の離脱をしようとする者が十五歳未満であるときは、法定代理人が代つてする。
第十二條 法務総裁は、帰化を許可したとき、又は国籍離脱の届出を受理したときは、官報にその旨を告示しなければならない。
2 帰化又は国籍の離脱は、前項の告示の日から効力を生ずる。
第十三條 前二條に定めるものの外、帰化及び国籍の離脱に関する手続は、法務総裁が定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十五年七月一日から施行する。
2 国籍法(明治三十二年法律第六十六号)は、廃止する。
3 この法律の施行前従前の国籍法の規定によつてした帰化の許可の申請又は国籍回復の許可の申請は、この法律の規定によつてした帰化の許可の申請とみなす。
4 この法律の施行前従前の国籍法の規定によつてした国籍離脱の許可の申請は、この法律の規定によつてした国籍離脱の届出とみなす。
5 この法律の施行前日本に帰化した者の子で従前の国籍法第十五條第一項の規定によつて日本の国籍を取得したものは、第六條第四号の規定の適用については、日本に帰化した者とみなす。この法律の施行前日本国民の養子又は入夫となつた者も、また、同様である。
法務総裁 殖田俊吉
外務大臣 吉田茂
内閣総理大臣 吉田茂
国籍法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月四日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百四十七号
国籍法
(この法律の目的)
第一条 日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。
(出生による国籍の取得)
第二条 子は、左の場合には、日本国民とする。
一 出生の時に父が日本国民であるとき。
二 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
三 父が知れない場合又は国籍を有しない場合において、母が日本国民であるとき。
四 日本で生れた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。
(帰化)
第三条 日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によつて、日本の国籍を取得することができる。
2 帰化をするには、法務総裁の許可を得なければならない。
第四条 法務総裁は、左の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 二十歳以上で本国法によつて能力を有すること。
三 素行が善良であること。
四 独立の生計を営むに足りる資産又は技能があること。
五 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
六 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
第五条 左の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務総裁は、その者が前条第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の夫で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
二 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
三 日本で生れた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生れたもの
四 引き続き十年以上日本に居所を有する者
第六条 左の各号の一に該当する外国人については、法務総裁は、その者が第四条第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の妻
二 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
三 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、且つ、縁組の時本国法により未成年であつたもの
四 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの
第七条 日本に特別の功労のある外国人については、法務総裁は、第四条の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。
(国籍の喪失)
第八条 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
第九条 外国で生れたことによつてその国の国籍を取得した日本国民は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼつて日本の国籍を失う。
第十条 外国の国籍を有する日本国民は、日本の国籍を離脱することができる。
2 国籍を離脱するには、法務総裁に届け出なければならない。
3 国籍を離脱した者は、日本の国籍を失う。
(帰化及び国籍離脱の手続)
第十一条 帰化の許可の申請又は国籍離脱の届出は、帰化又は国籍の離脱をしようとする者が十五歳未満であるときは、法定代理人が代つてする。
第十二条 法務総裁は、帰化を許可したとき、又は国籍離脱の届出を受理したときは、官報にその旨を告示しなければならない。
2 帰化又は国籍の離脱は、前項の告示の日から効力を生ずる。
第十三条 前二条に定めるものの外、帰化及び国籍の離脱に関する手続は、法務総裁が定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十五年七月一日から施行する。
2 国籍法(明治三十二年法律第六十六号)は、廃止する。
3 この法律の施行前従前の国籍法の規定によつてした帰化の許可の申請又は国籍回復の許可の申請は、この法律の規定によつてした帰化の許可の申請とみなす。
4 この法律の施行前従前の国籍法の規定によつてした国籍離脱の許可の申請は、この法律の規定によつてした国籍離脱の届出とみなす。
5 この法律の施行前日本に帰化した者の子で従前の国籍法第十五条第一項の規定によつて日本の国籍を取得したものは、第六条第四号の規定の適用については、日本に帰化した者とみなす。この法律の施行前日本国民の養子又は入夫となつた者も、また、同様である。
法務総裁 殖田俊吉
外務大臣 吉田茂
内閣総理大臣 吉田茂