第一條 昭和十四年法律第七十八号(以下法という。)第一條第一項又は第二條第一項の規定によつて、社寺等に讓與又は賣拂をする國有財產は、左の各号の一に該当するものとする。
一、 本殿、拜殿、社務所、本堂、くり、会堂その他社寺等に必要な建物又は工作物の敷地に供する土地
七 歷史又は古記等によつて社寺等に特別の由緖ある土地
八 その社寺等において現に公益事業のため使用する土地
その社寺等の所属敎派若しくは宗派、その社寺等の主管者又はその社寺等が主宰する財團法人の経営する公益事業がその社寺等の経営に準ずるものと認められるときは、その事業のため現に使用する土地及びその定著物は、これを社寺等に讓與又は賣拂をすることができる。
第二條 法第一條第一項及び法第二條第一項に規定する國有財產で、國土保安その他公益上又は森林経営上國において特に必要があると認めるものは、國有として存置し、前條の規定にかかわらず、讓與又は賣拂をしない。
第三條 法第七條の規定による年賦延納は、賣拂代金の全額を一時に納付することが困難な場合に限り、これを認める。
年賦延納を認める場合には國債で延納金額に相当する担保を提供した場合を除いては、民法第三百二十五條第三号に規定する先取特権の登記をしなければならない。
第四條 法第七條の規定による代物弁済は、賣拂代金が十万円以上で、現金で納付することが著しく困難な場合に限り、これを認める。
代物弁済に充てようとする土地は、價額五万円以上で、担保権の設定なく、且つ管理又は処分上適当なものでなければならない。
代物弁済を認めた場合は、その土地について、所有権移轉の登記が完了したときに、弁済があつたものとみなす。
第五條 法第十三條第一項の規定による補償は、神社又は寺院が、この勅令施行の日から、一年內に、申請をしたとき、左の各号の定めるところにより、これを行う。
一 神社又は寺院の植栽した森林で、法第十二條の規定によつて部分林としないものについては、主務大臣の定めるところによつて、この勅令施行の日におけるその森林の立木竹の價額の十分の八の額を立木竹又は林產物で、その神社又は寺院に交付する。但し、その十分の八の額が植林又は植林上必要な施設のため、神社又は寺院が支出した金額に年五分の複利計算による利息の額を合算した額に達しないときは、その合算額を立木竹又は林產物で交付する。
二 神社又は寺院の植栽した森林以外の森林について、神社又は寺院が、林道又は砂防、防火その他の施設の新設改良したものについては、主務大臣の定めるところにより、その新設した施設の價値又は改良した部分の價値の現存するものに限り、この勅令施行の日におけるその評價額を立木竹又は林產物で、その神社又は寺院に交付する。但し、その評價額が、施設の新設改良費に年五分の複利計算による利息の額を合算した額を超えるときは、その合算額を限度とする。