参議院議員選挙法施行令
法令番号: 勅令第五十八号
公布年月日: 昭和22年2月24日
法令の形式: 勅令
朕は、枢密顧問の諮詢を経て、参議院議員選挙法施行令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年二月二十二日
內閣総理大臣 吉田茂
內務大臣 植原悅二郞
勅令第五十八号
参議院議員選挙法施行令目次
第一章
総則
第二章
投票
第三章
開票
第四章
選挙会及び選挙分会
第五章
議員候補者
第六章
選挙運動
第七章
選挙の施行に関する費用
第八章
学校等の設備の使用及びその使用による演說会の開催のために必要な施設の公営
第九章
経歷公報の発行
第十章
議員候補者の氏名等の揭示
第十一章
市町村の境界の変更があつた場合における選挙の施行
第十二章
補則
附則
参議院議員選挙法施行令
第一章 総則
第一條 被選挙人の年齢は、選挙の日によりこれを算定する。
第二條 全國選出議員選挙管理委員会は、委員長がこれを招集する。委員から委員会招集の請求があるときは、委員長は、これを招集しなければならない。
第三條 全國選出議員選挙管理委員会の委員長及び委員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件については、その議事に参與することができない。但し、委員会の同意を得たときは、会議に出席して発言することができる。
前項の規定により委員の数が減少して参議院議員選挙法第十七條第一項の数に達しないときは、委員長は、参議院議長の同意を得て、参議院議員の中から、臨時に委員の職務を行うべき者を選任しなければならない。
第二章 投票
第四條 市町村会議員選挙管理委員会は、選挙の期日の公示又は吿示があつたときは、直ちに選挙人名簿(投票区の区域と同一の区域により調製された選挙人名簿がない場合においては、選挙人名簿中投票区の区域に係る部分)を各投票管理者に送付しなければならない。
第五條 市町村会議員選挙管理委員会は、参議院議員の選挙権を有する者の中から、投票管理者に故障があるときこれを代理すべき者を予め選任して置かなければならない。
投票管理者及びその代理者に故障があるときは、市町村会議員選挙管理委員会の委員長は、市町村会議員選挙管理委員又は市町村会議員選挙管理委員会の書記の中から、臨時に投票管理者の職務を管掌すべき者を選任しなければならない。
投票管理者又はその代理者若しくはその職務を管掌すべき者を選任したときは、市町村会議員選挙管理委員会は、直ちにその住所氏名を吿示しなければならない。
第六條 点字による投票の拒否については、参議院議員選挙法第二十四條の例による。この場合においては、封筒に点字投票である旨の印を押して、交付しなければならない。
前項の規定により仮にさせた投票は、参議院議員選挙法第三十二條の規定の適用については、同法第二十四條第二項及び第四項の規定による投票とみなす。
第七條 投票に関する書類は、市町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第八條 都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第二十五條の規定により投票の期日を定めたときは、直ちにこれを吿示し、併せて投票管理者及び開票管理者に通知しなければならない。
第九條 都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第二十六條の規定により投票の期日を定めたときは、直ちにこれを投票管理者、開票管理者及び選挙長(全國選出議員の選挙については選挙分会長)に通知しなければならない。
第十條 参議院議員選挙法及びこの勅令その他同法に基いて発する命令に規定するものの外、投票については、衆議院議員の選挙の投票の例による。
第三章 開票
第十一條 数町村の区域を合せて設けた開票区にある場合においては、左の規定による。
一 開票管理者は、参議院議員の選挙権を有する者の中から、関係町村の町村会議員選挙管理委員会が協議してこれを選任しなければならない。その協議が調わないときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会がこれを選任しなければならない。
二 開票錄、投票錄及び投票は、関係町村の町村会議員選挙管理委員会の協議により定めた町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。その協議が調わないときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会の指定した町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第十二條 第五條の規定は、開票管理者及びその代理者にこれを準用する。
前條の開票区による場合においては、関係町村の町村会議員選挙管理委員会は、その協議により、参議院議員の選挙権を有する者の中から、開票管理者に故障があるときこれを代理すべき者を予め選任して置かなければならない。その協議が調わないときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会がこれを選任しなければならない。
前條の開票区による場合においては、開票管理者及びその代理者に故障があるときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会の委員長は、関係町村の町村会議員選挙管理委員又は町村会議員選挙管理委員会の書記の中から、臨時に開票管理者の職務を管掌すべき者を選任しなければならない。
第十三條 都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第三十二條第二項の規定により、投票点檢の区域を定めたときは、直ちにこれを吿示しなければならない。
第十四條 開票管理者は、参議院議員選挙法第三十二條第三項の報吿をするときは、同時に開票錄の謄本を送付しなければならない。
開票管理者は、前項の報吿をした後直ちに投票管理者から送付された選挙人名簿を関係町村の町村会議員選挙管理委員会に返付しなければならない。
第十五條 開票に関する書類は、市町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。この場合においては、第十一條第二号の規定を準用する。
第十六條 都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第三十七條の規定により開票の期日を定めたときは、直ちにこれを開票管理者及び選挙長(全國選出議員の選挙については選挙分会長)に通知しなければならない。
第十七條 参議院議員選挙法及びこの勅令その他同法に基いて発する命令に規定するものの外、開票については、衆議院議員の選挙の開票の例による。
第四章 選挙会及び選挙分会
第十八條 都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、参議院議員の選挙権を有する者の中から、選挙長に故障があるときこれを代理すべき者を予め選任して置かなければならない。
選挙長及びその代理者に故障があるときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会の委員長は、都議会議員選挙管理委員若しくは道府縣会議員選挙管理委員又は都議会議員選挙管理委員会若しくは道府縣会議員選挙管理委員会の書記の中から、臨時に選挙長の職務を管掌すべき者を選任しなければならない。
選挙長又はその代理者若しくはその職務を管掌すべき者を選任したときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、直ちにその住所氏名を吿示しなければならない。
第十九條 選挙会に関する書類は、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第二十條 都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第四十四條の規定により選挙会の期日を定めたときは、直ちにこれを選挙長に通知しなければならない。
第二十一條 前三條の規定は、全國選出議員の選挙の選挙分会又は選挙会についてこれを準用する。但し、前條中「第四十四條」とあるのは、選挙分会については「第四十八條」、選挙会については「第五十三條」と読み替えるものとする。
第二十二條 参議院議員選挙法及びこの勅令その他同法に基いて発する命令に規定するものの外、選挙会及び選挙分会については、衆議院議員の選挙の選挙会の例による。
第五章 議員候補者
第二十三條 議員候補者の届出又は推薦届出は、文書を以てこれをなし、議員候補者たるべき者の氏名、党派別、職業、住所及び生年月日(推薦届出の場合においては併せて推薦届出者の氏名、住所及び生年月日)を記載し、且つ、参議院議員選挙法第五十五條第一項の供託をしたことを証すべき書面を添附しなければならない。
議員候補者たることを辞することの届出は、文書を以てこれをなし、その被選挙権を有しなくなつたため選挙の期日前十日以內に議員候補者たることを辞する場合においては、その事由を記載しなければならない。
第二十四條 議員候補者の届出又は推薦届出があつたときは、選挙長は、直ちに議員候補者の氏名、党派別、職業、住所、生年月日その他必要な事項を市町村会議員選挙管理委員会(全國選出議員については都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会)及び議員候補者が住所を有する地の市町村長に通知しなければならない。
全國選出議員の選挙について前項の通知があつたときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、直ちにこれを選挙分会長及び市町村会議員選挙管理委員会に通知しなければならない。
議員候補者の住所を有する地の市町村長は、当該議員候補者が死亡したときは、直ちにその旨を選挙長に通知しなければならない。
選挙長は、議員候補者が議員候補者たることを辞したとき、又はその死亡したことを知つたときは、直ちにその旨を市町村会議員選挙管理委員会(全國選出議員については都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会)に通知しなければならない。この場合においては、第二項の規定を準用する。
数町村の区域を合せて設けた開票区による場合においては、第一項(全國選出議員については第二項)及び前項の通知は、併せてその開票区の開票管理者にこれをしなければならない。
第一項、第二項又は第四項の通知を受けたときは、市町村会議員選挙管理委員会は、直ちに投票管理者及び開票管理者(数町村の区域を合せて設けた開票区の開票管理者を除く。)にこれを通知しなければならない。
第二十五條 議員候補者が選挙の期日前十一日までに議員候補者たることを辞したとき、選挙の期日における投票所を開くべき時刻までに死亡したとき、若しくは被選挙権を有しなくなつたため議員候補者たることを辞したとき、又は選挙が全部無効となつたときは、直ちに参議院議員選挙法第五十五條第一項の供託物の還付を請求することができる。
議員候補者の得票数が参議院議員選挙法第五十五條第二項の規定に該当しないものであるとき、又は議員候補者が同法第五十八條の規定の適用を受けたものであるときは、その選挙及び当選の効力が確定した後、直ちに同法第五十五條第一項の供託物の還付を請求することができる。
第六章 選挙運動
第二十六條 参議院議員選挙法第七十九條の規定による届出で左の各号に定める選挙の期日以前における選挙運動に関する收入及び選挙運動の費用に関するものは、当該各号の定める期間內にこれをしなければならない。
一 立候補の届出前の收入及び費用については、立候補の届出のあつた日から三日間內
二 立候補の届出の收入及び費用については、立候補の届出の日以後選挙の期日前十一日までのものはその日から三日以內、選挙の期日前十日以後四日までのものはその日から二日以內
第二十七條 参議院議員選挙法第八十條の規定による届出で選挙の期日以前における選挙運動に関する收入及び選挙運動の費用に関するものは、選挙の期日の公示又は吿示の日前の收入及び費用については、選挙の期日の公示又は吿示のあつた日から十日以內に、選挙の期日の公示又は吿示の日以後の收入及び費用については、選挙の期日の公示又は吿示の日以後十日ごとにその期間內のものを計算し、その日から五日以內に、これをしなければならない。但し、最後の期間內の收入及び費用に関する届出は、第二十八條の届出を以てこれに代えることができる。
第二十八條 参議院議員選挙法第七十九條又は第八十條の規定による届出で選挙の期日の経過後における選挙運動に関する收入及び選挙運動の費用に関するものは、その收入及び費用を選挙の期日以前における收入及び費用と併せて精算し、選挙の期日から十五日以內にこれをしなければならない。
第二十九條 二以上の選挙を同時に又は引き続いて行う場合において、いずれの選挙のための選挙運動に関する收入及び選挙運動の費用であるかを区分し難いときは、参議院議員選挙法第八十條の規定による届出は、その收入及び費用を併せて、前二條の例により、これを届け出なければならない。但し、その届出については、最初に選挙の期日の公示又は吿示のあつた日から最後の選挙の期日までの間を選挙の期間として取り扱うものとする。
第三十條 衆議院議員選挙法第八十一條の規定による公表は、內務大臣又は全國選出議員選挙管理委員会にあつては官報により、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会にあつてはその定める吿示の方法により、前四條の規定による届出を受理した日から三日以內にこれをしなければならない。
前項の公表は、同項に定める方法による外、なお、選挙人に周知させ易い方法で関係区域內にこれを行わなければならない。
前項の規定による公表の方法は、內務大臣、都議会議員選挙管理委員会若しくは道府縣会議員選挙管理委員会又は全國選出議員選挙管理委員会がこれを定め、選挙の期日の公示又は吿示のあつた後、直ちにこれを吿示しなければならない。
第三十一條 第二十六條乃至第二十九條の規定による届出は、內務大臣の定める樣式によらなければならない。
第三十二條 参議院議員選挙法第八十二條第二項の規定による閱覽の請求及びその方法に関し必要な事項は、內務大臣、都議会議員選挙管理委員会若しくは道府縣会議員選挙管理委員会又は全國選出議員選挙管理委員会がこれを定め、第三十條第三項の規定による吿示とともに、これを吿示しなければならない。
第三十三條 選挙運動に関する收入については、支出責任者において帳簿を備え、收入金額(財產上の利益についてはこれを時價に見積つた金額)、收入の種類、寄附者の住所及び氏名又は名称その他届出に必要な事項を記載して置かなければならない。
立候補準備のために要した費用の精算、選挙運動の費用に関する帳簿及びその記載並びに支出を証すべき書面の徵取については、衆議院議員の選挙におけるこれらの場合に関する例による。
選挙運動に関する收入及び選挙運動の費用に関する事務引継については、衆議院議員の選挙における選挙運動の費用に関する事務引継の例による。
選挙運動に関する收入及び選挙運動の費用に関する帳簿及び書類は、支出責任者において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第七章 選挙の施行に関する費用
第三十四條 投票管理者、開票管理者、選挙分会長及び選挙長並びに投票立会人、開票立会人及び選挙立会人には、職務のため要する費用を支給する。
前項の費用の額は、內務大臣がこれを定める。
第三十五條 学校又は第三十九條の規定による営造物(以下本章中学校等という。)の設備の使用による演說会の開催のために必要な施設の公営に要する費用は、学校等の設備ごとに、議員候補者一人につき一回の公営の分を限り、國庫の負担とする。
前項の規定により國庫の負担すべき費用の額は、官立学校に関するものを除く外、学校等の設備の管理者の定めた費用の額(当該管理者に代り都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会が定めた費用の額を含む。)により、國庫から当該公共團体又は当該学校の所有者に対してこれを交付する。
第三十六條 学校等の設備の使用による演說会の開催のために必要な施設の公営に要する費用は、前條第一項の規定により國庫の負担に属する場合を除く外、その申請者の負担とし、申請者が学校等の設備の管理者に納付した納付金は、当該公共團体又は当該学校の所有者の收入とする。
第三十七條 学校等の設備の使用による演說会の開催のために必要な施設の公営に要する費用は、当該公共團体又は当該学校の所有者の経済を以てこれを経理しなければならない。
第三十八條 左に揭げる費用は、國庫の負担とする。
一 投票の用紙及び封筒、特別投票者証明書及びその封筒、投票箱並びに点字器の調製に要する費用
二 選挙事務のため全國選出議員選挙管理委員会、都議会議員選挙管理委員会、道府縣会議員選挙管理委員会、市町村会議員選挙管理委員会、選挙長、選挙分会長、開票管理者又は投票管理者において要する費用
三 選挙会場、選挙分会場、開票所又は投票所に要する費用
四 参議院議員選挙法第二十八條の規定により選挙の当日自ら投票所に行き投票をすることができないことを証明する者が行う投票に関する選挙事務のため投票管理者又は特別投票管理者において要する費用及びその投票記載の場所に要する費用
五 第三十四條第一項の規定による費用
六 経歷公報の発行に要する費用
七 参議院議員選挙法第九十條第四項の規定による掲示に要する費用
第八章 学校等の設備の使用及びその使用による演說会の開催のために必要な施設の公営
第三十九條 この勅令に規定するものの外、参議院議員選挙法第九十條第一項及び第二項の規定による学校その他の営造物の設備の使用及びその使用による演說会の開催のために必要な施設の公営については、衆議院議員の選挙における公立学校等の設備の使用及びその使用による演說会の開催のために必要な施設の公営の例による。
第九章 経歷公報の発行
第四十條 参議院議員選挙法第九十條第三項の規定による文書(これを経歷公報という。)は、選挙(選挙の一部が無効となり更に行う選挙を除く。)ごとに一回これを発行しなければならない。
第四十一條 経歷公報は、選挙区ごとに(全國選出議員については全都道府縣の区域を通じて)これを発行しなければならない。
特別の事情がある区域に関しては、経歷公報は、これを発行しない。
前項の規定により経歷公報を発行しない区域は、內務大臣がこれを定める。
第四十二條 議員候補者が経歷公報に氏名、経歷等の揭載を受けようとするときは、選挙の期日前二十日までに、その揭載文を具し、文書を以て、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会(全國選出議員については全國選出議員選挙管理委員会)にこれを申請しなければならない。
前項の揭載文は、字数二百を超えることができない。
第四十三條 全國選出議員について前條第一項の申請があつたときは、全國選出議員選挙管理委員会は、その揭載文(揭載文の字数が同條第二項の制限を超えるときはその制限內の揭載文)の写二通を選挙の期日前十日までに都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会に送付しなければならない。
第四十四條 第四十二條第一項の申請又は前條の揭載文の写の送付があつたときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、揭載文又はその写を原文のまま経歷公報に揭載しなければならない。
第四十二條第一項の揭載文の字数が同條第二項の制限を超えるときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会は、その超過する部分を経歷公報に揭載しないものとする。
第四十五條 地方選出議員の議員候補者の経歷公報と全國選出議員の議員候補者の経歷公報は、これを別の用紙を以て発行しなければならない。
一の用紙に二人以上の地方選出議員の議員候補者又は全國選出議員の議員候補者の氏名、経歷等を揭載する場合においては、その揭載の順序は、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会がくじでこれを定める。
第四十二條第一項の申請をした議員候補者又はその代人は、前項のくじに立ち会うことができる。
第四十六條 経歷公報の配布は、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会の定めるところにより、当該都道府縣における選挙人名簿に記載された者の属する世帶に対して、これを行う。
第四十七條 参議院議員選挙法第五十八條第一項及びこれを準用する同法第六十九條の規定により投票を行うことを必要としなくなつたときは、経歷公報の発行の手続は、これを中止する。
第四十八條 天災その他避けることのできない事故に因り第四十三條第一項の期限までに揭載文の写の送付がないときその他特別の事情があるときは、当該都道府縣の全部又は一部の区域における関係経歷公報の発行の手続き、これを中止する。
第四十九條 本章に定めるものの外、経歷公報の発行の手続に関し必要な事項は、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会(全國選出議員については全國選出議員選挙管理委員会)がこれを定める。
第十章 議員候補者の氏名等の揭示
第五十條 参議院議員選挙法第九十條第四項の規定による議員候補者の氏名等の揭示(以下揭示という。)は、投票所の入口その他公衆の見易い場所を選び、一投票区につき一箇所以上に、これをしなければならない。
第五十一條 揭示に揭載すべき事項は、議員候補者の氏名及び党派別に限る。
第五十二條 揭示は、選挙の期日前十日から選挙の当日までこれを行う。
揭示は、地方選出議員に関するものと全國選出議員に関するものを区分してこれを行わなければならない。
揭載の順序は、選挙の期日前十一日までに第二十四條第一項又は第二項の規定による通知のあつた議員候補者については、市町村会議員選挙管理委員会がくじでこれを定め、選挙の期日前十日以後に通知のあつた議員候補者については、通知の到達順により、その到達が同時であるときはくじでこれを定める。
議員候補者又はその代人は、前項のくじに立ち会うことができる。
第五十三條 市町村会議員選挙管理委員会は、揭示をした後第二十四條第四項の規定による通知を受けたときは、揭示中その通知に係る議員候補者に関する部分を抹消しなければならない。
第五十四條 本章の定めるものの外、揭示に関し必要な事項は、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会がこれを定める。
第十一章 市町村の境界の変更があつた場合における選挙の施行
第五十五條 都府縣の境界にわたつて境界の変更があつた市町村において行う参議院議員選挙法第六十二條若しくは第六十八條又は第七十一條の選挙については、同法第二條の投票区又は開票区の区域は、最近に通常選挙の行われた投票区又は開票区の区域とし、選挙に関する事務を管理すべき市町村会議員選挙管理委員会は、関係市町村会議員選挙管理委員会が二以上あるときは、その中から都議会議員選挙管理委員会又は府縣会議員選挙管理委員会が指定したものとする。
前項の選挙に関する事務を管理すべき都議会議員選挙管理委員会又は府縣会議員選挙管理委員会は、その異動のあつた区域が、最近の通常選挙の際属した都府縣の都議会議員選挙管理委員会又は府縣会議員選挙管理委員会とする。
第五十六條 前條の選挙を行う場合においては、関係市町村会議員選挙管理委員会は、選挙前、選挙人名簿中市町村の境界の変更に因り異動があつた区域に係る部分を投票管理者に送付しなければならない。
第五十七條 第五十五條の選挙に関する費用で第三十五條乃至第三十七條の規定により難いものについては、內務大臣の定めるところによる。
第五十八條 左の場合において選挙又は投票を行うべき区域の境界にわたつて市町村の境界の変更があつたときは、その選挙又は投票については、前三條の規定を準用する。
一 選挙の一部が無効となり更に選挙を行うとき(市町村の境界の変更が都府縣の境界にわたる場合を除く。)
二 参議院議員選挙法第二十六條の投票を行うとき
第十二章 補則
第五十九條 参議院議員選挙法第九十一條の規定は、この勅令の適用についてこれを準用する。
附 則
第一條 この勅令は、参議院議員選挙法施行の日から、これを施行する。
第二條 全國選出議員選挙管理委員会を初めて招集する場合においては、第二條の規定による選挙管理委員会の委員長の職務は、內務大臣がこれを行うものとする。
第三條第二項中「参議院議長」又は「参議院議員」とあるのは、参議院が成立するに至るまでの間は、「衆議院議長」又は「衆議院議員」と読み替えるものとする。
第三條 参議院議員選挙法第二十八條の規定により選挙の当日自ら投票所に行き投票をすることができないことを証明する者が行う投票においては、特別投票管理者は、第十條の規定にかかわらず、当分の間、参議院議員の選挙権を有する者をしてこれに立ち会わしめなければならない。
第四條 第三十九條の場合においては、同條の規定にかかわらず、当分の間、学校その他の営造物の設備の使用及びその使用による演說会の開催のために必要な施設の公営に関する地方長官の職権は、都道府縣立学校管理者たる地方長官の職権を除く外、都議会議員選挙管理委員会又は道府縣会議員選挙管理委員会がこれを行い、官立学校については、学校管理者の職権は、官立学校長がこれを行う。
第五條 参議院議員選挙法施行令の一部を次のように改正する。
第十四條 投票函ハ其ノ蓋ニ各〻異レル二以上ノ鍵ヲ設ケ能フ限リ堅固ナルモノトスベシ
第十五條中「示シタル後內蓋ヲ鎖スベシ」を「示スベシ」に改める。
第二十二條中「內蓋ノ投票口及外」を削り、「其ノ內蓋ノ鑰」を「一ノ鍵」に、「外蓋ノ鑰」を「他ノ鍵」に改める。
朕は、枢密顧問の諮詢を経て、参議院議員選挙法施行令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年二月二十二日
内閣総理大臣 吉田茂
内務大臣 植原悦二郎
勅令第五十八号
参議院議員選挙法施行令目次
第一章
総則
第二章
投票
第三章
開票
第四章
選挙会及び選挙分会
第五章
議員候補者
第六章
選挙運動
第七章
選挙の施行に関する費用
第八章
学校等の設備の使用及びその使用による演説会の開催のために必要な施設の公営
第九章
経歴公報の発行
第十章
議員候補者の氏名等の掲示
第十一章
市町村の境界の変更があつた場合における選挙の施行
第十二章
補則
附則
参議院議員選挙法施行令
第一章 総則
第一条 被選挙人の年齢は、選挙の日によりこれを算定する。
第二条 全国選出議員選挙管理委員会は、委員長がこれを招集する。委員から委員会招集の請求があるときは、委員長は、これを招集しなければならない。
第三条 全国選出議員選挙管理委員会の委員長及び委員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件については、その議事に参与することができない。但し、委員会の同意を得たときは、会議に出席して発言することができる。
前項の規定により委員の数が減少して参議院議員選挙法第十七条第一項の数に達しないときは、委員長は、参議院議長の同意を得て、参議院議員の中から、臨時に委員の職務を行うべき者を選任しなければならない。
第二章 投票
第四条 市町村会議員選挙管理委員会は、選挙の期日の公示又は告示があつたときは、直ちに選挙人名簿(投票区の区域と同一の区域により調製された選挙人名簿がない場合においては、選挙人名簿中投票区の区域に係る部分)を各投票管理者に送付しなければならない。
第五条 市町村会議員選挙管理委員会は、参議院議員の選挙権を有する者の中から、投票管理者に故障があるときこれを代理すべき者を予め選任して置かなければならない。
投票管理者及びその代理者に故障があるときは、市町村会議員選挙管理委員会の委員長は、市町村会議員選挙管理委員又は市町村会議員選挙管理委員会の書記の中から、臨時に投票管理者の職務を管掌すべき者を選任しなければならない。
投票管理者又はその代理者若しくはその職務を管掌すべき者を選任したときは、市町村会議員選挙管理委員会は、直ちにその住所氏名を告示しなければならない。
第六条 点字による投票の拒否については、参議院議員選挙法第二十四条の例による。この場合においては、封筒に点字投票である旨の印を押して、交付しなければならない。
前項の規定により仮にさせた投票は、参議院議員選挙法第三十二条の規定の適用については、同法第二十四条第二項及び第四項の規定による投票とみなす。
第七条 投票に関する書類は、市町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第八条 都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第二十五条の規定により投票の期日を定めたときは、直ちにこれを告示し、併せて投票管理者及び開票管理者に通知しなければならない。
第九条 都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第二十六条の規定により投票の期日を定めたときは、直ちにこれを投票管理者、開票管理者及び選挙長(全国選出議員の選挙については選挙分会長)に通知しなければならない。
第十条 参議院議員選挙法及びこの勅令その他同法に基いて発する命令に規定するものの外、投票については、衆議院議員の選挙の投票の例による。
第三章 開票
第十一条 数町村の区域を合せて設けた開票区にある場合においては、左の規定による。
一 開票管理者は、参議院議員の選挙権を有する者の中から、関係町村の町村会議員選挙管理委員会が協議してこれを選任しなければならない。その協議が調わないときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会がこれを選任しなければならない。
二 開票録、投票録及び投票は、関係町村の町村会議員選挙管理委員会の協議により定めた町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。その協議が調わないときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会の指定した町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第十二条 第五条の規定は、開票管理者及びその代理者にこれを準用する。
前条の開票区による場合においては、関係町村の町村会議員選挙管理委員会は、その協議により、参議院議員の選挙権を有する者の中から、開票管理者に故障があるときこれを代理すべき者を予め選任して置かなければならない。その協議が調わないときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会がこれを選任しなければならない。
前条の開票区による場合においては、開票管理者及びその代理者に故障があるときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会の委員長は、関係町村の町村会議員選挙管理委員又は町村会議員選挙管理委員会の書記の中から、臨時に開票管理者の職務を管掌すべき者を選任しなければならない。
第十三条 都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第三十二条第二項の規定により、投票点検の区域を定めたときは、直ちにこれを告示しなければならない。
第十四条 開票管理者は、参議院議員選挙法第三十二条第三項の報告をするときは、同時に開票録の謄本を送付しなければならない。
開票管理者は、前項の報告をした後直ちに投票管理者から送付された選挙人名簿を関係町村の町村会議員選挙管理委員会に返付しなければならない。
第十五条 開票に関する書類は、市町村会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。この場合においては、第十一条第二号の規定を準用する。
第十六条 都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第三十七条の規定により開票の期日を定めたときは、直ちにこれを開票管理者及び選挙長(全国選出議員の選挙については選挙分会長)に通知しなければならない。
第十七条 参議院議員選挙法及びこの勅令その他同法に基いて発する命令に規定するものの外、開票については、衆議院議員の選挙の開票の例による。
第四章 選挙会及び選挙分会
第十八条 都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、参議院議員の選挙権を有する者の中から、選挙長に故障があるときこれを代理すべき者を予め選任して置かなければならない。
選挙長及びその代理者に故障があるときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会の委員長は、都議会議員選挙管理委員若しくは道府県会議員選挙管理委員又は都議会議員選挙管理委員会若しくは道府県会議員選挙管理委員会の書記の中から、臨時に選挙長の職務を管掌すべき者を選任しなければならない。
選挙長又はその代理者若しくはその職務を管掌すべき者を選任したときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、直ちにその住所氏名を告示しなければならない。
第十九条 選挙会に関する書類は、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第二十条 都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、参議院議員選挙法第四十四条の規定により選挙会の期日を定めたときは、直ちにこれを選挙長に通知しなければならない。
第二十一条 前三条の規定は、全国選出議員の選挙の選挙分会又は選挙会についてこれを準用する。但し、前条中「第四十四条」とあるのは、選挙分会については「第四十八条」、選挙会については「第五十三条」と読み替えるものとする。
第二十二条 参議院議員選挙法及びこの勅令その他同法に基いて発する命令に規定するものの外、選挙会及び選挙分会については、衆議院議員の選挙の選挙会の例による。
第五章 議員候補者
第二十三条 議員候補者の届出又は推薦届出は、文書を以てこれをなし、議員候補者たるべき者の氏名、党派別、職業、住所及び生年月日(推薦届出の場合においては併せて推薦届出者の氏名、住所及び生年月日)を記載し、且つ、参議院議員選挙法第五十五条第一項の供託をしたことを証すべき書面を添附しなければならない。
議員候補者たることを辞することの届出は、文書を以てこれをなし、その被選挙権を有しなくなつたため選挙の期日前十日以内に議員候補者たることを辞する場合においては、その事由を記載しなければならない。
第二十四条 議員候補者の届出又は推薦届出があつたときは、選挙長は、直ちに議員候補者の氏名、党派別、職業、住所、生年月日その他必要な事項を市町村会議員選挙管理委員会(全国選出議員については都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会)及び議員候補者が住所を有する地の市町村長に通知しなければならない。
全国選出議員の選挙について前項の通知があつたときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、直ちにこれを選挙分会長及び市町村会議員選挙管理委員会に通知しなければならない。
議員候補者の住所を有する地の市町村長は、当該議員候補者が死亡したときは、直ちにその旨を選挙長に通知しなければならない。
選挙長は、議員候補者が議員候補者たることを辞したとき、又はその死亡したことを知つたときは、直ちにその旨を市町村会議員選挙管理委員会(全国選出議員については都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会)に通知しなければならない。この場合においては、第二項の規定を準用する。
数町村の区域を合せて設けた開票区による場合においては、第一項(全国選出議員については第二項)及び前項の通知は、併せてその開票区の開票管理者にこれをしなければならない。
第一項、第二項又は第四項の通知を受けたときは、市町村会議員選挙管理委員会は、直ちに投票管理者及び開票管理者(数町村の区域を合せて設けた開票区の開票管理者を除く。)にこれを通知しなければならない。
第二十五条 議員候補者が選挙の期日前十一日までに議員候補者たることを辞したとき、選挙の期日における投票所を開くべき時刻までに死亡したとき、若しくは被選挙権を有しなくなつたため議員候補者たることを辞したとき、又は選挙が全部無効となつたときは、直ちに参議院議員選挙法第五十五条第一項の供託物の還付を請求することができる。
議員候補者の得票数が参議院議員選挙法第五十五条第二項の規定に該当しないものであるとき、又は議員候補者が同法第五十八条の規定の適用を受けたものであるときは、その選挙及び当選の効力が確定した後、直ちに同法第五十五条第一項の供託物の還付を請求することができる。
第六章 選挙運動
第二十六条 参議院議員選挙法第七十九条の規定による届出で左の各号に定める選挙の期日以前における選挙運動に関する収入及び選挙運動の費用に関するものは、当該各号の定める期間内にこれをしなければならない。
一 立候補の届出前の収入及び費用については、立候補の届出のあつた日から三日間内
二 立候補の届出の収入及び費用については、立候補の届出の日以後選挙の期日前十一日までのものはその日から三日以内、選挙の期日前十日以後四日までのものはその日から二日以内
第二十七条 参議院議員選挙法第八十条の規定による届出で選挙の期日以前における選挙運動に関する収入及び選挙運動の費用に関するものは、選挙の期日の公示又は告示の日前の収入及び費用については、選挙の期日の公示又は告示のあつた日から十日以内に、選挙の期日の公示又は告示の日以後の収入及び費用については、選挙の期日の公示又は告示の日以後十日ごとにその期間内のものを計算し、その日から五日以内に、これをしなければならない。但し、最後の期間内の収入及び費用に関する届出は、第二十八条の届出を以てこれに代えることができる。
第二十八条 参議院議員選挙法第七十九条又は第八十条の規定による届出で選挙の期日の経過後における選挙運動に関する収入及び選挙運動の費用に関するものは、その収入及び費用を選挙の期日以前における収入及び費用と併せて精算し、選挙の期日から十五日以内にこれをしなければならない。
第二十九条 二以上の選挙を同時に又は引き続いて行う場合において、いずれの選挙のための選挙運動に関する収入及び選挙運動の費用であるかを区分し難いときは、参議院議員選挙法第八十条の規定による届出は、その収入及び費用を併せて、前二条の例により、これを届け出なければならない。但し、その届出については、最初に選挙の期日の公示又は告示のあつた日から最後の選挙の期日までの間を選挙の期間として取り扱うものとする。
第三十条 衆議院議員選挙法第八十一条の規定による公表は、内務大臣又は全国選出議員選挙管理委員会にあつては官報により、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会にあつてはその定める告示の方法により、前四条の規定による届出を受理した日から三日以内にこれをしなければならない。
前項の公表は、同項に定める方法による外、なお、選挙人に周知させ易い方法で関係区域内にこれを行わなければならない。
前項の規定による公表の方法は、内務大臣、都議会議員選挙管理委員会若しくは道府県会議員選挙管理委員会又は全国選出議員選挙管理委員会がこれを定め、選挙の期日の公示又は告示のあつた後、直ちにこれを告示しなければならない。
第三十一条 第二十六条乃至第二十九条の規定による届出は、内務大臣の定める様式によらなければならない。
第三十二条 参議院議員選挙法第八十二条第二項の規定による閲覧の請求及びその方法に関し必要な事項は、内務大臣、都議会議員選挙管理委員会若しくは道府県会議員選挙管理委員会又は全国選出議員選挙管理委員会がこれを定め、第三十条第三項の規定による告示とともに、これを告示しなければならない。
第三十三条 選挙運動に関する収入については、支出責任者において帳簿を備え、収入金額(財産上の利益についてはこれを時価に見積つた金額)、収入の種類、寄附者の住所及び氏名又は名称その他届出に必要な事項を記載して置かなければならない。
立候補準備のために要した費用の精算、選挙運動の費用に関する帳簿及びその記載並びに支出を証すべき書面の徴取については、衆議院議員の選挙におけるこれらの場合に関する例による。
選挙運動に関する収入及び選挙運動の費用に関する事務引継については、衆議院議員の選挙における選挙運動の費用に関する事務引継の例による。
選挙運動に関する収入及び選挙運動の費用に関する帳簿及び書類は、支出責任者において、議員の任期間これを保存しなければならない。
第七章 選挙の施行に関する費用
第三十四条 投票管理者、開票管理者、選挙分会長及び選挙長並びに投票立会人、開票立会人及び選挙立会人には、職務のため要する費用を支給する。
前項の費用の額は、内務大臣がこれを定める。
第三十五条 学校又は第三十九条の規定による営造物(以下本章中学校等という。)の設備の使用による演説会の開催のために必要な施設の公営に要する費用は、学校等の設備ごとに、議員候補者一人につき一回の公営の分を限り、国庫の負担とする。
前項の規定により国庫の負担すべき費用の額は、官立学校に関するものを除く外、学校等の設備の管理者の定めた費用の額(当該管理者に代り都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会が定めた費用の額を含む。)により、国庫から当該公共団体又は当該学校の所有者に対してこれを交付する。
第三十六条 学校等の設備の使用による演説会の開催のために必要な施設の公営に要する費用は、前条第一項の規定により国庫の負担に属する場合を除く外、その申請者の負担とし、申請者が学校等の設備の管理者に納付した納付金は、当該公共団体又は当該学校の所有者の収入とする。
第三十七条 学校等の設備の使用による演説会の開催のために必要な施設の公営に要する費用は、当該公共団体又は当該学校の所有者の経済を以てこれを経理しなければならない。
第三十八条 左に掲げる費用は、国庫の負担とする。
一 投票の用紙及び封筒、特別投票者証明書及びその封筒、投票箱並びに点字器の調製に要する費用
二 選挙事務のため全国選出議員選挙管理委員会、都議会議員選挙管理委員会、道府県会議員選挙管理委員会、市町村会議員選挙管理委員会、選挙長、選挙分会長、開票管理者又は投票管理者において要する費用
三 選挙会場、選挙分会場、開票所又は投票所に要する費用
四 参議院議員選挙法第二十八条の規定により選挙の当日自ら投票所に行き投票をすることができないことを証明する者が行う投票に関する選挙事務のため投票管理者又は特別投票管理者において要する費用及びその投票記載の場所に要する費用
五 第三十四条第一項の規定による費用
六 経歴公報の発行に要する費用
七 参議院議員選挙法第九十条第四項の規定による掲示に要する費用
第八章 学校等の設備の使用及びその使用による演説会の開催のために必要な施設の公営
第三十九条 この勅令に規定するものの外、参議院議員選挙法第九十条第一項及び第二項の規定による学校その他の営造物の設備の使用及びその使用による演説会の開催のために必要な施設の公営については、衆議院議員の選挙における公立学校等の設備の使用及びその使用による演説会の開催のために必要な施設の公営の例による。
第九章 経歴公報の発行
第四十条 参議院議員選挙法第九十条第三項の規定による文書(これを経歴公報という。)は、選挙(選挙の一部が無効となり更に行う選挙を除く。)ごとに一回これを発行しなければならない。
第四十一条 経歴公報は、選挙区ごとに(全国選出議員については全都道府県の区域を通じて)これを発行しなければならない。
特別の事情がある区域に関しては、経歴公報は、これを発行しない。
前項の規定により経歴公報を発行しない区域は、内務大臣がこれを定める。
第四十二条 議員候補者が経歴公報に氏名、経歴等の掲載を受けようとするときは、選挙の期日前二十日までに、その掲載文を具し、文書を以て、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会(全国選出議員については全国選出議員選挙管理委員会)にこれを申請しなければならない。
前項の掲載文は、字数二百を超えることができない。
第四十三条 全国選出議員について前条第一項の申請があつたときは、全国選出議員選挙管理委員会は、その掲載文(掲載文の字数が同条第二項の制限を超えるときはその制限内の掲載文)の写二通を選挙の期日前十日までに都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会に送付しなければならない。
第四十四条 第四十二条第一項の申請又は前条の掲載文の写の送付があつたときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、掲載文又はその写を原文のまま経歴公報に掲載しなければならない。
第四十二条第一項の掲載文の字数が同条第二項の制限を超えるときは、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会は、その超過する部分を経歴公報に掲載しないものとする。
第四十五条 地方選出議員の議員候補者の経歴公報と全国選出議員の議員候補者の経歴公報は、これを別の用紙を以て発行しなければならない。
一の用紙に二人以上の地方選出議員の議員候補者又は全国選出議員の議員候補者の氏名、経歴等を掲載する場合においては、その掲載の順序は、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会がくじでこれを定める。
第四十二条第一項の申請をした議員候補者又はその代人は、前項のくじに立ち会うことができる。
第四十六条 経歴公報の配布は、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会の定めるところにより、当該都道府県における選挙人名簿に記載された者の属する世帯に対して、これを行う。
第四十七条 参議院議員選挙法第五十八条第一項及びこれを準用する同法第六十九条の規定により投票を行うことを必要としなくなつたときは、経歴公報の発行の手続は、これを中止する。
第四十八条 天災その他避けることのできない事故に因り第四十三条第一項の期限までに掲載文の写の送付がないときその他特別の事情があるときは、当該都道府県の全部又は一部の区域における関係経歴公報の発行の手続き、これを中止する。
第四十九条 本章に定めるものの外、経歴公報の発行の手続に関し必要な事項は、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会(全国選出議員については全国選出議員選挙管理委員会)がこれを定める。
第十章 議員候補者の氏名等の掲示
第五十条 参議院議員選挙法第九十条第四項の規定による議員候補者の氏名等の掲示(以下掲示という。)は、投票所の入口その他公衆の見易い場所を選び、一投票区につき一箇所以上に、これをしなければならない。
第五十一条 掲示に掲載すべき事項は、議員候補者の氏名及び党派別に限る。
第五十二条 掲示は、選挙の期日前十日から選挙の当日までこれを行う。
掲示は、地方選出議員に関するものと全国選出議員に関するものを区分してこれを行わなければならない。
掲載の順序は、選挙の期日前十一日までに第二十四条第一項又は第二項の規定による通知のあつた議員候補者については、市町村会議員選挙管理委員会がくじでこれを定め、選挙の期日前十日以後に通知のあつた議員候補者については、通知の到達順により、その到達が同時であるときはくじでこれを定める。
議員候補者又はその代人は、前項のくじに立ち会うことができる。
第五十三条 市町村会議員選挙管理委員会は、掲示をした後第二十四条第四項の規定による通知を受けたときは、掲示中その通知に係る議員候補者に関する部分を抹消しなければならない。
第五十四条 本章の定めるものの外、掲示に関し必要な事項は、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会がこれを定める。
第十一章 市町村の境界の変更があつた場合における選挙の施行
第五十五条 都府県の境界にわたつて境界の変更があつた市町村において行う参議院議員選挙法第六十二条若しくは第六十八条又は第七十一条の選挙については、同法第二条の投票区又は開票区の区域は、最近に通常選挙の行われた投票区又は開票区の区域とし、選挙に関する事務を管理すべき市町村会議員選挙管理委員会は、関係市町村会議員選挙管理委員会が二以上あるときは、その中から都議会議員選挙管理委員会又は府県会議員選挙管理委員会が指定したものとする。
前項の選挙に関する事務を管理すべき都議会議員選挙管理委員会又は府県会議員選挙管理委員会は、その異動のあつた区域が、最近の通常選挙の際属した都府県の都議会議員選挙管理委員会又は府県会議員選挙管理委員会とする。
第五十六条 前条の選挙を行う場合においては、関係市町村会議員選挙管理委員会は、選挙前、選挙人名簿中市町村の境界の変更に因り異動があつた区域に係る部分を投票管理者に送付しなければならない。
第五十七条 第五十五条の選挙に関する費用で第三十五条乃至第三十七条の規定により難いものについては、内務大臣の定めるところによる。
第五十八条 左の場合において選挙又は投票を行うべき区域の境界にわたつて市町村の境界の変更があつたときは、その選挙又は投票については、前三条の規定を準用する。
一 選挙の一部が無効となり更に選挙を行うとき(市町村の境界の変更が都府県の境界にわたる場合を除く。)
二 参議院議員選挙法第二十六条の投票を行うとき
第十二章 補則
第五十九条 参議院議員選挙法第九十一条の規定は、この勅令の適用についてこれを準用する。
附 則
第一条 この勅令は、参議院議員選挙法施行の日から、これを施行する。
第二条 全国選出議員選挙管理委員会を初めて招集する場合においては、第二条の規定による選挙管理委員会の委員長の職務は、内務大臣がこれを行うものとする。
第三条第二項中「参議院議長」又は「参議院議員」とあるのは、参議院が成立するに至るまでの間は、「衆議院議長」又は「衆議院議員」と読み替えるものとする。
第三条 参議院議員選挙法第二十八条の規定により選挙の当日自ら投票所に行き投票をすることができないことを証明する者が行う投票においては、特別投票管理者は、第十条の規定にかかわらず、当分の間、参議院議員の選挙権を有する者をしてこれに立ち会わしめなければならない。
第四条 第三十九条の場合においては、同条の規定にかかわらず、当分の間、学校その他の営造物の設備の使用及びその使用による演説会の開催のために必要な施設の公営に関する地方長官の職権は、都道府県立学校管理者たる地方長官の職権を除く外、都議会議員選挙管理委員会又は道府県会議員選挙管理委員会がこれを行い、官立学校については、学校管理者の職権は、官立学校長がこれを行う。
第五条 参議院議員選挙法施行令の一部を次のように改正する。
第十四条 投票函ハ其ノ蓋ニ各々異レル二以上ノ鍵ヲ設ケ能フ限リ堅固ナルモノトスベシ
第十五条中「示シタル後内蓋ヲ鎖スベシ」を「示スベシ」に改める。
第二十二条中「内蓋ノ投票口及外」を削り、「其ノ内蓋ノ鑰」を「一ノ鍵」に、「外蓋ノ鑰」を「他ノ鍵」に改める。