増加所得税法施行規則
法令番号: 勅令第六百三十二号
公布年月日: 昭和21年12月29日
法令の形式: 勅令
朕は、增加所得稅法施行規則を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十二月二十八日
內閣総理大臣 吉田茂
大藏大臣 石橋湛山
勅令第六百三十二号
增加所得稅法施行規則
第一條 增加所得稅法(以下法という。)第一條第一号及び第三條第一号の所得稅法による昭和二十一年分の不動產所得並びに甲種及び乙種の事業所得の決定金額の計算の基礎となつた所得金額の合計金額は、左に揭げる金額を合計した金額による。
一 所得稅法による昭和二十一年分の不動產所得並びに甲種及び乙種の事業所得の決定金額
二 昭和二十一年法律第十四号による改正前の所得稅法第十二條第三項の規定により、昭和二十一年分の甲種の事業所得の所得金額から控除された臨時利得稅額
三 所得稅法第十七條第一項及び第三項の規定により、昭和二十一年分の甲種及び乙種の事業所得の総額から控除された金額
第二條 所得稅法による昭和二十一年分の所得金額の決定後相続の開始があつた場合において、法第十條において準用する所得稅法第十二條第三項の規定により相続人の所得とみなされる被相続人の不動產所得があるとき又は相続人が引き続き有したものとみなして所得の計算をなすべき被相続人の資產若しくは事業から生じた事業所得があるときは、当該相続人の法第三條第一号に規定する同年分の当該所得の決定金額の計算の基礎となつた所得金額の合計金額には、被相続人に係る同年分の当該所得の決定金額の計算の基礎となつた所得金額の合計金額を加算する。
第三條 增加所得稅について納稅義務がある者は、昭和二十二年一月三十一日までに、第一種所得、第二種所得及び第三種所得の各別に、法第三條の規定により算出した所得金額、所得の基本たる資產又は事業の所在地及び所得金額の算出の基礎を記載した申吿書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
同居の戶主及び家族が、前項の所得を有する場合においては、各〻その所得を区分し、連署で申吿書を提出しなければならない。但し、当該所得を有する同居者の氏名を附記して、各別に申吿書を提出することを妨げない。
第四條 法第十條において準用する所得稅法第五條の規定により增加所得稅の免除を受けようとする者又は法第十條において準用する租稅特別措置法第三條若しくは財產稅法附則第三項若しくは第四項の規定の適用を受けようとする者は、前條の申吿書の提出と同時に、その旨を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
稅務署長は、特別の事情があると認めるときは、前項の申請書の提出がなかつた場合においても、租稅特別措置法第三條又は財產稅法附則第三項若しくは第四項の規定を適用することができる。
第五條 法第七條第一項乃至第三項の規定、法第十條において準用する所得稅法第三十六條第四項の規定又は法第十一條第三項の規定による增加所得稅調査委員会への諮問又は第一種所得、第二種所得若しくは第三種所得の所得金額の決定は、納稅地の所轄稅務署長がこれを行う。
第六條 稅務署長は、法第七條第一項乃至第三項の規定、法第十條において準用する所得稅法第三十六條第四項の規定又は法第十一條第三項の規定により、第一種所得、第二種所得又は第三種所得の所得金額を決定したときは、これを納稅義務者に通知する。
第七條 第一種所得又は第二種所得の所得金額の決定後に同居者に異動がある場合においても、法第四條第三項及び法第五條第二項の規定の適用によつて生じた効果は変更を受けない。
第八條 稅務署長は、通信、交通その他の狀況により、昭和二十二年三月三十一日までに增加所得稅の納付を困難とする特別の事情があると認めるときは、一箇月を限り、納期限を延期することができる。
前項の規定により納期限を延期した增加所得稅の收入は、会計規則第一條第一号の規定にかかわらず、納稅吿知書を発した日の属する年度の歲入とする。
第九條 納稅義務者は、增加所得稅の延納を申請しようとするときは、法第九條第一項本文に規定する納期限前若しくは前條第一項の規定により納期限を延期した場合における当該納期限前又は法第九條第二項の規定により稅金を徵收する場合における当該納期限前に、延納を申請しようとする理由、延納を申請しようとする稅額、当該稅額を納付しようとする期日その他必要な事項を記載した申請書を、納稅地の所轄稅務署長に提出しなければならない。
第十條 法第九條第四項の規定により延納稅額に加算する稅額は、延納稅額に、同條第一項本文に規定する納期限若しくは第八條第一項の規定により納期限を延期した場合における当該納期限又は法第九條第二項の規定により稅金を徵收する場合における当該納期限の翌日から当該延納稅額の納期限までの日数に應じ、年百分の十の割合を乘じて算出した金額による。
第十一條 稅務署長又はその代理官は、法第十條において準用する所得稅法第八十一條の規定により帳簿書類その他の物件を檢査するときは、檢査章を携帶しなければならない。
第十二條 所得稅法施行規則第二條乃至第三條、第十條、第十一條、第十二條ノ三、第十二條ノ四、第三十四條第二項、第四十三條第二項、第四十五條、第八十二條乃至第八十五條、第九十九條、第百條及び第百二條乃至第百四條ノ二、財產稅法施行規則附則第二項の規定並びに租稅特別措置法第三條の規定に基く命令の規定は、增加所得稅の課稅について、これを準用する。
附 則
この勅令は、法施行の日から、これを施行する。
法附則第二項の規定により、法の施行地域から除かれる地域は、左に揭げる地域とする。
一 北海道廳根室支廳管內占守郡、新知郡、得撫郡、國後郡、紗那郡、擇捉郡、蘂取郡、色丹郡並びに花咲郡齒舞村水昌島、勇留島、志發島、多樂島及び秋勇留島
二 東京都小笠原島
三 島根縣隱岐支廳管內五箇村竹島
四 鹿兒島縣大島郡(十島村中黑島、竹島及び硫黃島を除く。)
五 沖繩縣
朕は、増加所得税法施行規則を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十二月二十八日
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 石橋湛山
勅令第六百三十二号
増加所得税法施行規則
第一条 増加所得税法(以下法という。)第一条第一号及び第三条第一号の所得税法による昭和二十一年分の不動産所得並びに甲種及び乙種の事業所得の決定金額の計算の基礎となつた所得金額の合計金額は、左に掲げる金額を合計した金額による。
一 所得税法による昭和二十一年分の不動産所得並びに甲種及び乙種の事業所得の決定金額
二 昭和二十一年法律第十四号による改正前の所得税法第十二条第三項の規定により、昭和二十一年分の甲種の事業所得の所得金額から控除された臨時利得税額
三 所得税法第十七条第一項及び第三項の規定により、昭和二十一年分の甲種及び乙種の事業所得の総額から控除された金額
第二条 所得税法による昭和二十一年分の所得金額の決定後相続の開始があつた場合において、法第十条において準用する所得税法第十二条第三項の規定により相続人の所得とみなされる被相続人の不動産所得があるとき又は相続人が引き続き有したものとみなして所得の計算をなすべき被相続人の資産若しくは事業から生じた事業所得があるときは、当該相続人の法第三条第一号に規定する同年分の当該所得の決定金額の計算の基礎となつた所得金額の合計金額には、被相続人に係る同年分の当該所得の決定金額の計算の基礎となつた所得金額の合計金額を加算する。
第三条 増加所得税について納税義務がある者は、昭和二十二年一月三十一日までに、第一種所得、第二種所得及び第三種所得の各別に、法第三条の規定により算出した所得金額、所得の基本たる資産又は事業の所在地及び所得金額の算出の基礎を記載した申告書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
同居の戸主及び家族が、前項の所得を有する場合においては、各々その所得を区分し、連署で申告書を提出しなければならない。但し、当該所得を有する同居者の氏名を附記して、各別に申告書を提出することを妨げない。
第四条 法第十条において準用する所得税法第五条の規定により増加所得税の免除を受けようとする者又は法第十条において準用する租税特別措置法第三条若しくは財産税法附則第三項若しくは第四項の規定の適用を受けようとする者は、前条の申告書の提出と同時に、その旨を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、特別の事情があると認めるときは、前項の申請書の提出がなかつた場合においても、租税特別措置法第三条又は財産税法附則第三項若しくは第四項の規定を適用することができる。
第五条 法第七条第一項乃至第三項の規定、法第十条において準用する所得税法第三十六条第四項の規定又は法第十一条第三項の規定による増加所得税調査委員会への諮問又は第一種所得、第二種所得若しくは第三種所得の所得金額の決定は、納税地の所轄税務署長がこれを行う。
第六条 税務署長は、法第七条第一項乃至第三項の規定、法第十条において準用する所得税法第三十六条第四項の規定又は法第十一条第三項の規定により、第一種所得、第二種所得又は第三種所得の所得金額を決定したときは、これを納税義務者に通知する。
第七条 第一種所得又は第二種所得の所得金額の決定後に同居者に異動がある場合においても、法第四条第三項及び法第五条第二項の規定の適用によつて生じた効果は変更を受けない。
第八条 税務署長は、通信、交通その他の状況により、昭和二十二年三月三十一日までに増加所得税の納付を困難とする特別の事情があると認めるときは、一箇月を限り、納期限を延期することができる。
前項の規定により納期限を延期した増加所得税の収入は、会計規則第一条第一号の規定にかかわらず、納税告知書を発した日の属する年度の歳入とする。
第九条 納税義務者は、増加所得税の延納を申請しようとするときは、法第九条第一項本文に規定する納期限前若しくは前条第一項の規定により納期限を延期した場合における当該納期限前又は法第九条第二項の規定により税金を徴収する場合における当該納期限前に、延納を申請しようとする理由、延納を申請しようとする税額、当該税額を納付しようとする期日その他必要な事項を記載した申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
第十条 法第九条第四項の規定により延納税額に加算する税額は、延納税額に、同条第一項本文に規定する納期限若しくは第八条第一項の規定により納期限を延期した場合における当該納期限又は法第九条第二項の規定により税金を徴収する場合における当該納期限の翌日から当該延納税額の納期限までの日数に応じ、年百分の十の割合を乗じて算出した金額による。
第十一条 税務署長又はその代理官は、法第十条において準用する所得税法第八十一条の規定により帳簿書類その他の物件を検査するときは、検査章を携帯しなければならない。
第十二条 所得税法施行規則第二条乃至第三条、第十条、第十一条、第十二条ノ三、第十二条ノ四、第三十四条第二項、第四十三条第二項、第四十五条、第八十二条乃至第八十五条、第九十九条、第百条及び第百二条乃至第百四条ノ二、財産税法施行規則附則第二項の規定並びに租税特別措置法第三条の規定に基く命令の規定は、増加所得税の課税について、これを準用する。
附 則
この勅令は、法施行の日から、これを施行する。
法附則第二項の規定により、法の施行地域から除かれる地域は、左に掲げる地域とする。
一 北海道庁根室支庁管内占守郡、新知郡、得撫郡、国後郡、紗那郡、択捉郡、蘂取郡、色丹郡並びに花咲郡歯舞村水昌島、勇留島、志発島、多楽島及び秋勇留島
二 東京都小笠原島
三 島根県隠岐支庁管内五箇村竹島
四 鹿児島県大島郡(十島村中黒島、竹島及び硫黄島を除く。)
五 沖縄県