貿易資金特別会計規則
法令番号: 勅令第560号
公布年月日: 昭和21年11月22日
法令の形式: 勅令
朕は、貿易資金特別會計規則を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月二十一日
內閣總理大臣 吉田茂
商工大臣 星島二郞
大藏大臣 石橋湛山
勅令第五百六十號
貿易資金特別會計規則
第一條 歲入歲出の豫定計算書は、所管大臣が、これを調製して、前年度の九月三十日までに、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第二條 歲入歲出の豫算は、決定の後、豫備費を除いて、所管大臣は、貿易廳長官に命じてこれを執行させる。但し、他の官吏に命じてその一部を執行させることができる。
第三條 この會計においては、當該年度の收入濟歲入額を以て支拂元受高とし、歲出を支出するのは、この支拂元受高を超過してはならない。
第四條 この會計において支拂上現金に不足を生じたときは、所管大臣は、大藏大臣の承認を經て、貿易資金に屬する現金を、前條に規定する支拂元受高に繰り替え使用することができる。
前項の規定により繰り替え使用した金額は、當該年度內にこれを償還しなければならない。
第五條 每年度內に收入すべき權利を得て、每年度出納の完結までに收入濟とならないものは、收入未濟として順次翌年度に繰り越し、現に收入した年度の歲入に組み入れる。
第六條 每年度內に支拂うべき義務を生じ、每年度部納の完結までに支出濟とならない歲出で、時效完成に至らないものは、支出未濟として順次翌年度に繰り越すものとする。但し、支出未濟の繰越額は、支出濟額と合せて豫算額を超過してはならない。
第七條 貿易資金は、貿易資金特別會計法第三條第一項の規定により、これを左に揭げるものに運用することができる。
一 貿易物資に準ずる物資で、所管大臣が大藏大臣と協議の上指定するもの
二 貿易以外の原因に基く外國への送金及び外國からの送金で所管大臣が大藏大臣と協議の上指定するもの
三 大藏省預金部への預金
第八條 貿易資金の運用に關し、貿易物資の買入代金及び輸入に伴う諸經費の支拂上必要がある場合は、槪算拂をすることができる。
第九條 貿易資金に關し、每年度三月三十一日において、左に揭げる第一類各號の總計額から第二類各號の總計額を控除して、殘餘がある場合は、その殘餘額を貿易資金特別會計法第四條に規定する利益の額とし、不足する場合は、その不足額を同條に規定する損失の額とする。
第一類
一 現金額
二 受入未濟額
三 貿易物資の輸出又は第七條第一號に規定する物資の賣渡によつて得た請求權の評價額
四 第七條第二號に規定する外國からの送金額
五 保有貿易物資の價額
第二類
一 貿易資金特別會計法第二條第一項に規定する資金額
二 貿易資金特別會計法第二條第二項の規定による資金補足額
三 拂出未濟額
四 貿易物資の輸入又は第七條第一號に規定する物資の買入によつて生じた負債の評價額
五 第七條第二號に規定する外國への送金額
前項の請求權の評價額及び負債の評價額竝びに送金額及び保有貿易物資の價額の評價に關し必要な事項は、所管大臣が、大藏大臣と協議してこれを定める。
第十條 この會計においては、每年度出納完結の時において、歲入の收入濟額と當該年度の貿易資金の利益額の合計額から歲出の支出濟額、貿易資金特別會計法第六條に規定する借入金の未償還額及び當該年度の貿易資金の損失額の合計額を控除して、殘餘がある場合は、これを同法第七條に規定する過剩の額とし、翌年度一般會計の歲入に繰り入れ、不足する場合は、これを同條に規定する不足の額とし、翌年度一般會計の歲出で補うこととする。
第十一條 歲入歲出の決定計算書は、所管大臣がこれを調製して、翌年度の七月三十一日までに、これを大藏大臣に送付しなければならない。
所管大臣は每年度貸借對照表、損益計算表及びその年度の三月三十一日における貿易物資在高明細表を調製して、翌年度の七月三十一日までに、これを大藏大臣に送付しなければならない。
貸借對照表、損益計算表及び貿易物資在高明細表の樣式は所管大臣が、大藏大臣と協議してこれを定める。
第十二條 歲入徵收官は、每月徵收報吿書を調製して、參照書類を添え、これを貿易廳長官に送付しなければならない。
第十三條 貿易廳長官は、徵收報吿書によつて每月徵收總報吿書を調製して、參照書類を添え、所管大臣を經由して、その翌月中に、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第十四條 支出官は、每月支出濟額報吿書を調製して、これを貿易廳長官に送付しなければならない。
第十五條 貿易廳長官は、支出濟額報吿書によつて、每月支出總報吿書を調製して、支出濟額報吿書を添え、所管大臣を經由して、その翌月中に、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第十六條 貿易資金の出納に關する手續は、所管大臣が、大藏大臣と協議してこれを定める。
第十七條 貿易廳は、日記簿、原簿及び補助簿を備え、貿易資金の受拂及び運用竝びにこの會計に關する一切の計算を登記しなければならない。
第十八條 貿易廳は、歲入簿を備え、歲入の豫算額、調定濟額、收入濟額、不納缺損額及び收入未濟額を登記しなければならない。
第十九條 支出官は、支出簿の外支拂元受高差引簿を備え、支拂元受高、支出濟額及び殘額を登記しなければならない。
第二十條 貿易廳は、歲出簿及び支拂元受高差引簿を備え、歲出簿には歲出の豫算額、豫算決定後增加額、支出濟額、翌年度繰越額及び殘額を登記し、支拂元受高差引簿には支拂元受高、支出濟額及び殘額を登記しなければならない。
第二十一條 この規則に規定しないものについては、會計規則を準用する。
第二十二條 この規則においては、本州、北海道、四國、九州及びこれらに屬する島(命令で定める地域を除く。)以外の地域を外國とし、外國とこれらの地域との間に行われる取引その他による物品の移動を輸出又は輸入とする。
附 則
この勅令は、貿易資金特別會計法施行の日から、これを施行する。
昭和二十一年勅令第百六號は、これを廢止する。
朕は、貿易資金特別会計規則を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月二十一日
内閣総理大臣 吉田茂
商工大臣 星島二郎
大蔵大臣 石橋湛山
勅令第五百六十号
貿易資金特別会計規則
第一条 歳入歳出の予定計算書は、所管大臣が、これを調製して、前年度の九月三十日までに、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第二条 歳入歳出の予算は、決定の後、予備費を除いて、所管大臣は、貿易庁長官に命じてこれを執行させる。但し、他の官吏に命じてその一部を執行させることができる。
第三条 この会計においては、当該年度の収入済歳入額を以て支払元受高とし、歳出を支出するのは、この支払元受高を超過してはならない。
第四条 この会計において支払上現金に不足を生じたときは、所管大臣は、大蔵大臣の承認を経て、貿易資金に属する現金を、前条に規定する支払元受高に繰り替え使用することができる。
前項の規定により繰り替え使用した金額は、当該年度内にこれを償還しなければならない。
第五条 毎年度内に収入すべき権利を得て、毎年度出納の完結までに収入済とならないものは、収入未済として順次翌年度に繰り越し、現に収入した年度の歳入に組み入れる。
第六条 毎年度内に支払うべき義務を生じ、毎年度部納の完結までに支出済とならない歳出で、時効完成に至らないものは、支出未済として順次翌年度に繰り越すものとする。但し、支出未済の繰越額は、支出済額と合せて予算額を超過してはならない。
第七条 貿易資金は、貿易資金特別会計法第三条第一項の規定により、これを左に掲げるものに運用することができる。
一 貿易物資に準ずる物資で、所管大臣が大蔵大臣と協議の上指定するもの
二 貿易以外の原因に基く外国への送金及び外国からの送金で所管大臣が大蔵大臣と協議の上指定するもの
三 大蔵省預金部への預金
第八条 貿易資金の運用に関し、貿易物資の買入代金及び輸入に伴う諸経費の支払上必要がある場合は、概算払をすることができる。
第九条 貿易資金に関し、毎年度三月三十一日において、左に掲げる第一類各号の総計額から第二類各号の総計額を控除して、残余がある場合は、その残余額を貿易資金特別会計法第四条に規定する利益の額とし、不足する場合は、その不足額を同条に規定する損失の額とする。
第一類
一 現金額
二 受入未済額
三 貿易物資の輸出又は第七条第一号に規定する物資の売渡によつて得た請求権の評価額
四 第七条第二号に規定する外国からの送金額
五 保有貿易物資の価額
第二類
一 貿易資金特別会計法第二条第一項に規定する資金額
二 貿易資金特別会計法第二条第二項の規定による資金補足額
三 払出未済額
四 貿易物資の輸入又は第七条第一号に規定する物資の買入によつて生じた負債の評価額
五 第七条第二号に規定する外国への送金額
前項の請求権の評価額及び負債の評価額並びに送金額及び保有貿易物資の価額の評価に関し必要な事項は、所管大臣が、大蔵大臣と協議してこれを定める。
第十条 この会計においては、毎年度出納完結の時において、歳入の収入済額と当該年度の貿易資金の利益額の合計額から歳出の支出済額、貿易資金特別会計法第六条に規定する借入金の未償還額及び当該年度の貿易資金の損失額の合計額を控除して、残余がある場合は、これを同法第七条に規定する過剰の額とし、翌年度一般会計の歳入に繰り入れ、不足する場合は、これを同条に規定する不足の額とし、翌年度一般会計の歳出で補うこととする。
第十一条 歳入歳出の決定計算書は、所管大臣がこれを調製して、翌年度の七月三十一日までに、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
所管大臣は毎年度貸借対照表、損益計算表及びその年度の三月三十一日における貿易物資在高明細表を調製して、翌年度の七月三十一日までに、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
貸借対照表、損益計算表及び貿易物資在高明細表の様式は所管大臣が、大蔵大臣と協議してこれを定める。
第十二条 歳入徴収官は、毎月徴収報告書を調製して、参照書類を添え、これを貿易庁長官に送付しなければならない。
第十三条 貿易庁長官は、徴収報告書によつて毎月徴収総報告書を調製して、参照書類を添え、所管大臣を経由して、その翌月中に、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第十四条 支出官は、毎月支出済額報告書を調製して、これを貿易庁長官に送付しなければならない。
第十五条 貿易庁長官は、支出済額報告書によつて、毎月支出総報告書を調製して、支出済額報告書を添え、所管大臣を経由して、その翌月中に、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第十六条 貿易資金の出納に関する手続は、所管大臣が、大蔵大臣と協議してこれを定める。
第十七条 貿易庁は、日記簿、原簿及び補助簿を備え、貿易資金の受払及び運用並びにこの会計に関する一切の計算を登記しなければならない。
第十八条 貿易庁は、歳入簿を備え、歳入の予算額、調定済額、収入済額、不納欠損額及び収入未済額を登記しなければならない。
第十九条 支出官は、支出簿の外支払元受高差引簿を備え、支払元受高、支出済額及び残額を登記しなければならない。
第二十条 貿易庁は、歳出簿及び支払元受高差引簿を備え、歳出簿には歳出の予算額、予算決定後増加額、支出済額、翌年度繰越額及び残額を登記し、支払元受高差引簿には支払元受高、支出済額及び残額を登記しなければならない。
第二十一条 この規則に規定しないものについては、会計規則を準用する。
第二十二条 この規則においては、本州、北海道、四国、九州及びこれらに属する島(命令で定める地域を除く。)以外の地域を外国とし、外国とこれらの地域との間に行われる取引その他による物品の移動を輸出又は輸入とする。
附 則
この勅令は、貿易資金特別会計法施行の日から、これを施行する。
昭和二十一年勅令第百六号は、これを廃止する。