第一條 この勅令において聯合國財產とは、敵產管理法第一條第一項の規定による管理人の管理に付せられたことのある財產をいふ。
第二條 大藏大臣は、その定めるところにより、聯合國財產について、所有權その他の權利を有し若しくはこれを占有してゐる者又は昭和十六年十二月八日以後において所有權その他の權利を有し若しくはこれを占有してゐたことのある者(その一般承繼人を含む)に對して、他の法令にかかはらず、同日午前零時において聯合國財產を所有してゐた者(その承繼人を含む)に對する返還その他必要な措置を命ずることができる。
前項の規定による命令を受けた者は、他の法令にかかはらず、その命令に係る措置をなすことができる。
第三條 前條第一項の命令に係る措置に關しては、登錄稅、不動產取得稅その他命令で定める租稅は、命令の定めるところにより、これを免除する。
第四條 大藏大臣は、聯合國財產の調査上必要あるときは、命令の定めるところにより、報吿を徵し、又は當該官吏をして必要な場所に臨檢し業務の狀況若しくは帳簿書類その他の物件を檢査させることができる。
第五條 第二條の規定によりなす命令に違反した者は、これを三年以下の懲役又は一萬圓以下の罰金に處する。但し、その聯合國財產の價額の三倍が一萬圓を超えるときは、罰金はこれをその價額の三倍以下とする。
前條の規定に違反して、報吿をなさず若しくは虛僞の報吿をなし、又は帳簿書類その他の物件の檢査を拒み、妨げ若しくは忌避した者は、これを一年以下の懲役又は三千圓以下の罰金に處する。
第六條 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人其の他の從業者が、その法人又は人の業務又は聯合國財產に關して前條の違反行爲をなしたときは、行爲者を罰する外、その法人又は人に對して前條の罰金刑を科する。