(政党、協会其ノ他ノ団体ノ結成ノ禁止等ニ関スル件)
法令番号: 勅令第百一號
公布年月日: 昭和21年2月23日
法令の形式: 勅令
朕昭和二十年勅令第五百四十二號「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ發スル命令ニ關スル件ニ基ク政黨、協會其ノ他ノ團體ノ結成ノ禁止等ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十一年二月二十二日
內閣總理大臣 男爵 幣原喜重郞
內務大臣 三土忠造
勅令第百一號
第一條 政黨、協會其ノ他ノ團體ニシテ其ノ目的又ハ行爲ガ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノハ之ヲ結成スルコトヲ得ズ
一 占領軍ニ對スル反抗若ハ反對又ハ日本國政府ガ聯合國最高司令官ノ要求ニ基キテ發シタル命令ニ對スル反抗若ハ反對
二 日本國ノ侵略的對外軍事行動ノ支持又ハ正當化
三 日本國ガ他ノアジア、インドネシア又ハマレー人種ノ指導者タルコトノ僭稱
四 日本國內ニ於ケル外國人ノ貿易、商業又ハ職業從事ヨリノ排除
五 日本國及諸外國間ニ於ケル自由ナル文化又ハ學術ノ交流ニ對スル反對
六 日本國內ニ於ケル軍事的若ハ準軍事的訓練ノ實施、陸海軍軍人タリシ者ニ對スル同等ノ民間人ニ與ヘラルル以上ノ恩典ノ供與若ハ特種ノ發言權ノ付與又ハ軍國主義若ハ軍人的精神ノ存續
七 暗殺其ノ他ノ暴力主義的計畫ニ依ル政策ノ變更又ハ斯カル方法ヲ是認スルガ如キ傾向ノ助長若ハ正當化
政黨、協會其ノ他ノ團體又ハ個人若ハ集團ハ前項各號ノ一ニ該當スル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
第二條 昭和二十一年一月四日附聯合國最高司令官覺書或種ノ政黨、協會其ノ他ノ團體ノ廢止ニ關スル件二ニ該當スル團體トシテ內務大臣ノ指定スルモノハ解散ス
第三條 前二條ノ團體ガ其ノ全部又ハ一部ニ付直接又ハ間接ニ所有シ又ハ支配スル資產ニ關スル取引ハ之ヲ爲スコトヲ得ズ
政府ハ前項ノ資產(帳簿、書類及記錄ヲ含ム)ヲ接收保管スルモノトス
政府ハ前項ノ接收保管ニ係ル資產ヲ食糧ノ生產其ノ他民生上必要ナル用途ニ使用スルコトヲ得
第四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル團體ハ內務大臣ノ特ニ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ第一條第一項ノ團體ト看做ス
一 其ノ主要役員ノ孰レカガ左記ノ一ニ該當スルモノ
(イ) 第二條ノ規定ニ依リ解散シタル團體(同條ノ規定ノ適用前解散シタル第一條第一項各號ノ一ニ該當スル團體ニシテ內務大臣ノ指定スルモノヲ含ム)ノ構成員タリシ者
(ロ) 昭和五年一月一日以後現役ニ在リタル正規ノ陸海軍ノ將校又ハ特別志願豫備將校タリシ者
(ハ) 憲兵隊、特務機關、海軍特務部又ハ其ノ他ノ陸海軍警察機關ノ特殊若ハ秘密諜報機關ニ勤務シタル者又ハ之ト協力シタル者
二 其ノ構成員ノ四分ノ一ヲ超ユル者ガ第一條第一項又ハ第二條ノ規定ニ該當スル團體ノ構成員タリシモノ
第五條 政黨、協會其ノ他ノ團體ニシテ其ノ目的又ハ行爲ガ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノハ第二項ノ規定ニ依ル屆出ヲ爲スニ非ザレバ之ヲ結成シ又ハ當該行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
一 公職ノ候補者ヲ推薦シ又ハ支持スルコト
二 政府ノ政策ニ影響ヲ與フル行爲ヲ爲スコト
三 日本國及諸外國間ノ關係ニ關シ論議スルコト
前項ノ團體ノ主幹者ハ豫メ其ノ團體ニ付左ノ各號ニ揭グル事項ヲ其ノ主タル事務所ノ所在地ノ市町村長(東京都ノ區ノ存スル區域ニ在リテハ區長)ニ屆出ヅベシ屆出デタル事項ニ變更アリタルトキ亦同ジ
一 名稱、
二 目的
三 主タル事務所ノ所在地
四 役員ノ住所及氏名、軍隊又ハ警察ニ勤務シタル者ニ在リテハ其ノ旨竝ニ其ノ現ニ所屬シ又ハ所屬シタル團體ノ名稱
五 有力ナル財政的援助者ノ住所及氏名竝ニ其ノ援助ノ金額
六 構成員ノ住所及氏名ノ名簿
前二項ノ規定ハ勞働組合及之ニ準ズベキ勞働者又ハ被傭者ノ團體ニハ之ヲ適用セズ
第六條 第一條ノ規定ニ違反シタル者ハ三年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第七條 第五條第二項ノ規定ニ係ル屆出ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ屆出ヲ爲シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第八條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第六條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ同條ノ罰金刑ヲ科ス
附 則
本令ハ昭和二十一年一月四日ヨリ之ヲ適用ス但シ第六條乃至第八條ノ規定竝ニ附則第二項及第三項ノ規定ハ公布ノ日ヨリ之ヲ適用ス
第五條第一項ノ規定ニ該當スル團體ニシテ本令公布ノ日ニ於テ現ニ存スルモノノ主幹者ハ本令公布ノ日ヨリ二十日以內ニ同條第二項ノ規定ニ準ジ屆出ヲ爲スベシ
第七條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
朕昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件ニ基ク政党、協会其ノ他ノ団体ノ結成ノ禁止等ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十一年二月二十二日
内閣総理大臣 男爵 幣原喜重郎
内務大臣 三土忠造
勅令第百一号
第一条 政党、協会其ノ他ノ団体ニシテ其ノ目的又ハ行為ガ左ノ各号ノ一ニ該当スルモノハ之ヲ結成スルコトヲ得ズ
一 占領軍ニ対スル反抗若ハ反対又ハ日本国政府ガ連合国最高司令官ノ要求ニ基キテ発シタル命令ニ対スル反抗若ハ反対
二 日本国ノ侵略的対外軍事行動ノ支持又ハ正当化
三 日本国ガ他ノアジア、インドネシア又ハマレー人種ノ指導者タルコトノ僣称
四 日本国内ニ於ケル外国人ノ貿易、商業又ハ職業従事ヨリノ排除
五 日本国及諸外国間ニ於ケル自由ナル文化又ハ学術ノ交流ニ対スル反対
六 日本国内ニ於ケル軍事的若ハ準軍事的訓練ノ実施、陸海軍軍人タリシ者ニ対スル同等ノ民間人ニ与ヘラルル以上ノ恩典ノ供与若ハ特種ノ発言権ノ付与又ハ軍国主義若ハ軍人的精神ノ存続
七 暗殺其ノ他ノ暴力主義的計画ニ依ル政策ノ変更又ハ斯カル方法ヲ是認スルガ如キ傾向ノ助長若ハ正当化
政党、協会其ノ他ノ団体又ハ個人若ハ集団ハ前項各号ノ一ニ該当スル行為ヲ為スコトヲ得ズ
第二条 昭和二十一年一月四日附連合国最高司令官覚書或種ノ政党、協会其ノ他ノ団体ノ廃止ニ関スル件二ニ該当スル団体トシテ内務大臣ノ指定スルモノハ解散ス
第三条 前二条ノ団体ガ其ノ全部又ハ一部ニ付直接又ハ間接ニ所有シ又ハ支配スル資産ニ関スル取引ハ之ヲ為スコトヲ得ズ
政府ハ前項ノ資産(帳簿、書類及記録ヲ含ム)ヲ接収保管スルモノトス
政府ハ前項ノ接収保管ニ係ル資産ヲ食糧ノ生産其ノ他民生上必要ナル用途ニ使用スルコトヲ得
第四条 左ノ各号ノ一ニ該当スル団体ハ内務大臣ノ特ニ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ第一条第一項ノ団体ト看做ス
一 其ノ主要役員ノ孰レカガ左記ノ一ニ該当スルモノ
(イ) 第二条ノ規定ニ依リ解散シタル団体(同条ノ規定ノ適用前解散シタル第一条第一項各号ノ一ニ該当スル団体ニシテ内務大臣ノ指定スルモノヲ含ム)ノ構成員タリシ者
(ロ) 昭和五年一月一日以後現役ニ在リタル正規ノ陸海軍ノ将校又ハ特別志願予備将校タリシ者
(ハ) 憲兵隊、特務機関、海軍特務部又ハ其ノ他ノ陸海軍警察機関ノ特殊若ハ秘密諜報機関ニ勤務シタル者又ハ之ト協力シタル者
二 其ノ構成員ノ四分ノ一ヲ超ユル者ガ第一条第一項又ハ第二条ノ規定ニ該当スル団体ノ構成員タリシモノ
第五条 政党、協会其ノ他ノ団体ニシテ其ノ目的又ハ行為ガ左ノ各号ノ一ニ該当スルモノハ第二項ノ規定ニ依ル届出ヲ為スニ非ザレバ之ヲ結成シ又ハ当該行為ヲ為スコトヲ得ズ
一 公職ノ候補者ヲ推薦シ又ハ支持スルコト
二 政府ノ政策ニ影響ヲ与フル行為ヲ為スコト
三 日本国及諸外国間ノ関係ニ関シ論議スルコト
前項ノ団体ノ主幹者ハ予メ其ノ団体ニ付左ノ各号ニ掲グル事項ヲ其ノ主タル事務所ノ所在地ノ市町村長(東京都ノ区ノ存スル区域ニ在リテハ区長)ニ届出ヅベシ届出デタル事項ニ変更アリタルトキ亦同ジ
一 名称、
二 目的
三 主タル事務所ノ所在地
四 役員ノ住所及氏名、軍隊又ハ警察ニ勤務シタル者ニ在リテハ其ノ旨並ニ其ノ現ニ所属シ又ハ所属シタル団体ノ名称
五 有力ナル財政的援助者ノ住所及氏名並ニ其ノ援助ノ金額
六 構成員ノ住所及氏名ノ名簿
前二項ノ規定ハ労働組合及之ニ準ズベキ労働者又ハ被傭者ノ団体ニハ之ヲ適用セズ
第六条 第一条ノ規定ニ違反シタル者ハ三年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
第七条 第五条第二項ノ規定ニ係ル届出ヲ為サズ又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第八条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ第六条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ同条ノ罰金刑ヲ科ス
附 則
本令ハ昭和二十一年一月四日ヨリ之ヲ適用ス但シ第六条乃至第八条ノ規定並ニ附則第二項及第三項ノ規定ハ公布ノ日ヨリ之ヲ適用ス
第五条第一項ノ規定ニ該当スル団体ニシテ本令公布ノ日ニ於テ現ニ存スルモノノ主幹者ハ本令公布ノ日ヨリ二十日以内ニ同条第二項ノ規定ニ準ジ届出ヲ為スベシ
第七条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス