戦時緊急措置法
法令番号: 法律第三十八號
公布年月日: 昭和20年6月22日
法令の形式: 法律
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ帝國議會ノ協贊ヲ經タル戰時緊急措置法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月二十一日
內閣總理大臣 男爵 鈴木貫太郞
海軍大臣 米內光政
司法大臣 松阪廣政
陸軍大臣 阿南惟幾
軍需大臣 豊田貞次郞
厚生大臣 岡田忠彥
國務大臣 櫻井兵五郞
國務大臣 左近司政三
國務大臣 下村宏
大藏大臣 廣瀨豐作
文部大臣 太田耕造
農商大臣 石黑忠篤
內務大臣 安倍源基
外務大臣兼大東亞大臣 東鄕茂德
國務大臣 安井藤治
運輸大臣 小日山直登
法律第三十八號
戰時緊急措置法
第一條 大東亞戰爭ニ際シ國家ノ危急ヲ克服スル爲緊急ノ必要アルトキハ政府ハ他ノ法令ノ規定ニ拘ラズ左ノ各號ニ揭グル事項ニ關シ應機ノ措置ヲ講ズル爲必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
一 軍需生產ノ維持及增强
二 食糧其ノ他生活必需物資ノ確保
三 運輸通信ノ維持及增强
四 防衞ノ强化及秩序ノ維持
五 稅制ノ適正化
六 戰災ノ善後措置
七 其ノ他戰力ノ集中發揮ニ必要ナル事項ニシテ勅令ヲ以テ指定スルモノ
第二條 政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前條ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ依リ爲ス處分又ハ同條ノ規定ニ依リ爲ス處分ニ因リ生ジタル損失ヲ補償スルコトヲ得
第三條 第一條ノ規定ニ基キテ發スル命令若ハ之ニ依リ爲ス處分又ハ同條ノ規定ニ依リ爲ス處分ニ違反シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ十萬圓以下ノ罰金ニ處ス
第一條ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ依リ爲ス處分又ハ同條ノ規定ニ依リ爲ス處分ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ三年以下ノ懲役、五千圓以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ處ス
國家總動員法第三十五條、第四十八條及第四十九條ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四條 第一條ノ規定ニ基ク措置ニシテ重要ナルモノニ付テハ政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ戰時緊急措置委員會ニ諮問スベシ但シ已ムコトヲ得ザル場合ニ於テハ事後ニ之ヲ報吿スベシ
戰時緊急措置委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條 本法施行ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ帝国議会ノ協賛ヲ経タル戦時緊急措置法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月二十一日
内閣総理大臣 男爵 鈴木貫太郎
海軍大臣 米内光政
司法大臣 松阪広政
陸軍大臣 阿南惟幾
軍需大臣 豊田貞次郎
厚生大臣 岡田忠彦
国務大臣 桜井兵五郎
国務大臣 左近司政三
国務大臣 下村宏
大蔵大臣 広瀬豊作
文部大臣 太田耕造
農商大臣 石黒忠篤
内務大臣 安倍源基
外務大臣兼大東亜大臣 東郷茂徳
国務大臣 安井藤治
運輸大臣 小日山直登
法律第三十八号
戦時緊急措置法
第一条 大東亜戦争ニ際シ国家ノ危急ヲ克服スル為緊急ノ必要アルトキハ政府ハ他ノ法令ノ規定ニ拘ラズ左ノ各号ニ掲グル事項ニ関シ応機ノ措置ヲ講ズル為必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
一 軍需生産ノ維持及増強
二 食糧其ノ他生活必需物資ノ確保
三 運輸通信ノ維持及増強
四 防衛ノ強化及秩序ノ維持
五 税制ノ適正化
六 戦災ノ善後措置
七 其ノ他戦力ノ集中発揮ニ必要ナル事項ニシテ勅令ヲ以テ指定スルモノ
第二条 政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前条ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ依リ為ス処分又ハ同条ノ規定ニ依リ為ス処分ニ因リ生ジタル損失ヲ補償スルコトヲ得
第三条 第一条ノ規定ニ基キテ発スル命令若ハ之ニ依リ為ス処分又ハ同条ノ規定ニ依リ為ス処分ニ違反シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ十万円以下ノ罰金ニ処ス
第一条ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ依リ為ス処分又ハ同条ノ規定ニ依リ為ス処分ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ三年以下ノ懲役、五千円以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ処ス
国家総動員法第三十五条、第四十八条及第四十九条ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四条 第一条ノ規定ニ基ク措置ニシテ重要ナルモノニ付テハ政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ戦時緊急措置委員会ニ諮問スベシ但シ已ムコトヲ得ザル場合ニ於テハ事後ニ之ヲ報告スベシ
戦時緊急措置委員会ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五条 本法施行ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム