現下の非常事態に対応し国政遂行に遺漏なきを期すため、戦力の集中発揮に必要な措置を迅速に講じる必要がある。しかし、現行法制は複雑で戦時下の機動的な行政運営に支障をきたす恐れがある。また、法令改正や帝国議会の協賛を経る時間的余裕もない。そこで、軍需生産の維持増強、食糧確保、運輸通信の維持増強、防衛強化、秩序維持、税制適正化、戦災対策等について、他の法令に拘らず政府が必要な命令・処分を行えるようにする。損失補償や罰則規定を設け、重要な措置は戦時緊急措置委員会に報告する。戦争に勝つための臨時応急の措置として本法の制定を求めるものである。
参照した発言:
第87回帝国議会 衆議院 本会議 第1号