戦時緊急措置法施行令
法令番号: 勅令第三百七十八號
公布年月日: 昭和20年6月22日
法令の形式: 勅令
朕戰時緊急措置法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月二十一日
內閣總理大臣 男爵 鈴木貫太郞
海軍大臣 米內光政
司法大臣 松阪廣政
陸軍大臣 阿南惟幾
軍需大臣 豊田貞次郞
厚生大臣 岡田忠彥
國務大臣 櫻井兵五郞
國務大臣 左近司政三
國務大臣 下村宏
大藏大臣 廣瀨豐作
文部大臣 太田耕造
農商大臣 石黑忠篤
內務大臣 安倍源基
外務大臣兼大東亞大臣 東鄕茂德
國務大臣 安井藤治
運輸大臣 小日山直登
勅令第三百七十八號
戰時緊急措置法施行令
第一條 戰時緊急措置法(以下法ト稱ス)第一條ノ規定ニ基ク措置ハ槪ネ左ノ各號ニ揭グル事項ニ付之ヲ爲スモノトス
一 業務ノ開始及廢止、業務ノ運營竝ニ業務從事者ノ懲戒
二 事業體ノ組織、事業體ノ間ニ於ケル協力竝ニ事業體ノ管理、使用及收用
三 勤勞、物資(電氣ヲ含ム以下同ジ)、動力及資金ノ整備、物資ノ所持及處分竝ニ物資及動力ノ管理、使用及收用
四 土地、工作物、立木、設備及施設ノ新設、擴張、改良、維持、交換、分合、處分、管理、使用及收用
五 權利ノ得喪、變更、行使、使用及收用
六 法人ノ設立、合併、解散及目的變更
七 價格、賃金其ノ他ノ財產的給付ノ契約、支拂及受領
八 人ノ移動及居住
九 報吿ノ徵收及臨檢檢查
十 統制、取締等ニ關スル法令ノ特例及適用排除
十一 其ノ他主務大臣內閣總理大臣ト協議シテ定ムル事項
法第一條第五號ノ稅制ノ適正化ニ關シ必要ナル措置ニ付テハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 法第一條ノ規定ニ基ク措置ハ勅令ニ依ル場合ヲ除クノ外主務大臣及地方總監之ヲ爲ス但シ地方總監ハ事態急迫ノ爲交通又ハ通信困難ト爲リタル場合其ノ他已ムコトヲ得ザル場合ニ於テ之ヲ爲スモノトス
第三條 法第二條ノ規定ニ依リ補償スベキ損失ハ通常生ズベキ損失トス
法第二條ノ損失補償ヲ爲スベキ場合及前項ノ損失ヲ決定スル基準ハ主務大臣大藏大臣ト協議シテ之ヲ定ム
前二項ニ定ムルモノヲ除クノ外法第二條ノ損失補償ニ關シ必要ナル事項ハ主務大臣之ヲ定ム
第四條 法第一條ノ規定ニ基キテ發スル命令ニシテ法律ヲ以テ帝國議會ノ協贊ヲ經ベキモノニ係ルモノ及之ニ準ズル同條ノ命令及處分竝ニ同條第七號ノ勅令ヲ以テ指定スル事項ニ付テハ軍機ニ關スルモノヲ除クノ外主務大臣戰時緊急措置委員會ニ諮問スベシ但シ已ムコトヲ得ザル場合ニ於テハ事後ニ之ヲ報吿スベシ
第五條 法第一條ノ規定ニ基キテ發スル命令又ハ同條ノ規定ニ依リ爲ス處分ニハ同條ノ規定ニ基キテ發シ又ハ同條ノ規定ニ依リ爲スモノナル旨ヲ明示スルモノトス
第六條 第一條第二項中勅令トアルハ朝鮮ニ在リテハ制令ヲ以テ規定シ得ル事項ニ付テハ朝鮮總督府令、臺灣ニ在リテハ律令ヲ以テ規定シ得ル事項ニ付テハ臺灣總督府令トス
第四條中主務大臣トアルハ法第一條ノ規定ニ基ク朝鮮總督又ハ臺灣總督ノ措置ニ付テハ內務大臣トス
前項ノ場合ヲ除クノ外本令中主務大臣トアルハ朝鮮總督ノ所管ニ屬スルモノニ付テハ朝鮮總督、臺灣總督ノ所管ニ屬スルモノニ付テハ臺灣總督トス
附 則
本令ハ戰時緊急措置法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕戦時緊急措置法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月二十一日
内閣総理大臣 男爵 鈴木貫太郎
海軍大臣 米内光政
司法大臣 松阪広政
陸軍大臣 阿南惟幾
軍需大臣 豊田貞次郎
厚生大臣 岡田忠彦
国務大臣 桜井兵五郎
国務大臣 左近司政三
国務大臣 下村宏
大蔵大臣 広瀬豊作
文部大臣 太田耕造
農商大臣 石黒忠篤
内務大臣 安倍源基
外務大臣兼大東亜大臣 東郷茂徳
国務大臣 安井藤治
運輸大臣 小日山直登
勅令第三百七十八号
戦時緊急措置法施行令
第一条 戦時緊急措置法(以下法ト称ス)第一条ノ規定ニ基ク措置ハ概ネ左ノ各号ニ掲グル事項ニ付之ヲ為スモノトス
一 業務ノ開始及廃止、業務ノ運営並ニ業務従事者ノ懲戒
二 事業体ノ組織、事業体ノ間ニ於ケル協力並ニ事業体ノ管理、使用及収用
三 勤労、物資(電気ヲ含ム以下同ジ)、動力及資金ノ整備、物資ノ所持及処分並ニ物資及動力ノ管理、使用及収用
四 土地、工作物、立木、設備及施設ノ新設、拡張、改良、維持、交換、分合、処分、管理、使用及収用
五 権利ノ得喪、変更、行使、使用及収用
六 法人ノ設立、合併、解散及目的変更
七 価格、賃金其ノ他ノ財産的給付ノ契約、支払及受領
八 人ノ移動及居住
九 報告ノ徴収及臨検検査
十 統制、取締等ニ関スル法令ノ特例及適用排除
十一 其ノ他主務大臣内閣総理大臣ト協議シテ定ムル事項
法第一条第五号ノ税制ノ適正化ニ関シ必要ナル措置ニ付テハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 法第一条ノ規定ニ基ク措置ハ勅令ニ依ル場合ヲ除クノ外主務大臣及地方総監之ヲ為ス但シ地方総監ハ事態急迫ノ為交通又ハ通信困難ト為リタル場合其ノ他已ムコトヲ得ザル場合ニ於テ之ヲ為スモノトス
第三条 法第二条ノ規定ニ依リ補償スベキ損失ハ通常生ズベキ損失トス
法第二条ノ損失補償ヲ為スベキ場合及前項ノ損失ヲ決定スル基準ハ主務大臣大蔵大臣ト協議シテ之ヲ定ム
前二項ニ定ムルモノヲ除クノ外法第二条ノ損失補償ニ関シ必要ナル事項ハ主務大臣之ヲ定ム
第四条 法第一条ノ規定ニ基キテ発スル命令ニシテ法律ヲ以テ帝国議会ノ協賛ヲ経ベキモノニ係ルモノ及之ニ準ズル同条ノ命令及処分並ニ同条第七号ノ勅令ヲ以テ指定スル事項ニ付テハ軍機ニ関スルモノヲ除クノ外主務大臣戦時緊急措置委員会ニ諮問スベシ但シ已ムコトヲ得ザル場合ニ於テハ事後ニ之ヲ報告スベシ
第五条 法第一条ノ規定ニ基キテ発スル命令又ハ同条ノ規定ニ依リ為ス処分ニハ同条ノ規定ニ基キテ発シ又ハ同条ノ規定ニ依リ為スモノナル旨ヲ明示スルモノトス
第六条 第一条第二項中勅令トアルハ朝鮮ニ在リテハ制令ヲ以テ規定シ得ル事項ニ付テハ朝鮮総督府令、台湾ニ在リテハ律令ヲ以テ規定シ得ル事項ニ付テハ台湾総督府令トス
第四条中主務大臣トアルハ法第一条ノ規定ニ基ク朝鮮総督又ハ台湾総督ノ措置ニ付テハ内務大臣トス
前項ノ場合ヲ除クノ外本令中主務大臣トアルハ朝鮮総督ノ所管ニ属スルモノニ付テハ朝鮮総督、台湾総督ノ所管ニ属スルモノニ付テハ台湾総督トス
附 則
本令ハ戦時緊急措置法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス