第一條 本令ニ於テ藥劑師會ト稱スルハ日本藥劑師會又ハ都道府縣藥劑師會ヲ謂フ
第二條 日本藥劑師會ハ內地ヲ、都道府縣藥劑師會ハ都道府縣ヲ區域トス
第三條 藥劑師ニシテ藥事ニ關スル業務ニ從事スルモノハ其ノ就業ノ場所(就業ノ場所一定セザル者又ハ船舶內ニ於テ就業スルノ常況ニ在ル者ニ在リテハ住所トス以下同ジ)ノ所在スル都道府縣ヲ區域トスル都道府縣藥劑師會ノ會員トス
藥劑師ニシテ藥事ニ關スル業務ニ從事セザルモノハ其ノ住所ノ所在スル都道府縣ヲ區域トスル都道府縣藥劑師會ノ會員トス
藥劑師ニ非ザルモ藥劑師免許ヲ受クル資格ヲ有スル者ニシテ藥事ニ關スル業務ニ從事スルモノハ其ノ就業ノ場所ノ所在スル都道府縣ヲ區域トスル都道府縣藥劑師會ノ會員ト爲ルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ前項ノ者ニ對シ同項ノ都道府縣藥劑師會ノ會員ト爲ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第一項乃至前項ノ規定ハ陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(歸休下士官兵ヲ除ク)、戰時若ハ事變ニ際シ又ハ兵役法第五十五條第二項ノ規定(志願ニ依リ兵籍ニ編入セラレタル者ニ付テハ之ニ該當スル勅令ノ規定ヲ含ム)ニ依リ召集中ノモノ、兵籍ニ編入セラレタル學生生徒、志願ニ依リ國民軍ニ編入セラレタル者及陸海軍軍屬(厚生大臣ノ定ムル者ヲ除ク)ニ對シテハ之ヲ適用セズ
第四條 本令ニ依ル藥劑師會ニ非ザル者ハ藥劑師會又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第五條 都道府縣藥劑師會ノ設立ハ設立委員會則案ヲ定メ地方長官ノ認可ヲ受クベシ
設立委員ハ十人以上トシ第三條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ當該都道府縣藥劑師會ノ會員ト爲ルベキ者ノ中ヨリ地方長官之ヲ選任ス
都道府縣藥劑師會ノ設立ニ要スル費用ハ當該都道府縣藥劑師會ノ負擔トス
第六條 日本藥劑師會ノ設立ハ設立委員會則案ヲ定メ設立總會ノ議決ヲ經ベシ
設立委員ハ五人以上トシ都道府縣藥劑師會ノ會長中ヨリ厚生大臣之ヲ選任ス
設立總會ニ於テハ都道府縣藥劑師會ノ會長半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ其ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多數ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
設立總會ニ於テ設立ノ議決ヲ爲シタルトキハ設立委員ハ速ニ其ノ設立ニ付厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
日本藥劑師會ノ設立ニ要スル費用ハ日本藥劑師會ノ負擔トス
第七條 藥劑師會ハ設立ノ認可ヲ受ケタル時又ハ第九條ノ規定ニ依リ會則ノ作成アリタル時成立ス
第八條 藥劑師會成立シタルトキハ監督官廳ハ藥劑師會ノ名稱、事務所ノ所在地及成立ノ年月日ヲ吿示スベシ其ノ吿示シタル事項ニ變更アリタルトキ亦同ジ
第九條 監督官廳ハ第五條第二項又ハ第六條第二項ノ規定ニ依リ藥劑師會ノ設立委員ヲ選任シタル時ヨリ二月以內ニ第五條第一項又ハ第六條第五項ノ規定ニ依ル設立認可ノ申請ナキトキハ會則ノ作成其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十條 藥劑師會ノ會則ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
三 都道府縣藥劑師會ニ在リテハ第三條第三項ニ該當スル者ノ入會及退會ノ手續ニ關スル規定
五 總代ヲ設クル都道府縣藥劑師會ニ在リテハ總代ノ選任、解任及任期ニ關スル規定
十 重要ナル財產及營造物ノ管理方法及處分ニ關スル規定
十二 支部ヲ設クル都道府縣藥劑師會ニ在リテハ支部ニ關スル規定
第十二條 日本藥劑師會ノ總會ハ日本藥劑師會ノ會長、都道府縣藥劑師會ノ會長及特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
特別議員ノ定數ハ十五人トシ都道府縣藥劑師會ノ會員又ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ厚生大臣之ヲ命ズ
特別議員ノ任期ハ三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第十三條 都道府縣藥劑師會ノ總會ハ其ノ都道府縣藥劑師會ノ會長及會員ヲ以テ之ヲ組織ス但シ會則ノ定ムル所ニ依リ會員ニ代フルニ會員中ヨリ選擧シタル總代ヲ以テスルコトヲ得
前項但書ノ場合ニ於ケル選擧ニ付テハ指名推選ノ法ヲ用フルコトヲ得
第十五條 前條第一號、第二號、第六號及第七號ニ揭グル事項ハ監督官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
前條第四號又ハ第五號ニ揭グル事項ニ付テハ藥劑師會ハ監督官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十七條 總會ノ議長ハ日本藥劑師會ニ在リテハ日本藥劑師會ノ會長ヲ以テ、都道府縣藥劑師會ニ在リテハ都道府縣藥劑師會ノ會長ヲ以テ之ニ充ツ會長事故アルトキ又ハ缺員ノトキハ副會長ヲ以テ之ニ充テ會長及副會長共ニ事故アルトキ又ハ缺員ノトキハ出席者ノ互選ニ依リ議長ヲ定ム
第十八條 總會ハ本令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外日本藥劑師會ニ在リテハ都道府縣藥劑師會ノ會長及特別議員ノ、都道府縣藥劑師會ニ在リテハ會員又ハ總代ノ三分ノ一以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ至ルモ仍定數ニ滿タザルトキ又ハ招集ニ應ズルモ出席者定數ヲ缺キ議長ニ於テ出席ヲ催吿シ仍定數ニ滿タザルトキ若ハ定數ニ滿ツルモ其ノ後定數ニ滿タザルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
總會ノ議事ハ本令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第十九條 總會ハ左ニ揭グル事項ノ議事ニ付テハ日本藥劑師會ニ在リテハ都道府縣藥劑師會ノ會長及特別議員ノ、都道府縣藥劑師會ニ在リテハ會員又ハ總代ノ半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ
第一項ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多數ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第二十條 第六條第三項、第十二條第一項、第十三條第一項、第十八條第一項及前條第一項ノ場合ニ於テ藥劑師會ノ會長事故アルトキ又ハ缺員ノトキハ副會長之ニ代ルモノトス
第二十一條 都道府縣藥劑師會ニ在リテハ第十三條第一項但書ノ規定ニ該當スル場合ヲ除クノ外總會ニ出席スルコト能ハザル者ハ豫メ書面ヲ以テ出席者ニ委任シテ表決權ヲ行フコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ之ヲ總會ニ出席シタルモノト看做ス
第二十二條 藥劑師會ニ左ノ役員ヲ置ク
理事 日本藥劑師會ニ在リテハ十人以內、都道府縣藥劑師會ニ在リテハ五人以內
前項ノ役員ノ外日本藥劑師會及厚生大臣ノ指定スル都道府縣藥劑師會ニハ各專務理事一人ヲ置ク專務理事ハ有給トス
藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ前二項ノ役員ノ外必要ナル役員ヲ置クコトヲ得
第二十三條 日本藥劑師會ノ會長ハ都道府縣藥劑師會ノ會員中ヨリ厚生大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ學識經驗アル者ノ中ヨリ之ヲ命ズルコトヲ妨ゲズ
日本藥劑師會ノ副會長、專務理事及理事ハ都道府縣藥劑師會ノ會員中ヨリ日本藥劑師會長ノ推薦ニ依リ厚生大臣之ヲ命ズ但シ專務理事ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ之ヲ命ズルコトヲ妨ゲズ
第二十四條 都道府縣藥劑師會ノ會長ハ其ノ會員中ヨリ地方長官ノ具申ニ依リ厚生大臣之ヲ命ズ
都道府縣藥劑師會ノ副會長、專務理事及理事ハ其ノ會員中ヨリ都道府縣藥劑師會長ノ推薦ニ依リ地方長官之ヲ命ズ
前條第二項但書ノ規定ハ都道府縣藥劑師會ノ專務理事ノ任命ニ之ヲ準用ス
第二十五條 第二十二條第一項及第二項ノ役員ノ任期ハ三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第二十六條 會長ハ藥劑師會ヲ代表シ其ノ會務ヲ總理ス
副會長ハ會長ヲ輔佐シ會務ヲ掌理シ會長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
專務理事ハ會長及副會長共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長及副會長共ニ缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ會長、副會長及專務理事共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長、副會長及專務理事共ニ缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
第二十七條 會長ハ總會成立セザルトキ又ハ總會ニ於テ議決スベキ事項ヲ議決セザルトキハ監督官廳ニ具狀シテ指揮ヲ請ヒ總會ノ議決スベキ事項ヲ處分スルコトヲ得
第二十八條 總會ノ議決ヲ經ベキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ總會ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルトキハ會長之ヲ專決處分スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ會長ハ次ノ總會ニ於テ之ヲ報吿スベシ
第二十九條 都道府縣藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ會務ヲ補助セシムル爲支部ヲ置クコトヲ得
支部長ハ當該支部ノ區域內ノ會員中ヨリ都道府縣藥劑師會長地方長官ノ認可ヲ受ケ之ヲ委囑ス
第三十條 藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ニ對シ經費ヲ分賦スルコトヲ得
第三十一條 都道府縣藥劑師會ハ其ノ會員中藥事法第七條ノ處分ヲ必要ト認ムル者アルトキハ總會ノ議決ヲ經テ其ノ意見ヲ地方長官ヲ經由シテ厚生大臣ニ具申スルコトヲ得
第三十二條 都道府縣藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ニ對シ總會ノ議決ヲ經テ左ノ各號ノ一ニ揭グル懲戒ヲ行フコトヲ得但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ之ヲ併セテ行フコトヲ妨ゲズ
三 總會出席及總會ニ於ケル表決權行使又ハ總代ノ選擧權及被選擧權ノ三年以內ノ停止
總代前項第三號ノ規定ニ依リ選擧權及被選擧權ヲ停止セラレタルトキハ總代ヲ解任セラレタルモノトス
第三十三條 藥劑師會ノ會則及議決ハ其ノ會員ヲ覊束ス
第三十四條 日本藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ事務ノ一部ヲ都道府縣藥劑師會ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第三十五條 日本藥劑師會ハ都道府縣藥劑師會ノ總會ノ議決又ハ施行スル事項ガ日本藥劑師會ノ會則又ハ總會ノ議決ニ反スト認ムルトキハ其ノ議決ノ取消又ハ施行スル事項ノ廢止、停止若ハ變更ニ付厚生大臣ニ具狀スルコトヲ得
都道府縣藥劑師會ハ第一次ニ於テ地方長官、第二次ニ於テ厚生大臣之ヲ監督ス
第三十七條 厚生大臣ハ日本藥劑師會ニ對シ、厚生大臣又ハ地方長官ハ都道府縣藥劑師會ニ對シ藥事衞生ノ改良發達ヲ圖ル爲必要ナル事項ノ施行ヲ命ズルコトヲ得
第三十八條 監督官廳ハ藥劑師會ノ總會ノ議決、選擧又ハ施行スル事項ガ法令若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ其ノ議決、選擧若ハ當選ヲ取消シ、其ノ施行スル事項ノ廢止、停止若ハ變更ヲ命ジ又ハ特別議員ヲ解任シ若ハ總代ノ改選ヲ命ズルコトヲ得都道府縣藥劑師會ノ總會ノ議決又ハ施行スル事項ガ日本藥劑師會ノ會則又ハ總會ノ議決ニ反スト認ムルトキ亦同ジ
監督官廳ハ藥劑師會ノ役員ノ行爲ガ法令、會則若ハ議決ニ違反シ又ハ公益ヲ害スルモノト認ムルトキハ其ノ役員ヲ解任スルコトヲ得都道府縣藥劑師會ノ役員ノ行爲ガ日本藥劑師會ノ會則又ハ總會ノ議決ニ反スト認ムルトキ亦同ジ
第三十九條 藥事法第七條第二項ノ規定ニ依リ業務ヲ停止セラレタル者ハ其ノ停止中藥劑師會ノ總會ニ出席シ及總會ニ於ケル表決權ヲ行フコトヲ得ズ竝ニ總代ノ選擧權及被選擧權ヲ有セズ
役員、總代又ハ特別議員藥事法第七條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ藥劑師免許ノ取消又ハ業務ノ停止ノ處分ヲ受ケタルトキハ役員、總代又ハ特別議員ヲ解任セラレタルモノトス
第四十條 監督官廳ハ必要アリト認ムルトキハ藥劑師會ニ對シ會務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ又ハ會務若ハ財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
監督官廳ハ藥劑師會ノ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四十一條 都道府縣藥劑師會ノ區域ニ變更ヲ生ジタル爲財產處分ヲ要スルトキハ關係藥劑師會ノ協議ニ依リ其ノ財產處分方法ヲ定ムベシ
關係藥劑師會前項ノ協議ヲ爲サズ又ハ協議ヲ爲スモ協議調ハザル場合ニ於テハ厚生大臣其ノ財產處分方法ヲ定ム
第四十二條 藥劑師會ハ本令ニ依リ地方長官ノ爲シタル處分ニ對シ不服アルトキハ厚生大臣ニ訴願スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ總會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
第四十三條 藥事法ノ樺太ニ於ケル適用ニ付テハ同法第三章中道府縣藥劑師會トアルハ樺太藥劑師會ヲ含ムモノトス
本令ノ樺太ニ於ケル適用ニ付テハ同令中都道府縣藥劑師會トアルハ樺太藥劑師會ヲ、都道府縣トアルハ樺太ヲ含ムモノトス