薬剤師会令
法令番号: 勅令第七百六十四號
公布年月日: 昭和18年10月6日
法令の形式: 勅令
朕藥劑師會令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十月五日
內閣總理大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
勅令第七百六十四號
藥劑師會令
第一條 本令ニ於テ藥劑師會ト稱スルハ日本藥劑師會又ハ都道府縣藥劑師會ヲ謂フ
第二條 日本藥劑師會ハ內地ヲ、都道府縣藥劑師會ハ都道府縣ヲ區域トス
第三條 藥劑師ニシテ藥事ニ關スル業務ニ從事スルモノハ其ノ就業ノ場所(就業ノ場所一定セザル者又ハ船舶內ニ於テ就業スルノ常況ニ在ル者ニ在リテハ住所トス以下同ジ)ノ所在スル都道府縣ヲ區域トスル都道府縣藥劑師會ノ會員トス
藥劑師ニシテ藥事ニ關スル業務ニ從事セザルモノハ其ノ住所ノ所在スル都道府縣ヲ區域トスル都道府縣藥劑師會ノ會員トス
藥劑師ニ非ザルモ藥劑師免許ヲ受クル資格ヲ有スル者ニシテ藥事ニ關スル業務ニ從事スルモノハ其ノ就業ノ場所ノ所在スル都道府縣ヲ區域トスル都道府縣藥劑師會ノ會員ト爲ルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ前項ノ者ニ對シ同項ノ都道府縣藥劑師會ノ會員ト爲ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第一項乃至前項ノ規定ハ陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(歸休下士官兵ヲ除ク)、戰時若ハ事變ニ際シ又ハ兵役法第五十五條第二項ノ規定(志願ニ依リ兵籍ニ編入セラレタル者ニ付テハ之ニ該當スル勅令ノ規定ヲ含ム)ニ依リ召集中ノモノ、兵籍ニ編入セラレタル學生生徒、志願ニ依リ國民軍ニ編入セラレタル者及陸海軍軍屬(厚生大臣ノ定ムル者ヲ除ク)ニ對シテハ之ヲ適用セズ
第四條 本令ニ依ル藥劑師會ニ非ザル者ハ藥劑師會又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第五條 都道府縣藥劑師會ノ設立ハ設立委員會則案ヲ定メ地方長官ノ認可ヲ受クベシ
設立委員ハ十人以上トシ第三條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ當該都道府縣藥劑師會ノ會員ト爲ルベキ者ノ中ヨリ地方長官之ヲ選任ス
都道府縣藥劑師會ノ設立ニ要スル費用ハ當該都道府縣藥劑師會ノ負擔トス
第六條 日本藥劑師會ノ設立ハ設立委員會則案ヲ定メ設立總會ノ議決ヲ經ベシ
設立委員ハ五人以上トシ都道府縣藥劑師會ノ會長中ヨリ厚生大臣之ヲ選任ス
設立總會ニ於テハ都道府縣藥劑師會ノ會長半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ其ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多數ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
設立總會ノ招集及議事整理ハ設立委員之ヲ行フ
設立總會ニ於テ設立ノ議決ヲ爲シタルトキハ設立委員ハ速ニ其ノ設立ニ付厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
日本藥劑師會ノ設立ニ要スル費用ハ日本藥劑師會ノ負擔トス
第七條 藥劑師會ハ設立ノ認可ヲ受ケタル時又ハ第九條ノ規定ニ依リ會則ノ作成アリタル時成立ス
第八條 藥劑師會成立シタルトキハ監督官廳ハ藥劑師會ノ名稱、事務所ノ所在地及成立ノ年月日ヲ吿示スベシ其ノ吿示シタル事項ニ變更アリタルトキ亦同ジ
第九條 監督官廳ハ第五條第二項又ハ第六條第二項ノ規定ニ依リ藥劑師會ノ設立委員ヲ選任シタル時ヨリ二月以內ニ第五條第一項又ハ第六條第五項ノ規定ニ依ル設立認可ノ申請ナキトキハ會則ノ作成其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十條 藥劑師會ノ會則ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一 目的及名稱
二 事務所ノ所在地
三 都道府縣藥劑師會ニ在リテハ第三條第三項ニ該當スル者ノ入會及退會ノ手續ニ關スル規定
四 役員ニ關スル規定
五 總代ヲ設クル都道府縣藥劑師會ニ在リテハ總代ノ選任、解任及任期ニ關スル規定
六 事業及其ノ執行ニ關スル規定
七 會員ノ懲戒ニ關スル規定
八 總會其ノ他會議ニ關スル規定
九 經費ノ分賦及收入ニ關スル規定
十 重要ナル財產及營造物ノ管理方法及處分ニ關スル規定
十一 庶務及會計ニ關スル規定
十二 支部ヲ設クル都道府縣藥劑師會ニ在リテハ支部ニ關スル規定
第十一條 藥劑師會ノ行フ事業左ノ如シ
一 藥劑師ノ道義振作ニ關スル事項
二 藥事衞生ニ關スル藥劑師ノ補習ニ關スル事項
三 藥事衞生ノ改善及其ノ指導ニ關スル事項
四 衞生思想ノ啓發ニ關スル事項
五 藥事衞生ノ調査硏究ニ關スル事項
六 其ノ他目的達成上必要ナル事項
第十二條 日本藥劑師會ノ總會ハ日本藥劑師會ノ會長、都道府縣藥劑師會ノ會長及特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
特別議員ノ定數ハ十五人トシ都道府縣藥劑師會ノ會員又ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ厚生大臣之ヲ命ズ
特別議員ノ任期ハ三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第十三條 都道府縣藥劑師會ノ總會ハ其ノ都道府縣藥劑師會ノ會長及會員ヲ以テ之ヲ組織ス但シ會則ノ定ムル所ニ依リ會員ニ代フルニ會員中ヨリ選擧シタル總代ヲ以テスルコトヲ得
前項但書ノ場合ニ於ケル選擧ニ付テハ指名推選ノ法ヲ用フルコトヲ得
第十四條 左ニ揭グル事項ハ總會ノ議決ヲ經ベシ
一 收支豫算
二 經費ノ分賦收入方法
三 收支決算
四 借入金(年度內ニ於テ償還スル借入金ヲ除ク)
五 重要ナル財產及營造物ノ造成、管理方法及處分
六 調劑報酬ノ標準額
七 會則ノ變更
八 其ノ他法令又ハ會則ニ規定スル事項
第十五條 前條第一號、第二號、第六號及第七號ニ揭グル事項ハ監督官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
前條第四號又ハ第五號ニ揭グル事項ニ付テハ藥劑師會ハ監督官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十六條 總會ハ藥劑師會ノ會長之ヲ招集ス
第十七條 總會ノ議長ハ日本藥劑師會ニ在リテハ日本藥劑師會ノ會長ヲ以テ、都道府縣藥劑師會ニ在リテハ都道府縣藥劑師會ノ會長ヲ以テ之ニ充ツ會長事故アルトキ又ハ缺員ノトキハ副會長ヲ以テ之ニ充テ會長及副會長共ニ事故アルトキ又ハ缺員ノトキハ出席者ノ互選ニ依リ議長ヲ定ム
第十八條 總會ハ本令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外日本藥劑師會ニ在リテハ都道府縣藥劑師會ノ會長及特別議員ノ、都道府縣藥劑師會ニ在リテハ會員又ハ總代ノ三分ノ一以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ至ルモ仍定數ニ滿タザルトキ又ハ招集ニ應ズルモ出席者定數ヲ缺キ議長ニ於テ出席ヲ催吿シ仍定數ニ滿タザルトキ若ハ定數ニ滿ツルモ其ノ後定數ニ滿タザルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
總會ノ議事ハ本令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第十九條 總會ハ左ニ揭グル事項ノ議事ニ付テハ日本藥劑師會ニ在リテハ都道府縣藥劑師會ノ會長及特別議員ノ、都道府縣藥劑師會ニ在リテハ會員又ハ總代ノ半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ
一 會則變更ノ議決
二 第三十一條ノ議決
三 第三十二條第一項ノ議決
前條第一項但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多數ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第二十條 第六條第三項、第十二條第一項、第十三條第一項、第十八條第一項及前條第一項ノ場合ニ於テ藥劑師會ノ會長事故アルトキ又ハ缺員ノトキハ副會長之ニ代ルモノトス
第二十一條 都道府縣藥劑師會ニ在リテハ第十三條第一項但書ノ規定ニ該當スル場合ヲ除クノ外總會ニ出席スルコト能ハザル者ハ豫メ書面ヲ以テ出席者ニ委任シテ表決權ヲ行フコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ之ヲ總會ニ出席シタルモノト看做ス
第二十二條 藥劑師會ニ左ノ役員ヲ置ク
會長 一人
副會長 一人
理事 日本藥劑師會ニ在リテハ十人以內、都道府縣藥劑師會ニ在リテハ五人以內
前項ノ役員ノ外日本藥劑師會及厚生大臣ノ指定スル都道府縣藥劑師會ニハ各專務理事一人ヲ置ク專務理事ハ有給トス
藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ前二項ノ役員ノ外必要ナル役員ヲ置クコトヲ得
第二十三條 日本藥劑師會ノ會長ハ都道府縣藥劑師會ノ會員中ヨリ厚生大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ學識經驗アル者ノ中ヨリ之ヲ命ズルコトヲ妨ゲズ
日本藥劑師會ノ副會長、專務理事及理事ハ都道府縣藥劑師會ノ會員中ヨリ日本藥劑師會長ノ推薦ニ依リ厚生大臣之ヲ命ズ但シ專務理事ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ之ヲ命ズルコトヲ妨ゲズ
第二十四條 都道府縣藥劑師會ノ會長ハ其ノ會員中ヨリ地方長官ノ具申ニ依リ厚生大臣之ヲ命ズ
都道府縣藥劑師會ノ副會長、專務理事及理事ハ其ノ會員中ヨリ都道府縣藥劑師會長ノ推薦ニ依リ地方長官之ヲ命ズ
前條第二項但書ノ規定ハ都道府縣藥劑師會ノ專務理事ノ任命ニ之ヲ準用ス
第二十五條 第二十二條第一項及第二項ノ役員ノ任期ハ三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第二十六條 會長ハ藥劑師會ヲ代表シ其ノ會務ヲ總理ス
副會長ハ會長ヲ輔佐シ會務ヲ掌理シ會長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
專務理事及理事ハ會長及副會長ヲ輔佐シ會務ヲ掌理ス
專務理事ハ會長及副會長共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長及副會長共ニ缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ會長、副會長及專務理事共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長、副會長及專務理事共ニ缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
第二十七條 會長ハ總會成立セザルトキ又ハ總會ニ於テ議決スベキ事項ヲ議決セザルトキハ監督官廳ニ具狀シテ指揮ヲ請ヒ總會ノ議決スベキ事項ヲ處分スルコトヲ得
第二十八條 總會ノ議決ヲ經ベキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ總會ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルトキハ會長之ヲ專決處分スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ會長ハ次ノ總會ニ於テ之ヲ報吿スベシ
第二十九條 都道府縣藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ會務ヲ補助セシムル爲支部ヲ置クコトヲ得
支部ニ支部長ヲ置ク
支部長ハ支部ノ事務ヲ掌理ス
支部長ハ當該支部ノ區域內ノ會員中ヨリ都道府縣藥劑師會長地方長官ノ認可ヲ受ケ之ヲ委囑ス
第三十條 藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ニ對シ經費ヲ分賦スルコトヲ得
第三十一條 都道府縣藥劑師會ハ其ノ會員中藥事法第七條ノ處分ヲ必要ト認ムル者アルトキハ總會ノ議決ヲ經テ其ノ意見ヲ地方長官ヲ經由シテ厚生大臣ニ具申スルコトヲ得
第三十二條 都道府縣藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ニ對シ總會ノ議決ヲ經テ左ノ各號ノ一ニ揭グル懲戒ヲ行フコトヲ得但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ之ヲ併セテ行フコトヲ妨ゲズ
一 譴責
二 千圓以下ノ過怠金
三 總會出席及總會ニ於ケル表決權行使又ハ總代ノ選擧權及被選擧權ノ三年以內ノ停止
總代前項第三號ノ規定ニ依リ選擧權及被選擧權ヲ停止セラレタルトキハ總代ヲ解任セラレタルモノトス
第三十三條 藥劑師會ノ會則及議決ハ其ノ會員ヲ覊束ス
第三十四條 日本藥劑師會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ事務ノ一部ヲ都道府縣藥劑師會ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第三十五條 日本藥劑師會ハ都道府縣藥劑師會ノ總會ノ議決又ハ施行スル事項ガ日本藥劑師會ノ會則又ハ總會ノ議決ニ反スト認ムルトキハ其ノ議決ノ取消又ハ施行スル事項ノ廢止、停止若ハ變更ニ付厚生大臣ニ具狀スルコトヲ得
第三十六條 日本藥劑師會ハ厚生大臣之ヲ監督ス
都道府縣藥劑師會ハ第一次ニ於テ地方長官、第二次ニ於テ厚生大臣之ヲ監督ス
第三十七條 厚生大臣ハ日本藥劑師會ニ對シ、厚生大臣又ハ地方長官ハ都道府縣藥劑師會ニ對シ藥事衞生ノ改良發達ヲ圖ル爲必要ナル事項ノ施行ヲ命ズルコトヲ得
第三十八條 監督官廳ハ藥劑師會ノ總會ノ議決、選擧又ハ施行スル事項ガ法令若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ其ノ議決、選擧若ハ當選ヲ取消シ、其ノ施行スル事項ノ廢止、停止若ハ變更ヲ命ジ又ハ特別議員ヲ解任シ若ハ總代ノ改選ヲ命ズルコトヲ得都道府縣藥劑師會ノ總會ノ議決又ハ施行スル事項ガ日本藥劑師會ノ會則又ハ總會ノ議決ニ反スト認ムルトキ亦同ジ
監督官廳ハ藥劑師會ノ役員ノ行爲ガ法令、會則若ハ議決ニ違反シ又ハ公益ヲ害スルモノト認ムルトキハ其ノ役員ヲ解任スルコトヲ得都道府縣藥劑師會ノ役員ノ行爲ガ日本藥劑師會ノ會則又ハ總會ノ議決ニ反スト認ムルトキ亦同ジ
第三十九條 藥事法第七條第二項ノ規定ニ依リ業務ヲ停止セラレタル者ハ其ノ停止中藥劑師會ノ總會ニ出席シ及總會ニ於ケル表決權ヲ行フコトヲ得ズ竝ニ總代ノ選擧權及被選擧權ヲ有セズ
役員、總代又ハ特別議員藥事法第七條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ藥劑師免許ノ取消又ハ業務ノ停止ノ處分ヲ受ケタルトキハ役員、總代又ハ特別議員ヲ解任セラレタルモノトス
第四十條 監督官廳ハ必要アリト認ムルトキハ藥劑師會ニ對シ會務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ又ハ會務若ハ財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
監督官廳ハ藥劑師會ノ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四十一條 都道府縣藥劑師會ノ區域ニ變更ヲ生ジタル爲財產處分ヲ要スルトキハ關係藥劑師會ノ協議ニ依リ其ノ財產處分方法ヲ定ムベシ
關係藥劑師會前項ノ協議ヲ爲サズ又ハ協議ヲ爲スモ協議調ハザル場合ニ於テハ厚生大臣其ノ財產處分方法ヲ定ム
第四十二條 藥劑師會ハ本令ニ依リ地方長官ノ爲シタル處分ニ對シ不服アルトキハ厚生大臣ニ訴願スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ總會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
第四十三條 藥事法ノ樺太ニ於ケル適用ニ付テハ同法第三章中道府縣藥劑師會トアルハ樺太藥劑師會ヲ含ムモノトス
本令ノ樺太ニ於ケル適用ニ付テハ同令中都道府縣藥劑師會トアルハ樺太藥劑師會ヲ、都道府縣トアルハ樺太ヲ含ムモノトス
附 則
第四十四條 本令ハ藥事法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第四十五條 大正十五年勅令第十七號藥劑師會令ハ之ヲ廢止ス但シ同令中道府縣藥劑師會及日本藥劑師會ニ關スル規定ハ第四十六條ノ規定ニ依リ藥劑師法中當該藥劑師會ニ關スル規定ノ效力ヲ有スル時迄仍其ノ效力ヲ有ス
第四十六條 藥劑師法中日本藥劑師會ニ關スル規定ハ本令ニ依リ日本藥劑師會ノ成立アリタル時迄、道府縣藥劑師會ニ關スル規定ハ各都道府縣藥劑師會每ニ付本令ニ依リ區域ヲ同ジクスル都道府縣藥劑師會ノ成立アリタル時迄仍其ノ效力ヲ有ス
此ノ場合ニ於テハ本令ニ依リ成立シタル都道府縣藥劑師會ハ藥劑師法ニ依ル日本藥劑師會ノ會員ト看做ス
第四十七條 本令ニ依ル藥劑師會成立ノ際大正十五年勅令第十七號藥劑師會令ニ依ル選擧權及被選擧權ノ停止處分ニシテ其ノ停止期間滿了セザルモノ、同令ニ依ル訴願ニシテ現ニ繫屬中ノモノ又ハ提起期間滿了セザルモノ等ノ處理ニ關シ必要アル場合ニ於テハ厚生大臣必要ナル定ヲ爲スコトヲ得
朕薬剤師会令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十月五日
内閣総理大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
勅令第七百六十四号
薬剤師会令
第一条 本令ニ於テ薬剤師会ト称スルハ日本薬剤師会又ハ都道府県薬剤師会ヲ謂フ
第二条 日本薬剤師会ハ内地ヲ、都道府県薬剤師会ハ都道府県ヲ区域トス
第三条 薬剤師ニシテ薬事ニ関スル業務ニ従事スルモノハ其ノ就業ノ場所(就業ノ場所一定セザル者又ハ船舶内ニ於テ就業スルノ常況ニ在ル者ニ在リテハ住所トス以下同ジ)ノ所在スル都道府県ヲ区域トスル都道府県薬剤師会ノ会員トス
薬剤師ニシテ薬事ニ関スル業務ニ従事セザルモノハ其ノ住所ノ所在スル都道府県ヲ区域トスル都道府県薬剤師会ノ会員トス
薬剤師ニ非ザルモ薬剤師免許ヲ受クル資格ヲ有スル者ニシテ薬事ニ関スル業務ニ従事スルモノハ其ノ就業ノ場所ノ所在スル都道府県ヲ区域トスル都道府県薬剤師会ノ会員ト為ルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ前項ノ者ニ対シ同項ノ都道府県薬剤師会ノ会員ト為ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第一項乃至前項ノ規定ハ陸海軍軍人ニシテ現役中ノモノ(帰休下士官兵ヲ除ク)、戦時若ハ事変ニ際シ又ハ兵役法第五十五条第二項ノ規定(志願ニ依リ兵籍ニ編入セラレタル者ニ付テハ之ニ該当スル勅令ノ規定ヲ含ム)ニ依リ召集中ノモノ、兵籍ニ編入セラレタル学生生徒、志願ニ依リ国民軍ニ編入セラレタル者及陸海軍軍属(厚生大臣ノ定ムル者ヲ除ク)ニ対シテハ之ヲ適用セズ
第四条 本令ニ依ル薬剤師会ニ非ザル者ハ薬剤師会又ハ之ニ類似スル名称ヲ用フルコトヲ得ズ
第五条 都道府県薬剤師会ノ設立ハ設立委員会則案ヲ定メ地方長官ノ認可ヲ受クベシ
設立委員ハ十人以上トシ第三条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ当該都道府県薬剤師会ノ会員ト為ルベキ者ノ中ヨリ地方長官之ヲ選任ス
都道府県薬剤師会ノ設立ニ要スル費用ハ当該都道府県薬剤師会ノ負担トス
第六条 日本薬剤師会ノ設立ハ設立委員会則案ヲ定メ設立総会ノ議決ヲ経ベシ
設立委員ハ五人以上トシ都道府県薬剤師会ノ会長中ヨリ厚生大臣之ヲ選任ス
設立総会ニ於テハ都道府県薬剤師会ノ会長半数以上出席スルニ非ザレバ会議ヲ開クコトヲ得ズ其ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多数ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
設立総会ノ招集及議事整理ハ設立委員之ヲ行フ
設立総会ニ於テ設立ノ議決ヲ為シタルトキハ設立委員ハ速ニ其ノ設立ニ付厚生大臣ノ認可ヲ受クベシ
日本薬剤師会ノ設立ニ要スル費用ハ日本薬剤師会ノ負担トス
第七条 薬剤師会ハ設立ノ認可ヲ受ケタル時又ハ第九条ノ規定ニ依リ会則ノ作成アリタル時成立ス
第八条 薬剤師会成立シタルトキハ監督官庁ハ薬剤師会ノ名称、事務所ノ所在地及成立ノ年月日ヲ告示スベシ其ノ告示シタル事項ニ変更アリタルトキ亦同ジ
第九条 監督官庁ハ第五条第二項又ハ第六条第二項ノ規定ニ依リ薬剤師会ノ設立委員ヲ選任シタル時ヨリ二月以内ニ第五条第一項又ハ第六条第五項ノ規定ニ依ル設立認可ノ申請ナキトキハ会則ノ作成其ノ他設立ニ関シ必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第十条 薬剤師会ノ会則ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載スベシ
一 目的及名称
二 事務所ノ所在地
三 都道府県薬剤師会ニ在リテハ第三条第三項ニ該当スル者ノ入会及退会ノ手続ニ関スル規定
四 役員ニ関スル規定
五 総代ヲ設クル都道府県薬剤師会ニ在リテハ総代ノ選任、解任及任期ニ関スル規定
六 事業及其ノ執行ニ関スル規定
七 会員ノ懲戒ニ関スル規定
八 総会其ノ他会議ニ関スル規定
九 経費ノ分賦及収入ニ関スル規定
十 重要ナル財産及営造物ノ管理方法及処分ニ関スル規定
十一 庶務及会計ニ関スル規定
十二 支部ヲ設クル都道府県薬剤師会ニ在リテハ支部ニ関スル規定
第十一条 薬剤師会ノ行フ事業左ノ如シ
一 薬剤師ノ道義振作ニ関スル事項
二 薬事衛生ニ関スル薬剤師ノ補習ニ関スル事項
三 薬事衛生ノ改善及其ノ指導ニ関スル事項
四 衛生思想ノ啓発ニ関スル事項
五 薬事衛生ノ調査研究ニ関スル事項
六 其ノ他目的達成上必要ナル事項
第十二条 日本薬剤師会ノ総会ハ日本薬剤師会ノ会長、都道府県薬剤師会ノ会長及特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
特別議員ノ定数ハ十五人トシ都道府県薬剤師会ノ会員又ハ学識経験アル者ノ中ヨリ厚生大臣之ヲ命ズ
特別議員ノ任期ハ三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第十三条 都道府県薬剤師会ノ総会ハ其ノ都道府県薬剤師会ノ会長及会員ヲ以テ之ヲ組織ス但シ会則ノ定ムル所ニ依リ会員ニ代フルニ会員中ヨリ選挙シタル総代ヲ以テスルコトヲ得
前項但書ノ場合ニ於ケル選挙ニ付テハ指名推選ノ法ヲ用フルコトヲ得
第十四条 左ニ掲グル事項ハ総会ノ議決ヲ経ベシ
一 収支予算
二 経費ノ分賦収入方法
三 収支決算
四 借入金(年度内ニ於テ償還スル借入金ヲ除ク)
五 重要ナル財産及営造物ノ造成、管理方法及処分
六 調剤報酬ノ標準額
七 会則ノ変更
八 其ノ他法令又ハ会則ニ規定スル事項
第十五条 前条第一号、第二号、第六号及第七号ニ掲グル事項ハ監督官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
前条第四号又ハ第五号ニ掲グル事項ニ付テハ薬剤師会ハ監督官庁ノ認可ヲ受クベシ
第十六条 総会ハ薬剤師会ノ会長之ヲ招集ス
第十七条 総会ノ議長ハ日本薬剤師会ニ在リテハ日本薬剤師会ノ会長ヲ以テ、都道府県薬剤師会ニ在リテハ都道府県薬剤師会ノ会長ヲ以テ之ニ充ツ会長事故アルトキ又ハ欠員ノトキハ副会長ヲ以テ之ニ充テ会長及副会長共ニ事故アルトキ又ハ欠員ノトキハ出席者ノ互選ニ依リ議長ヲ定ム
第十八条 総会ハ本令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外日本薬剤師会ニ在リテハ都道府県薬剤師会ノ会長及特別議員ノ、都道府県薬剤師会ニ在リテハ会員又ハ総代ノ三分ノ一以上出席スルニ非ザレバ会議ヲ開クコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再回ニ至ルモ仍定数ニ満タザルトキ又ハ招集ニ応ズルモ出席者定数ヲ欠キ議長ニ於テ出席ヲ催告シ仍定数ニ満タザルトキ若ハ定数ニ満ツルモ其ノ後定数ニ満タザルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
総会ノ議事ハ本令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第十九条 総会ハ左ニ掲グル事項ノ議事ニ付テハ日本薬剤師会ニ在リテハ都道府県薬剤師会ノ会長及特別議員ノ、都道府県薬剤師会ニ在リテハ会員又ハ総代ノ半数以上出席スルニ非ザレバ会議ヲ開クコトヲ得ズ
一 会則変更ノ議決
二 第三十一条ノ議決
三 第三十二条第一項ノ議決
前条第一項但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ議決ハ出席者三分ノ二以上ノ多数ヲ以テスルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
第二十条 第六条第三項、第十二条第一項、第十三条第一項、第十八条第一項及前条第一項ノ場合ニ於テ薬剤師会ノ会長事故アルトキ又ハ欠員ノトキハ副会長之ニ代ルモノトス
第二十一条 都道府県薬剤師会ニ在リテハ第十三条第一項但書ノ規定ニ該当スル場合ヲ除クノ外総会ニ出席スルコト能ハザル者ハ予メ書面ヲ以テ出席者ニ委任シテ表決権ヲ行フコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ之ヲ総会ニ出席シタルモノト看做ス
第二十二条 薬剤師会ニ左ノ役員ヲ置ク
会長 一人
副会長 一人
理事 日本薬剤師会ニ在リテハ十人以内、都道府県薬剤師会ニ在リテハ五人以内
前項ノ役員ノ外日本薬剤師会及厚生大臣ノ指定スル都道府県薬剤師会ニハ各専務理事一人ヲ置ク専務理事ハ有給トス
薬剤師会ハ会則ノ定ムル所ニ依リ前二項ノ役員ノ外必要ナル役員ヲ置クコトヲ得
第二十三条 日本薬剤師会ノ会長ハ都道府県薬剤師会ノ会員中ヨリ厚生大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ学識経験アル者ノ中ヨリ之ヲ命ズルコトヲ妨ゲズ
日本薬剤師会ノ副会長、専務理事及理事ハ都道府県薬剤師会ノ会員中ヨリ日本薬剤師会長ノ推薦ニ依リ厚生大臣之ヲ命ズ但シ専務理事ハ学識経験アル者ノ中ヨリ之ヲ命ズルコトヲ妨ゲズ
第二十四条 都道府県薬剤師会ノ会長ハ其ノ会員中ヨリ地方長官ノ具申ニ依リ厚生大臣之ヲ命ズ
都道府県薬剤師会ノ副会長、専務理事及理事ハ其ノ会員中ヨリ都道府県薬剤師会長ノ推薦ニ依リ地方長官之ヲ命ズ
前条第二項但書ノ規定ハ都道府県薬剤師会ノ専務理事ノ任命ニ之ヲ準用ス
第二十五条 第二十二条第一項及第二項ノ役員ノ任期ハ三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第二十六条 会長ハ薬剤師会ヲ代表シ其ノ会務ヲ総理ス
副会長ハ会長ヲ輔佐シ会務ヲ掌理シ会長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ会長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
専務理事及理事ハ会長及副会長ヲ輔佐シ会務ヲ掌理ス
専務理事ハ会長及副会長共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ会長及副会長共ニ欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ予メ会長ノ定ムル順位ニ依リ会長、副会長及専務理事共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ会長、副会長及専務理事共ニ欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
第二十七条 会長ハ総会成立セザルトキ又ハ総会ニ於テ議決スベキ事項ヲ議決セザルトキハ監督官庁ニ具状シテ指揮ヲ請ヒ総会ノ議決スベキ事項ヲ処分スルコトヲ得
第二十八条 総会ノ議決ヲ経ベキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ総会ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルトキハ会長之ヲ専決処分スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ会長ハ次ノ総会ニ於テ之ヲ報告スベシ
第二十九条 都道府県薬剤師会ハ会則ノ定ムル所ニ依リ会務ヲ補助セシムル為支部ヲ置クコトヲ得
支部ニ支部長ヲ置ク
支部長ハ支部ノ事務ヲ掌理ス
支部長ハ当該支部ノ区域内ノ会員中ヨリ都道府県薬剤師会長地方長官ノ認可ヲ受ケ之ヲ委嘱ス
第三十条 薬剤師会ハ会則ノ定ムル所ニ依リ其ノ会員ニ対シ経費ヲ分賦スルコトヲ得
第三十一条 都道府県薬剤師会ハ其ノ会員中薬事法第七条ノ処分ヲ必要ト認ムル者アルトキハ総会ノ議決ヲ経テ其ノ意見ヲ地方長官ヲ経由シテ厚生大臣ニ具申スルコトヲ得
第三十二条 都道府県薬剤師会ハ会則ノ定ムル所ニ依リ其ノ会員ニ対シ総会ノ議決ヲ経テ左ノ各号ノ一ニ掲グル懲戒ヲ行フコトヲ得但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ之ヲ併セテ行フコトヲ妨ゲズ
一 譴責
二 千円以下ノ過怠金
三 総会出席及総会ニ於ケル表決権行使又ハ総代ノ選挙権及被選挙権ノ三年以内ノ停止
総代前項第三号ノ規定ニ依リ選挙権及被選挙権ヲ停止セラレタルトキハ総代ヲ解任セラレタルモノトス
第三十三条 薬剤師会ノ会則及議決ハ其ノ会員ヲ羈束ス
第三十四条 日本薬剤師会ハ会則ノ定ムル所ニ依リ其ノ事務ノ一部ヲ都道府県薬剤師会ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第三十五条 日本薬剤師会ハ都道府県薬剤師会ノ総会ノ議決又ハ施行スル事項ガ日本薬剤師会ノ会則又ハ総会ノ議決ニ反スト認ムルトキハ其ノ議決ノ取消又ハ施行スル事項ノ廃止、停止若ハ変更ニ付厚生大臣ニ具状スルコトヲ得
第三十六条 日本薬剤師会ハ厚生大臣之ヲ監督ス
都道府県薬剤師会ハ第一次ニ於テ地方長官、第二次ニ於テ厚生大臣之ヲ監督ス
第三十七条 厚生大臣ハ日本薬剤師会ニ対シ、厚生大臣又ハ地方長官ハ都道府県薬剤師会ニ対シ薬事衛生ノ改良発達ヲ図ル為必要ナル事項ノ施行ヲ命ズルコトヲ得
第三十八条 監督官庁ハ薬剤師会ノ総会ノ議決、選挙又ハ施行スル事項ガ法令若ハ会則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ其ノ議決、選挙若ハ当選ヲ取消シ、其ノ施行スル事項ノ廃止、停止若ハ変更ヲ命ジ又ハ特別議員ヲ解任シ若ハ総代ノ改選ヲ命ズルコトヲ得都道府県薬剤師会ノ総会ノ議決又ハ施行スル事項ガ日本薬剤師会ノ会則又ハ総会ノ議決ニ反スト認ムルトキ亦同ジ
監督官庁ハ薬剤師会ノ役員ノ行為ガ法令、会則若ハ議決ニ違反シ又ハ公益ヲ害スルモノト認ムルトキハ其ノ役員ヲ解任スルコトヲ得都道府県薬剤師会ノ役員ノ行為ガ日本薬剤師会ノ会則又ハ総会ノ議決ニ反スト認ムルトキ亦同ジ
第三十九条 薬事法第七条第二項ノ規定ニ依リ業務ヲ停止セラレタル者ハ其ノ停止中薬剤師会ノ総会ニ出席シ及総会ニ於ケル表決権ヲ行フコトヲ得ズ並ニ総代ノ選挙権及被選挙権ヲ有セズ
役員、総代又ハ特別議員薬事法第七条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ薬剤師免許ノ取消又ハ業務ノ停止ノ処分ヲ受ケタルトキハ役員、総代又ハ特別議員ヲ解任セラレタルモノトス
第四十条 監督官庁ハ必要アリト認ムルトキハ薬剤師会ニ対シ会務ニ関スル報告ヲ為サシメ又ハ会務若ハ財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得
監督官庁ハ薬剤師会ノ監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第四十一条 都道府県薬剤師会ノ区域ニ変更ヲ生ジタル為財産処分ヲ要スルトキハ関係薬剤師会ノ協議ニ依リ其ノ財産処分方法ヲ定ムベシ
関係薬剤師会前項ノ協議ヲ為サズ又ハ協議ヲ為スモ協議調ハザル場合ニ於テハ厚生大臣其ノ財産処分方法ヲ定ム
第四十二条 薬剤師会ハ本令ニ依リ地方長官ノ為シタル処分ニ対シ不服アルトキハ厚生大臣ニ訴願スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ総会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス
第四十三条 薬事法ノ樺太ニ於ケル適用ニ付テハ同法第三章中道府県薬剤師会トアルハ樺太薬剤師会ヲ含ムモノトス
本令ノ樺太ニ於ケル適用ニ付テハ同令中都道府県薬剤師会トアルハ樺太薬剤師会ヲ、都道府県トアルハ樺太ヲ含ムモノトス
附 則
第四十四条 本令ハ薬事法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第四十五条 大正十五年勅令第十七号薬剤師会令ハ之ヲ廃止ス但シ同令中道府県薬剤師会及日本薬剤師会ニ関スル規定ハ第四十六条ノ規定ニ依リ薬剤師法中当該薬剤師会ニ関スル規定ノ効力ヲ有スル時迄仍其ノ効力ヲ有ス
第四十六条 薬剤師法中日本薬剤師会ニ関スル規定ハ本令ニ依リ日本薬剤師会ノ成立アリタル時迄、道府県薬剤師会ニ関スル規定ハ各都道府県薬剤師会毎ニ付本令ニ依リ区域ヲ同ジクスル都道府県薬剤師会ノ成立アリタル時迄仍其ノ効力ヲ有ス
此ノ場合ニ於テハ本令ニ依リ成立シタル都道府県薬剤師会ハ薬剤師法ニ依ル日本薬剤師会ノ会員ト看做ス
第四十七条 本令ニ依ル薬剤師会成立ノ際大正十五年勅令第十七号薬剤師会令ニ依ル選挙権及被選挙権ノ停止処分ニシテ其ノ停止期間満了セザルモノ、同令ニ依ル訴願ニシテ現ニ繋属中ノモノ又ハ提起期間満了セザルモノ等ノ処理ニ関シ必要アル場合ニ於テハ厚生大臣必要ナル定ヲ為スコトヲ得