日満地方税徴収事務共助法
法令番号: 法律第五十一號
公布年月日: 昭和18年3月12日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル日滿地方稅徵收事務共助法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月十一日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
內務大臣 湯澤三千男
法律第五十一號
日滿地方稅徵收事務共助法
第一條 地方稅、督促手數料、延滯金若ハ滯納處分費ヲ徵收セラルベキ者又ハ其ノ者ノ財產ガ滿洲國內ニ在ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該官吏又ハ吏員ハ滿洲國ノ當該官吏ニ當該地方稅、督促手數料、延滯金又ハ滯納處分費ノ徵收ヲ囑託スルコトヲ得
第二條 滿洲國ノ地方稅、督促手數料、延滯金若ハ滯納處分費ヲ徵收セラルベキ者又ハ其ノ者ノ財產ガ帝國內ニ在ル場合ニ於テ滿洲國ノ當該官吏ノ囑託アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該吏員ハ滿洲國ノ當該地方稅、督促手數料、延滯金又ハ滯納處分費ヲ徵收シ之ヲ滿洲國ノ當該官吏ニ送付スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於ケル徵收金ノ徵收ハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外帝國ノ當該市町村稅徵收ノ例ニ依ル
第三條 前條ノ規定ニ依ル徵收金ハ日滿國稅徵收事務共助法第二條ノ規定ニ依ル徵收金ニ次ギ先取特權ヲ有ス
第四條 第二條ノ規定ニ依ル徵收金ノ滯納處分ニ對シ不服アル者ハ市町村稅滯納處分ノ場合ニ準ジ訴願ヲ爲シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第五條 第二條ノ規定ニ依ル徵收金ノ徵收及送付ノ費用ハ當該徵收金ノ徵收ヲ爲シタル吏員ノ屬スル地方團體ニ負擔トス
第六條 町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ本法中町村稅ニ關スル規定ハ町村稅ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
町村組合ニシテ町村事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同處理スルモノハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ地方團體ト看做ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
國稅徵收法第四條ノ一第二號及地方稅法第二十六條第一項第一號中「滿洲國ノ國稅」ヲ「滿洲國ノ國稅若ハ地方稅」ニ改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル日満地方税徴収事務共助法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月十一日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
内務大臣 湯沢三千男
法律第五十一号
日満地方税徴収事務共助法
第一条 地方税、督促手数料、延滞金若ハ滞納処分費ヲ徴収セラルベキ者又ハ其ノ者ノ財産ガ満洲国内ニ在ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ当該官吏又ハ吏員ハ満洲国ノ当該官吏ニ当該地方税、督促手数料、延滞金又ハ滞納処分費ノ徴収ヲ嘱託スルコトヲ得
第二条 満洲国ノ地方税、督促手数料、延滞金若ハ滞納処分費ヲ徴収セラルベキ者又ハ其ノ者ノ財産ガ帝国内ニ在ル場合ニ於テ満洲国ノ当該官吏ノ嘱託アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ当該吏員ハ満洲国ノ当該地方税、督促手数料、延滞金又ハ滞納処分費ヲ徴収シ之ヲ満洲国ノ当該官吏ニ送付スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於ケル徴収金ノ徴収ハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外帝国ノ当該市町村税徴収ノ例ニ依ル
第三条 前条ノ規定ニ依ル徴収金ハ日満国税徴収事務共助法第二条ノ規定ニ依ル徴収金ニ次ギ先取特権ヲ有ス
第四条 第二条ノ規定ニ依ル徴収金ノ滞納処分ニ対シ不服アル者ハ市町村税滞納処分ノ場合ニ準ジ訴願ヲ為シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第五条 第二条ノ規定ニ依ル徴収金ノ徴収及送付ノ費用ハ当該徴収金ノ徴収ヲ為シタル吏員ノ属スル地方団体ニ負担トス
第六条 町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ本法中町村税ニ関スル規定ハ町村税ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
町村組合ニシテ町村事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同処理スルモノハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ地方団体ト看做ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
国税徴収法第四条ノ一第二号及地方税法第二十六条第一項第一号中「満洲国ノ国税」ヲ「満洲国ノ国税若ハ地方税」ニ改ム