第一條 所得稅法施行地ニ住所ヲ有シ又ハ一年以上居所ヲ有スル個人ノ所得ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノニ付テハ所得稅法ニ依ル分類所得稅ヲ課セズ
一 滿洲國ニ於ケル事業ヨリ生ズル所得稅法第十條ニ規定スル事業所得ニシテ同國ニ於ケル法令ニ依リ事業所得稅ヲ課スルモノ
二 滿洲國ニ於テ支拂ヲ受クル俸給、給料、年金、恩給(一時金タル恩給ヲ除ク)及賞與竝ニ此等ノ性質ヲ有スル給與ニシテ同國ニ於ケル法令ニ依リ勤勞所得稅ヲ課スルモノ
三 滿洲國ニ於テ支拂ヲ受クル一時恩給及退職給與竝ニ此等ノ性質ヲ有スル給與ニシテ同國ニ於ケル法令ニ依リ勤勞所得稅ヲ課スルモノ
第二條 所得稅法施行地ニ住所又ハ一年以上居所ヲ有スル個人ノ所得稅法第十條ニ規定スル乙種ノ配當利子所得中ニ滿洲國ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ヨリ受クル利益ノ配當又ハ剩餘金ノ分配ニシテ同國ニ於ケル法令ニ依リ資本所得稅ヲ課セラレタルモノアルトキハ其ノ部分ノ所得ニ付テハ所得稅法第二十一條第一項ニ規定スル稅率百分ノ十五ヲ百分ノ九トシタル場合ノ差減額ニ相當スル分類所得稅ヲ輕減ス
前項ノ規定ニ依リ分類所得稅ノ輕減ヲ受ケントスル者ハ所得稅法第三十四條ノ規定ニ依ル申吿ト同時ニ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スベシ
第三條 法人稅法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ各事業年度ノ所得中ニ滿洲國ニ於ケル資產又ハ營業ヨリ生ズル所得アルトキハ其ノ部分ノ所得ニ付テハ臨時租稅措置法第一條ノ五第一項ノ規定ニ拘ラズ法人稅法第十六條第一項ニ規定スル稅率百分ノ二十五ヲ百分ノ十三トシタル場合ノ差減額ニ相當スル法人稅ヲ輕減ス
前項ノ規定ニ依ル輕減稅額算出ノ基礎タル法人ノ滿洲國ニ於ケル資產又ハ營業ヨリ生ズル所得金額ニハ法人稅法其ノ他ノ法律ニ依リ法人稅ヲ課セラレザルモノノ金額ハ之ヲ算入セズ
第一項ノ規定ニ依リ法人稅ノ輕減ヲ受ケントスル法人ハ法人稅法第十八條ノ規定ニ依ル申吿ト同時ニ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テハ滿洲國ニ於ケル資產又ハ營業ヨリ生ズル所得ト其ノ他ノ所得トヲ區別シタル計算書ヲ添附スベシ
第四條 法人稅法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ガ滿洲國ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ヨリ受クル利益ノ配當又ハ剩餘金ノ分配ニ付各事業年度ニ於テ同國ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル資本所得稅ニ相當スル金額(其ノ金額ガ配當金額又ハ分配金額ノ百分ノ六ヲ超ユルトキハ百分ノ六ニ相當スル金額)ハ當該事業年度ノ所得ニ對スル法人稅額ヨリ之ヲ控除ス
前項ノ場合ニ於テ控除スベキ金額ハ法人稅法ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
前二項ノ規定ハ淸算所得ニ對スル法人稅ニ付之ヲ準用ス
前項ノ規定ニ依リ淸算所得ニ對スル法人稅額ヨリ控除スベキ金額ハ法人ノ淸算純益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
法人稅法施行規則第十二條ノ規定ハ第一項又ハ第三項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第一項又ハ第三項ノ規定ニ依リ控除ヲ受ケントスル法人ハ法人稅法第十八條ノ規定ニ依ル申吿ト同時ニ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スベシ
法人稅法施行規則第十三條第二項及第十四條ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第五條 滿洲國ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ臨時利得稅法施行地ニ於ケル資產又ハ營業ヨリ生ズル利得ニ付テハ臨時利得稅ヲ課セズ