広告税法
法令番号: 法律第五十九號
公布年月日: 昭和17年2月23日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル廣吿稅法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十一日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
法律第五十九號
廣吿稅法
第一條 左ニ揭グル廣吿ニハ本法ニ依リ廣吿稅ヲ課ス
第一種
一 新聞紙、雜誌、書籍其ノ他ノ出版物ニ依ル廣吿但シ第二號、第三號又ハ第二種第一號乃至第三號ニ該當スルモノヲ除ク
二 汽車、電車、自動車、汽船其ノ他ノ交通運輸機關又ハ交通運輸業ノ設備ニ依ル廣吿但シ第二種第三號ニ該當スルモノヲ除ク
三 映畫、入場券、乘車船券、氣球其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノニ依ル廣吿
第二種
一 立看板、掛看板、幟、旗又ハ此等ニ類スルモノニ依ル廣吿但シ第一種第二號ニ該當スルモノヲ除ク
二 ポスターニ依ル廣吿但シ第一種第二號ニ該當スルモノヲ除ク
三 チラシ其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノニ依ル廣吿
四 建植看板、野立看板、額面廣吿又ハ此等ニ類スルモノ其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノニ依ル廣吿但シ第一種第二號ニ該當スルモノヲ除ク
第二條 廣吿稅ノ稅率左ノ如シ
第一種ノ廣吿 廣吿ノ料金ノ百分ノ十
第二種ノ廣吿
第一號ノ廣吿 一個ニ付 二十錢 廣吿ノ面積一坪ヲ超ユルトキハ一個ニ付 五十錢
第二號ノ廣吿 一個ニ付 十錢
第三號ノ廣吿
チラシ 千個又ハ其ノ端數ニ付 二十錢
其ノ他 千個又ハ其ノ端數ニ付 五十錢
第四號ノ廣吿 廣吿ノ面積一坪又ハ其ノ端數ニ付每年 二圓
年ノ中途ニ於テ第二種第四號ノ廣吿ヲ開始シタル場合ニ於テハ其ノ年分ノ廣吿稅ハ月割ヲ以テ之ヲ計算ス
第三條 前條ノ廣吿ノ料金トハ廣吿料、印刷料、揭示料、使用料、手數料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ廣吿ヲ爲ス者ガ廣吿ノ對價トシテ取得スベキ金額ヲ謂フ
自己ノ爲ニ廣吿ヲ爲ス場合又ハ他人ノ爲無料若ハ特ニ低額ノ料金ヲ以テ廣吿ヲ爲ス場合ニ於ケル廣吿ノ料金ハ其ノ廣吿ノ對價トシテ通常取得シ得ベキ金額ニ依ル
第四條 左ニ揭グル廣吿ニハ廣吿稅ヲ課セズ
一 國、北海道、府縣、市町村其ノ他命令ヲ以テ指定スル公共團體ガ廣吿主タルモノ
二 神社及法人タル宗敎團體ガ廣吿主タルモノ
三 法令ニ依ルモノ
四 公ノ選擧ニ關スルモノ
五 其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノ
第五條 第一種ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ廣吿ヲ爲ス者ヨリ、第二種第三號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ同號ニ揭グルモノヲ作製スル者ヨリ、第二種第四號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ廣吿主ヨリ之ヲ徵收ス
第六條 第一種ノ廣吿ヲ爲ス者ハ每月其ノ爲シタル廣吿ニ付其ノ種類每ニ廣吿ノ料金ヲ記載シタル申吿書ヲ、第二種第三號ニ揭グルモノヲ作製スル者ハ每月其ノ作製シタルモノニ付其ノ種類每ニ數量ヲ記載シタル申吿書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
第二種第四號ノ廣吿ヲ爲サントスル廣吿主ハ其ノ廣吿ニ付一個每ニ廣吿ノ面積ヲ記載シタル申吿書ヲ豫メ政府ニ提出スベシ
第二種第四號ノ廣吿ヲ翌年ニ亘リ繼續セントスル廣吿主ハ其ノ廣吿ニ付一個每ニ廣吿ノ面積ヲ記載シタル申吿書ヲ其ノ年十二月末日迄ニ政府ニ提出スベシ
申吿書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申吿ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第七條 第一種及第二種第三號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ每月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ
第二種第四號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ廣吿主ガ前條第二項ノ規定ニ依リ申吿ヲ爲ス際其ノ年分ヲ、同條第三項ノ規定ニ依リ申吿ヲ爲ス際翌年分ヲ納付スベシ
第八條 第二種第一號又ハ第二號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ廣吿主廣吿ニ印紙ヲ貼用シテ之ヲ納ムベシ但シ廣吿稅額ニ相當スル現金ヲ政府ニ納付シテ納稅濟證印ノ押捺ヲ受ケ印紙貼用ニ代フルコトヲ得
第九條 第一種若ハ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營マントスル者、第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營マントスル者又ハ第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ營業所每ニ政府ニ申吿スベシ其ノ營業ヲ廢止セントスルトキ亦同ジ
第十條 第一種若ハ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ム者、第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者又ハ第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營ム者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ營業ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載シ又ハ必要ナル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第二種第四號ノ廣吿ノ廣吿主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ廣吿ニ付必要ナル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第十一條 收稅官吏ハ第一種若ハ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ム者、第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者、第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營ム者又ハ第二種第四號ノ廣吿ノ廣吿主ニ對シ廣吿ニ關シ質問ヲ爲シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
收稅官吏ハ廣吿ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
第十二條 廣吿主第八條ノ規定ニ依リ廣吿ニ印紙ヲ貼用スルトキハ廣吿面ト印紙ノ彩紋トニカケテ自己ノ印章又ハ署名ヲ以テ判明ニ之ヲ消スベシ
第十三條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ廣吿稅(第二種第一號又ハ第二號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ヲ除ク)ヲ逋脫シ又ハ逋脫セントシタル者ハ其ノ逋脫シ又ハ逋脫セントシタル稅金ノ五倍ニ相當スル罰金ニ處シ直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ罰金額ガ二十圓ニ滿タザルトキハ之ヲ二十圓トス
第十四條 第二種第一號又ハ第二號ノ廣吿ニ相當印紙ヲ貼用セズ又ハ第八條但書ノ規定ニ依リ納稅濟證印ノ押捺ヲ受ケザル者ハ廣吿一個每ニ脫稅高二十倍ノ科料ニ處ス但シ科料額ガ五圓ニ滿タザルトキハ之ヲ五圓トス
第十五條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一 第六條第一項乃至第三項ノ規定ニ依ル申吿ヲ怠リ又ハ詐リタル者
二 政府ニ申吿セズシテ第一種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ミ又ハ第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營ミタル者
三 政府ニ申吿セズシテ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ミ又ハ第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ミタル者
前項第二號ニ規定スル者ニ付テハ直ニ其ノ廣吿稅ヲ徵收ス
第十六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一 第十條第一項ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隱匿シタル者
二 第十條ノ規定ニ依ル申吿ヲ怠リ又ハ詐リタル者
三 第十一條ノ規定ニ依ル收稅官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第十七條 第十二條ノ規定ニ違反シ廣吿ニ貼用シタル印紙ヲ消サザル者ハ廣吿一個每ニ四圓ノ科料ニ處ス
第十八條 第十四條又ハ前條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第一項ノ規定ヲ適用セズ
第十三條、第十四條又ハ前條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、第四十八條第二項、第六十三條及第六十六條ノ規定ヲ適用セズ
第十九條 第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付納稅ノ義務アル者、第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ム者又ハ第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ本法ヲ犯シタルトキハ其ノ第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付納稅ノ義務アル者、第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ム者又ハ第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者ヲ處罰ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ヨリ引續キ第一種若ハ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ム者、第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者又ハ第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營ム者本法施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
本法施行前ヨリ引續キ爲ス第二種第一號又ハ第二號ノ廣吿ニ付テハ本法施行ノ日ヨリ十日以內ニ廣吿ニ相當印紙ヲ貼用スベシ
本法施行前ヨリ引續キ爲ス第二種第四號ノ廣吿ノ廣吿主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行後二月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿シ昭和十七年分ノ廣吿稅ヲ納付スベシ
前項ノ場合ニ於テ第二種第四號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ第二條ニ規定スル稅額ノ四分ノ三トス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル広告税法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十一日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
法律第五十九号
広告税法
第一条 左ニ掲グル広告ニハ本法ニ依リ広告税ヲ課ス
第一種
一 新聞紙、雑誌、書籍其ノ他ノ出版物ニ依ル広告但シ第二号、第三号又ハ第二種第一号乃至第三号ニ該当スルモノヲ除ク
二 汽車、電車、自動車、汽船其ノ他ノ交通運輸機関又ハ交通運輸業ノ設備ニ依ル広告但シ第二種第三号ニ該当スルモノヲ除ク
三 映画、入場券、乗車船券、気球其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノニ依ル広告
第二種
一 立看板、掛看板、幟、旗又ハ此等ニ類スルモノニ依ル広告但シ第一種第二号ニ該当スルモノヲ除ク
二 ポスターニ依ル広告但シ第一種第二号ニ該当スルモノヲ除ク
三 チラシ其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノニ依ル広告
四 建植看板、野立看板、額面広告又ハ此等ニ類スルモノ其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノニ依ル広告但シ第一種第二号ニ該当スルモノヲ除ク
第二条 広告税ノ税率左ノ如シ
第一種ノ広告 広告ノ料金ノ百分ノ十
第二種ノ広告
第一号ノ広告 一個ニ付 二十銭 広告ノ面積一坪ヲ超ユルトキハ一個ニ付 五十銭
第二号ノ広告 一個ニ付 十銭
第三号ノ広告
チラシ 千個又ハ其ノ端数ニ付 二十銭
其ノ他 千個又ハ其ノ端数ニ付 五十銭
第四号ノ広告 広告ノ面積一坪又ハ其ノ端数ニ付毎年 二円
年ノ中途ニ於テ第二種第四号ノ広告ヲ開始シタル場合ニ於テハ其ノ年分ノ広告税ハ月割ヲ以テ之ヲ計算ス
第三条 前条ノ広告ノ料金トハ広告料、印刷料、掲示料、使用料、手数料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ広告ヲ為ス者ガ広告ノ対価トシテ取得スベキ金額ヲ謂フ
自己ノ為ニ広告ヲ為ス場合又ハ他人ノ為無料若ハ特ニ低額ノ料金ヲ以テ広告ヲ為ス場合ニ於ケル広告ノ料金ハ其ノ広告ノ対価トシテ通常取得シ得ベキ金額ニ依ル
第四条 左ニ掲グル広告ニハ広告税ヲ課セズ
一 国、北海道、府県、市町村其ノ他命令ヲ以テ指定スル公共団体ガ広告主タルモノ
二 神社及法人タル宗教団体ガ広告主タルモノ
三 法令ニ依ルモノ
四 公ノ選挙ニ関スルモノ
五 其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノ
第五条 第一種ノ広告ニ対スル広告税ハ広告ヲ為ス者ヨリ、第二種第三号ノ広告ニ対スル広告税ハ同号ニ掲グルモノヲ作製スル者ヨリ、第二種第四号ノ広告ニ対スル広告税ハ広告主ヨリ之ヲ徴収ス
第六条 第一種ノ広告ヲ為ス者ハ毎月其ノ為シタル広告ニ付其ノ種類毎ニ広告ノ料金ヲ記載シタル申告書ヲ、第二種第三号ニ掲グルモノヲ作製スル者ハ毎月其ノ作製シタルモノニ付其ノ種類毎ニ数量ヲ記載シタル申告書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
第二種第四号ノ広告ヲ為サントスル広告主ハ其ノ広告ニ付一個毎ニ広告ノ面積ヲ記載シタル申告書ヲ予メ政府ニ提出スベシ
第二種第四号ノ広告ヲ翌年ニ亘リ継続セントスル広告主ハ其ノ広告ニ付一個毎ニ広告ノ面積ヲ記載シタル申告書ヲ其ノ年十二月末日迄ニ政府ニ提出スベシ
申告書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申告ヲ不相当ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課税標準額ヲ決定ス
第七条 第一種及第二種第三号ノ広告ニ対スル広告税ハ毎月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ
第二種第四号ノ広告ニ対スル広告税ハ広告主ガ前条第二項ノ規定ニ依リ申告ヲ為ス際其ノ年分ヲ、同条第三項ノ規定ニ依リ申告ヲ為ス際翌年分ヲ納付スベシ
第八条 第二種第一号又ハ第二号ノ広告ニ対スル広告税ハ広告主広告ニ印紙ヲ貼用シテ之ヲ納ムベシ但シ広告税額ニ相当スル現金ヲ政府ニ納付シテ納税済証印ノ押捺ヲ受ケ印紙貼用ニ代フルコトヲ得
第九条 第一種若ハ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営マントスル者、第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営マントスル者又ハ第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営マントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ営業所毎ニ政府ニ申告スベシ其ノ営業ヲ廃止セントスルトキ亦同ジ
第十条 第一種若ハ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ム者、第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者又ハ第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営ム者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ営業ニ関スル事項ヲ帳簿ニ記載シ又ハ必要ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第二種第四号ノ広告ノ広告主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ広告ニ付必要ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第十一条 収税官吏ハ第一種若ハ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ム者、第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者、第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営ム者又ハ第二種第四号ノ広告ノ広告主ニ対シ広告ニ関シ質問ヲ為シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査スルコトヲ得
収税官吏ハ広告ノ検査ヲ為スコトヲ得
第十二条 広告主第八条ノ規定ニ依リ広告ニ印紙ヲ貼用スルトキハ広告面ト印紙ノ彩紋トニカケテ自己ノ印章又ハ署名ヲ以テ判明ニ之ヲ消スベシ
第十三条 詐偽其ノ他不正ノ行為ニ依リ広告税(第二種第一号又ハ第二号ノ広告ニ対スル広告税ヲ除ク)ヲ逋脱シ又ハ逋脱セントシタル者ハ其ノ逋脱シ又ハ逋脱セントシタル税金ノ五倍ニ相当スル罰金ニ処シ直ニ其ノ税金ヲ徴収ス但シ罰金額ガ二十円ニ満タザルトキハ之ヲ二十円トス
第十四条 第二種第一号又ハ第二号ノ広告ニ相当印紙ヲ貼用セズ又ハ第八条但書ノ規定ニ依リ納税済証印ノ押捺ヲ受ケザル者ハ広告一個毎ニ脱税高二十倍ノ科料ニ処ス但シ科料額ガ五円ニ満タザルトキハ之ヲ五円トス
第十五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 第六条第一項乃至第三項ノ規定ニ依ル申告ヲ怠リ又ハ詐リタル者
二 政府ニ申告セズシテ第一種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ミ又ハ第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営ミタル者
三 政府ニ申告セズシテ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ミ又ハ第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ミタル者
前項第二号ニ規定スル者ニ付テハ直ニ其ノ広告税ヲ徴収ス
第十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 第十条第一項ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隠匿シタル者
二 第十条ノ規定ニ依ル申告ヲ怠リ又ハ詐リタル者
三 第十一条ノ規定ニ依ル収税官吏ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第十七条 第十二条ノ規定ニ違反シ広告ニ貼用シタル印紙ヲ消サザル者ハ広告一個毎ニ四円ノ科料ニ処ス
第十八条 第十四条又ハ前条ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八条第一項ノ規定ヲ適用セズ
第十三条、第十四条又ハ前条ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八条第三項但書、第三十九条第二項、第四十条、第四十一条、第四十八条第二項、第六十三条及第六十六条ノ規定ヲ適用セズ
第十九条 第一種若ハ第二種ノ広告ニ付納税ノ義務アル者、第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ム者又ハ第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ業務ニ関シ本法ヲ犯シタルトキハ其ノ第一種若ハ第二種ノ広告ニ付納税ノ義務アル者、第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ム者又ハ第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者ヲ処罰ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ヨリ引続キ第一種若ハ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ム者、第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者又ハ第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営ム者本法施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依リ申告シタルモノト看做ス
本法施行前ヨリ引続キ為ス第二種第一号又ハ第二号ノ広告ニ付テハ本法施行ノ日ヨリ十日以内ニ広告ニ相当印紙ヲ貼用スベシ
本法施行前ヨリ引続キ為ス第二種第四号ノ広告ノ広告主ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行後二月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告シ昭和十七年分ノ広告税ヲ納付スベシ
前項ノ場合ニ於テ第二種第四号ノ広告ニ対スル広告税ハ第二条ニ規定スル税額ノ四分ノ三トス