電気瓦斯税法
法令番号: 法律第五十八號
公布年月日: 昭和17年2月23日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル電氣瓦斯稅法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十一日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
法律第五十八號
電氣瓦斯稅法
第一條 左ニ揭グル電氣又ハ瓦斯ニハ其ノ使用者ニ對シ本法ニ依リ電氣瓦斯稅ヲ課ス
一 住宅ノ用ニ使用スルモノ
二 旅館業、料理店業、席貸業其ノ他此等ニ類スル營業ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノノ用ニ使用スルモノ
三 劇場、映畫館、演藝場、觀物場(相撲、野球、拳鬪其ノ他ノ競技ニシテ公衆ノ觀覽ニ供スルコトヲ目的トスルモノヲ開催スル場所ヲ含ム)其ノ他一定ノ催物又ハ設備ヲ爲シ公衆ノ觀覽又ハ遊戲ニ供スル場所ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノノ用ニ使用スルモノ
四 撞球場、麻雀場其ノ他命令ヲ以テ定ムル遊技場ノ用ニ使用スルモノ
五 俱樂部、會館其ノ他名稱ノ何タルヲ問ハズ會員其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ノ親睦ヲ圖リ又ハ其ノ慰安若ハ娛樂ノ用ニ供スル場所ノ用ニ使用スルモノ
六 前各號ノ外照明ノ用又ハ命令ヲ以テ定ムル機械、器具若ハ裝置ノ用ニ使用スルモノ
第二條 共同住宅又ハ貸事務所ノ經營者其ノ他家屋ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ貸付スル者ガ電氣事業者又ハ瓦斯事業者ヨリ供給ヲ受クル電氣又ハ瓦斯ヲ家屋ノ借主ニ使用セシムルトキハ其ノ電氣又ハ瓦斯ハ之ヲ其ノ借主ガ使用スル用途ニ當該貸主ガ使用スルモノト看做ス
電氣事業者ガ料金ヲ領收セズシテ他人ニ電氣ヲ使用セシムルトキ又ハ瓦斯事業者ガ料金ヲ領收セズシテ他人ニ瓦斯ヲ使用セシムルトキハ其ノ電氣又ハ瓦斯ハ之ヲ其ノ他人ガ使用スル用途ニ當該電氣事業者又ハ瓦斯事業者ガ使用スルモノト看做ス
電氣事業者ニ非ザル者ガ自ラ發電スル電氣ヲ電氣事業者ニ非ザル者ニ使用セシムルトキハ其ノ電氣ハ之ヲ其ノ電氣事業者ニ非ザル者ガ使用スル用途ニ當該發電者ガ使用スルモノト看做ス
第三條 組合又ハ共同事業ニ依リ組合員又ハ共同事業者ニ對シ電氣ヲ供給スル事業又ハ瓦斯ヲ導管ニ依リ供給スル事業ハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ電氣事業又ハ瓦斯事業ト看做ス但シ組合員又ハ共同事業者ヨリ料金ヲ領收セザルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第四條 左ニ揭グル者ニハ電氣瓦斯稅ヲ課セズ
一 國、北海道、府縣、市町村其ノ他命令ヲ以テ指定スル公共團體
二 神社及法人タル宗敎團體
第五條 左ニ揭グル電氣又ハ瓦斯ニハ電氣瓦斯稅ヲ課セズ
一 農業(畜產業、養蠶業及林業ヲ含ム)、水產業、鑛業(砂鑛業及土石採取業ヲ含ム)、工業(土木建築業、電氣供給業、瓦斯供給業及水道業ヲ含ム)、交通業又ハ倉庫業ヲ營ム者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ノ用ニ使用スルモノ
二 私立ノ幼稚園又ハ學校ガ保育又ハ敎育ノ用ニ使用スルモノ
三 公衆ノ用ニ使用スルモノ
四 其ノ他命令ヲ以テ定ムル用途ニ使用スルモノ
第六條 電氣瓦斯稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
一 電氣事業者又ハ瓦斯事業者ニ非ザル者ガ電氣事業者又ハ瓦斯事業者ヨリ供給ヲ受クル電氣又ハ瓦斯ヲ使用スル場合 料金ノ百分ノ十
二 電氣事業者ガ電氣ヲ使用スル場合又ハ瓦斯事業者ガ瓦斯ヲ使用スル場合 其ノ使用スル電氣又ハ瓦斯ニ對シ通常支拂フベキ料金ノ百分ノ十
三 電氣事業者ニ非ザル者ガ自ラ發電スル電氣ヲ使用スル場合 發電機ノ出力一キロワツト又ハ其ノ端數ニ付 每年十二圓
前項ノ料金又ハ出力ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條 本法ニ於テ料金トハ電氣料、瓦斯料、基本料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ電氣又ハ瓦斯ノ使用ニ付電氣事業者又ハ瓦斯事業者ニ支拂フベキ金額ヲ謂フ
第八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ハ電氣瓦斯稅ヲ課セズ
一 同一ノ需用場所ニ於テ使用スル電氣ノ料金ガ一月三圓ニ滿タザルトキ
二 同一ノ需用場所ニ於ケル定額制ニ依ル電燈又ハラヂオノ取付數ガ四個以下ニシテ其ノ總燭光數又ハ其ノ總容量ガ命令ヲ以テ定ムル燭光數又ハ容量以下ナルトキ但シ定額制ニ依ル電燈又ハラヂオ以外ノ用途ニ電氣ヲ使用スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
三 同一ノ場所ニ於テ使用スル發電機ノ出力ガ十分ノ三キロワツトニ滿タザルトキ
四 同一ノ需用場所ニ於テ使用スル瓦斯ノ料金ガ一月三圓ニ滿タザルトキ
五 同一ノ需用場所ニ於ケル瓦斯器具取付用ノカラン又ハコックノ孔口數ガ二個以下ニシテ其ノ口徑ガ各八分ノ三吋以下ナル場合ニ於テ瓦斯ヲ專ラ住宅ノ炊事用ニ使用スルトキ但シ命令ヲ以テ定ムル器具ニ依リ瓦斯ヲ使用スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
料金ガ一月ニ滿タザル期間又ハ一月ヲ超ユル期間ニ依リ支拂ハルル場合ニ於ケル一月ノ料金ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九條 電氣事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ每月分ノ電氣又ハ瓦斯ノ使用量ヲ記載シタル申吿書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
電氣事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ發電スル雷氣ヲ使用スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ發電機ノ出力ヲ記載シタル申吿書ヲ每年一月末日迄ニ政府ニ提出スベシ
申吿書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申吿ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第十條 第六條第一項第一號ニ該當スル場合ノ電氣瓦斯稅ハ電氣事業者又ハ瓦斯事業者料金領收ノ際之ヲ徵收シ翌月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第六條第一項第二號ニ該當スル場合ノ電氣瓦斯稅ハ電氣事業者又ハ瓦斯事業者每月使用シタル電氣又ハ瓦斯ニ對スル分ヲ翌月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第六條第一項第三號ニ該當スル場合ノ電氣瓦斯稅ハ其ノ年分ヲ電氣事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ發電スル電氣ヲ使用スルモノ每年二月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第十一條 電氣事業者又ハ瓦斯事業者料金ヲ領收セザル爲命令ヲ以テ定ムル期間內ニ電氣瓦斯稅ヲ徵收セザルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ政府ニ申吿スベシ
前項ノ場合ニ於テハ電氣瓦斯稅ハ政府ニ於テ之ヲ徵收ス
第十二條 本法ノ適用ニ付テハ被相續人ノ使用シタル電氣又ハ瓦斯ハ之ヲ相續人ノ使用シタルモノト看做シ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ使用シタル電氣又ハ瓦斯ハ之ヲ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ使用シタルモノト看做ス
第十三條 電氣事業又ハ瓦斯事業ノ許可ヲ受ケタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スベシ其ノ事業ヲ廢止シタルトキ亦同ジ
第十四條 電氣事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
電氣事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第十五條 第十條第一項ノ規定ニ依リ徵收スベキ電氣瓦斯稅ヲ徵收セザルトキ又ハ其ノ徵收シタル稅金ヲ納付セザルトキハ國稅徵收ノ例ニ依リ之ヲ其ノ徵收義務者ヨリ徵收ス
第十六條 收稅官吏ハ調査上必要アルトキハ電氣事業者又ハ瓦斯事業者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ其ノ業務ニ關スル帳簿書類ヲ檢査スルコトヲ得
收稅官吏ハ調査上必要アルトキハ納稅義務者又ハ納稅義務アリト認ムル者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ電氣事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ發電スル電氣ヲ使用スルモノノ發電機ヲ檢査スルコトヲ得
第十七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一 第十四條第一項ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隱匿シタル者
二 第十一條第一項又ハ第十四條第二項ノ規定ニ依ル申吿ヲ怠リ又ハ詐リタル者
三 前條ノ規定ニ依ル收稅官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第十八條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ電氣瓦斯稅ヲ逋脫シタル者ハ其ノ逋脫シタル稅金ノ三倍ニ相當スル罰金又ハ科料ニ處シ直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ自首シ又ハ稅務署長ニ申出デタル者ハ其ノ罪ヲ問ハズ
第十九條 前條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、第四十八條第二項、第六十三條及第六十六條ノ規定ヲ適用セズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ第六條第二項ノ規定ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第六條第一項第一號又ハ第二號ニ該當スル場合ノ電氣瓦斯稅ハ本法施行後使用スル電氣又ハ瓦斯ニ對スル分ヨリ之ヲ徵收ス
昭和十七年ニ限リ第六條第一項第三號中十二圓トアルハ九圓、第九條第二項中每年一月末日迄トアルハ本法施行後一月以內、第十條第三項中每年二月末日迄トアルハ五月末日迄トス
本法施行前ヨリ引續キ電氣事業又ハ瓦斯事業ヲ營ム者ハ本法施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スベシ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル電気瓦斯税法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十一日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
法律第五十八号
電気瓦斯税法
第一条 左ニ掲グル電気又ハ瓦斯ニハ其ノ使用者ニ対シ本法ニ依リ電気瓦斯税ヲ課ス
一 住宅ノ用ニ使用スルモノ
二 旅館業、料理店業、席貸業其ノ他此等ニ類スル営業ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノノ用ニ使用スルモノ
三 劇場、映画館、演芸場、観物場(相撲、野球、拳闘其ノ他ノ競技ニシテ公衆ノ観覧ニ供スルコトヲ目的トスルモノヲ開催スル場所ヲ含ム)其ノ他一定ノ催物又ハ設備ヲ為シ公衆ノ観覧又ハ遊戯ニ供スル場所ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノノ用ニ使用スルモノ
四 撞球場、麻雀場其ノ他命令ヲ以テ定ムル遊技場ノ用ニ使用スルモノ
五 俱楽部、会館其ノ他名称ノ何タルヲ問ハズ会員其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ノ親睦ヲ図リ又ハ其ノ慰安若ハ娯楽ノ用ニ供スル場所ノ用ニ使用スルモノ
六 前各号ノ外照明ノ用又ハ命令ヲ以テ定ムル機械、器具若ハ装置ノ用ニ使用スルモノ
第二条 共同住宅又ハ貸事務所ノ経営者其ノ他家屋ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ貸付スル者ガ電気事業者又ハ瓦斯事業者ヨリ供給ヲ受クル電気又ハ瓦斯ヲ家屋ノ借主ニ使用セシムルトキハ其ノ電気又ハ瓦斯ハ之ヲ其ノ借主ガ使用スル用途ニ当該貸主ガ使用スルモノト看做ス
電気事業者ガ料金ヲ領収セズシテ他人ニ電気ヲ使用セシムルトキ又ハ瓦斯事業者ガ料金ヲ領収セズシテ他人ニ瓦斯ヲ使用セシムルトキハ其ノ電気又ハ瓦斯ハ之ヲ其ノ他人ガ使用スル用途ニ当該電気事業者又ハ瓦斯事業者ガ使用スルモノト看做ス
電気事業者ニ非ザル者ガ自ラ発電スル電気ヲ電気事業者ニ非ザル者ニ使用セシムルトキハ其ノ電気ハ之ヲ其ノ電気事業者ニ非ザル者ガ使用スル用途ニ当該発電者ガ使用スルモノト看做ス
第三条 組合又ハ共同事業ニ依リ組合員又ハ共同事業者ニ対シ電気ヲ供給スル事業又ハ瓦斯ヲ導管ニ依リ供給スル事業ハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ電気事業又ハ瓦斯事業ト看做ス但シ組合員又ハ共同事業者ヨリ料金ヲ領収セザルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第四条 左ニ掲グル者ニハ電気瓦斯税ヲ課セズ
一 国、北海道、府県、市町村其ノ他命令ヲ以テ指定スル公共団体
二 神社及法人タル宗教団体
第五条 左ニ掲グル電気又ハ瓦斯ニハ電気瓦斯税ヲ課セズ
一 農業(畜産業、養蚕業及林業ヲ含ム)、水産業、鉱業(砂鉱業及土石採取業ヲ含ム)、工業(土木建築業、電気供給業、瓦斯供給業及水道業ヲ含ム)、交通業又ハ倉庫業ヲ営ム者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ノ用ニ使用スルモノ
二 私立ノ幼稚園又ハ学校ガ保育又ハ教育ノ用ニ使用スルモノ
三 公衆ノ用ニ使用スルモノ
四 其ノ他命令ヲ以テ定ムル用途ニ使用スルモノ
第六条 電気瓦斯税ハ左ノ区別ニ依リ之ヲ課ス
一 電気事業者又ハ瓦斯事業者ニ非ザル者ガ電気事業者又ハ瓦斯事業者ヨリ供給ヲ受クル電気又ハ瓦斯ヲ使用スル場合 料金ノ百分ノ十
二 電気事業者ガ電気ヲ使用スル場合又ハ瓦斯事業者ガ瓦斯ヲ使用スル場合 其ノ使用スル電気又ハ瓦斯ニ対シ通常支払フベキ料金ノ百分ノ十
三 電気事業者ニ非ザル者ガ自ラ発電スル電気ヲ使用スル場合 発電機ノ出力一キロワツト又ハ其ノ端数ニ付 毎年十二円
前項ノ料金又ハ出力ノ算定ニ関シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七条 本法ニ於テ料金トハ電気料、瓦斯料、基本料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ電気又ハ瓦斯ノ使用ニ付電気事業者又ハ瓦斯事業者ニ支払フベキ金額ヲ謂フ
第八条 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ハ電気瓦斯税ヲ課セズ
一 同一ノ需用場所ニ於テ使用スル電気ノ料金ガ一月三円ニ満タザルトキ
二 同一ノ需用場所ニ於ケル定額制ニ依ル電灯又ハラヂオノ取付数ガ四個以下ニシテ其ノ総燭光数又ハ其ノ総容量ガ命令ヲ以テ定ムル燭光数又ハ容量以下ナルトキ但シ定額制ニ依ル電灯又ハラヂオ以外ノ用途ニ電気ヲ使用スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
三 同一ノ場所ニ於テ使用スル発電機ノ出力ガ十分ノ三キロワツトニ満タザルトキ
四 同一ノ需用場所ニ於テ使用スル瓦斯ノ料金ガ一月三円ニ満タザルトキ
五 同一ノ需用場所ニ於ケル瓦斯器具取付用ノカラン又ハコックノ孔口数ガ二個以下ニシテ其ノ口径ガ各八分ノ三吋以下ナル場合ニ於テ瓦斯ヲ専ラ住宅ノ炊事用ニ使用スルトキ但シ命令ヲ以テ定ムル器具ニ依リ瓦斯ヲ使用スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
料金ガ一月ニ満タザル期間又ハ一月ヲ超ユル期間ニ依リ支払ハルル場合ニ於ケル一月ノ料金ノ算定ニ関シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九条 電気事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ毎月分ノ電気又ハ瓦斯ノ使用量ヲ記載シタル申告書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
電気事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ発電スル雷気ヲ使用スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ発電機ノ出力ヲ記載シタル申告書ヲ毎年一月末日迄ニ政府ニ提出スベシ
申告書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申告ヲ不相当ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課税標準額ヲ決定ス
第十条 第六条第一項第一号ニ該当スル場合ノ電気瓦斯税ハ電気事業者又ハ瓦斯事業者料金領収ノ際之ヲ徴収シ翌月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第六条第一項第二号ニ該当スル場合ノ電気瓦斯税ハ電気事業者又ハ瓦斯事業者毎月使用シタル電気又ハ瓦斯ニ対スル分ヲ翌月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第六条第一項第三号ニ該当スル場合ノ電気瓦斯税ハ其ノ年分ヲ電気事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ発電スル電気ヲ使用スルモノ毎年二月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第十一条 電気事業者又ハ瓦斯事業者料金ヲ領収セザル為命令ヲ以テ定ムル期間内ニ電気瓦斯税ヲ徴収セザルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ政府ニ申告スベシ
前項ノ場合ニ於テハ電気瓦斯税ハ政府ニ於テ之ヲ徴収ス
第十二条 本法ノ適用ニ付テハ被相続人ノ使用シタル電気又ハ瓦斯ハ之ヲ相続人ノ使用シタルモノト看做シ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ使用シタル電気又ハ瓦斯ハ之ヲ合併後存続スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ使用シタルモノト看做ス
第十三条 電気事業又ハ瓦斯事業ノ許可ヲ受ケタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ申告スベシ其ノ事業ヲ廃止シタルトキ亦同ジ
第十四条 電気事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ関スル事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
電気事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ関スル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第十五条 第十条第一項ノ規定ニ依リ徴収スベキ電気瓦斯税ヲ徴収セザルトキ又ハ其ノ徴収シタル税金ヲ納付セザルトキハ国税徴収ノ例ニ依リ之ヲ其ノ徴収義務者ヨリ徴収ス
第十六条 収税官吏ハ調査上必要アルトキハ電気事業者又ハ瓦斯事業者ニ対シ質問ヲ為シ又ハ其ノ業務ニ関スル帳簿書類ヲ検査スルコトヲ得
収税官吏ハ調査上必要アルトキハ納税義務者又ハ納税義務アリト認ムル者ニ対シ質問ヲ為シ又ハ電気事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ発電スル電気ヲ使用スルモノノ発電機ヲ検査スルコトヲ得
第十七条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 第十四条第一項ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隠匿シタル者
二 第十一条第一項又ハ第十四条第二項ノ規定ニ依ル申告ヲ怠リ又ハ詐リタル者
三 前条ノ規定ニ依ル収税官吏ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第十八条 詐偽其ノ他不正ノ行為ニ依リ電気瓦斯税ヲ逋脱シタル者ハ其ノ逋脱シタル税金ノ三倍ニ相当スル罰金又ハ科料ニ処シ直ニ其ノ税金ヲ徴収ス但シ自首シ又ハ税務署長ニ申出デタル者ハ其ノ罪ヲ問ハズ
第十九条 前条ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八条第三項但書、第三十九条第二項、第四十条、第四十一条、第四十八条第二項、第六十三条及第六十六条ノ規定ヲ適用セズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ第六条第二項ノ規定ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第六条第一項第一号又ハ第二号ニ該当スル場合ノ電気瓦斯税ハ本法施行後使用スル電気又ハ瓦斯ニ対スル分ヨリ之ヲ徴収ス
昭和十七年ニ限リ第六条第一項第三号中十二円トアルハ九円、第九条第二項中毎年一月末日迄トアルハ本法施行後一月以内、第十条第三項中毎年二月末日迄トアルハ五月末日迄トス
本法施行前ヨリ引続キ電気事業又ハ瓦斯事業ヲ営ム者ハ本法施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スベシ