第一條 左ニ揭グル電氣又ハ瓦斯ニハ其ノ使用者ニ對シ本法ニ依リ電氣瓦斯稅ヲ課ス
二 旅館業、料理店業、席貸業其ノ他此等ニ類スル營業ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノノ用ニ使用スルモノ
三 劇場、映畫館、演藝場、觀物場(相撲、野球、拳鬪其ノ他ノ競技ニシテ公衆ノ觀覽ニ供スルコトヲ目的トスルモノヲ開催スル場所ヲ含ム)其ノ他一定ノ催物又ハ設備ヲ爲シ公衆ノ觀覽又ハ遊戲ニ供スル場所ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノノ用ニ使用スルモノ
四 撞球場、麻雀場其ノ他命令ヲ以テ定ムル遊技場ノ用ニ使用スルモノ
五 俱樂部、會館其ノ他名稱ノ何タルヲ問ハズ會員其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ノ親睦ヲ圖リ又ハ其ノ慰安若ハ娛樂ノ用ニ供スル場所ノ用ニ使用スルモノ
六 前各號ノ外照明ノ用又ハ命令ヲ以テ定ムル機械、器具若ハ裝置ノ用ニ使用スルモノ
第二條 共同住宅又ハ貸事務所ノ經營者其ノ他家屋ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ貸付スル者ガ電氣事業者又ハ瓦斯事業者ヨリ供給ヲ受クル電氣又ハ瓦斯ヲ家屋ノ借主ニ使用セシムルトキハ其ノ電氣又ハ瓦斯ハ之ヲ其ノ借主ガ使用スル用途ニ當該貸主ガ使用スルモノト看做ス
電氣事業者ガ料金ヲ領收セズシテ他人ニ電氣ヲ使用セシムルトキ又ハ瓦斯事業者ガ料金ヲ領收セズシテ他人ニ瓦斯ヲ使用セシムルトキハ其ノ電氣又ハ瓦斯ハ之ヲ其ノ他人ガ使用スル用途ニ當該電氣事業者又ハ瓦斯事業者ガ使用スルモノト看做ス
電氣事業者ニ非ザル者ガ自ラ發電スル電氣ヲ電氣事業者ニ非ザル者ニ使用セシムルトキハ其ノ電氣ハ之ヲ其ノ電氣事業者ニ非ザル者ガ使用スル用途ニ當該發電者ガ使用スルモノト看做ス
第三條 組合又ハ共同事業ニ依リ組合員又ハ共同事業者ニ對シ電氣ヲ供給スル事業又ハ瓦斯ヲ導管ニ依リ供給スル事業ハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ電氣事業又ハ瓦斯事業ト看做ス但シ組合員又ハ共同事業者ヨリ料金ヲ領收セザルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 左ニ揭グル電氣又ハ瓦斯ニハ電氣瓦斯稅ヲ課セズ
一 農業(畜產業、養蠶業及林業ヲ含ム)、水產業、鑛業(砂鑛業及土石採取業ヲ含ム)、工業(土木建築業、電氣供給業、瓦斯供給業及水道業ヲ含ム)、交通業又ハ倉庫業ヲ營ム者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ノ用ニ使用スルモノ
二 私立ノ幼稚園又ハ學校ガ保育又ハ敎育ノ用ニ使用スルモノ
第六條 電氣瓦斯稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
一 電氣事業者又ハ瓦斯事業者ニ非ザル者ガ電氣事業者又ハ瓦斯事業者ヨリ供給ヲ受クル電氣又ハ瓦斯ヲ使用スル場合 料金ノ百分ノ十
二 電氣事業者ガ電氣ヲ使用スル場合又ハ瓦斯事業者ガ瓦斯ヲ使用スル場合 其ノ使用スル電氣又ハ瓦斯ニ對シ通常支拂フベキ料金ノ百分ノ十
三 電氣事業者ニ非ザル者ガ自ラ發電スル電氣ヲ使用スル場合 發電機ノ出力一キロワツト又ハ其ノ端數ニ付 每年十二圓
前項ノ料金又ハ出力ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條 本法ニ於テ料金トハ電氣料、瓦斯料、基本料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ電氣又ハ瓦斯ノ使用ニ付電氣事業者又ハ瓦斯事業者ニ支拂フベキ金額ヲ謂フ
第八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ハ電氣瓦斯稅ヲ課セズ
一 同一ノ需用場所ニ於テ使用スル電氣ノ料金ガ一月三圓ニ滿タザルトキ
二 同一ノ需用場所ニ於ケル定額制ニ依ル電燈又ハラヂオノ取付數ガ四個以下ニシテ其ノ總燭光數又ハ其ノ總容量ガ命令ヲ以テ定ムル燭光數又ハ容量以下ナルトキ但シ定額制ニ依ル電燈又ハラヂオ以外ノ用途ニ電氣ヲ使用スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
三 同一ノ場所ニ於テ使用スル發電機ノ出力ガ十分ノ三キロワツトニ滿タザルトキ
四 同一ノ需用場所ニ於テ使用スル瓦斯ノ料金ガ一月三圓ニ滿タザルトキ
五 同一ノ需用場所ニ於ケル瓦斯器具取付用ノカラン又ハコックノ孔口數ガ二個以下ニシテ其ノ口徑ガ各八分ノ三吋以下ナル場合ニ於テ瓦斯ヲ專ラ住宅ノ炊事用ニ使用スルトキ但シ命令ヲ以テ定ムル器具ニ依リ瓦斯ヲ使用スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
料金ガ一月ニ滿タザル期間又ハ一月ヲ超ユル期間ニ依リ支拂ハルル場合ニ於ケル一月ノ料金ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九條 電氣事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ每月分ノ電氣又ハ瓦斯ノ使用量ヲ記載シタル申吿書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
電氣事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ發電スル雷氣ヲ使用スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ發電機ノ出力ヲ記載シタル申吿書ヲ每年一月末日迄ニ政府ニ提出スベシ
申吿書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申吿ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第十條 第六條第一項第一號ニ該當スル場合ノ電氣瓦斯稅ハ電氣事業者又ハ瓦斯事業者料金領收ノ際之ヲ徵收シ翌月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第六條第一項第二號ニ該當スル場合ノ電氣瓦斯稅ハ電氣事業者又ハ瓦斯事業者每月使用シタル電氣又ハ瓦斯ニ對スル分ヲ翌月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第六條第一項第三號ニ該當スル場合ノ電氣瓦斯稅ハ其ノ年分ヲ電氣事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ發電スル電氣ヲ使用スルモノ每年二月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第十一條 電氣事業者又ハ瓦斯事業者料金ヲ領收セザル爲命令ヲ以テ定ムル期間內ニ電氣瓦斯稅ヲ徵收セザルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ政府ニ申吿スベシ
前項ノ場合ニ於テハ電氣瓦斯稅ハ政府ニ於テ之ヲ徵收ス
第十二條 本法ノ適用ニ付テハ被相續人ノ使用シタル電氣又ハ瓦斯ハ之ヲ相續人ノ使用シタルモノト看做シ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ使用シタル電氣又ハ瓦斯ハ之ヲ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ使用シタルモノト看做ス
第十三條 電氣事業又ハ瓦斯事業ノ許可ヲ受ケタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スベシ其ノ事業ヲ廢止シタルトキ亦同ジ
第十四條 電氣事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
電氣事業者又ハ瓦斯事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第十五條 第十條第一項ノ規定ニ依リ徵收スベキ電氣瓦斯稅ヲ徵收セザルトキ又ハ其ノ徵收シタル稅金ヲ納付セザルトキハ國稅徵收ノ例ニ依リ之ヲ其ノ徵收義務者ヨリ徵收ス
第十六條 收稅官吏ハ調査上必要アルトキハ電氣事業者又ハ瓦斯事業者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ其ノ業務ニ關スル帳簿書類ヲ檢査スルコトヲ得
收稅官吏ハ調査上必要アルトキハ納稅義務者又ハ納稅義務アリト認ムル者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ電氣事業者ニ非ザル者ニシテ自ラ發電スル電氣ヲ使用スルモノノ發電機ヲ檢査スルコトヲ得
第十七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一 第十四條第一項ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隱匿シタル者
二 第十一條第一項又ハ第十四條第二項ノ規定ニ依ル申吿ヲ怠リ又ハ詐リタル者
三 前條ノ規定ニ依ル收稅官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第十八條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ電氣瓦斯稅ヲ逋脫シタル者ハ其ノ逋脫シタル稅金ノ三倍ニ相當スル罰金又ハ科料ニ處シ直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス但シ自首シ又ハ稅務署長ニ申出デタル者ハ其ノ罪ヲ問ハズ
第十九條 前條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、第四十八條第二項、第六十三條及第六十六條ノ規定ヲ適用セズ