有機合成事業法施行令
法令番号: 勅令第二十五號
公布年月日: 昭和16年1月8日
法令の形式: 勅令
朕有機合成事業法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年一月七日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
內務大臣 男爵 平沼騏一郞
拓務大臣 秋田淸
陸軍大臣 東條英機
商工大臣 小林一三
大藏大臣 河田烈
海軍大臣 及川古志郞
勅令第二十五號
有機合成事業法施行令
第一條 有機合成事業法第二條ノ有機合成品ハ左ニ揭グルモノトス
一 クロロプレン系ゴム
二 ブタヂエン系ゴム
三 トルオール
四 ベンゾール
五 トリクロルエチレン
六 クロルヒドリン
七 アセトアルデヒド
八 醋酸
九 アセトン
十 メタノール
十一 ホルマリン
十二 ブチルアルコール
十三 重合纖維
十四 ビニール系重合物
十五 アクリール系重合物
十六 スチロール系重合物
十七 ブチレン系重合物
十八 鞣劑
第二條 有機合成事業法第三條ノ許可ハ工場每ニ且前條各號ノ有機合成品ノ製造事業別ニ之ヲ爲スモノトス
第三條 有機合成事業法第三條第一項但書ノ有機合成事業ハ左ニ揭グルモノトス
一 アセトアルデヒド、醋酸又ハメタノールノ製造事業ニシテ一ノ工場ニ於ケル當該有機合成品ノ製造能力一年百瓲ニ達セザル設備ヲ以テ營ムモノ
二 クロロプレン系ゴム、ブタヂエン系ゴム、ベンゾール、トリクロルエチレン、クロルヒドリン、アセトン、ホルマリン、ブチルアルコール又ハ鞣劑ノ製造事業ニシテ一ノ工場ニ於ケル當該有機合成品ノ製造能力一年五十瓲ニ達セザル設備ヲ以テ營ムモノ
三 トルオール、重合纖維、ビニール系重合物、アクリール系重合物、スチロール系重合物又ハブチレン系重合物ノ製造事業ニシテ一ノ工場ニ於ケル當該有機合成品ノ製造能力一年三十瓲ニ達セザル設備ヲ以テ營ムモノ
第四條 有機合成事業會社一ノ工場ノ設備ヲ增設シ又ハ變更セントスル場合ニ於テ其ノ設備ノ增設又ハ變更ニ依リ當該工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力又ハ製造方法ニ變更ヲ生ゼザルトキハ有機合成事業法第六條ノ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
第五條 有機合成事業會社有機合成品ノ製造設備ノ能力ガ左ニ揭グル規模ニ達セザル一ノ工場ノ設備ヲ增設シ又ハ變更セントスル場合ニ於テ其ノ設備ノ增設又ハ變更ニ依リ當該工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力又ハ製造方法ニ變更ヲ生ズルトキト雖モ其ノ設備ノ增設又ハ變更後ノ製造設備ノ能力ガ仍左ニ揭グル規模ニ達セザルトキハ有機合成事業法第六條ノ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
一 アセトアルデヒド、醋酸又ハメタノールノ製造事業ニ付テハ一年千瓲
二 クロロプレン系ゴム、ブタヂエン系ゴム、ベンゾール、トリクロルエチレン、クロルヒドリン、アセトン、ホルマリン、ブチルアルコール又ハ鞣劑ノ製造事業ニ付テハ一年五百瓲
三 トルオール、重合纖維、ビニール系重合物、アクリール系重合物、スチロール系重合物又ハブチレン系重合物ノ製造事業ニ付テハ一年三百瓲
第六條 有機合成事業法第七條第一項ノ有機合成事業ハトルオール又ハブチルアルコールノ製造事業トス
第七條 有機合成事業法第七條第一項ノ期間ハ昭和十六年一月十日ヨリ五年間トス
第八條 有機合成事業法第七條第一項ノ設備ハ一ノ工場ニ於ケル製造能力トルオールニ付テハ一年三百瓲以上ノモノ、ブチルアルコールニ付テハ一年五百瓲以上ノモノトス
第九條 有機合成事業法第七條第二項ノ各事業年度ノ資本金額ハ各月末ニ於ケル拂込株式金額及積立金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
前項ニ於テ積立金トハ積立金其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ法人ノ各事業年度ノ所得中其ノ留保シタル金額ヲ謂フ
法人稅及臨時利得稅トシテ納付スベキ金額ハ前項ノ留保シタル金額ニハ之ヲ算入セズ
第十條 前條ノ場合ニ於テ有機合成事業法第七條第一項ノ規定ニ依リ法人稅及營業稅ノ免除ヲ受クル事業ト其ノ他ノ事業トヲ營ム法人ノ資本金額ハ總資產價額ニ對スル當該有機合成事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ノ基本タル資產價額ノ割合ヲ總資本金額ニ乘ジ之ヲ計算ス
前項ノ場合ニ於テ資產價額ノ割合ニ依ルヲ不適當トスルトキハ收入金ノ割合又ハ所得若ハ純益ノ割合其ノ他適當ナル方法ニ依リ之ヲ計算ス
第十一條 有機合成事業法第七條第二項ノ資本金額ニ對スル年百分ノ十ノ割合ノ金額ハ當該事業年度ノ月數ヲ資本金額ニ乘ジ之ヲ十二分シタル金額ニ百分ノ十ヲ乘ジテ之ヲ計算ス
前項ノ月數ハ曆ニ從ヒ之ヲ計算シ一月未滿ノ端數ヲ生ジタルトキハ之ヲ一月トス
第十二條 有機合成事業法第七條ノ規定ニ依リ法人稅又ハ營業稅ノ免除ヲ受ケントスル會社ハ法人稅法第十八條又ハ營業稅法第十五條ノ規定ニ依リ所得又ハ純益金額ヲ申吿スルトキ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テ法人稅及營業稅ノ免除ヲ受クル事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ト其ノ他ノ所得又ハ純益トヲ有スルトキハ之ヲ區別シタル計算書ヲ添附スベシ
第十三條 有機合成事業法第十條ノ規定ニ依ル期間ハ昭和十六年一月十日ヨリ五年間トス
第十四條 有機合成事業法第十條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ器具又ハ機械ハ商工大臣ノ定ムル物品ニシテ豫メ商工大臣ノ認可ヲ受ケ輸入スルモノニ限ル
第十五條 有機合成事業法第十條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受ケントスル會社ハ輸入申吿書ニ前條ノ認可ヲ受ケタルコトヲ證スル書類ヲ添附スベシ
輸入申吿ハ有機合成事業會社ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第十六條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ有機合成事業法第十條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ他ノ用途ニ供セントスル場合ニ於テハ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨稅關ニ申吿スルコトヲ要ス
第十七條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輸入ノ日ヨリ三年以內ニ目的タル用途又ハ前條ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタル他ノ用途ニ供セザルトキハ其ノ輸入稅ヲ追徵ス但シ已ムヲ得ザル事由ニ因リ其ノ期間ノ延長ニ付商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨稅關ニ申吿シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十八條 有機合成事業法第十一條ノ有機合成事業ハ左ニ揭グル事業ニテ一ノ工場ニ於テ第五條ニ揭グル規模以上ノ能力ヲ有スル製造設備ヲ以テ營ムモノトス
一 クロロプレン系ゴムノ製造事業
二 ブタヂエン系ゴムノ製造事業
三 トルオールノ製造事業
四 ベンゾールノ製造事業
五 ブチルアルコールノ製造事業
第十九條 商工大臣有機合成事業法第十八條ノ規定ニ依リ命令ヲ爲サントスル場合ニ於テ當該命令ガ軍事上ニ影響ヲ及ボスベキモノナルトキハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ協議スベシ
第二十條 陸軍大臣又ハ海軍大臣有機合成事業法第十九條ノ規定ニ依リ命令ヲ爲サントスル場合ニ於テハ商工大臣ニ協議スベシ
第二十一條 有機合成事業法第二十條第一項ノ規定ニ依リ補償スベキ損失ハ通常生ズベキ損失ニ限ル
損失ノ補償ヲ請求セントスル會社ハ其ノ損失ガ有機合成事業法第十八條第二項ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタルモノナルトキハ當該設備ノ使用又ハ當該方法ニ依ル製造ヲ廢止シタル後、同法第十九條ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタルモノナルトキハ當該命令事項ノ履行ヲ終リタル後之ヲ請求スベシ但シ當該命令ヲ爲シタル商工大臣、陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ每營業年度ノ終リタル後又ハ損失ノ生ジタル都度之ヲ請求スルコトヲ得
第二十二條 有機合成事業法第三條ノ許可ニシテ一ノ工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力ガ第五條ニ揭グル規模ニ達セザルモノニ關スルモノ及同法第六條ノ許可ニシテ一ノ工場ノ設備ノ增設又ハ變更ニ依ル當該工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力ノ差異ガ左ニ揭グル規模ニ達セザルモノニ關スルモノニ付テハ有機合成事業委員會ノ議ニ付セザルコトヲ得但シ同法第六條ノ許可中有機合成品ノ製造設備ノ能力ガ第五條ニ揭グル規模ニ達セザル一ノ工場ノ設備ノ增設又ハ變更ニシテ其ノ設備ノ增設又ハ變更ニ依リ當該工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力ガ同條ニ揭グル規模ニ達スベキモノニ關スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 アセトアルデヒド、醋酸又ハメタノールノ製造事業ニ付テハ一年三千瓲
二 クロロプレン系ゴム、ブタヂエン系ゴム、ベンゾール、トリクロルエチレン、クロルヒドリン、アセトン、ホルマリン、ブチルアルコール又ハ鞣劑ノ製造事業ニ付テハ一年千五百瓲
三 トルオール、重合纖維、ビニール系重合物、アクリール系重合物、スチロール系重合物又ハブチレン系重合物ノ製造事業ニ付テハ一年千瓲
第二十三條 本令中商工大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督トス
附 則
本令ハ有機合成事業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕有機合成事業法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年一月七日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
内務大臣 男爵 平沼騏一郎
拓務大臣 秋田清
陸軍大臣 東条英機
商工大臣 小林一三
大蔵大臣 河田烈
海軍大臣 及川古志郎
勅令第二十五号
有機合成事業法施行令
第一条 有機合成事業法第二条ノ有機合成品ハ左ニ掲グルモノトス
一 クロロプレン系ゴム
二 ブタヂエン系ゴム
三 トルオール
四 ベンゾール
五 トリクロルエチレン
六 クロルヒドリン
七 アセトアルデヒド
八 醋酸
九 アセトン
十 メタノール
十一 ホルマリン
十二 ブチルアルコール
十三 重合繊維
十四 ビニール系重合物
十五 アクリール系重合物
十六 スチロール系重合物
十七 ブチレン系重合物
十八 鞣剤
第二条 有機合成事業法第三条ノ許可ハ工場毎ニ且前条各号ノ有機合成品ノ製造事業別ニ之ヲ為スモノトス
第三条 有機合成事業法第三条第一項但書ノ有機合成事業ハ左ニ掲グルモノトス
一 アセトアルデヒド、醋酸又ハメタノールノ製造事業ニシテ一ノ工場ニ於ケル当該有機合成品ノ製造能力一年百瓲ニ達セザル設備ヲ以テ営ムモノ
二 クロロプレン系ゴム、ブタヂエン系ゴム、ベンゾール、トリクロルエチレン、クロルヒドリン、アセトン、ホルマリン、ブチルアルコール又ハ鞣剤ノ製造事業ニシテ一ノ工場ニ於ケル当該有機合成品ノ製造能力一年五十瓲ニ達セザル設備ヲ以テ営ムモノ
三 トルオール、重合繊維、ビニール系重合物、アクリール系重合物、スチロール系重合物又ハブチレン系重合物ノ製造事業ニシテ一ノ工場ニ於ケル当該有機合成品ノ製造能力一年三十瓲ニ達セザル設備ヲ以テ営ムモノ
第四条 有機合成事業会社一ノ工場ノ設備ヲ増設シ又ハ変更セントスル場合ニ於テ其ノ設備ノ増設又ハ変更ニ依リ当該工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力又ハ製造方法ニ変更ヲ生ゼザルトキハ有機合成事業法第六条ノ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
第五条 有機合成事業会社有機合成品ノ製造設備ノ能力ガ左ニ掲グル規模ニ達セザル一ノ工場ノ設備ヲ増設シ又ハ変更セントスル場合ニ於テ其ノ設備ノ増設又ハ変更ニ依リ当該工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力又ハ製造方法ニ変更ヲ生ズルトキト雖モ其ノ設備ノ増設又ハ変更後ノ製造設備ノ能力ガ仍左ニ掲グル規模ニ達セザルトキハ有機合成事業法第六条ノ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
一 アセトアルデヒド、醋酸又ハメタノールノ製造事業ニ付テハ一年千瓲
二 クロロプレン系ゴム、ブタヂエン系ゴム、ベンゾール、トリクロルエチレン、クロルヒドリン、アセトン、ホルマリン、ブチルアルコール又ハ鞣剤ノ製造事業ニ付テハ一年五百瓲
三 トルオール、重合繊維、ビニール系重合物、アクリール系重合物、スチロール系重合物又ハブチレン系重合物ノ製造事業ニ付テハ一年三百瓲
第六条 有機合成事業法第七条第一項ノ有機合成事業ハトルオール又ハブチルアルコールノ製造事業トス
第七条 有機合成事業法第七条第一項ノ期間ハ昭和十六年一月十日ヨリ五年間トス
第八条 有機合成事業法第七条第一項ノ設備ハ一ノ工場ニ於ケル製造能力トルオールニ付テハ一年三百瓲以上ノモノ、ブチルアルコールニ付テハ一年五百瓲以上ノモノトス
第九条 有機合成事業法第七条第二項ノ各事業年度ノ資本金額ハ各月末ニ於ケル払込株式金額及積立金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
前項ニ於テ積立金トハ積立金其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ法人ノ各事業年度ノ所得中其ノ留保シタル金額ヲ謂フ
法人税及臨時利得税トシテ納付スベキ金額ハ前項ノ留保シタル金額ニハ之ヲ算入セズ
第十条 前条ノ場合ニ於テ有機合成事業法第七条第一項ノ規定ニ依リ法人税及営業税ノ免除ヲ受クル事業ト其ノ他ノ事業トヲ営ム法人ノ資本金額ハ総資産価額ニ対スル当該有機合成事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ノ基本タル資産価額ノ割合ヲ総資本金額ニ乗ジ之ヲ計算ス
前項ノ場合ニ於テ資産価額ノ割合ニ依ルヲ不適当トスルトキハ収入金ノ割合又ハ所得若ハ純益ノ割合其ノ他適当ナル方法ニ依リ之ヲ計算ス
第十一条 有機合成事業法第七条第二項ノ資本金額ニ対スル年百分ノ十ノ割合ノ金額ハ当該事業年度ノ月数ヲ資本金額ニ乗ジ之ヲ十二分シタル金額ニ百分ノ十ヲ乗ジテ之ヲ計算ス
前項ノ月数ハ暦ニ従ヒ之ヲ計算シ一月未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ一月トス
第十二条 有機合成事業法第七条ノ規定ニ依リ法人税又ハ営業税ノ免除ヲ受ケントスル会社ハ法人税法第十八条又ハ営業税法第十五条ノ規定ニ依リ所得又ハ純益金額ヲ申告スルトキ其ノ旨所轄税務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テ法人税及営業税ノ免除ヲ受クル事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ト其ノ他ノ所得又ハ純益トヲ有スルトキハ之ヲ区別シタル計算書ヲ添附スベシ
第十三条 有機合成事業法第十条ノ規定ニ依ル期間ハ昭和十六年一月十日ヨリ五年間トス
第十四条 有機合成事業法第十条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ器具又ハ機械ハ商工大臣ノ定ムル物品ニシテ予メ商工大臣ノ認可ヲ受ケ輸入スルモノニ限ル
第十五条 有機合成事業法第十条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受ケントスル会社ハ輸入申告書ニ前条ノ認可ヲ受ケタルコトヲ証スル書類ヲ添附スベシ
輸入申告ハ有機合成事業会社ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第十六条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ有機合成事業法第十条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ他ノ用途ニ供セントスル場合ニ於テハ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨税関ニ申告スルコトヲ要ス
第十七条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輸入ノ日ヨリ三年以内ニ目的タル用途又ハ前条ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタル他ノ用途ニ供セザルトキハ其ノ輸入税ヲ追徴ス但シ已ムヲ得ザル事由ニ因リ其ノ期間ノ延長ニ付商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨税関ニ申告シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十八条 有機合成事業法第十一条ノ有機合成事業ハ左ニ掲グル事業ニテ一ノ工場ニ於テ第五条ニ掲グル規模以上ノ能力ヲ有スル製造設備ヲ以テ営ムモノトス
一 クロロプレン系ゴムノ製造事業
二 ブタヂエン系ゴムノ製造事業
三 トルオールノ製造事業
四 ベンゾールノ製造事業
五 ブチルアルコールノ製造事業
第十九条 商工大臣有機合成事業法第十八条ノ規定ニ依リ命令ヲ為サントスル場合ニ於テ当該命令ガ軍事上ニ影響ヲ及ボスベキモノナルトキハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ協議スベシ
第二十条 陸軍大臣又ハ海軍大臣有機合成事業法第十九条ノ規定ニ依リ命令ヲ為サントスル場合ニ於テハ商工大臣ニ協議スベシ
第二十一条 有機合成事業法第二十条第一項ノ規定ニ依リ補償スベキ損失ハ通常生ズベキ損失ニ限ル
損失ノ補償ヲ請求セントスル会社ハ其ノ損失ガ有機合成事業法第十八条第二項ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタルモノナルトキハ当該設備ノ使用又ハ当該方法ニ依ル製造ヲ廃止シタル後、同法第十九条ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタルモノナルトキハ当該命令事項ノ履行ヲ終リタル後之ヲ請求スベシ但シ当該命令ヲ為シタル商工大臣、陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ毎営業年度ノ終リタル後又ハ損失ノ生ジタル都度之ヲ請求スルコトヲ得
第二十二条 有機合成事業法第三条ノ許可ニシテ一ノ工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力ガ第五条ニ掲グル規模ニ達セザルモノニ関スルモノ及同法第六条ノ許可ニシテ一ノ工場ノ設備ノ増設又ハ変更ニ依ル当該工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力ノ差異ガ左ニ掲グル規模ニ達セザルモノニ関スルモノニ付テハ有機合成事業委員会ノ議ニ付セザルコトヲ得但シ同法第六条ノ許可中有機合成品ノ製造設備ノ能力ガ第五条ニ掲グル規模ニ達セザル一ノ工場ノ設備ノ増設又ハ変更ニシテ其ノ設備ノ増設又ハ変更ニ依リ当該工場ニ於ケル有機合成品ノ製造設備ノ能力ガ同条ニ掲グル規模ニ達スベキモノニ関スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 アセトアルデヒド、醋酸又ハメタノールノ製造事業ニ付テハ一年三千瓲
二 クロロプレン系ゴム、ブタヂエン系ゴム、ベンゾール、トリクロルエチレン、クロルヒドリン、アセトン、ホルマリン、ブチルアルコール又ハ鞣剤ノ製造事業ニ付テハ一年千五百瓲
三 トルオール、重合繊維、ビニール系重合物、アクリール系重合物、スチロール系重合物又ハブチレン系重合物ノ製造事業ニ付テハ一年千瓲
第二十三条 本令中商工大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督トス
附 則
本令ハ有機合成事業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス