所得税法人税内外地関渉法施行規則
法令番号: 勅令第百五十八號
公布年月日: 昭和15年3月31日
法令の形式: 勅令
朕所得稅法人稅內外地關涉法施行規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月三十一日
內閣總理大臣 米內光政
大藏大臣 櫻內幸雄
勅令第百五十八號
所得稅法人稅內外地關涉法施行規則
第一條 朝鮮、臺灣、關東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所ヲ有スル個人又ハ所得稅法施行地ニ住所若ハ一年以上居所ヲ有セズシテ此等ノ地域ニ一年以上居所ヲ有スル個人ノ所得稅法第十條ニ規定スル不動產所得、乙種ノ配當利子所得、事業所得、乙種ノ勤勞所得、山林ノ所得及乙種ノ退職所得竝ニ同法第二十八條ニ規定スル所得ニ付テハ左ニ揭グル場合ヲ除クノ外所得稅法人稅內外地關涉法第一條又ハ第六條ノ規定ニ依リ分類所得稅及綜合所得稅ヲ課セズ
一 所得稅法施行地ニ住所ヲ有スル者所得金額決定後朝鮮、臺灣、關東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所ヲ移轉シタルトキ
二 朝鮮、臺灣、關東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所ヲ有スル者各當該地ニ於ケル法令ニ依ル所得金額決定前所得稅法施行地ニ住所ヲ移轉シタルトキ
三 所得稅法施行地、朝鮮、臺灣、關東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所又ハ一年以上居所ヲ有スル者ノ住所又ハ居所ニ付前二號ニ準ズベキ事由ノ生ジタルトキ
朝鮮、臺灣、關東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所ヲ有スル個人又ハ所得稅法施行地ニ住所若ハ一年以上居所ヲ有セズシテ此等ノ地域ニ一年以上居所ヲ有スル個人ノ所得稅法第十條ニ規定スル甲種ノ勤勞所得ニ付テハ所得稅法人稅內外地關涉法第一條ノ規定ニ依リ分類所得稅ヲ課セズ
第二條 所得稅法人稅內外地關涉法第四條第二項ノ規定ニ依リ分類所得稅ヲ賦課スル場合ニ於テ所得稅法施行地ヨリ生ズル事業所得アルトキハ所得稅法第十七條又ハ第十八條ノ規定ニ依ル控除ハ先ヅ所得稅法施行地ヨリ生ズル事業所得ニ付之ヲ爲シ不足アルトキハ所得稅法人稅內外地關涉法第四條第二項ニ規定スル所得ニ及ブ
第三條 所得稅法人稅內外地關涉法第七條ノ規定ニ依リ前年中ノ收入金額ヨリ其ノ十分ノ四ヲ控除シタル金額ニ依リ個人ノ總所得ヲ計算スベキ合同運用信託ノ利益ハ朝鮮所得稅令第五條ニ規定スル合同運用信託ノ利益トス
第四條 法人稅法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ於ケル資產又ハ營業ニ對シ臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ於ケル法令ニ依リ賦課スル特別所得稅ハ之ヲ所得稅法人稅內外地關涉法第十二條ニ規定スル第一種所得稅附加稅ニ相當スル租稅トス
第五條 所得稅法人稅內外地關涉法第十六條ノ規定ニ依リ所得稅又ハ法人稅ノ免除ヲ受ケントスル者ハ其ノ製造、採掘又ハ採取ノ事業ノ事業場所在地ヲ管轄スル各當該地ノ稅務官署ニ於テ其ノ地ノ法令ニ依リ所得稅又ハ法人稅ヲ免除スベキ製造、採掘又ハ採取ノ事業ニ相當スト認メタル證明書ヲ添附シ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スベシ
所得稅法施行規則第四十三條及法人稅法施行規則第八條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル申請ニ付之ヲ準用ス
第六條 所得稅法人稅內外地關涉法第十六條ノ規定ニ依リ所得稅又ハ法人稅ヲ免除スベキ期間ハ各當該地ニ於ケル法令ニ依リ所得稅又ハ法人稅ヲ免除スベキ當該製造、採掘又ハ採取ノ事業ニ付定メラレタル所得稅又ハ法人稅ノ免除期間ニ依ル
所得稅法施行規則第三條及法人稅法施行規則第七條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ所得稅又ハ法人稅ヲ免除スベキ期間ニ付之ヲ準用ス
附 則
第七條 本令ハ所得稅法人稅內外地關涉法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第八條 不動產所得、乙種ノ配當利子所得、事業所得、乙種ノ勤勞所得、山林ノ所得及乙種ノ退職所得ニ對スル分類所得稅竝ニ個人ノ總所得ニ對スル綜合所得稅ニ付テハ昭和十五年分ヨリ本令ヲ適用ス
法人ノ各事業年度ノ所得及資本ニ對スル法人稅ニ付テハ昭和十五年四月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、淸算所得ニ對スル法人稅ニ付テハ昭和十五年四月一日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ本令ヲ適用ス
第九條 所得稅法人稅內外地關涉法第二十二條第一項ノ規定ニ依リ支拂ノ際綜合所得稅ヲ賦課スルコトヲ得ベキ合同運用信託ノ利益ハ所得稅法施行規則第三十三條ニ規定スルモノニ限ル
第十條 所得稅法施行規則第百十四條及第百十五條ノ規定ハ所得稅法人稅內外地關涉法第二十二條ノ規定ニ依ル綜合所得稅ノ賦課徵收ニ付之ヲ準用ス
朕所得税法人税内外地関渉法施行規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月三十一日
内閣総理大臣 米内光政
大蔵大臣 桜内幸雄
勅令第百五十八号
所得税法人税内外地関渉法施行規則
第一条 朝鮮、台湾、関東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所ヲ有スル個人又ハ所得税法施行地ニ住所若ハ一年以上居所ヲ有セズシテ此等ノ地域ニ一年以上居所ヲ有スル個人ノ所得税法第十条ニ規定スル不動産所得、乙種ノ配当利子所得、事業所得、乙種ノ勤労所得、山林ノ所得及乙種ノ退職所得並ニ同法第二十八条ニ規定スル所得ニ付テハ左ニ掲グル場合ヲ除クノ外所得税法人税内外地関渉法第一条又ハ第六条ノ規定ニ依リ分類所得税及綜合所得税ヲ課セズ
一 所得税法施行地ニ住所ヲ有スル者所得金額決定後朝鮮、台湾、関東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所ヲ移転シタルトキ
二 朝鮮、台湾、関東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所ヲ有スル者各当該地ニ於ケル法令ニ依ル所得金額決定前所得税法施行地ニ住所ヲ移転シタルトキ
三 所得税法施行地、朝鮮、台湾、関東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所又ハ一年以上居所ヲ有スル者ノ住所又ハ居所ニ付前二号ニ準ズベキ事由ノ生ジタルトキ
朝鮮、台湾、関東州、樺太又ハ南洋群島ニ住所ヲ有スル個人又ハ所得税法施行地ニ住所若ハ一年以上居所ヲ有セズシテ此等ノ地域ニ一年以上居所ヲ有スル個人ノ所得税法第十条ニ規定スル甲種ノ勤労所得ニ付テハ所得税法人税内外地関渉法第一条ノ規定ニ依リ分類所得税ヲ課セズ
第二条 所得税法人税内外地関渉法第四条第二項ノ規定ニ依リ分類所得税ヲ賦課スル場合ニ於テ所得税法施行地ヨリ生ズル事業所得アルトキハ所得税法第十七条又ハ第十八条ノ規定ニ依ル控除ハ先ヅ所得税法施行地ヨリ生ズル事業所得ニ付之ヲ為シ不足アルトキハ所得税法人税内外地関渉法第四条第二項ニ規定スル所得ニ及ブ
第三条 所得税法人税内外地関渉法第七条ノ規定ニ依リ前年中ノ収入金額ヨリ其ノ十分ノ四ヲ控除シタル金額ニ依リ個人ノ総所得ヲ計算スベキ合同運用信託ノ利益ハ朝鮮所得税令第五条ニ規定スル合同運用信託ノ利益トス
第四条 法人税法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ台湾、樺太又ハ南洋群島ニ於ケル資産又ハ営業ニ対シ台湾、樺太又ハ南洋群島ニ於ケル法令ニ依リ賦課スル特別所得税ハ之ヲ所得税法人税内外地関渉法第十二条ニ規定スル第一種所得税附加税ニ相当スル租税トス
第五条 所得税法人税内外地関渉法第十六条ノ規定ニ依リ所得税又ハ法人税ノ免除ヲ受ケントスル者ハ其ノ製造、採掘又ハ採取ノ事業ノ事業場所在地ヲ管轄スル各当該地ノ税務官署ニ於テ其ノ地ノ法令ニ依リ所得税又ハ法人税ヲ免除スベキ製造、採掘又ハ採取ノ事業ニ相当スト認メタル証明書ヲ添附シ其ノ旨所轄税務署ニ申請スベシ
所得税法施行規則第四十三条及法人税法施行規則第八条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル申請ニ付之ヲ準用ス
第六条 所得税法人税内外地関渉法第十六条ノ規定ニ依リ所得税又ハ法人税ヲ免除スベキ期間ハ各当該地ニ於ケル法令ニ依リ所得税又ハ法人税ヲ免除スベキ当該製造、採掘又ハ採取ノ事業ニ付定メラレタル所得税又ハ法人税ノ免除期間ニ依ル
所得税法施行規則第三条及法人税法施行規則第七条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ所得税又ハ法人税ヲ免除スベキ期間ニ付之ヲ準用ス
附 則
第七条 本令ハ所得税法人税内外地関渉法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第八条 不動産所得、乙種ノ配当利子所得、事業所得、乙種ノ勤労所得、山林ノ所得及乙種ノ退職所得ニ対スル分類所得税並ニ個人ノ総所得ニ対スル綜合所得税ニ付テハ昭和十五年分ヨリ本令ヲ適用ス
法人ノ各事業年度ノ所得及資本ニ対スル法人税ニ付テハ昭和十五年四月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、清算所得ニ対スル法人税ニ付テハ昭和十五年四月一日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ本令ヲ適用ス
第九条 所得税法人税内外地関渉法第二十二条第一項ノ規定ニ依リ支払ノ際綜合所得税ヲ賦課スルコトヲ得ベキ合同運用信託ノ利益ハ所得税法施行規則第三十三条ニ規定スルモノニ限ル
第十条 所得税法施行規則第百十四条及第百十五条ノ規定ハ所得税法人税内外地関渉法第二十二条ノ規定ニ依ル綜合所得税ノ賦課徴収ニ付之ヲ準用ス