政府出資特別会計法
法令番号: 法律第十號
公布年月日: 昭和15年3月27日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル政府出資特別會計法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月二十六日
內閣總理大臣 米內光政
大藏大臣 櫻內幸雄
法律第十號
政府出資特別會計法
第一條 政府ノ出資ニ關スル會計ハ之ヲ特別トシ其ノ歲入ヲ以テ其ノ歲出ニ充ツ
他ノ法律ニ別段ノ定アル出資及勅令ヲ以テ定ムル出資ハ前項ノ規定ニ拘ラズ之ヲ他ノ特別會計ノ所屬トス
第二條 本會計ニ於テハ出資ニ對スル配當金、出資ノ囘收金、公債募集金、借入金、一般會計ヨリノ受入金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ出資ノ拂込金、公債及借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子、他ノ會計ヘノ繰入金、事務取扱費其ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第三條 他ノ會計所屬ノ物件ヲ本會計ニ屬スル出資ノ目的ト爲ス場合ニ於テハ當該物件ヲ本會計ノ所屬ニ移スベシ
前項ノ規定ニ依リ本會計ノ所屬ト爲リタル物件ニ付テハ特ニ無償ト爲シタル場合ヲ除クノ外其ノ價額ニ相當スル金額ヲ豫算ノ定ムル所ニ依リ本會計ヨリ當該會計ニ繰入ルベシ
第四條 他ノ特別會計所屬ノ出資ヲ本會計ノ所屬ニ移シタルトキハ其ノ出資ノ拂込金ニ相當スル金額ヲ豫算ノ定ムル所ニ依リ本會計ヨリ當該會計ニ繰入ルベシ
第五條 本會計ニ於テ出資ノ拂込金及前二條ノ規定ニ依ル繰入金ヲ支辨スル爲必要アルトキハ政府ハ本會計ノ負擔ニ於テ公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
第六條 本會計ニ於テ公債及借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子、事務取扱費其ノ他ノ諸費ヲ支辨スル爲必要ナル財源ハ出資ニ對スル配當金、出資ノ囘收金及附屬雜收入ヲ以テ之ニ充テ尙必要アルトキハ一般會計ヨリ受入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ受入レタル金額ニ付テハ後日本會計ヨリ同額ヲ一般會計ニ繰入ルベシ
第七條 本會計ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジタルトキハ之ヲ翌年度ノ歲入ニ繰入ルベシ
第八條 本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘裕アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ルベシ
第九條 本會計ニ於テ支拂上現金ニ不足アルトキハ本會計ノ負擔ニ於テ一時借入金ヲ爲シ又ハ國庫餘裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替金ハ當該年度內ニ之ヲ返還スベシ
第十條 政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第十一條 本會計ノ每年度歲出豫算ニ於ケル支出殘額ハ之ヲ翌年度ニ繰越シ使用スルコトヲ得
第十二條 本會計ノ收入支出ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第十三條 本法ハ昭和十五年度ヨリ之ヲ施行ス
第十四條 本法施行ノ際現ニ一般會計ニ屬スル政府ノ出資ハ之ヲ本會計ノ所屬ニ移シ其ノ出資ノ拂込金ニ相當スル金額ハ漸次之ヲ本會計ヨリ一般會計ニ繰入ルベシ
第十五條 前條ノ規定ニ依ル繰入金ヲ支辨スル爲必要アルトキハ政府ハ第五條ノ規定ニ依ルノ外本會計ノ負擔ニ於テ公債ヲ發行シ又ハ借入金ヲ爲スコトヲ得
第十六條 
北支那開發株式會社法第四十五條中「一般會計」ヲ「政府出資特別會計」ニ改ム
第十七條 
中支那振興株式會社法第三十九條中「一般會計」ヲ「政府出資特別會計」ニ改ム
第十八條 
昭和十四年法律第八十三號附則第四項中「一般會計」ヲ「政府出資特別會計」ニ改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル政府出資特別会計法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月二十六日
内閣総理大臣 米内光政
大蔵大臣 桜内幸雄
法律第十号
政府出資特別会計法
第一条 政府ノ出資ニ関スル会計ハ之ヲ特別トシ其ノ歳入ヲ以テ其ノ歳出ニ充ツ
他ノ法律ニ別段ノ定アル出資及勅令ヲ以テ定ムル出資ハ前項ノ規定ニ拘ラズ之ヲ他ノ特別会計ノ所属トス
第二条 本会計ニ於テハ出資ニ対スル配当金、出資ノ回収金、公債募集金、借入金、一般会計ヨリノ受入金及附属雑収入ヲ以テ其ノ歳入トシ出資ノ払込金、公債及借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子、他ノ会計ヘノ繰入金、事務取扱費其ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歳出トス
第三条 他ノ会計所属ノ物件ヲ本会計ニ属スル出資ノ目的ト為ス場合ニ於テハ当該物件ヲ本会計ノ所属ニ移スベシ
前項ノ規定ニ依リ本会計ノ所属ト為リタル物件ニ付テハ特ニ無償ト為シタル場合ヲ除クノ外其ノ価額ニ相当スル金額ヲ予算ノ定ムル所ニ依リ本会計ヨリ当該会計ニ繰入ルベシ
第四条 他ノ特別会計所属ノ出資ヲ本会計ノ所属ニ移シタルトキハ其ノ出資ノ払込金ニ相当スル金額ヲ予算ノ定ムル所ニ依リ本会計ヨリ当該会計ニ繰入ルベシ
第五条 本会計ニ於テ出資ノ払込金及前二条ノ規定ニ依ル繰入金ヲ支弁スル為必要アルトキハ政府ハ本会計ノ負担ニ於テ公債ヲ発行シ又ハ借入金ヲ為スコトヲ得
第六条 本会計ニ於テ公債及借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子、事務取扱費其ノ他ノ諸費ヲ支弁スル為必要ナル財源ハ出資ニ対スル配当金、出資ノ回収金及附属雑収入ヲ以テ之ニ充テ尚必要アルトキハ一般会計ヨリ受入金ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ受入レタル金額ニ付テハ後日本会計ヨリ同額ヲ一般会計ニ繰入ルベシ
第七条 本会計ニ於テ決算上剰余ヲ生ジタルトキハ之ヲ翌年度ノ歳入ニ繰入ルベシ
第八条 本会計ニ於テ支払上現金ニ余裕アルトキハ之ヲ大蔵省預金部ニ預入ルベシ
第九条 本会計ニ於テ支払上現金ニ不足アルトキハ本会計ノ負担ニ於テ一時借入金ヲ為シ又ハ国庫余裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替金ハ当該年度内ニ之ヲ返還スベシ
第十条 政府ハ毎年本会計ノ歳入歳出予算ヲ調製シ歳入歳出ノ総予算ト共ニ之ヲ帝国議会ニ提出スベシ
第十一条 本会計ノ毎年度歳出予算ニ於ケル支出残額ハ之ヲ翌年度ニ繰越シ使用スルコトヲ得
第十二条 本会計ノ収入支出ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第十三条 本法ハ昭和十五年度ヨリ之ヲ施行ス
第十四条 本法施行ノ際現ニ一般会計ニ属スル政府ノ出資ハ之ヲ本会計ノ所属ニ移シ其ノ出資ノ払込金ニ相当スル金額ハ漸次之ヲ本会計ヨリ一般会計ニ繰入ルベシ
第十五条 前条ノ規定ニ依ル繰入金ヲ支弁スル為必要アルトキハ政府ハ第五条ノ規定ニ依ルノ外本会計ノ負担ニ於テ公債ヲ発行シ又ハ借入金ヲ為スコトヲ得
第十六条 
北支那開発株式会社法第四十五条中「一般会計」ヲ「政府出資特別会計」ニ改ム
第十七条 
中支那振興株式会社法第三十九条中「一般会計」ヲ「政府出資特別会計」ニ改ム
第十八条 
昭和十四年法律第八十三号附則第四項中「一般会計」ヲ「政府出資特別会計」ニ改ム