軽金属製造事業法施行令
法令番号: 勅令第六百五十二號
公布年月日: 昭和14年9月16日
法令の形式: 勅令
朕輕金屬製造事業法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年九月十五日
內閣總理大臣 阿部信行
陸軍大臣 畑俊六
大藏大臣 靑木一男
海軍大臣 吉田善吾
內務大臣 小原直
商工大臣 伍堂卓雄
拓務大臣 金光庸夫
勅令第六百五十二號
輕金屬製造事業法施行令
第一條 輕金屬製造事業法第三條ノ許可ハ工場每ニ左ノ事業別ニ之ヲ爲スモノトス
一 アルミナヲ原料トスルアルミニウムノ製造事業
二 アルミニウム製造用アルミナノ製造事業
三 マグネシウムノ製造事業
第二條 輕金屬製造事業法第三條第一項但書ノ輕金屬製造事業ハ左ニ揭グルモノトス
一 アルミナヲ原料トスルアルミニウムノ製造能力一ノ工場ニ於テ一年千五百瓲ニ達セザル設備ヲ以テ營ムアルミニウムノ製造事業
二 アルミナノ製造能力一ノ工場ニ於テ一年三千瓲ニ達セザル設備ヲ以テ營ムアルミニウム製造用アルミナノ製造事業
三 マグネシウムノ製造能力一ノ工場ニ於テ一年三百瓲ニ達セザル設備ヲ以テ營ムマグネシウムノ製造事業
四 屑又ハ故ノアルミニウム又ハアルミニウム合金ヲ原料トスルアルミニウムノミノ製造事業
五 アルミニウム製造用アルミナ以外ノアルミナノミノ製造事業
第三條 輕金屬製造事業法第七條第一項ノ規模ハ左ニ揭グルモノトス
一 アルミナヲ原料トスルアルミニウムノ製造ニ關シテハ一ノ工場ニ於テ其ノ設備ノ製造能力一年三千瓲ニ該當スルモノ
二 アルミニウム製造用アルミナノ製造ニ關シテハ一ノ工場ニ於テ其ノ設備ノ製造能力一年六千瓲ニ該當スルモノ
三 マグネシウムノ製造ニ關シテハ一ノ工場ニ於テ其ノ設備ノ製造能力一年六百瓲ニ該當スルモノ
第四條 輕金屬製造事業法第七條ノ規定ニ依リ所得稅又ハ營業收益稅ノ免除ヲ受ケントスル會社ハ所得稅法第二十四條又ハ營業收益稅法第十一條ノ規定ニ依リ所得又ハ純益金額ヲ申吿スルトキ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テ所得稅及營業收益稅ノ免除ヲ受クル事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ト其ノ他ノ所得又ハ純益トヲ有スルトキハ之ヲ區別シタル計算書ヲ添附スベシ
第五條 輕金屬製造事業法第十條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ器具又ハ機械ハ商工大臣ノ定ムル物品ニシテ豫メ商工大臣ノ認可ヲ受ケ輸入スルモノニ限ル
第六條 輕金屬製造事業法第十條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受ケントスル會社ハ輸入申吿書ニ前條ノ認可ヲ受ケタルコトヲ證スル書類ヲ添附スベシ
輸入申吿ハ輕金屬製造會社ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第七條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輕金屬製造事業法第十條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ他ノ用途ニ供セントスル場合ニ於テハ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨稅關ニ申吿スルコトヲ要ス
第八條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輸入ノ日ヨリ三年以內ニ目的タル用途又ハ前條ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタル他ノ用途ニ供セザルトキハ其ノ輸入稅ヲ追徵ス但シ已ムヲ得ザル事由ニ因リ其ノ期間ノ延長ニ付商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨稅關ニ申吿シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第九條 輕金屬製造事業法第二十條第一項ノ規定ニ依リ補償スベキ損失ハ通常生ズベキ損失ニ限ル
損失ノ補償ヲ請求セントスル會社ハ其ノ損失ガ輕金屬製造事業法第十八條ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタルモノナルトキハ當該設備ノ使用又ハ當該方法ニ依ル製造ヲ廢止シタル後、同法第十九條ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタルモノナルトキハ當該命令事項ノ履行ヲ終リタル後之ヲ請求スベシ但シ當該命令ヲ爲シタル商工大臣、陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ每營業年度ノ終リタル後又ハ損失ノ生ジタル都度之ヲ請求スルコトヲ得
第十條 輕金屬製造事業法第二十二條ノ規定ニ依ル命令ハアルミニウム及アルミナニ關シテハ同法ノ施行地ヲ通ジ一ノ會社ニ對シテノミ之ヲ爲スモノトスマグネシウムニ關シ亦同ジ
第十一條 左ニ揭グル事項ニ付テハ輕金屬製造事業委員會ノ議ニ付セザルコトヲ得
一 輕金屬製造事業法第六條ノ許可ニシテ增設シ又ハ變更セントスル設備ノ製造能力ガアルミナヲ原料トスルアルミニウムニ付テハ一年千五百瓲、アルミニウム製造用アルミナニ付テハ一年三千瓲、マグネシウムニ付テハ一年三百瓲ニ達セザルモノニ關スルモノ
二 輕金屬製造事業法第十八條ノ規定ニ依ル命令ニシテ軍事上緊急ヲ要スルモノ又ハ軍事上機密ヲ保持スル爲必要アルモノ
第十二條 輕金屬製造事業法第十六條第一項及第三項、第十八條、第十九條竝ニ第三十二條ニ於テ政府トアルハ當該報吿、臨檢檢査又ハ命令ガ軍事上ノ必要ニ基ク場合ニ於テハ陸軍大臣又ハ海軍大臣トス
陸軍大臣又ハ海軍大臣輕金屬製造事業法第十八條、第十九條又ハ第三十二條ノ規定ニ依リ命令ヲ爲サントスル場合ニ於テハ商工大臣ニ協議スベシ但シ軍事上緊急ヲ要スルトキ又ハ軍事上ノ機密ヲ保持スル爲必要アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項但書前段ノ場合ニ於テハ命令ヲ爲シタル後其ノ旨ヲ商工大臣ニ通知スベシ
第十三條 商工大臣輕金屬製造事業法又ハ之ニ基キテ發スル命令ニ依リ命令又ハ處分ヲ爲サントスル場合ニ於テ當該命令又ハ處分ガ軍事上ニ影響ヲ及ボスベキモノナルトキハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ協議スベシ
第十四條 輕金屬製造事業法第二十二條、第二十三條第三項、第二十四條、第二十六條乃至第三十二條及第三十五條第二項中政府トアルハ商工大臣トス但シ第三十二條ノ命令ニシテ軍事上ノ必要ニ基クモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
左ニ揭グル場合ニ於テハ商工大臣ハ朝鮮總督又ハ臺灣總督ニ協議スベシ
一 輕金屬製造事業法第二十二條ノ規定ニ依リ命令ヲ爲シ又ハ同法第二十三條第三項ノ規定ニ依リ取消ヲ爲サントスルトキ
二 輕金屬製造事業法第二十六條ノ規定ニ依リ價格ノ認可ヲ爲サントスル場合ニ於テ當該價格ニ依ル買入、販賣、輸出、輸入、移出又ハ移入ガ朝鮮又ハ臺灣ニ係ルモノナルトキ
三 輕金屬製造事業法第二十七條ノ規定ニ依リ取締役若ハ監査役ノ選任若ハ解任、重要ナル事項ニ關スル定款ノ變更、合併又ハ解散ノ決議ノ認可ヲ爲サントスルトキ
四 輕金屬製造事業法第二十九條又ハ第三十條ノ規定ニ依リ業務規程若ハ事業計畫ノ認可ヲ爲シ又ハ重要ナル事項ニ關スル業務規程若ハ事業計畫ノ變更ノ認可若ハ命令ヲ爲サントスルトキ
五 輕金屬製造事業法第三十一條又ハ第三十二條ノ規定ニ依リ重要ナル事項ニ關シ命令又ハ處分ヲ爲サントスルトキ
六 輕金屬製造事業法第三十五條第二項ノ規定ニ依リ命令ノ取消ヲ爲シ又ハ取締役若ハ其ノ職務ヲ行フ監査役ノ解任ヲ爲サントスルトキ
第十五條 前條ノ場合ヲ除クノ外本令中商工大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督トス
附 則
本令ハ輕金屬製造事業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕軽金属製造事業法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年九月十五日
内閣総理大臣 阿部信行
陸軍大臣 畑俊六
大蔵大臣 青木一男
海軍大臣 吉田善吾
内務大臣 小原直
商工大臣 伍堂卓雄
拓務大臣 金光庸夫
勅令第六百五十二号
軽金属製造事業法施行令
第一条 軽金属製造事業法第三条ノ許可ハ工場毎ニ左ノ事業別ニ之ヲ為スモノトス
一 アルミナヲ原料トスルアルミニウムノ製造事業
二 アルミニウム製造用アルミナノ製造事業
三 マグネシウムノ製造事業
第二条 軽金属製造事業法第三条第一項但書ノ軽金属製造事業ハ左ニ掲グルモノトス
一 アルミナヲ原料トスルアルミニウムノ製造能力一ノ工場ニ於テ一年千五百瓲ニ達セザル設備ヲ以テ営ムアルミニウムノ製造事業
二 アルミナノ製造能力一ノ工場ニ於テ一年三千瓲ニ達セザル設備ヲ以テ営ムアルミニウム製造用アルミナノ製造事業
三 マグネシウムノ製造能力一ノ工場ニ於テ一年三百瓲ニ達セザル設備ヲ以テ営ムマグネシウムノ製造事業
四 屑又ハ故ノアルミニウム又ハアルミニウム合金ヲ原料トスルアルミニウムノミノ製造事業
五 アルミニウム製造用アルミナ以外ノアルミナノミノ製造事業
第三条 軽金属製造事業法第七条第一項ノ規模ハ左ニ掲グルモノトス
一 アルミナヲ原料トスルアルミニウムノ製造ニ関シテハ一ノ工場ニ於テ其ノ設備ノ製造能力一年三千瓲ニ該当スルモノ
二 アルミニウム製造用アルミナノ製造ニ関シテハ一ノ工場ニ於テ其ノ設備ノ製造能力一年六千瓲ニ該当スルモノ
三 マグネシウムノ製造ニ関シテハ一ノ工場ニ於テ其ノ設備ノ製造能力一年六百瓲ニ該当スルモノ
第四条 軽金属製造事業法第七条ノ規定ニ依リ所得税又ハ営業収益税ノ免除ヲ受ケントスル会社ハ所得税法第二十四条又ハ営業収益税法第十一条ノ規定ニ依リ所得又ハ純益金額ヲ申告スルトキ其ノ旨所轄税務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テ所得税及営業収益税ノ免除ヲ受クル事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ト其ノ他ノ所得又ハ純益トヲ有スルトキハ之ヲ区別シタル計算書ヲ添附スベシ
第五条 軽金属製造事業法第十条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ器具又ハ機械ハ商工大臣ノ定ムル物品ニシテ予メ商工大臣ノ認可ヲ受ケ輸入スルモノニ限ル
第六条 軽金属製造事業法第十条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受ケントスル会社ハ輸入申告書ニ前条ノ認可ヲ受ケタルコトヲ証スル書類ヲ添附スベシ
輸入申告ハ軽金属製造会社ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第七条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ軽金属製造事業法第十条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ他ノ用途ニ供セントスル場合ニ於テハ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨税関ニ申告スルコトヲ要ス
第八条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輸入ノ日ヨリ三年以内ニ目的タル用途又ハ前条ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタル他ノ用途ニ供セザルトキハ其ノ輸入税ヲ追徴ス但シ已ムヲ得ザル事由ニ因リ其ノ期間ノ延長ニ付商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨税関ニ申告シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第九条 軽金属製造事業法第二十条第一項ノ規定ニ依リ補償スベキ損失ハ通常生ズベキ損失ニ限ル
損失ノ補償ヲ請求セントスル会社ハ其ノ損失ガ軽金属製造事業法第十八条ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタルモノナルトキハ当該設備ノ使用又ハ当該方法ニ依ル製造ヲ廃止シタル後、同法第十九条ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタルモノナルトキハ当該命令事項ノ履行ヲ終リタル後之ヲ請求スベシ但シ当該命令ヲ為シタル商工大臣、陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ毎営業年度ノ終リタル後又ハ損失ノ生ジタル都度之ヲ請求スルコトヲ得
第十条 軽金属製造事業法第二十二条ノ規定ニ依ル命令ハアルミニウム及アルミナニ関シテハ同法ノ施行地ヲ通ジ一ノ会社ニ対シテノミ之ヲ為スモノトスマグネシウムニ関シ亦同ジ
第十一条 左ニ掲グル事項ニ付テハ軽金属製造事業委員会ノ議ニ付セザルコトヲ得
一 軽金属製造事業法第六条ノ許可ニシテ増設シ又ハ変更セントスル設備ノ製造能力ガアルミナヲ原料トスルアルミニウムニ付テハ一年千五百瓲、アルミニウム製造用アルミナニ付テハ一年三千瓲、マグネシウムニ付テハ一年三百瓲ニ達セザルモノニ関スルモノ
二 軽金属製造事業法第十八条ノ規定ニ依ル命令ニシテ軍事上緊急ヲ要スルモノ又ハ軍事上機密ヲ保持スル為必要アルモノ
第十二条 軽金属製造事業法第十六条第一項及第三項、第十八条、第十九条並ニ第三十二条ニ於テ政府トアルハ当該報告、臨検検査又ハ命令ガ軍事上ノ必要ニ基ク場合ニ於テハ陸軍大臣又ハ海軍大臣トス
陸軍大臣又ハ海軍大臣軽金属製造事業法第十八条、第十九条又ハ第三十二条ノ規定ニ依リ命令ヲ為サントスル場合ニ於テハ商工大臣ニ協議スベシ但シ軍事上緊急ヲ要スルトキ又ハ軍事上ノ機密ヲ保持スル為必要アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項但書前段ノ場合ニ於テハ命令ヲ為シタル後其ノ旨ヲ商工大臣ニ通知スベシ
第十三条 商工大臣軽金属製造事業法又ハ之ニ基キテ発スル命令ニ依リ命令又ハ処分ヲ為サントスル場合ニ於テ当該命令又ハ処分ガ軍事上ニ影響ヲ及ボスベキモノナルトキハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ協議スベシ
第十四条 軽金属製造事業法第二十二条、第二十三条第三項、第二十四条、第二十六条乃至第三十二条及第三十五条第二項中政府トアルハ商工大臣トス但シ第三十二条ノ命令ニシテ軍事上ノ必要ニ基クモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
左ニ掲グル場合ニ於テハ商工大臣ハ朝鮮総督又ハ台湾総督ニ協議スベシ
一 軽金属製造事業法第二十二条ノ規定ニ依リ命令ヲ為シ又ハ同法第二十三条第三項ノ規定ニ依リ取消ヲ為サントスルトキ
二 軽金属製造事業法第二十六条ノ規定ニ依リ価格ノ認可ヲ為サントスル場合ニ於テ当該価格ニ依ル買入、販売、輸出、輸入、移出又ハ移入ガ朝鮮又ハ台湾ニ係ルモノナルトキ
三 軽金属製造事業法第二十七条ノ規定ニ依リ取締役若ハ監査役ノ選任若ハ解任、重要ナル事項ニ関スル定款ノ変更、合併又ハ解散ノ決議ノ認可ヲ為サントスルトキ
四 軽金属製造事業法第二十九条又ハ第三十条ノ規定ニ依リ業務規程若ハ事業計画ノ認可ヲ為シ又ハ重要ナル事項ニ関スル業務規程若ハ事業計画ノ変更ノ認可若ハ命令ヲ為サントスルトキ
五 軽金属製造事業法第三十一条又ハ第三十二条ノ規定ニ依リ重要ナル事項ニ関シ命令又ハ処分ヲ為サントスルトキ
六 軽金属製造事業法第三十五条第二項ノ規定ニ依リ命令ノ取消ヲ為シ又ハ取締役若ハ其ノ職務ヲ行フ監査役ノ解任ヲ為サントスルトキ
第十五条 前条ノ場合ヲ除クノ外本令中商工大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督トス
附 則
本令ハ軽金属製造事業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス