(支那事変特別税法中改正法律)
法令番号: 法律第四十八號
公布年月日: 昭和14年3月31日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル支那事變特別稅法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年三月三十日
內閣總理大臣 男爵 平沼騏一郞
內務大臣 侯爵 木戶幸一
大藏大臣 石渡莊太郞
法律第四十八號
支那事變特別稅法中左ノ通改正ス
第一條中「砂糖消費稅及取引所稅」ヲ「淸涼飮料稅、砂糖消費稅、取引所稅及印紙稅」ニ、「公債及社債利子稅、」ヲ「公債及社債利子稅、建築稅、」ニ、「及物品稅」ヲ「、物品稅及遊興飮食稅」ニ改ム
第二條第三項ヲ左ノ如ク改ム
前二項ノ規定ニ依ル普通所得及超過所得ニ對スル所得稅ノ增徵稅額ハ左ノ金額ヨリ普通所得及超過所得ニ對スル所得稅額(所得稅法第二十一條ノ二ノ規定ニ依リ普通所得ニ對スル所得稅ニ加算スル稅額ヲ含マズ)ト臨時利得稅額トノ合計金額ヲ控除シタル殘額ヲ超ユルコトヲ得ズ
普通所得ノ百分ノ五十五ニ相當スル金額ヨリ普通所得中留保シタル金額ノ百分ノ十五ニ相當スル金額ヲ控除シタル殘額
第八條ノ二 淸涼飮料稅ハ淸涼飮料稅法第二條ノ規定ニ拘ラズ左ノ稅率ニ依ル
第一種 玉ラムネ壜詰ノモノ 一石ニ付 八圓五十錢
第二種 其ノ他ノ壜詰ノモノ 一石ニ付 十五圓
第三種 壜詰以外ノモノ 炭酸瓦斯使用量一瓩ニ付 四圓五十錢
第九條中「一圓二十錢」ヲ「一圓七十錢」ニ、「三圓三十錢」ヲ「四圓」ニ、「七圓十錢」ヲ「七圓八十錢」ニ、「八圓六十錢」ヲ「九圓三十錢」ニ、「十一圓」ヲ「十一圓七十錢」ニ、「三圓九十錢」ヲ「四圓六十錢」ニ改ム
第十一條ノ二 印紙稅中物品切手ニ關スル印紙稅ハ印紙稅法第四條第一項第二十八號ノ規定ニ拘ラズ一通每ニ左ノ區別ニ依リ之ヲ納ムベシ
記載金高三圓以下ノモノ 三錢
同五圓以下ノモノ 十錢
同十圓以下ノモノ 三十錢
同二十圓以下ノモノ 六十錢
同三十圓以下ノモノ 九十錢
同五十圓以下ノモノ 一圓五十錢
同百圓以下ノモノ 三圓
同百圓ヲ超ユルモノ 百圓又ハ其ノ端數每ニ 三圓
記載金高ナキモノ 三錢
第十三條 利益配當稅ハ前條ノ法人ヨリ支拂ヲ受クル利益ノ配當ニ付之ヲ賦課シ配當金中配當率年七分ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額ヲ左ノ各級ニ區分シ遞次ニ各稅率ヲ適用シテ算出シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
配當金中配當率年七分ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ十
同年一割ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ十五
第十六條中「百分ノ十」ヲ「百分ノ十五」ニ改ム
第十八條ノ二 建築稅ハ左ニ揭グル家屋ヲ建築(增築及改造ヲ含ム以下同ジ)シタル者ニ之ヲ課ス
一 居住ノ用ニ供スル家屋
二 料理店業、席貸業其ノ他之ニ類スル營業ノ用ニ供スル家屋ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ
三 演劇、活動寫眞、演藝又ハ觀物(相撲、野球、拳鬪其ノ他ノ競技ニシテ公衆ノ觀覽ニ供スルコトヲ目的トスルモノヲ含ム)ノ開催ノ用ニ供スル家屋
第十八條ノ三 建築稅ハ家屋(附屬工作物ヲ含ム以下同ジ)一構每ニ其ノ建築價額ヲ標準トシテ之ヲ賦課ス
前項ノ建築價額ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
一構ノ家屋ノ一部ガ前條ノ家屋ニ該當スル場合ニ於テハ其ノ部分ヲ以テ一構ノ家屋ト看做ス
第十八條ノ四 第十八條ノ二ニ揭グル家屋ヲ新築シタル者新築竣成後一年內ニ其ノ家屋ト一構ト爲ルベキ建築ヲ爲シタル場合ニ於テハ前後ノ建築ヲ通ジテ一建築ト看做シ本法ヲ適用ス
前項ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スベキ場合ニ於テ旣ニ建築稅ヲ課シタル部分アルトキハ其ノ建築稅ニ相當スル金額ヲ建築稅額ヨリ控除ス
第十八條ノ五 建築稅ハ建築價額ヨリ五千圓ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第十八條ノ六 左ニ揭グル家屋ヲ建築シタル場合ニ於テハ建築稅ヲ課セズ
一 建築價額一萬圓未滿ノ家屋
二 公用又ハ公共ノ用ニ供スル爲北海道、府縣、市町村其ノ他命令ヲ以テ指定スル公共團體ガ建築シタル家屋
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル家屋
第十八條ノ七 左ニ揭グル家屋ヲ建築シタル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ建築稅ヲ免除ス
一 災害ニ因リ滅失又ハ損壞シタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋
二 法令ニ依リ收用又ハ使用セラレタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋及法令ニ依ル敷地ノ收用又ハ使用ニ因リ取毀シタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル家屋
第十八條ノ八 建築稅ニ付納稅義務アル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ建築價額ヲ政府ニ申吿スベシ
第十八條ノ九 建築價額ハ前條ノ申吿ニ依リ、申吿ナキトキ又ハ申吿ヲ不相當ト認ムルトキハ政府ノ調査ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定ス
建築價額ヲ決定シタルトキハ政府ハ之ヲ納稅義務者ニ通知スベシ
第十八條ノ十 建築稅ハ建築竣成ノ際之ヲ徵收ス
第十八條ノ十一 建築稅ハ家屋ノ所在地ヲ以テ納稅地トス
納稅義務者納稅地ニ現住セザルトキハ建築價額ノ申吿、納稅其ノ他建築稅ニ關スル事項ヲ處理セシムル爲納稅管理人ヲ定メ政府ニ申吿スベシ
第十八條ノ十二 本法ノ適用ニ付テハ被相續人ノ爲シタル家屋ノ建築ハ相續人ノ爲シタルモノト看做シ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ爲シタル家屋ノ建築ハ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ爲シタルモノト看做ス
第三十八條第一項ヲ左ノ如ク改ム
物品稅ハ左ニ揭グル物品ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ之ヲ課ス
第一種
甲類
一 貴石若ハ半貴石又ハ之ヲ用ヒタル製品
二 眞珠又ハ眞珠ヲ用ヒタル製品
三 貴金屬製品又ハ金若ハ白金ヲ用ヒタル製品
四 鼈甲製品
五 珊瑚製品
六 毛皮又ハ毛皮製品
七 羽毛製品又ハ羽毛ヲ用ヒタル製品
乙類
八 時計
九 文房具
十 身邊用細貨類
十一 化粧用具
十二 喫煙用具
十三 帽子、杖、鞭及傘
十四 鞄及トランク
十五 靴及履物
十六 書畵及骨董
十七 室內裝飾用品
十八 玩具
十九 運動具
二十 照明器具
二十一 電氣器具及瓦斯器具
二十二 圍碁及將棋用具
二十三 家具
二十四 漆器、陶磁器及硝子製器具ニシテ別號ニ揭ゲザルモノ
二十五 貴金屬ヲ鍍シ又ハ張リタル製品ニシテ別號ニ揭ゲザルモノ
二十六 皮革製品ニシテ別號ニ揭ゲザルモノ
二十七 織物、メリヤス、レース、フェルト及同製品竝ニ組物
二十八 果物
第二種
甲類
一 寫眞機、寫眞引伸機、映寫機、同部分品及附屬品
二 寫眞用ノ乾板、フィルム及感光紙
三 蓄音器及同部分品
四 蓄音器用レコード
五 樂器、同部分品及附屬品
六 雙眼鏡及隻眼鏡
七 銃及同部分品
八 藥莢及彈丸
九 ゴルフ用具、同部分品及附屬品
十 娛樂用ノモーターボート、スカール及ヨット
十一 撞球用具
十二 ネオン管及同變壓器
十三 喫煙用ライター
十四 乘用自動車
十五 化粧品
乙類
十六 ラヂオ聽取機及同部分品
十七 受信用眞空管、擴聲用增幅器及擴聲器
十八 扇風機及同部分品
十九 煖房用ノ電氣、瓦斯又ハ礦油ストーブ
二十 冷藏器及同部分品
二十一 金庫及鋼鐵製家具
二十二 シャンプー及洗粉
二十三 紅茶珈琲及其ノ代用物竝ニココア
二十四 嗜好飮料但シ酒類及淸涼飮料ヲ除ク
第三種
一 燐寸
二 酒類但シ濁酒ヲ除ク
三 飴、葡萄糖及麥芽糖
第三十九條中「五圓」ヲ「十圓」ニ、「十圓」ヲ「十五圓」ニ、「七圓」ヲ「十四圓」ニ改メ「葡萄酒(酒精及酒精含有飮料稅法第三條ノ二ニ規定スルモノ以下同ジ)」ノ下ニ「及果實酒(酒精及酒精含有飮料稅法第三條ノ三ニ規定スルモノ以下同ジ)」ヲ加ヘ同條第三種ニ左ノ一號ヲ加フ
三 飴、葡萄糖及麥芽糖
イ 麥芽糖化ノ方法ニ依リ製造シタル飴 百斤ニ付 一圓五十錢
ロ 其ノ他ノ飴竝ニ葡萄糖及麥芽糖 百斤ニ付 二圓
第四十二條第一項中「第一種第十四號」ヲ「第一種第十六號」ニ改ム
第四十三條中「化粧品」ヲ「化粧品、シャンプー、洗粉又ハ嗜好飮料」ニ改ム
第四十四條 左ニ揭グル場合ニ於テハ嗜好飮料、酒類、飴、葡萄糖又ハ麥芽糖ハ之ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做ス
一 嗜好飮料又ハ酒類ヲ製造場內ニ於テ飮用シタルトキ
二 飴、葡萄糖又ハ麥芽糖ヲ製造場內ニ於テ飴、葡萄糖又ハ麥芽糖以外ノ製品ノ原料トシテ使用シタルトキ
第四十六條第一項中「課稅標準額ヨリ其ノ物品ノ價格ヲ控除ス」ヲ「稅額ヨリ其ノ物品ニ課セラレタル物品稅ニ相當スル金額ヲ控除ス」ニ改メ同條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第四十八條第一項ニ規定スル政府ノ承認ヲ受ケテ移出先又ハ引取先ニ移入セラレタル酒類ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十八條第一項中「第二種ノ物品又ハ燐寸」ヲ「第二種又ハ第三種ノ物品」ニ改ム
第四十九條第一項第二號中「葡萄酒」ノ下ニ「及果實酒」ヲ加フ
第五十一條中「第二種ノ物品若ハ燐寸」ヲ「第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)」ニ改ム
第五十二條ノ二 遊興飮食稅ハ料理店、貸席、旅館其ノ他命令ヲ以テ定ムル類似ノ場所ニ於ケル遊興及飮食ニ之ヲ課ス
第五十二條ノ三 遊興飮食稅ノ稅率ハ遊興飮食ノ料金ノ百分ノ十トス但シ藝妓ノ花代ニ付テハ料金ノ百分ノ二十トス
前項ノ遊興飮食ノ料金(以下料金ト稱ス)ハ前條ニ規定スル場所ノ經營者ガ遊興又ハ飮食ヲ爲シタル者ヨリ其ノ遊興又ハ飮食ニ付領收スベキ金額ヲ謂フ
料金ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二條ノ四 料金ガ一人一囘五圓ニ滿タザル場合ニハ遊興飮食稅ヲ課セズ但シ藝妓ノ花代其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ一人一囘ノ料金ノ計算ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二條ノ五 遊興飮食稅ハ第五十二條ノ二ニ規定スル場所ノ經營者ヨリ之ヲ徵收ス
第五十二條ノ六 第五十二條ノ二ニ規定スル場所ノ經營者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ每月分ノ料金ヲ記載シタル申吿書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ但シ經營ヲ廢止シタル場合ニ於テハ直ニ之ヲ提出スベシ
申吿書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申吿ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第五十二條ノ七 遊興飮食稅ハ每月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ但シ經營ヲ廢止シタル場合ニ於テハ直ニ之ヲ納付スベシ
第五十二條ノ八 第五十二條ノ二ニ規定スル場所ノ經營者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ每月分ノ料金中其ノ月ニ於テ領收セザルモノニ對スル稅金ヲ其ノ料金ヲ領收シタル月ノ翌月末日迄ニ納付スルコトヲ得但シ其ノ經營ヲ廢止シタル場合ニ於テ未ダ納付セザル稅金アルトキハ直ニ之ヲ納付スベシ
前項ノ規定ニ依リ未ダ稅金ヲ納付セザル料金ニシテ領收スルコト能ハザルニ至リタルモノニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ遊興飮食稅ヲ免除ス
第五十二條ノ九 第五十二條ノ二ニ規定スル場所ヲ經營セントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ豫メ政府ニ申吿スベシ之ヲ廢止セントスルトキ亦同ジ
第五十二條ノ十 第五十二條ノ二ニ規定スル場所ノ經營者及經營者ト經營上取引關係アル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
前項ニ規定スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關シ必要ナル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第五十四條ニ第一項トシテ左ノ一項ヲ加フ
收稅官吏ハ建築稅ニ付家屋ヲ建築シタル者、建築工事請負人、建築工事管理者若ハ建築材料供給者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ家屋、建築ニ關スル帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
收稅官吏ハ遊興飮食稅ニ付第五十二條ノ十第一項ニ規定スル者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ其ノ業務ニ關スル帳簿書類ヲ檢査スルコトヲ得
第五十五條中「又ハ公債及社債利子稅」ヲ「、公債及社債利子稅又ハ建築稅」ニ改ム
第五十六條中「物品稅」ノ下ニ「又ハ遊興飮食稅」ヲ加フ
第五十七條第二號中「第四十五條」ノ下ニ「又ハ第五十二條ノ六」ヲ加ヘ同條第三號中「第二種ノ物品若ハ燐寸」ヲ「第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)」ニ改メ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
四 政府ニ申吿セズシテ第五十二條ノ二ニ規定スル場所ヲ經營シタル者
同條ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第三號ニ規定スル者ニ付テハ直ニ其ノ小賣シタル第一種ノ物品又ハ製造シタル第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)ニ對スル物品稅ヲ徵收ス
前項ノ規定ハ製造免許ヲ受ケズシテ酒類ヲ製造シタル場合ニ付之ヲ準用ス
第五十八條第一號中「又ハ第五十二條第一項」ヲ「、第五十二條第一項又ハ第五十二條ノ十第一項」ニ、同條第二號中「又ハ第五十二條第二項」ヲ「、第五十二條第二項又ハ第五十二條ノ十第二項」ニ、同條第三號中「又ハ第四項」ヲ「、第三項、第五項又ハ第六項」ニ改ム
第六十條ニ左ノ一項ヲ加フ
第五十二條ノ二ニ規定スル場所ノ經營者又ハ經營者ト經營上取引關係アル者ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ本法中遊興飮食稅ニ關スル規定ニ違反シタルトキハ其ノ經營者又ハ經營者ト經營上取引關係アル者ヲ處罰ス
第六十一條第一項中「公債及社債利子稅、」ノ下ニ「建築稅、」ヲ加ヘ「及物品稅」ヲ「、物品稅及遊興飮食稅」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
北海道、府縣、市町村其ノ他ノ公共團體ハ遊興飮食稅ノ課稅標準タル料金ニ對シ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第六十二條ノ二 政府ハ當分ノ內第五十二條ノ二ニ規定スル場所ノ經營者ノ組織スル團體ニ對シ遊興飮食稅ニ付徵稅上必要ナル設備ヲ爲シ又ハ徵收事務ノ補助ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ團體ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付スルコトヲ得
第六十三條ノ二 自己又ハ其ノ家族ノ用ニノミ供スル第二種ノ物品又ハ飴ヲ製造スル者ニハ當該物品ニ付本法中物品稅ニ關スル規定ヲ適用セズ
附 則
第一條 本法ハ昭和十四年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二條 第二條第三項ノ改正規定ハ法人ノ昭和十四年四月一日以後ニ終了スル事業年度分ノ第一種所得稅ヨリ之ヲ適用ス
第三條 建築稅ニ關スル規定ハ昭和十四年四月一日以後ニ竣成スル家屋ノ建築ニ付之ヲ適用ス但シ第十八條ノ四ノ規定ハ新築ガ昭和十四年三月三十一日以前ニ竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第四條 本法施行ノ際製造場以外ノ場所ニ於テ同一人ガ十石ヲ超ユル數量ノ第二種ノ淸涼飮料ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ淸涼飮料稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ之ヲ製造場外ニ移出シタルモノト看做シ十石ヲ超ユル數量ニ付第八條ノ二ニ規定スル稅率ニ依リ算出シタル稅額ト淸涼飮料稅法第二條ニ規定スル稅率ニ依リ算出シタル稅額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ淸涼飮料ノ所持者ハ其ノ所持スル淸涼飮料ノ數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第五條 本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ二萬斤ヲ超ユル數量ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ニ於テ本法施行ノ日ニ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノト看做シ砂糖消費稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ二萬斤ヲ超ユル數量ニ付第九條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル稅額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル稅額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種別、數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第六條 本法施行前ヨリ引續キ第三十八條ノ改正規定ニ依リ物品稅ヲ課スルコトト爲リタル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又ハ同第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)ノ製造ヲ爲ス者本法施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ第五十一條ノ改正規定ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
本法施行前ヨリ引續キ第五十二條ノ二ニ規定スル場所ヲ經營スル者本法施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ第五十二條ノ九ノ規定ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
第七條 改正第三十八條ニ揭グル第二種又ハ第三種ノ物品ノ製造者又ハ販賣者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ左ノ各號ノ一ニ該當スル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ物品稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ第一號ノ物品ニ付テハ改正第三十八條各號ニ揭グル品名每ニ價格三千圓、酒類ニ付テハ三十石、飴、葡萄糖又ハ麥芽糖ニ付テハ一萬斤ヲ超ユル部分ニ付命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品稅ヲ徵收ス但シ從前ノ規定ニ依リ物品稅ヲ課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラレタル稅額ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
一 改正第三十八條ニ揭グル第二種第十四號、第十五號、第十七號(擴聲用增幅器ニ限ル)、第二十三號又ハ第二十四號ノ物品ニシテ同條各號ニ揭グル品名每ニ價格三千圓ヲ超ユルモノ
二 酒類ニシテ合計石數三十石ヲ超ユルモノ又ハ飴、葡萄糖若ハ麥芽糖ニシテ合計斤數一萬斤ヲ超ユルモノ
本法施行ノ際製造場內ニ現存スル酒類ニシテ戾入又ハ移入シタルモノニ付テハ第四十六條第二項ノ改正規定ニ拘ラズ物品稅ヲ徵收ス
第一項但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第一項ノ製造者又ハ販賣者ハ第二種ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量、價格及貯藏ノ場所、第三種ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第八條 
輸出菓子糖果原料砂糖戾稅法第一條中「消費稅ヲ課セラレタル砂糖」ノ下ニ「又ハ物品稅ヲ課セラレタル飴、葡萄糖若ハ麥芽糖」ヲ、「其ノ使用シタル砂糖」ノ下ニ「、飴、葡萄糖又ハ麥芽糖」ヲ加ヘ「消費稅ニ相當スル金額」ヲ「消費稅又ハ物品稅ニ相當スル金額」ニ改ム
昭和十四年四月三十日以前ノ輸出ニ係ル菓子及糖果ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
第九條 
明治四十年法律第二十一號第一條第一項ニ左ノ二號ヲ加フ
十八 建築稅
十九 遊興飮食稅
第十條 
大正九年法律第五十一號中「燐寸、」ノ下ニ「飴、葡萄糖、麥芽糖、」ヲ加フ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル支那事変特別税法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年三月三十日
内閣総理大臣 男爵 平沼騏一郎
内務大臣 侯爵 木戸幸一
大蔵大臣 石渡荘太郎
法律第四十八号
支那事変特別税法中左ノ通改正ス
第一条中「砂糖消費税及取引所税」ヲ「清涼飲料税、砂糖消費税、取引所税及印紙税」ニ、「公債及社債利子税、」ヲ「公債及社債利子税、建築税、」ニ、「及物品税」ヲ「、物品税及遊興飲食税」ニ改ム
第二条第三項ヲ左ノ如ク改ム
前二項ノ規定ニ依ル普通所得及超過所得ニ対スル所得税ノ増徴税額ハ左ノ金額ヨリ普通所得及超過所得ニ対スル所得税額(所得税法第二十一条ノ二ノ規定ニ依リ普通所得ニ対スル所得税ニ加算スル税額ヲ含マズ)ト臨時利得税額トノ合計金額ヲ控除シタル残額ヲ超ユルコトヲ得ズ
普通所得ノ百分ノ五十五ニ相当スル金額ヨリ普通所得中留保シタル金額ノ百分ノ十五ニ相当スル金額ヲ控除シタル残額
第八条ノ二 清涼飲料税ハ清涼飲料税法第二条ノ規定ニ拘ラズ左ノ税率ニ依ル
第一種 玉ラムネ壜詰ノモノ 一石ニ付 八円五十銭
第二種 其ノ他ノ壜詰ノモノ 一石ニ付 十五円
第三種 壜詰以外ノモノ 炭酸瓦斯使用量一瓩ニ付 四円五十銭
第九条中「一円二十銭」ヲ「一円七十銭」ニ、「三円三十銭」ヲ「四円」ニ、「七円十銭」ヲ「七円八十銭」ニ、「八円六十銭」ヲ「九円三十銭」ニ、「十一円」ヲ「十一円七十銭」ニ、「三円九十銭」ヲ「四円六十銭」ニ改ム
第十一条ノ二 印紙税中物品切手ニ関スル印紙税ハ印紙税法第四条第一項第二十八号ノ規定ニ拘ラズ一通毎ニ左ノ区別ニ依リ之ヲ納ムベシ
記載金高三円以下ノモノ 三銭
同五円以下ノモノ 十銭
同十円以下ノモノ 三十銭
同二十円以下ノモノ 六十銭
同三十円以下ノモノ 九十銭
同五十円以下ノモノ 一円五十銭
同百円以下ノモノ 三円
同百円ヲ超ユルモノ 百円又ハ其ノ端数毎ニ 三円
記載金高ナキモノ 三銭
第十三条 利益配当税ハ前条ノ法人ヨリ支払ヲ受クル利益ノ配当ニ付之ヲ賦課シ配当金中配当率年七分ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額ヲ左ノ各級ニ区分シ逓次ニ各税率ヲ適用シテ算出シタル金額ヲ以テ其ノ税額トス
配当金中配当率年七分ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ十
同年一割ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ十五
第十六条中「百分ノ十」ヲ「百分ノ十五」ニ改ム
第十八条ノ二 建築税ハ左ニ掲グル家屋ヲ建築(増築及改造ヲ含ム以下同ジ)シタル者ニ之ヲ課ス
一 居住ノ用ニ供スル家屋
二 料理店業、席貸業其ノ他之ニ類スル営業ノ用ニ供スル家屋ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ
三 演劇、活動写真、演芸又ハ観物(相撲、野球、拳闘其ノ他ノ競技ニシテ公衆ノ観覧ニ供スルコトヲ目的トスルモノヲ含ム)ノ開催ノ用ニ供スル家屋
第十八条ノ三 建築税ハ家屋(附属工作物ヲ含ム以下同ジ)一構毎ニ其ノ建築価額ヲ標準トシテ之ヲ賦課ス
前項ノ建築価額ノ算定ニ関シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
一構ノ家屋ノ一部ガ前条ノ家屋ニ該当スル場合ニ於テハ其ノ部分ヲ以テ一構ノ家屋ト看做ス
第十八条ノ四 第十八条ノ二ニ掲グル家屋ヲ新築シタル者新築竣成後一年内ニ其ノ家屋ト一構ト為ルベキ建築ヲ為シタル場合ニ於テハ前後ノ建築ヲ通ジテ一建築ト看做シ本法ヲ適用ス
前項ノ規定ニ依リ建築税ヲ課スベキ場合ニ於テ既ニ建築税ヲ課シタル部分アルトキハ其ノ建築税ニ相当スル金額ヲ建築税額ヨリ控除ス
第十八条ノ五 建築税ハ建築価額ヨリ五千円ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相当スル金額ヲ以テ其ノ税額トス
第十八条ノ六 左ニ掲グル家屋ヲ建築シタル場合ニ於テハ建築税ヲ課セズ
一 建築価額一万円未満ノ家屋
二 公用又ハ公共ノ用ニ供スル為北海道、府県、市町村其ノ他命令ヲ以テ指定スル公共団体ガ建築シタル家屋
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル家屋
第十八条ノ七 左ニ掲グル家屋ヲ建築シタル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ建築税ヲ免除ス
一 災害ニ因リ滅失又ハ損壊シタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋
二 法令ニ依リ収用又ハ使用セラレタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋及法令ニ依ル敷地ノ収用又ハ使用ニ因リ取毀シタル家屋ニ代ヘテ建築シタル家屋
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル家屋
第十八条ノ八 建築税ニ付納税義務アル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ建築価額ヲ政府ニ申告スベシ
第十八条ノ九 建築価額ハ前条ノ申告ニ依リ、申告ナキトキ又ハ申告ヲ不相当ト認ムルトキハ政府ノ調査ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定ス
建築価額ヲ決定シタルトキハ政府ハ之ヲ納税義務者ニ通知スベシ
第十八条ノ十 建築税ハ建築竣成ノ際之ヲ徴収ス
第十八条ノ十一 建築税ハ家屋ノ所在地ヲ以テ納税地トス
納税義務者納税地ニ現住セザルトキハ建築価額ノ申告、納税其ノ他建築税ニ関スル事項ヲ処理セシムル為納税管理人ヲ定メ政府ニ申告スベシ
第十八条ノ十二 本法ノ適用ニ付テハ被相続人ノ為シタル家屋ノ建築ハ相続人ノ為シタルモノト看做シ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ為シタル家屋ノ建築ハ合併後存続スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ為シタルモノト看做ス
第三十八条第一項ヲ左ノ如ク改ム
物品税ハ左ニ掲グル物品ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ之ヲ課ス
第一種
甲類
一 貴石若ハ半貴石又ハ之ヲ用ヒタル製品
二 真珠又ハ真珠ヲ用ヒタル製品
三 貴金属製品又ハ金若ハ白金ヲ用ヒタル製品
四 鼈甲製品
五 珊瑚製品
六 毛皮又ハ毛皮製品
七 羽毛製品又ハ羽毛ヲ用ヒタル製品
乙類
八 時計
九 文房具
十 身辺用細貨類
十一 化粧用具
十二 喫煙用具
十三 帽子、杖、鞭及傘
十四 鞄及トランク
十五 靴及履物
十六 書画及骨董
十七 室内装飾用品
十八 玩具
十九 運動具
二十 照明器具
二十一 電気器具及瓦斯器具
二十二 囲碁及将棋用具
二十三 家具
二十四 漆器、陶磁器及硝子製器具ニシテ別号ニ掲ゲザルモノ
二十五 貴金属ヲ鍍シ又ハ張リタル製品ニシテ別号ニ掲ゲザルモノ
二十六 皮革製品ニシテ別号ニ掲ゲザルモノ
二十七 織物、メリヤス、レース、フェルト及同製品並ニ組物
二十八 果物
第二種
甲類
一 写真機、写真引伸機、映写機、同部分品及附属品
二 写真用ノ乾板、フィルム及感光紙
三 蓄音器及同部分品
四 蓄音器用レコード
五 楽器、同部分品及附属品
六 双眼鏡及隻眼鏡
七 銃及同部分品
八 薬莢及弾丸
九 ゴルフ用具、同部分品及附属品
十 娯楽用ノモーターボート、スカール及ヨット
十一 撞球用具
十二 ネオン管及同変圧器
十三 喫煙用ライター
十四 乗用自動車
十五 化粧品
乙類
十六 ラヂオ聴取機及同部分品
十七 受信用真空管、拡声用増幅器及拡声器
十八 扇風機及同部分品
十九 煖房用ノ電気、瓦斯又ハ礦油ストーブ
二十 冷蔵器及同部分品
二十一 金庫及鋼鉄製家具
二十二 シャンプー及洗粉
二十三 紅茶珈琲及其ノ代用物並ニココア
二十四 嗜好飲料但シ酒類及清涼飲料ヲ除ク
第三種
一 燐寸
二 酒類但シ濁酒ヲ除ク
三 飴、葡萄糖及麦芽糖
第三十九条中「五円」ヲ「十円」ニ、「十円」ヲ「十五円」ニ、「七円」ヲ「十四円」ニ改メ「葡萄酒(酒精及酒精含有飲料税法第三条ノ二ニ規定スルモノ以下同ジ)」ノ下ニ「及果実酒(酒精及酒精含有飲料税法第三条ノ三ニ規定スルモノ以下同ジ)」ヲ加ヘ同条第三種ニ左ノ一号ヲ加フ
三 飴、葡萄糖及麦芽糖
イ 麦芽糖化ノ方法ニ依リ製造シタル飴 百斤ニ付 一円五十銭
ロ 其ノ他ノ飴並ニ葡萄糖及麦芽糖 百斤ニ付 二円
第四十二条第一項中「第一種第十四号」ヲ「第一種第十六号」ニ改ム
第四十三条中「化粧品」ヲ「化粧品、シャンプー、洗粉又ハ嗜好飲料」ニ改ム
第四十四条 左ニ掲グル場合ニ於テハ嗜好飲料、酒類、飴、葡萄糖又ハ麦芽糖ハ之ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做ス
一 嗜好飲料又ハ酒類ヲ製造場内ニ於テ飲用シタルトキ
二 飴、葡萄糖又ハ麦芽糖ヲ製造場内ニ於テ飴、葡萄糖又ハ麦芽糖以外ノ製品ノ原料トシテ使用シタルトキ
第四十六条第一項中「課税標準額ヨリ其ノ物品ノ価格ヲ控除ス」ヲ「税額ヨリ其ノ物品ニ課セラレタル物品税ニ相当スル金額ヲ控除ス」ニ改メ同条第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第四十八条第一項ニ規定スル政府ノ承認ヲ受ケテ移出先又ハ引取先ニ移入セラレタル酒類ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十八条第一項中「第二種ノ物品又ハ燐寸」ヲ「第二種又ハ第三種ノ物品」ニ改ム
第四十九条第一項第二号中「葡萄酒」ノ下ニ「及果実酒」ヲ加フ
第五十一条中「第二種ノ物品若ハ燐寸」ヲ「第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)」ニ改ム
第五十二条ノ二 遊興飲食税ハ料理店、貸席、旅館其ノ他命令ヲ以テ定ムル類似ノ場所ニ於ケル遊興及飲食ニ之ヲ課ス
第五十二条ノ三 遊興飲食税ノ税率ハ遊興飲食ノ料金ノ百分ノ十トス但シ芸妓ノ花代ニ付テハ料金ノ百分ノ二十トス
前項ノ遊興飲食ノ料金(以下料金ト称ス)ハ前条ニ規定スル場所ノ経営者ガ遊興又ハ飲食ヲ為シタル者ヨリ其ノ遊興又ハ飲食ニ付領収スベキ金額ヲ謂フ
料金ノ算定ニ関シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二条ノ四 料金ガ一人一回五円ニ満タザル場合ニハ遊興飲食税ヲ課セズ但シ芸妓ノ花代其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ一人一回ノ料金ノ計算ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十二条ノ五 遊興飲食税ハ第五十二条ノ二ニ規定スル場所ノ経営者ヨリ之ヲ徴収ス
第五十二条ノ六 第五十二条ノ二ニ規定スル場所ノ経営者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ毎月分ノ料金ヲ記載シタル申告書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ但シ経営ヲ廃止シタル場合ニ於テハ直ニ之ヲ提出スベシ
申告書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申告ヲ不相当ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課税標準額ヲ決定ス
第五十二条ノ七 遊興飲食税ハ毎月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ但シ経営ヲ廃止シタル場合ニ於テハ直ニ之ヲ納付スベシ
第五十二条ノ八 第五十二条ノ二ニ規定スル場所ノ経営者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ毎月分ノ料金中其ノ月ニ於テ領収セザルモノニ対スル税金ヲ其ノ料金ヲ領収シタル月ノ翌月末日迄ニ納付スルコトヲ得但シ其ノ経営ヲ廃止シタル場合ニ於テ未ダ納付セザル税金アルトキハ直ニ之ヲ納付スベシ
前項ノ規定ニ依リ未ダ税金ヲ納付セザル料金ニシテ領収スルコト能ハザルニ至リタルモノニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ遊興飲食税ヲ免除ス
第五十二条ノ九 第五十二条ノ二ニ規定スル場所ヲ経営セントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ予メ政府ニ申告スベシ之ヲ廃止セントスルトキ亦同ジ
第五十二条ノ十 第五十二条ノ二ニ規定スル場所ノ経営者及経営者ト経営上取引関係アル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ関スル事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
前項ニ規定スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ関シ必要ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第五十四条ニ第一項トシテ左ノ一項ヲ加フ
収税官吏ハ建築税ニ付家屋ヲ建築シタル者、建築工事請負人、建築工事管理者若ハ建築材料供給者ニ対シ質問ヲ為シ又ハ家屋、建築ニ関スル帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査スルコトヲ得
同条ニ左ノ一項ヲ加フ
収税官吏ハ遊興飲食税ニ付第五十二条ノ十第一項ニ規定スル者ニ対シ質問ヲ為シ又ハ其ノ業務ニ関スル帳簿書類ヲ検査スルコトヲ得
第五十五条中「又ハ公債及社債利子税」ヲ「、公債及社債利子税又ハ建築税」ニ改ム
第五十六条中「物品税」ノ下ニ「又ハ遊興飲食税」ヲ加フ
第五十七条第二号中「第四十五条」ノ下ニ「又ハ第五十二条ノ六」ヲ加ヘ同条第三号中「第二種ノ物品若ハ燐寸」ヲ「第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)」ニ改メ同条ニ左ノ一号ヲ加フ
四 政府ニ申告セズシテ第五十二条ノ二ニ規定スル場所ヲ経営シタル者
同条ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第三号ニ規定スル者ニ付テハ直ニ其ノ小売シタル第一種ノ物品又ハ製造シタル第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)ニ対スル物品税ヲ徴収ス
前項ノ規定ハ製造免許ヲ受ケズシテ酒類ヲ製造シタル場合ニ付之ヲ準用ス
第五十八条第一号中「又ハ第五十二条第一項」ヲ「、第五十二条第一項又ハ第五十二条ノ十第一項」ニ、同条第二号中「又ハ第五十二条第二項」ヲ「、第五十二条第二項又ハ第五十二条ノ十第二項」ニ、同条第三号中「又ハ第四項」ヲ「、第三項、第五項又ハ第六項」ニ改ム
第六十条ニ左ノ一項ヲ加フ
第五十二条ノ二ニ規定スル場所ノ経営者又ハ経営者ト経営上取引関係アル者ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ業務ニ関シ本法中遊興飲食税ニ関スル規定ニ違反シタルトキハ其ノ経営者又ハ経営者ト経営上取引関係アル者ヲ処罰ス
第六十一条第一項中「公債及社債利子税、」ノ下ニ「建築税、」ヲ加ヘ「及物品税」ヲ「、物品税及遊興飲食税」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
北海道、府県、市町村其ノ他ノ公共団体ハ遊興飲食税ノ課税標準タル料金ニ対シ地方税ヲ課スルコトヲ得ズ
第六十二条ノ二 政府ハ当分ノ内第五十二条ノ二ニ規定スル場所ノ経営者ノ組織スル団体ニ対シ遊興飲食税ニ付徴税上必要ナル設備ヲ為シ又ハ徴収事務ノ補助ヲ為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ団体ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付スルコトヲ得
第六十三条ノ二 自己又ハ其ノ家族ノ用ニノミ供スル第二種ノ物品又ハ飴ヲ製造スル者ニハ当該物品ニ付本法中物品税ニ関スル規定ヲ適用セズ
附 則
第一条 本法ハ昭和十四年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二条 第二条第三項ノ改正規定ハ法人ノ昭和十四年四月一日以後ニ終了スル事業年度分ノ第一種所得税ヨリ之ヲ適用ス
第三条 建築税ニ関スル規定ハ昭和十四年四月一日以後ニ竣成スル家屋ノ建築ニ付之ヲ適用ス但シ第十八条ノ四ノ規定ハ新築ガ昭和十四年三月三十一日以前ニ竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第四条 本法施行ノ際製造場以外ノ場所ニ於テ同一人ガ十石ヲ超ユル数量ノ第二種ノ清涼飲料ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ清涼飲料税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ之ヲ製造場外ニ移出シタルモノト看做シ十石ヲ超ユル数量ニ付第八条ノ二ニ規定スル税率ニ依リ算出シタル税額ト清涼飲料税法第二条ニ規定スル税率ニ依リ算出シタル税額トノ差額ヲ以テ其ノ税額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徴収ス
前項ノ清涼飲料ノ所持者ハ其ノ所持スル清涼飲料ノ数量及貯蔵ノ場所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ
第五条 本法施行ノ際製造場又ハ保税地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ二万斤ヲ超ユル数量ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ニ於テ本法施行ノ日ニ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノト看做シ砂糖消費税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ二万斤ヲ超ユル数量ニ付第九条ノ改正税率ニ依リ算出シタル税額ト従前ノ税率ニ依リ算出シタル税額トノ差額ヲ以テ其ノ税額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徴収ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種別、数量及貯蔵ノ場所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ
第六条 本法施行前ヨリ引続キ第三十八条ノ改正規定ニ依リ物品税ヲ課スルコトト為リタル第一種ノ物品ノ小売業ヲ営ム者又ハ同第二種若ハ第三種ノ物品(酒類ヲ除ク)ノ製造ヲ為ス者本法施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ第五十一条ノ改正規定ニ依リ申告シタルモノト看做ス
本法施行前ヨリ引続キ第五十二条ノ二ニ規定スル場所ヲ経営スル者本法施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ第五十二条ノ九ノ規定ニ依リ申告シタルモノト看做ス
第七条 改正第三十八条ニ掲グル第二種又ハ第三種ノ物品ノ製造者又ハ販売者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保税地域以外ノ場所ニ於テ左ノ各号ノ一ニ該当スル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ物品税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ第一号ノ物品ニ付テハ改正第三十八条各号ニ掲グル品名毎ニ価格三千円、酒類ニ付テハ三十石、飴、葡萄糖又ハ麦芽糖ニ付テハ一万斤ヲ超ユル部分ニ付命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品税ヲ徴収ス但シ従前ノ規定ニ依リ物品税ヲ課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラレタル税額ニ相当スル金額ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ税額トス
一 改正第三十八条ニ掲グル第二種第十四号、第十五号、第十七号(拡声用増幅器ニ限ル)、第二十三号又ハ第二十四号ノ物品ニシテ同条各号ニ掲グル品名毎ニ価格三千円ヲ超ユルモノ
二 酒類ニシテ合計石数三十石ヲ超ユルモノ又ハ飴、葡萄糖若ハ麦芽糖ニシテ合計斤数一万斤ヲ超ユルモノ
本法施行ノ際製造場内ニ現存スル酒類ニシテ戻入又ハ移入シタルモノニ付テハ第四十六条第二項ノ改正規定ニ拘ラズ物品税ヲ徴収ス
第一項但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第一項ノ製造者又ハ販売者ハ第二種ノ物品ニ付テハ其ノ品名毎ニ数量、価格及貯蔵ノ場所、第三種ノ物品ニ付テハ其ノ品名毎ニ数量及貯蔵ノ場所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ
第八条 
輸出菓子糖果原料砂糖戻税法第一条中「消費税ヲ課セラレタル砂糖」ノ下ニ「又ハ物品税ヲ課セラレタル飴、葡萄糖若ハ麦芽糖」ヲ、「其ノ使用シタル砂糖」ノ下ニ「、飴、葡萄糖又ハ麦芽糖」ヲ加ヘ「消費税ニ相当スル金額」ヲ「消費税又ハ物品税ニ相当スル金額」ニ改ム
昭和十四年四月三十日以前ノ輸出ニ係ル菓子及糖果ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル
第九条 
明治四十年法律第二十一号第一条第一項ニ左ノ二号ヲ加フ
十八 建築税
十九 遊興飲食税
第十条 
大正九年法律第五十一号中「燐寸、」ノ下ニ「飴、葡萄糖、麦芽糖、」ヲ加フ