工作機械製造事業法施行令
法令番号: 勅令第五百號
公布年月日: 昭和13年7月9日
法令の形式: 勅令
朕工作機械製造事業法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年七月八日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
海軍大臣 米內光政
大藏大臣兼商工大臣 池田成彬
陸軍大臣 板垣征四郞
勅令第五百號
工作機械製造事業法施行令
第一條 工作機械製造事業法第二條ノ工作機械ハ切削硏磨用ノ金屬工作機械トス
第二條 工作機械製造事業法第三條ノ許可ハ工場每ニ之ヲ爲スモノトス
第三條 二以上ノ工場ニ於テ工程ヲ分解シテ工作機械ノ製造ヲ行フ場合ハ其ノ範圍內ニ於テ之ヲ一ノ工場ト看做ス
第四條 工作機械製造事業法第三條第一項但書ノ規模ハ一ノ工場ニ於テ設備タル工作機械二百臺ヲ備フルモノトス但シ命令ノ定ムル工作機械ヲ製造スル者ニ在リテハ其ノ製造ニ用フル設備タル工作機械五十臺ヲ備フルモノトス
前項ニ規定スル設備タル工作機械ハ第一條ニ規定スル工作機械トス
第五條 商工大臣ハ工作機械ノ需要供給ヲ參酌シ工作機械製造事業ノ健全ナル發達ニ支障アリト認ムルトキハ工作機械製造事業法第三條ノ許可ヲ爲サザルコトヲ得
第六條 設備タル工作機械二百臺以上ヲ備フル工作機械製造會社設備タル工作機械ヲ三十臺以上增設シ又ハ變更セントスルトキハ其ノ增設シ又ハ變更セントスル工作機械及其ノ他ノ設備ニ付工作機械製造事業法第六條ノ許可ヲ受クベシ設備タル工作機械二百臺未滿ヲ備フル工作機械製造會社設備タル工作機械ヲ十臺以上增設シ又ハ變更セントスルトキ亦同ジ
前項ニ規定スル設備タル工作機械ハ第一條ニ規定スル工作機械トス
第七條 工作機械製造事業法第七條第一項ノ規模ハ其ノ設備ノ價額(土地ノ價額ヲ除ク)百五十萬圓ニ該當スルモノトス
第八條 工作機械製造事業法第七條ノ規定ニ依リ所得稅又ハ營業收益稅ノ免除ヲ受ケントスル者ハ所得稅法第二十四條又ハ營業收益稅法第十一條ノ規定ニ依リ所得又ハ純益金額ヲ申吿スルトキ其ノ旨所轄稅務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テ所得稅及營業收益稅ノ免除ヲ受クル事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ト其ノ他ノ所得又ハ純益トヲ有スルトキハ之ヲ區別シタル計算書ヲ添附スベシ
第九條 工作機械製造事業法第十條第一項ノ規模ハ其ノ設備ノ價額(土地ノ價額ヲ除ク)五百萬圓ニ該當スルモノトス
第十條 工作機械製造事業法第十條第一項ノ規定ニ依リ償却ヲ爲スベキ金額ハ每營業年度當該設備ヲ以テ營ム工作機械製造事業ヨリ生ズル利益金額ヲ左ノ各級ニ區分シ遞次ニ各率ヲ適用シテ之ヲ算出シタル金額以上トス
拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ以テ算出シタル金額以下ノ金額 百分ノ十五
同百分ノ六ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ三十
同百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ四十
同百分ノ十五ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ六十
同百分ノ二十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ七十
同百分ノ二十五ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ八十
前項ノ場合ニ於テ當該設備ニ對スル償却額ハ利益金額計算上之ヲ支出ニ算入セズ
第十一條 工作機械製造事業法第十條第二項ノ金額ハ當該設備ヲ以テ營ム工作機械製造事業ヨリ生ズル利益金額ヲ左ノ各級ニ區分シ遞次ニ各率ヲ適用シテ算出シタル金額ニ當該設備ノ價額ニ對シ年百分ノ四ニ相當スル金額ヲ加算シタルモノトス
拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ以テ算出シタル金額以下ノ金額 百分ノ八十五
同百分ノ六ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ七十
同百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ六十
同百分ノ十五ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ四十
同百分ノ二十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ三十
同百分ノ二十五ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ二十
前項ノ場合ニ於テ當該設備ニ對スル償却額ハ利益金額計算上之ヲ支出ニ算入セズ
第十二條 前二條ノ拂込ミタル株金額ハ當該營業年度ニ於ケル各月末ノ拂込ミタル株金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
第十三條 前條ノ場合ニ於テ當該設備ヲ以テ營ム工作機械製造事業ト其ノ他ノ事業トヲ營ム工作機械製造會社ノ拂込ミタル株金額ハ總資產價額ニ對スル當該設備ヲ以テ營ム工作機械製造事業ヨリ生ズル利益金額ノ基本タル資產價額ノ割合ヲ拂込ミタル株金總額ニ乘ジ之ヲ計算ス
前項ノ場合ニ於テ資產價額ノ割合ニ依ルヲ不適當トスルトキハ收入金ノ割合又ハ利益金額ノ割合其ノ他適當ナル方法ニ依リ之ヲ計算ス
第十四條 工作機械製造事業法第十二條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ器具、機械又ハ材料ハ商工大臣ノ定ムル物品ニシテ豫メ商工大臣ノ認可ヲ受ケ輸入スルモノニ限ル
第十五條 工作機械製造事業法第十二條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受ケントスル者ハ輸入申吿書ニ前條ノ認可ヲ受ケタルコトヲ證スル書類ヲ添附スベシ
輸入申吿ハ工作機械製造會社ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第十六條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ工作機械製造事業法第十二條ノ規定ニ依リ輸入稅ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ他ノ用途ニ供セントスル場合ニ於テハ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨稅關ニ申吿スルコトヲ要ス
第十七條 輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輸入ノ日ヨリ三年以內ニ目的タル用途又ハ前條ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタル他ノ用途ニ供セザルトキハ其ノ輸入稅ヲ追徵ス但シ已ムヲ得ザル事由ニ因リ其ノ期間ノ延長ニ付商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨稅關ニ申吿シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十八條 工作機械製造事業法第二十六條ノ規模ハ其ノ設備ノ價額百五十萬圓ニ該當スルモノトス
附 則
本令ハ工作機械製造事業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕工作機械製造事業法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年七月八日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
海軍大臣 米内光政
大蔵大臣兼商工大臣 池田成彬
陸軍大臣 板垣征四郎
勅令第五百号
工作機械製造事業法施行令
第一条 工作機械製造事業法第二条ノ工作機械ハ切削研磨用ノ金属工作機械トス
第二条 工作機械製造事業法第三条ノ許可ハ工場毎ニ之ヲ為スモノトス
第三条 二以上ノ工場ニ於テ工程ヲ分解シテ工作機械ノ製造ヲ行フ場合ハ其ノ範囲内ニ於テ之ヲ一ノ工場ト看做ス
第四条 工作機械製造事業法第三条第一項但書ノ規模ハ一ノ工場ニ於テ設備タル工作機械二百台ヲ備フルモノトス但シ命令ノ定ムル工作機械ヲ製造スル者ニ在リテハ其ノ製造ニ用フル設備タル工作機械五十台ヲ備フルモノトス
前項ニ規定スル設備タル工作機械ハ第一条ニ規定スル工作機械トス
第五条 商工大臣ハ工作機械ノ需要供給ヲ参酌シ工作機械製造事業ノ健全ナル発達ニ支障アリト認ムルトキハ工作機械製造事業法第三条ノ許可ヲ為サザルコトヲ得
第六条 設備タル工作機械二百台以上ヲ備フル工作機械製造会社設備タル工作機械ヲ三十台以上増設シ又ハ変更セントスルトキハ其ノ増設シ又ハ変更セントスル工作機械及其ノ他ノ設備ニ付工作機械製造事業法第六条ノ許可ヲ受クベシ設備タル工作機械二百台未満ヲ備フル工作機械製造会社設備タル工作機械ヲ十台以上増設シ又ハ変更セントスルトキ亦同ジ
前項ニ規定スル設備タル工作機械ハ第一条ニ規定スル工作機械トス
第七条 工作機械製造事業法第七条第一項ノ規模ハ其ノ設備ノ価額(土地ノ価額ヲ除ク)百五十万円ニ該当スルモノトス
第八条 工作機械製造事業法第七条ノ規定ニ依リ所得税又ハ営業収益税ノ免除ヲ受ケントスル者ハ所得税法第二十四条又ハ営業収益税法第十一条ノ規定ニ依リ所得又ハ純益金額ヲ申告スルトキ其ノ旨所轄税務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テ所得税及営業収益税ノ免除ヲ受クル事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ト其ノ他ノ所得又ハ純益トヲ有スルトキハ之ヲ区別シタル計算書ヲ添附スベシ
第九条 工作機械製造事業法第十条第一項ノ規模ハ其ノ設備ノ価額(土地ノ価額ヲ除ク)五百万円ニ該当スルモノトス
第十条 工作機械製造事業法第十条第一項ノ規定ニ依リ償却ヲ為スベキ金額ハ毎営業年度当該設備ヲ以テ営ム工作機械製造事業ヨリ生ズル利益金額ヲ左ノ各級ニ区分シ逓次ニ各率ヲ適用シテ之ヲ算出シタル金額以上トス
払込ミタル株金額ニ対シ年百分ノ六ノ割合ヲ以テ算出シタル金額以下ノ金額 百分ノ十五
同百分ノ六ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ三十
同百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ四十
同百分ノ十五ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ六十
同百分ノ二十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ七十
同百分ノ二十五ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ八十
前項ノ場合ニ於テ当該設備ニ対スル償却額ハ利益金額計算上之ヲ支出ニ算入セズ
第十一条 工作機械製造事業法第十条第二項ノ金額ハ当該設備ヲ以テ営ム工作機械製造事業ヨリ生ズル利益金額ヲ左ノ各級ニ区分シ逓次ニ各率ヲ適用シテ算出シタル金額ニ当該設備ノ価額ニ対シ年百分ノ四ニ相当スル金額ヲ加算シタルモノトス
払込ミタル株金額ニ対シ年百分ノ六ノ割合ヲ以テ算出シタル金額以下ノ金額 百分ノ八十五
同百分ノ六ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ七十
同百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ六十
同百分ノ十五ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ四十
同百分ノ二十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ三十
同百分ノ二十五ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額 百分ノ二十
前項ノ場合ニ於テ当該設備ニ対スル償却額ハ利益金額計算上之ヲ支出ニ算入セズ
第十二条 前二条ノ払込ミタル株金額ハ当該営業年度ニ於ケル各月末ノ払込ミタル株金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
第十三条 前条ノ場合ニ於テ当該設備ヲ以テ営ム工作機械製造事業ト其ノ他ノ事業トヲ営ム工作機械製造会社ノ払込ミタル株金額ハ総資産価額ニ対スル当該設備ヲ以テ営ム工作機械製造事業ヨリ生ズル利益金額ノ基本タル資産価額ノ割合ヲ払込ミタル株金総額ニ乗ジ之ヲ計算ス
前項ノ場合ニ於テ資産価額ノ割合ニ依ルヲ不適当トスルトキハ収入金ノ割合又ハ利益金額ノ割合其ノ他適当ナル方法ニ依リ之ヲ計算ス
第十四条 工作機械製造事業法第十二条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ器具、機械又ハ材料ハ商工大臣ノ定ムル物品ニシテ予メ商工大臣ノ認可ヲ受ケ輸入スルモノニ限ル
第十五条 工作機械製造事業法第十二条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受ケントスル者ハ輸入申告書ニ前条ノ認可ヲ受ケタルコトヲ証スル書類ヲ添附スベシ
輸入申告ハ工作機械製造会社ノ名ヲ以テスルコトヲ要ス
第十六条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ工作機械製造事業法第十二条ノ規定ニ依リ輸入税ノ免除ヲ受クルコトヲ得ベキ他ノ用途ニ供セントスル場合ニ於テハ商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨税関ニ申告スルコトヲ要ス
第十七条 輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ輸入ノ日ヨリ三年以内ニ目的タル用途又ハ前条ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタル他ノ用途ニ供セザルトキハ其ノ輸入税ヲ追徴ス但シ已ムヲ得ザル事由ニ因リ其ノ期間ノ延長ニ付商工大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ旨税関ニ申告シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十八条 工作機械製造事業法第二十六条ノ規模ハ其ノ設備ノ価額百五十万円ニ該当スルモノトス
附 則
本令ハ工作機械製造事業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス