第一條 本法ニ於テ有價證券引受業トハ有價證券ノ引受又ハ募集ノ取扱ヲ爲ス營業ヲ謂フ
第二條 有價證券引受業ハ主務大臣ノ免許ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ營ムコトヲ得ズ
第三條 有價證券引受業ハ資本金二百萬圓以上ノ株式會社ニ非ザレバ之ヲ營ムコトヲ得ズ
第四條 第二條ノ免許ヲ受ケタル者(以下證券引受會社ト稱ス)ハ有價證券引受業ニ附隨スル業務又ハ有價證券ノ賣買若ハ其ノ媒介ノ外他ノ業務ヲ營ムコトヲ得ズ但シ主務大臣ノ許可ヲ受クルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 證券引受會社ハ他ノ法律ノ制限ニ拘ラズ社債募集ノ委託ヲ受ケ又ハ社債募集ノ委託ヲ受ケタル會社ナキニ至リタル場合ノ事務承繼者ト爲ルコトヲ得
第六條 證券引受會社ハ左ノ場合ニ於テハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
三 支店其ノ他ノ營業所又ハ代理店ヲ設置セントスルトキ
第七條 證券引受會社ノ合併ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第八條 證券引受會社ハ資本ノ總額ニ達スル迄ハ利益ヲ配當スル每ニ準備金トシテ其ノ利益ノ十分ノ一以上ヲ積立ツベシ
第九條 證券引受會社ノ營業年度ハ六月ヨリ十一月迄及十二月ヨリ五月迄トス
第十條 證券引受會社ハ營業年度每ニ業務報吿書ヲ作成シテ之ヲ主務大臣ニ提出スベシ
第十一條 證券引受會社ハ營業年度每ニ主務大臣ノ定ムル樣式ニ依リ貸借對照表ヲ作成シ新聞紙ニ依リ之ヲ公吿スベシ
第十二條 主務大臣ハ何時ニテモ證券引受會社ヲシテ其ノ業務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ又ハ其ノ帳簿書類ヲ提出セシムルコトヲ得
第十三條 主務大臣ハ何時ニテモ部下ノ官吏ニ命ジテ證券引受會社ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢査セシムルコトヲ得
第十四條 主務大臣ハ證券引受會社ノ業務又ハ財產ノ狀況ニ依リ必要ト認ムルトキハ業務ノ停止ヲ命ジ其ノ他必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十五條 證券引受會社ガ法令、定款若ハ主務大臣ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スベキ行爲ヲ爲シタルトキハ主務大臣ハ業務ノ停止若ハ取締役、監査役ノ改任ヲ命ジ又ハ營業ノ免許ヲ取消スコトヲ得
第十六條 主務大臣ハ業務ノ停止ヲ命ゼラレタル證券引受會社ニ對シ其ノ整理ノ狀況ニ依リ必要ト認ムルトキハ營業ノ免許ヲ取消スコトヲ得
第十七條 主務大臣ノ免許ヲ受ケズシテ有價證券引受業ヲ營ミタル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十八條 左ノ場合ニ於テハ取締役、監査役又ハ支配人ヲ千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十條ノ規定ニ違反シ業務報吿書ヲ提出セズ又ハ虛僞ノ業務報吿書ヲ提出シタルトキ
二 第十一條ノ規定ニ違反シ公吿ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ公吿ヲ爲シタルトキ
三 第十二條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ報吿ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シ又ハ帳簿書類ヲ提出セザルトキ
四 第十三條ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタルトキ
第十九條 左ノ場合ニ於テハ取締役、監査役又ハ支配人ヲ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス但シ其ノ行爲ニ付刑ヲ科スベキトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 第四條、第六條又ハ第八條ノ規定ニ違反シタルトキ
二 第十條ノ規定ニ依ル業務報吿書ノ提出又ハ第十一條ノ規定ニ依ル公吿ヲ怠リタルトキ
非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前項ニ定ムル過料ニ之ヲ準用ス
第二十條 銀行、信託會社又ハ特別ノ法律ニ依リ設立セラレタル法人ニシテ有價證券引受業ヲ營ム者ニハ本法ヲ適用セズ