第一條 關東州ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ハ本令ニ依リ臨時利得稅ヲ納ムル義務アルモノトス
第二條 前條ノ規定ニ該當セザル法人關東州ニ資產又ハ營業ヲ有スルトキハ其ノ利得ニ付テノミ臨時利得稅ヲ納ムル義務アルモノトス但シ臨時利得稅法施行地、朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四條 法人ノ現事業年度ノ利益ガ旣往事業年度ノ平均利益ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過額ヲ以テ法人ノ利得金額トス
前項利得金額計算ノ場合ニ於テ左記各號ニ該當スルトキハ各其ノ定ムル所ニ依リ旣往事業年度ノ平均利益ヲ計算ス
一 何レノ旣往事業年度ニ於テモ利益ナキトキ又ハ旣往事業年度ノ平均利益ガ旣往事業年度ノ平均資本金額ニ對シ年百分ノ七未滿ナルトキハ旣往事業年度ノ平均資本金額ニ對シ年百分ノ七ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ以テ旣往事業年度ノ平均利益トス
二 法人ノ第一次ノ事業年度ガ昭和七年一月一日以後ニ於テ終了シタルトキハ現事業年度ノ資本金額ニ對シ年百分ノ七ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ以テ旣往事業年度ノ平均利益トス
三 現事業年度ノ資本金額ガ旣往事業年度ノ平均資本金額ニ對シ增減アルトキハ旣往事業年度ノ平均資本金額ニ對スル平均利益ノ割合ヲ現事業年度ノ資本金額ニ乘ジテ算出シタル金額ヲ以テ旣往事業年度ノ平均利益トス此ノ場合ニ於テ第一號ノ規定ノ適用ニ付テハ現事業年度ノ資本金額ヲ旣往事業年度ノ平均資本金額ト看做ス
四 現事業年度ノ期間ガ旣往事業年度ノ期間ト異ルトキハ現事業年度ノ月數ニ應ジ月割ヲ以テ旣往事業年度ノ利益ヲ計算ス
本令ニ於テ現事業年度ト稱スルハ昭和十年一月一日以後ニ於テ終了スル各事業年度ヲ謂ヒ旣往事業年度ト稱スルハ昭和六年十二月三十一日以前三年內ニ終了シタル各事業年度ヲ謂フ
第五條 法人ノ利益ハ各事業年度ノ總益金ヨリ總損金ヲ控除シタル金額ニ依ル但シ保險會社ニ在リテハ各事業年度ノ利益金又ハ剩餘金ニ依ル
第二條ノ規定ニ依リ納稅義務アル法人ノ利益ハ關東州ニ於ケル資產又ハ營業ニ付前項ノ規定ニ準ジ之ヲ計算ス
法人ガ事業年度中ニ解散シ又ハ合併ニ因リテ消滅シタル場合ニ於テハ其ノ事業年度ノ始ヨリ解散又ハ合併ニ至ル迄ノ期間ヲ以テ一事業年度ト看做ス
第六條 法人ノ各事業年度ノ資本金額ハ各月末ニ於ケル拂込株式金額、出資金額又ハ基金及積立金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
前項ニ於テ積立金額ト稱スルハ積立金其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ法人ノ利益中其ノ留保シタル金額ヲ謂フ
第二條ノ規定ニ依リ納稅義務アル法人ノ各事業年度ノ資本金額ハ滿洲國駐箚特命全權大使ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
昭和七年一月一日以後本令施行ニ至ル迄ノ期間ニ於テ拂込株式金額又ハ出資金額ヲ減少シタル法人ノ現事業年度ノ資本金額ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ減少ナカリシモノト看做シテ之ヲ計算ス
第七條 法人合併ヲ爲シタル場合ニ於テ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ旣往事業年度ノ平均資本金額及平均利益ハ大使ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
第八條 合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ハ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ利得ニ付臨時利得稅ヲ納ムル義務アルモノトス
第九條 臨時利得稅法施行地、朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ガ臨時利得稅法施行地、朝鮮、臺灣、樺太又ハ關東州ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ト合併ヲ爲シタル場合ニ於テ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ガ關東州ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スルトキハ前條ノ規定ヲ準用ス
第十條 關東州所得稅令第十三條ノ規定ニ依リ所得稅ヲ課セザル法人ニハ臨時利得稅ヲ課セズ
前項ノ規定ニ依リ算出シタル稅額ガ利得金額中年千圓ヲ控除シタル金額ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ニ相當スル臨時利得稅ヲ免除ス
第十二條 納稅義務アル法人ハ大使ノ定ムル所ニ依リ利得金額ヲ政府ニ申吿スベシ
第十三條 利得金額ハ前條ノ申吿ニ依リ、申吿ナキトキ又ハ申吿ヲ不相當ト認ムルトキハ政府ノ調查ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定ス
第十四條 臨時利得稅ハ法人ノ事業年度每ニ之ヲ徵收ス
第十五條 關東州所得稅令第二十一條及第二十二條ノ規定ハ臨時利得稅ニ付之ヲ準用ス
第十六條 關東州所得稅令第十五條ノ二ノ規定ニ依リ所得稅ヲ免除セラルル所得ニ付テハ本令ヲ適用セズ
第十七條 本令ニ於テハ法人ニ非ザル社團モ亦之ヲ法人ト看做ス
前項ノ社團其ノ財產ヲ以テ臨時利得稅ヲ完納スルコト能ハザルトキハ其ノ稅金ニ付社員連帶シテ納稅ノ義務アルモノトス
第十八條 大使ハ本令ニ定ムルモノヲ除クノ外臨時利得稅ニ關シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
第十九條 市、會其ノ他ノ公共團體ハ臨時利得稅ノ附加稅ヲ課スルコトヲ得ズ