第一條 巡查ハ本令ニ依ルニ非ザレバ懲戒ヲ受クルコトナシ
第四條 減俸ハ一月以上十月以下月俸ノ百分ノ十以下ヲ減ズ
第五條 免職及減俸ハ巡查懲戒委員會ノ議決ニ依リ廳府縣長官之ヲ行フ
第六條 廳府縣長官ハ懲戒ニ當ルベキ所爲アリト思料スル者ニ付テハ情狀ニ因リ六月以上一年以下ノ期間內其ノ懲戒ヲ猶豫スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ懲戒ヲ猶豫セラレタル者改悛ノ狀ナキトキハ廳府縣長官猶豫ヲ取消シ其ノ懲戒ヲ行フコトヲ得
猶豫ヲ取消サルルコトナクシテ猶豫ノ期間ヲ取消シタルトキハ其ノ懲戒ハ之ヲ行ハズ
第七條 懲戒ニ付セラルベキ事件刑事裁判所ニ繁屬スル間ハ同一事件ニ對シ巡查懲戒委員會ヲ開クコトヲ得ズ
巡查懲戒委員會ノ議決前懲戒ニ付スベキ者ニ對シ同一事件ニ付刑事訴追ノ始マリタルトキハ其ノ事件ノ裁判確定ニ至ル迄巡查懲戒委員會ノ開會ヲ停止ス
第八條 巡查懲戒委員會ハ警視廳、北海道廳及府縣ニ之ヲ置ク廳府縣長官ノ監督ニ屬シ第五條第一項ノ議決ヲ爲ス
第九條 委員會ハ委員長一人及委員五人ヲ以テ之ヲ組織ス
委員ハ左ノ各號ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 警務部長タル警視廳書記官又ハ警察部長タル北海道廳部長若ハ府縣書記官
二 警視廳警視、北海道廳警視、地方警視又ハ廳府縣警部 二人
委員會ニ豫備委員四人ヲ置ク第二項第二號及第三號ニ揭グル者ノ中ヨリ廳府縣長官之ヲ命ズ
第十一條 委員會ハ委員長及委員ヲ併セ四人以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ
委員會ノ議事ハ多數ニ依リ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ委員長ノ決スル所ニ依ル
委員會免職ヲ議決スル場合ニ於テハ委員長及委員ヲ併セ五人以上出席スルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第十二條 委員長事故アルトキハ第十條第二項第一號ノ委員之ヲ代理ス其ノ委員モ亦事故アルトキハ他ノ上席委員之ヲ代理ス
委員中事故アルトキ又ハ闕員アルトキハ委員長ハ豫備委員ノ中ヨリ代理ヲ命ズ
第十三條 委員會ニ書記ヲ置ク廳府縣判任官ノ中ヨリ廳府縣長官之ヲ命ズ
第十四條 廳府縣長官ハ巡查懲戒ニ當ルベキ所爲アリト思料スルトキハ證憑ヲ具シ書面ヲ以テ委員會ノ審查ヲ要求スベシ
前項ノ要求アリタルトキハ委員長ハ速ニ委員會ヲ招集スベシ
第十五條 委員會ハ必要ト認ムル場合ニ於テハ本人ノ辯明ヲ徵スルコトヲ得
第十六條 委員會ニ於テ議決ヲ爲シタルトキハ其ノ理由ヲ具シ廳府縣長官ニ覆申スベシ
第十七條 委員長及委員ハ其ノ親族ニ關スル事件ノ會議ニ參與スルコトヲ得ズ
第十九條 本令ニ定ムルモノノ外巡查ノ懲戒ニ關シ必要ナル規定ハ廳府縣長官之ヲ定ム
第二十條 本令ハ判任官ノ待遇ヲ受クル消防手ニ之ヲ準用ス但シ本令中巡查懲戒委員會トアルハ消防手懲戒委員會トシ第十條第二項中警務部長タル警視廳書記官又ハ警察部長タル北海道廳部長若ハ府縣書記官トアルハ消防部長タル警視廳書記官又ハ警察部長タル府縣書記官トシ警視廳警視、北海道廳警視、地方警視又ハ廳府縣警部トアルハ警視廳警視、警視廳消防司令、地方警視、廳府縣警部又ハ廳府縣消防士トス