救護法
法令番号: 法律第三十九號
公布年月日: 昭和4年4月2日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル救護法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和四年四月一日
內閣總理大臣 男爵 田中義一
內務大臣 望月圭介
法律第三十九號
救護法
第一章 被救護者
第一條 左ニ揭グル者貧困ノ爲生活スルコト能ハザルトキハ本法ニ依リ之ヲ救護ス
一 六十五歲以上ノ老衰者
二 十三歲以下ノ幼者
三 姙產婦
四 不具癈疾、疾病、傷痍其ノ他精神又ハ身體ノ障碍ニ因リ勞務ヲ行フニ故障アル者
前項第三號ノ姙產婦ヲ救護スベキ期間竝ニ同項第四號ニ揭グル事由ノ範圍及程度ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 前條ノ規定ニ依リ救護ヲ受クベキ者ノ扶養義務者扶養ヲ爲スコトヲ得ルトキハ之ヲ救護セズ但シ急迫ノ事情アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
第二章 救護機關
第三條 救護ハ救護ヲ受クベキ者ノ居住地ノ市町村長、其ノ居住地ナキトキ又ハ居住地分明ナラザルトキハ其ノ現在地ノ市町村長之ヲ行フ
第四條 市町村ニ救護事務ノ爲委員ヲ設置スルコトヲ得
委員ハ名譽職トシ救護事務ニ關シ市町村長ヲ補助ス
第五條 委員ノ選任、解任、職務執行其ノ他委員ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三章 救護施設
第六條 本法ニ於テ救護施設ト稱スルハ養老院、孤兒院、病院其ノ他ノ本法ニ依ル救護ヲ目的トスル施設ヲ謂フ
第七條 市町村救護施設ヲ設置セントスルトキハ其ノ設備ニ付地方長官ノ認可ヲ受クベシ
私人救護施設ヲ設置セントスルトキハ地方長官ノ認可ヲ受クベシ
第八條 前條第二項ノ規定ニ依リ設置シタル救護施設ハ市町村長ガ救護ノ爲行フ委託ヲ拒ムコトヲ得ズ
第九條 本法ニ定ムルモノノ外救護施設ノ設置、管理、廢止其ノ他救護施設ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四章 救護ノ種類及方法
第十條 救護ノ種類左ノ如シ
一 生活扶助
二 醫療
三 助產
四 生業扶助
前項各號ノ救護ノ範圍、程度及方法ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一條 救護ハ救護ヲ受クル者ノ居宅ニ於テ之ヲ行フ
第十二條 幼者居宅救護ヲ受クベキ場合ニ於テ市町村長其ノ哺育上必要アリト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ幼者ト併セ其ノ母ノ救護ヲ爲スコトヲ得
第十三條 市町村長居宅救護ヲ爲スコト能ハズ又ハ之ヲ適當ナラズト認ムルトキハ救護ヲ受クル者ヲ救護施設ニ收容シ若ハ收容ヲ委託シ又ハ私人ノ家庭若ハ適當ナル施設ニ收容ヲ委託スルコトヲ得
第十四條 市町村長ハ救護ヲ受クル者ノ親權者又ハ後見人ガ適當ニ其ノ權利ヲ行ハザル場合ニ於テハ其ノ異議アルトキト雖モ前條ノ處分ヲ爲スコトヲ得
第十五條 救護施設ノ長ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ施設ニ收容セラレタル者ニ對シ適當ナル作業ヲ課スルコトヲ得
第十六條 第十三條ノ規定ニ依リ收容セラレ又ハ收容ヲ委託セラレタル未成年者ニ付親權者及後見人ノ職務ヲ行フ者ナキトキハ市町村長又ハ其ノ指定シタル者勅令ノ定ムル所ニ依リ後見人ノ職務ヲ行フ
第十七條 救護ヲ受クル者死亡シタル場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ埋葬ヲ行フ者ニ對シ埋葬費ヲ給スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ埋葬ヲ行フ者ナキトキハ救護ヲ爲シタル市町村長ニ於テ埋葬ヲ行フベシ
第五章 救護費
第十八條 救護ヲ受クル者同一市町村ニ一年以上引續キ居住スル者ナルトキハ救護ニ要スル費用ハ其ノ居住地ノ市町村ノ負擔トス
第十九條 救護ヲ受クル者左ノ各號ノ一ニ該當スル者ナルトキハ其ノ居住期間一年ニ滿チザル場合ニ於テモ救護ニ要スル費用ハ其ノ居住地ノ市町村ノ負擔トス
一 夫婦ノ一方居住一年以上ナルトキ同居ノ他ノ一方
二 父母其ノ他ノ直系尊屬居住一年以上ナルトキ同居ノ子其ノ他ノ直系卑屬
三 子其ノ他ノ直系卑屬居住一年以上ナルトキ同居ノ父母其ノ他ノ直系尊屬
第二十條 前二條ニ規定スル期間ノ計算ニ付テハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第二十一條 救護ニ要スル費用ガ前三條ノ規定ニ依リ市町村ノ負擔ニ屬セザル場合ニ於テハ其ノ費用ハ救護ヲ受クル者ノ居住地ノ道府縣、其ノ居住地ナキトキ又ハ居住地分明ナラザルトキハ其ノ現在地ノ道府縣ノ負擔トス
第二十二條 第十七條ノ規定ニ依ル埋葬ニ要スル費用ノ負擔ニ關シテハ前四條ノ規定ヲ準用ス
第二十三條 委員ニ關スル費用ハ市町村ノ負擔トス
第二十四條 第二十一條及第二十二條ノ規定ニ依リ道府縣ノ負擔スル費用ハ救護ヲ爲シタル地ノ市町村ニ於テ一時之ヲ繰替支辨スベシ
第二十五條 國庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ左ノ諸費ニ對シ其ノ二分ノ一以內ヲ補助ス
一 第十八條乃至第二十三條ノ規定ニ依リ市町村又ハ道府縣ノ負擔シタル費用
二 道府縣ノ設置シタル救護施設及第七條第一項ノ規定ニ依リ市町村ノ設置シタル救護施設ノ費用
三 第七條第二項ノ規定ニ依リ私人ノ設置シタル救護施設ノ設備ニ要スル費用
道府縣ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ左ノ諸費ニ對シ其ノ四分ノ一ヲ補助スベシ
一 第十八條乃至第二十條、第二十二條及第二十三條ノ規定ニ依リ市町村ノ負擔シタル費用
二 第七條第一項ノ規定ニ依リ市町村ノ設置シタル救護施設ノ費用
三 第七條第二項ノ規定ニ依リ私人ノ設置シタル救護施設ノ設備ニ要スル費用
第二十六條 救護ヲ受クル者資力アルニ拘ラズ救護ヲ爲シタルトキハ救護ニ要スル費用ヲ負擔シタル市町村又ハ道府縣ハ其ノ者ヨリ其ノ費用ノ全部又ハ一部ヲ徵收スルコトヲ得
第二十七條 救護ヲ受ケタル者救護ニ要シタル費用ノ辨償ヲ爲スノ資力アルニ至リタルトキハ救護ノ費用ヲ負擔シタル市町村又ハ道府縣ハ救護ヲ廢止シタル日ヨリ五年以內ニ其ノ費用ノ全部又ハ一部ノ償還ヲ命ズルコトヲ得
第二十八條 救護ヲ受クル者死亡シタルトキハ市町村長ハ命令ノ定ムル所ニ依リ遺留ノ金錢ヲ以テ救護及埋葬ニ要スル費用ニ充當シ仍足ラザルトキハ遺留ノ物品ヲ賣却シテ之ニ充當スルコトヲ得
第六章 雜則
第二十九條 救護ヲ受クル者左ニ揭グル事由ノ一ニ該當スルトキハ市町村長ハ救護ヲ爲サザルコトヲ得
一 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ市町村長又ハ救護施設ノ長ノ爲シタル處分ニ從ハザルトキ
二 故ナク救護ニ關スル檢診又ハ調査ヲ拒ミタルトキ
三 性行著シク不良ナルトキ又ハ著シク怠惰ナルトキ
第三十條 第七條第二項ノ規定ニ依リ設置シタル救護施設ガ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ地方長官ハ同項ノ認可ヲ取消スコトヲ得
第三十一條 道府縣、市町村其ノ他ノ公共團體ハ左ニ揭グル土地建物ニ對シテハ租稅其ノ他ノ公課ヲ課スルコトヲ得ズ但シ有料ニテ之ヲ使用セシムル者ニ對シテハ此ノ限ニ在ラズ
一 主トシテ救護施設ノ用ニ供スル建物
二 前號ニ揭グル建物ノ敷地其ノ他主トシテ救護施設ノ用ニ供スル土地
第三十二條 詐僞其ノ他ノ不正ノ手段ニ依リ救護ヲ受ケ又ハ受ケシメタル者ハ三月以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十三條 本法中町村ニ關スル規定ハ町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ町村ニ準ズベキモノニ、町村長ニ關スル規定ハ町村長ニ準ズベキ者ニ之ヲ適用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
左ノ法令ハ之ヲ廢止ス
明治四年太政官達第三百號
明治六年太政官布告第七十九號
明治六年太政官布告第百三十八號
明治七年太政官達第百六十二號恤救規則
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル救護法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和四年四月一日
内閣総理大臣 男爵 田中義一
内務大臣 望月圭介
法律第三十九号
救護法
第一章 被救護者
第一条 左ニ掲グル者貧困ノ為生活スルコト能ハザルトキハ本法ニ依リ之ヲ救護ス
一 六十五歳以上ノ老衰者
二 十三歳以下ノ幼者
三 姙産婦
四 不具廃疾、疾病、傷痍其ノ他精神又ハ身体ノ障碍ニ因リ労務ヲ行フニ故障アル者
前項第三号ノ姙産婦ヲ救護スベキ期間並ニ同項第四号ニ掲グル事由ノ範囲及程度ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 前条ノ規定ニ依リ救護ヲ受クベキ者ノ扶養義務者扶養ヲ為スコトヲ得ルトキハ之ヲ救護セズ但シ急迫ノ事情アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
第二章 救護機関
第三条 救護ハ救護ヲ受クベキ者ノ居住地ノ市町村長、其ノ居住地ナキトキ又ハ居住地分明ナラザルトキハ其ノ現在地ノ市町村長之ヲ行フ
第四条 市町村ニ救護事務ノ為委員ヲ設置スルコトヲ得
委員ハ名誉職トシ救護事務ニ関シ市町村長ヲ補助ス
第五条 委員ノ選任、解任、職務執行其ノ他委員ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三章 救護施設
第六条 本法ニ於テ救護施設ト称スルハ養老院、孤児院、病院其ノ他ノ本法ニ依ル救護ヲ目的トスル施設ヲ謂フ
第七条 市町村救護施設ヲ設置セントスルトキハ其ノ設備ニ付地方長官ノ認可ヲ受クベシ
私人救護施設ヲ設置セントスルトキハ地方長官ノ認可ヲ受クベシ
第八条 前条第二項ノ規定ニ依リ設置シタル救護施設ハ市町村長ガ救護ノ為行フ委託ヲ拒ムコトヲ得ズ
第九条 本法ニ定ムルモノノ外救護施設ノ設置、管理、廃止其ノ他救護施設ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四章 救護ノ種類及方法
第十条 救護ノ種類左ノ如シ
一 生活扶助
二 医療
三 助産
四 生業扶助
前項各号ノ救護ノ範囲、程度及方法ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十一条 救護ハ救護ヲ受クル者ノ居宅ニ於テ之ヲ行フ
第十二条 幼者居宅救護ヲ受クベキ場合ニ於テ市町村長其ノ哺育上必要アリト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ幼者ト併セ其ノ母ノ救護ヲ為スコトヲ得
第十三条 市町村長居宅救護ヲ為スコト能ハズ又ハ之ヲ適当ナラズト認ムルトキハ救護ヲ受クル者ヲ救護施設ニ収容シ若ハ収容ヲ委託シ又ハ私人ノ家庭若ハ適当ナル施設ニ収容ヲ委託スルコトヲ得
第十四条 市町村長ハ救護ヲ受クル者ノ親権者又ハ後見人ガ適当ニ其ノ権利ヲ行ハザル場合ニ於テハ其ノ異議アルトキト雖モ前条ノ処分ヲ為スコトヲ得
第十五条 救護施設ノ長ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ施設ニ収容セラレタル者ニ対シ適当ナル作業ヲ課スルコトヲ得
第十六条 第十三条ノ規定ニ依リ収容セラレ又ハ収容ヲ委託セラレタル未成年者ニ付親権者及後見人ノ職務ヲ行フ者ナキトキハ市町村長又ハ其ノ指定シタル者勅令ノ定ムル所ニ依リ後見人ノ職務ヲ行フ
第十七条 救護ヲ受クル者死亡シタル場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ埋葬ヲ行フ者ニ対シ埋葬費ヲ給スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ埋葬ヲ行フ者ナキトキハ救護ヲ為シタル市町村長ニ於テ埋葬ヲ行フベシ
第五章 救護費
第十八条 救護ヲ受クル者同一市町村ニ一年以上引続キ居住スル者ナルトキハ救護ニ要スル費用ハ其ノ居住地ノ市町村ノ負担トス
第十九条 救護ヲ受クル者左ノ各号ノ一ニ該当スル者ナルトキハ其ノ居住期間一年ニ満チザル場合ニ於テモ救護ニ要スル費用ハ其ノ居住地ノ市町村ノ負担トス
一 夫婦ノ一方居住一年以上ナルトキ同居ノ他ノ一方
二 父母其ノ他ノ直系尊属居住一年以上ナルトキ同居ノ子其ノ他ノ直系卑属
三 子其ノ他ノ直系卑属居住一年以上ナルトキ同居ノ父母其ノ他ノ直系尊属
第二十条 前二条ニ規定スル期間ノ計算ニ付テハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第二十一条 救護ニ要スル費用ガ前三条ノ規定ニ依リ市町村ノ負担ニ属セザル場合ニ於テハ其ノ費用ハ救護ヲ受クル者ノ居住地ノ道府県、其ノ居住地ナキトキ又ハ居住地分明ナラザルトキハ其ノ現在地ノ道府県ノ負担トス
第二十二条 第十七条ノ規定ニ依ル埋葬ニ要スル費用ノ負担ニ関シテハ前四条ノ規定ヲ準用ス
第二十三条 委員ニ関スル費用ハ市町村ノ負担トス
第二十四条 第二十一条及第二十二条ノ規定ニ依リ道府県ノ負担スル費用ハ救護ヲ為シタル地ノ市町村ニ於テ一時之ヲ繰替支弁スベシ
第二十五条 国庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ左ノ諸費ニ対シ其ノ二分ノ一以内ヲ補助ス
一 第十八条乃至第二十三条ノ規定ニ依リ市町村又ハ道府県ノ負担シタル費用
二 道府県ノ設置シタル救護施設及第七条第一項ノ規定ニ依リ市町村ノ設置シタル救護施設ノ費用
三 第七条第二項ノ規定ニ依リ私人ノ設置シタル救護施設ノ設備ニ要スル費用
道府県ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ左ノ諸費ニ対シ其ノ四分ノ一ヲ補助スベシ
一 第十八条乃至第二十条、第二十二条及第二十三条ノ規定ニ依リ市町村ノ負担シタル費用
二 第七条第一項ノ規定ニ依リ市町村ノ設置シタル救護施設ノ費用
三 第七条第二項ノ規定ニ依リ私人ノ設置シタル救護施設ノ設備ニ要スル費用
第二十六条 救護ヲ受クル者資力アルニ拘ラズ救護ヲ為シタルトキハ救護ニ要スル費用ヲ負担シタル市町村又ハ道府県ハ其ノ者ヨリ其ノ費用ノ全部又ハ一部ヲ徴収スルコトヲ得
第二十七条 救護ヲ受ケタル者救護ニ要シタル費用ノ弁償ヲ為スノ資力アルニ至リタルトキハ救護ノ費用ヲ負担シタル市町村又ハ道府県ハ救護ヲ廃止シタル日ヨリ五年以内ニ其ノ費用ノ全部又ハ一部ノ償還ヲ命ズルコトヲ得
第二十八条 救護ヲ受クル者死亡シタルトキハ市町村長ハ命令ノ定ムル所ニ依リ遺留ノ金銭ヲ以テ救護及埋葬ニ要スル費用ニ充当シ仍足ラザルトキハ遺留ノ物品ヲ売却シテ之ニ充当スルコトヲ得
第六章 雑則
第二十九条 救護ヲ受クル者左ニ掲グル事由ノ一ニ該当スルトキハ市町村長ハ救護ヲ為サザルコトヲ得
一 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ依リ市町村長又ハ救護施設ノ長ノ為シタル処分ニ従ハザルトキ
二 故ナク救護ニ関スル検診又ハ調査ヲ拒ミタルトキ
三 性行著シク不良ナルトキ又ハ著シク怠惰ナルトキ
第三十条 第七条第二項ノ規定ニ依リ設置シタル救護施設ガ本法若ハ本法ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキハ地方長官ハ同項ノ認可ヲ取消スコトヲ得
第三十一条 道府県、市町村其ノ他ノ公共団体ハ左ニ掲グル土地建物ニ対シテハ租税其ノ他ノ公課ヲ課スルコトヲ得ズ但シ有料ニテ之ヲ使用セシムル者ニ対シテハ此ノ限ニ在ラズ
一 主トシテ救護施設ノ用ニ供スル建物
二 前号ニ掲グル建物ノ敷地其ノ他主トシテ救護施設ノ用ニ供スル土地
第三十二条 詐偽其ノ他ノ不正ノ手段ニ依リ救護ヲ受ケ又ハ受ケシメタル者ハ三月以下ノ懲役又ハ百円以下ノ罰金ニ処ス
第三十三条 本法中町村ニ関スル規定ハ町村制ヲ施行セザル地ニ於テハ町村ニ準ズベキモノニ、町村長ニ関スル規定ハ町村長ニ準ズベキ者ニ之ヲ適用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
左ノ法令ハ之ヲ廃止ス
明治四年太政官達第三百号
明治六年太政官布告第七十九号
明治六年太政官布告第百三十八号
明治七年太政官達第百六十二号恤救規則