公立図書館職員令
法令番号: 勅令第三百三十六號
公布年月日: 大正10年7月21日
法令の形式: 勅令
朕公立圖書館職員令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年七月二十日
內閣總理大臣 原敬
文部大臣 中橋德五郞
勅令第三百三十六號
公立圖書館職員令
第一條 公立圖書館ニ左ノ職員ヲ置ク
館長
司書
書記
第二條 館長ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス地方長官ノ監督ヲ承ケ館務ヲ掌理シ所屬職員ヲ監督ス
司書ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス館長ノ指揮ヲ承ケ圖書ノ整理、保存及閱覽ニ關スル事務ヲ掌ル
書記ハ判任官ノ待遇トス館長ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第三條 奏任官待遇ノ館長及司書ハ左ノ資格ノ一ヲ有スル者ヨリ之ヲ任用ス
一 文官任用令第五條第一項ノ規定ニ依リ高等文官ト爲ルノ資格ヲ有スル者
二 學位ヲ有スル者又ハ大學令ニ依ル大學ノ學部若ハ帝國大學分科大學ヲ卒業シ學士ト稱スルコトヲ得ル者
三 專門學校、高等學校高等科、大學令ニ依ル大學ノ豫科又ハ高等學校大學豫科ヲ卒業シ二年以上判任官待遇以上ノ職ニ在リテ敎育又ハ圖書ニ關スル事務ニ從事シタル者
四 五年以上判任官待遇以上ノ職ニ在リテ敎育又ハ圖書ニ關スル事務ニ從事シ月額八十圓以上ノ俸給ヲ受ケタル者
五 圖書ニ關シ特別ノ學識經驗アル者ニシテ高等試驗委員ノ銓衡ヲ經タルモノ
第四條 判任官待遇ノ館長、司書及書記ハ左ノ資格ノ一ヲ有スル者ヨリ之ヲ任用ス
一 文官任用令第六條ノ規定ニ依リ判任文官ト爲ルノ資格ヲ有スル者
二 前條第二號乃至第五號ニ該當スル者
三 三年以上敎育又ハ圖書ニ關スル公務ニ從事シタル者
四 圖書ニ關シ學識經驗アル者ニシテ普通試驗委員ノ銓衡ヲ經タルモノ
第五條 奏任官待遇職員ノ任免ノ奏薦宣行ハ奏任官ノ例ニ依リ判任官待遇職員ノ任免ハ判任官ノ例ニ依ル
第六條 奏任官待遇職員ノ待遇相當官等ハ館長ニ在リテハ高等官四等以下トシ司書ニ在リテハ高等官五等以下トス
判任官待遇職員ノ待遇相當等級ハ判任官一等乃至四等トス
第七條 文部大臣ノ指定スル圖書館ノ館長ニシテ高等官四等ノ待遇ヲ受ケ在職三年以上ニ至リ功績アル者ハ特ニ高等官三等ノ待遇ト爲シ年額七百圓以內ノ加俸ヲ給スルコトヲ得
第八條 高等官官等俸給令第四條及第五條第一項ノ規定ハ奏任官待遇ノ公立圖書館職員ニ之ヲ準用ス
他ノ官職ニ在リタル者ニシテ奏任官待遇職員タルモノニ付テハ他ノ官職ニ付受ケタル待遇ハ之ヲ本令ニ依リ受ケタル待遇ト看做ス
第九條 公立圖書館職員ノ俸給ハ別表ニ依ル但シ他ノ官職ニ在ルトキハ俸給ヲ給セス又ハ別表ニ揭クル最低額以下ノ俸給ヲ給スルコトヲ得
第十條 公立圖書館職員ノ分限ニ關シテハ公立學校職員ノ例ニ依ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
明治三十九年勅令第二百八十二號ハ之ヲ廢止ス
圖書館令中第六條乃至第六條ノ五及附則ヲ削リ第七條ヲ第六條トス
本令施行ノ際現ニ公立圖書館ノ館長、司書又ハ書記ノ職ニ在ル者別ニ辭令書ヲ交付セラレサルトキハ各從前ノ待遇及俸給ヲ以テ之ニ任セラレタルモノトス
(別表)
待遇別
級俸
奏任官待遇職員年俸
判任官待遇職員月俸
一級俸
三、一〇〇圓
一四〇圓
二級俸
二、八〇〇
一二〇
三級俸
二、六〇〇
一一〇
四級俸
二、四〇〇
一〇〇
五級俸
二、二〇〇
九〇
六級俸
二、〇〇〇
八〇
七級俸
一、八〇〇
七〇
八級俸
一、六〇〇
六〇
九級俸
一、四〇〇
五五
十級俸
一、三〇〇
五〇
十一級俸
一、二〇〇
四五
十二級俸
一、一〇〇
四〇
十三級俸
一、〇〇〇
三五
朕公立図書館職員令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年七月二十日
内閣総理大臣 原敬
文部大臣 中橋徳五郎
勅令第三百三十六号
公立図書館職員令
第一条 公立図書館ニ左ノ職員ヲ置ク
館長
司書
書記
第二条 館長ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス地方長官ノ監督ヲ承ケ館務ヲ掌理シ所属職員ヲ監督ス
司書ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス館長ノ指揮ヲ承ケ図書ノ整理、保存及閲覧ニ関スル事務ヲ掌ル
書記ハ判任官ノ待遇トス館長ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第三条 奏任官待遇ノ館長及司書ハ左ノ資格ノ一ヲ有スル者ヨリ之ヲ任用ス
一 文官任用令第五条第一項ノ規定ニ依リ高等文官ト為ルノ資格ヲ有スル者
二 学位ヲ有スル者又ハ大学令ニ依ル大学ノ学部若ハ帝国大学分科大学ヲ卒業シ学士ト称スルコトヲ得ル者
三 専門学校、高等学校高等科、大学令ニ依ル大学ノ予科又ハ高等学校大学予科ヲ卒業シ二年以上判任官待遇以上ノ職ニ在リテ教育又ハ図書ニ関スル事務ニ従事シタル者
四 五年以上判任官待遇以上ノ職ニ在リテ教育又ハ図書ニ関スル事務ニ従事シ月額八十円以上ノ俸給ヲ受ケタル者
五 図書ニ関シ特別ノ学識経験アル者ニシテ高等試験委員ノ銓衡ヲ経タルモノ
第四条 判任官待遇ノ館長、司書及書記ハ左ノ資格ノ一ヲ有スル者ヨリ之ヲ任用ス
一 文官任用令第六条ノ規定ニ依リ判任文官ト為ルノ資格ヲ有スル者
二 前条第二号乃至第五号ニ該当スル者
三 三年以上教育又ハ図書ニ関スル公務ニ従事シタル者
四 図書ニ関シ学識経験アル者ニシテ普通試験委員ノ銓衡ヲ経タルモノ
第五条 奏任官待遇職員ノ任免ノ奏薦宣行ハ奏任官ノ例ニ依リ判任官待遇職員ノ任免ハ判任官ノ例ニ依ル
第六条 奏任官待遇職員ノ待遇相当官等ハ館長ニ在リテハ高等官四等以下トシ司書ニ在リテハ高等官五等以下トス
判任官待遇職員ノ待遇相当等級ハ判任官一等乃至四等トス
第七条 文部大臣ノ指定スル図書館ノ館長ニシテ高等官四等ノ待遇ヲ受ケ在職三年以上ニ至リ功績アル者ハ特ニ高等官三等ノ待遇ト為シ年額七百円以内ノ加俸ヲ給スルコトヲ得
第八条 高等官官等俸給令第四条及第五条第一項ノ規定ハ奏任官待遇ノ公立図書館職員ニ之ヲ準用ス
他ノ官職ニ在リタル者ニシテ奏任官待遇職員タルモノニ付テハ他ノ官職ニ付受ケタル待遇ハ之ヲ本令ニ依リ受ケタル待遇ト看做ス
第九条 公立図書館職員ノ俸給ハ別表ニ依ル但シ他ノ官職ニ在ルトキハ俸給ヲ給セス又ハ別表ニ掲クル最低額以下ノ俸給ヲ給スルコトヲ得
第十条 公立図書館職員ノ分限ニ関シテハ公立学校職員ノ例ニ依ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
明治三十九年勅令第二百八十二号ハ之ヲ廃止ス
図書館令中第六条乃至第六条ノ五及附則ヲ削リ第七条ヲ第六条トス
本令施行ノ際現ニ公立図書館ノ館長、司書又ハ書記ノ職ニ在ル者別ニ辞令書ヲ交付セラレサルトキハ各従前ノ待遇及俸給ヲ以テ之ニ任セラレタルモノトス
(別表)
待遇別
級俸
奏任官待遇職員年俸
判任官待遇職員月俸
一級俸
三、一〇〇円
一四〇円
二級俸
二、八〇〇
一二〇
三級俸
二、六〇〇
一一〇
四級俸
二、四〇〇
一〇〇
五級俸
二、二〇〇
九〇
六級俸
二、〇〇〇
八〇
七級俸
一、八〇〇
七〇
八級俸
一、六〇〇
六〇
九級俸
一、四〇〇
五五
十級俸
一、三〇〇
五〇
十一級俸
一、二〇〇
四五
十二級俸
一、一〇〇
四〇
十三級俸
一、〇〇〇
三五