第一條 工業所有權戰時法ニ依ル特許又ハ商標登錄ノ取消ハ職權ヲ以テ、特許發明ノ專用免許ハ申請ニ因リ農商務大臣之ヲ爲ス
前項ノ規定ニ依ル處分ハ時局ノ關係ニ於テ軍事上又ハ公益上必要アルトキニ限リ之ヲ爲スコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル處分ハ農商務部內ノ高等官又ハ學識經驗アル者ノ中ヨリ農商務大臣ノ命シタル五人又ハ七人ノ調査委員ノ審査ヲ經テ之ヲ爲スヘシ
第二條 專用ノ免許ハ同時ニ免許ヲ爲シ又ハ旣ニ爲シタル免許ノ趣旨ニ反セサルトキニ限リ數人ニ對シ各別ニ之ヲ爲スコトヲ得
第四條 專用權ノ讓渡ハ農商務大臣ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第五條 專用權ノ讓渡、變更、處分ノ制限、取消若ハ抛棄ニ依ル消滅又ハ專用免許ノ條件ノ附加若ハ變更ハ登錄スルニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ス
專用權ヲ目的トスル質權ノ設定、移轉、變更、處分ノ制限又ハ消滅ニ付亦前項ニ同シ
第六條 專用ノ免許ヲ申請スル者ハ一件每ニ手數料五十圓ヲ納付スヘシ
第七條 專用權者ハ農商務大臣カ第一條第三項ノ調査委員ノ審査ヲ經テ定メタル標準ニ依リ專用料ヲ納付スヘシ
前項ノ標準ハ當該特許發明ノ實施ニ依ル生產物ノ價額ノ百分ノ三乃至十ノ範圍內ニ於テ之ヲ定ム但シ特別ノ事由アルトキハ之ニ依ラサルコトヲ得
第八條 農商務大臣ハ何時ニテモ專用權者ヲシテ其ノ事業若ハ財產ニ關シ報吿ヲ爲サシメ又ハ其ノ事業若ハ財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
第十條 專用權者左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ農商務大臣ハ專用ノ免許ヲ取消スコトヲ得
一 正當ノ事由ナクシテ專用權發生ノ日ヨリ三月內ニ當該特許發明ノ實施ノ準備ニ著手セサルトキ
五 第八條ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲サス、不正ノ報吿ヲ爲シ又ハ檢査ヲ妨ケタルトキ
農商務大臣軍事上又ハ公益上必要ト認ムルトキハ專用ノ免許ヲ取消スコトヲ得