工業用酒精酒類其ノ他酒精含有飲料戻税法
法令番号: 法律第四十六號
公布年月日: 明治39年4月24日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル工業用酒精酒類其ノ他酒精含有飮料戾稅法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年四月二十三日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
大藏大臣 法學博士 阪谷芳郞
法律第四十六號
工業用酒精酒類其ノ他酒精含有飮料戾稅法
第一條 造石稅納付濟ノ酒精ヲ命令ノ定ムル所ニ依リ命令ヲ以テ定メタル工業ノ用ニ供スル者ハ政府ノ承認ヲ得テ每囘一石以上ノ酒精ヲ使用スルトキニ限リ其ノ造石稅ニ相當スル金額ノ下付ヲ政府ニ請求スルコトヲ得
第二條 造石稅又ハ沖繩縣酒類出港稅納付濟ノ酒精、酒類其ノ他酒精含有飮料ヲ命令ノ定ムル所ニ依リ命令ヲ以テ定メタル政府ノ工業用ニ供給スル者ハ每囘一石以上ノ供給ヲ爲ストキニ限リ其ノ造石稅又ハ出港稅ニ相當スル金額ノ下付ヲ政府ニ請求スルコトヲ得
第三條 前二條ノ請求ハ酒精、酒類其ノ他酒精含有飮料ノ使用又ハ供給後一年ヲ經過シタルトキハ之ヲ爲スコトヲ得ス
第四條 第一條ノ酒精ニ對シ政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ變性ヲ命スルコトヲ得
第五條 第一條ノ請求ヲ爲サムトスル者ハ申請書ニ造石稅ヲ納付シタルコトヲ證スヘキ書類ヲ添附スルコトヲ要ス
第二條ノ請求ヲ爲サムトスル者ハ申請書ニ造石稅又ハ出港稅ヲ納付シタルコトヲ證スヘキ書類及酒精、酒類其ノ他酒精含有飮料ヲ政府ニ供給シタルコトヲ證スヘキ書類ヲ添附スルコトヲ要ス
第六條 詐僞其ノ他不正ノ所爲ヲ以テ造石稅又ハ出港稅ニ相當スル金額ノ下付ヲ政府ニ請求シタル者ハ其ノ造石稅又ハ出港稅ノ五倍ニ相當スル罰金ニ處ス但シ三十圓ヲ下ルコトヲ得ス
第七條 間接國稅犯則者處分法及明治三十三年法律第五十二號ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタル者ニ之ヲ準用ス
附 則
醫藥用工業用酒精戾稅法ハ之ヲ廢止ス但シ本法施行後三箇月迄ニ造石稅ノ賦課ヲ受ケタル醫藥用酒精ノ稅金下戾ニ關シテハ本法施行後六箇月ヲ限リ醫藥用工業用酒精戾稅法ヲ適用ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル工業用酒精酒類其ノ他酒精含有飲料戻税法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年四月二十三日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
大蔵大臣 法学博士 阪谷芳郎
法律第四十六号
工業用酒精酒類其ノ他酒精含有飲料戻税法
第一条 造石税納付済ノ酒精ヲ命令ノ定ムル所ニ依リ命令ヲ以テ定メタル工業ノ用ニ供スル者ハ政府ノ承認ヲ得テ毎回一石以上ノ酒精ヲ使用スルトキニ限リ其ノ造石税ニ相当スル金額ノ下付ヲ政府ニ請求スルコトヲ得
第二条 造石税又ハ沖縄県酒類出港税納付済ノ酒精、酒類其ノ他酒精含有飲料ヲ命令ノ定ムル所ニ依リ命令ヲ以テ定メタル政府ノ工業用ニ供給スル者ハ毎回一石以上ノ供給ヲ為ストキニ限リ其ノ造石税又ハ出港税ニ相当スル金額ノ下付ヲ政府ニ請求スルコトヲ得
第三条 前二条ノ請求ハ酒精、酒類其ノ他酒精含有飲料ノ使用又ハ供給後一年ヲ経過シタルトキハ之ヲ為スコトヲ得ス
第四条 第一条ノ酒精ニ対シ政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ変性ヲ命スルコトヲ得
第五条 第一条ノ請求ヲ為サムトスル者ハ申請書ニ造石税ヲ納付シタルコトヲ証スヘキ書類ヲ添附スルコトヲ要ス
第二条ノ請求ヲ為サムトスル者ハ申請書ニ造石税又ハ出港税ヲ納付シタルコトヲ証スヘキ書類及酒精、酒類其ノ他酒精含有飲料ヲ政府ニ供給シタルコトヲ証スヘキ書類ヲ添附スルコトヲ要ス
第六条 詐偽其ノ他不正ノ所為ヲ以テ造石税又ハ出港税ニ相当スル金額ノ下付ヲ政府ニ請求シタル者ハ其ノ造石税又ハ出港税ノ五倍ニ相当スル罰金ニ処ス但シ三十円ヲ下ルコトヲ得ス
第七条 間接国税犯則者処分法及明治三十三年法律第五十二号ハ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ノ規定ニ違反シタル者ニ之ヲ準用ス
附 則
医薬用工業用酒精戻税法ハ之ヲ廃止ス但シ本法施行後三箇月迄ニ造石税ノ賦課ヲ受ケタル医薬用酒精ノ税金下戻ニ関シテハ本法施行後六箇月ヲ限リ医薬用工業用酒精戻税法ヲ適用ス