在外指定学校職員退隠料及遺族扶助料法
法令番号: 法律第六十四號
公布年月日: 明治38年3月13日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル在外指定學校職員退隱料及遺族扶助料法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十八年三月十一日
內閣總理大臣 伯爵 桂太郞
外務大臣 男爵 小村壽太郞
文部大臣 久保田讓
法律第六十四號
在外指定學校職員退隱料及遺族扶助料法
第一條 本法ニ於テ在外指定學校ト稱スルハ在外國本邦人ノ爲ニ設置シタル學校ニシテ外務大臣及文部大臣ノ指定シタルモノヲ謂フ
第二條 府縣立師範學校長俸給竝公立學校職員退隱科及遺族扶助料法ハ第一條、第八條、第十條第二項、第四項、第十六條、第十七條第一項、第二十條及第二十一條ヲ除クノ外在外指定學校ノ職員及其ノ遺族ニ關シ之ヲ準用ス但シ同法ニ規定スル府縣知事ノ職務ハ領事官之ヲ行フ
在外指定學校ノ職員ノ資格竝其ノ就職及退職ニ關スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 市町村立小學校敎員退隱料及遺族扶助料法、府縣立師範學校長俸給竝公立學校職員退隱料及遺族扶助料法、明治二十九年法律第十三號、明治三十三年法律第七十七號又ハ本法ニ依リ退隱料ヲ受クル者在外指定學校ノ職員トナリ退職現時ノ俸給額ト同額以上ノ俸給ヲ受クルトキハ其ノ間退隱料ノ支給ヲ停止ス
第四條 在外指定學校ノ職員左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ退隱料ヲ受クル資格ヲ失フ
一 年齡六十歲ニ至ラスシテ自己ノ便宜ニ因リ退職シタルトキ
二 服務上ノ義務ニ違背シ若ハ服務ヲ怠リ又ハ體面ヲ汚辱スルノ所爲アリタル爲其ノ職ヲ解カレタルトキ
三 敎員免許狀褫奪ノ處分ヲ受ケタルトキ
四 禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルトキ
五 信用若ハ風俗ヲ害スル罪ヲ犯シ罰金ノ刑ニ處セラレ又ハ監視ニ付セラレタルトキ
六 破產若ハ家資分散ノ宣吿ヲ受ケタルトキ
第五條 本法ニ依リ退隱料ヲ受クル者及前條各號ノ一ニ該當スル者ニハ退職給與金ヲ給セス
第六條 明治二十九年法律第十三號ハ第一條、第三條、第四條及第五條ヲ除クノ外在外指定學校ノ職員ニ關シ之ヲ準用ス
在外指定學校ノ職員ノ在職年月數ト公立學校ノ學校長、正敎員、舍監及書記ノ在職年月數トハ退隱料、扶助料及扶助金ノ支給ニ關シ相互通算ス
第七條 本法ニ依リ支給スヘキ退隱料、退職給與金、扶助料及扶助金竝其ノ支給ニ關スル費用ハ國庫ノ負擔トス
附 則
本法ハ明治三十八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル在外指定学校職員退隠料及遺族扶助料法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十八年三月十一日
内閣総理大臣 伯爵 桂太郎
外務大臣 男爵 小村寿太郎
文部大臣 久保田譲
法律第六十四号
在外指定学校職員退隠料及遺族扶助料法
第一条 本法ニ於テ在外指定学校ト称スルハ在外国本邦人ノ為ニ設置シタル学校ニシテ外務大臣及文部大臣ノ指定シタルモノヲ謂フ
第二条 府県立師範学校長俸給並公立学校職員退隠科及遺族扶助料法ハ第一条、第八条、第十条第二項、第四項、第十六条、第十七条第一項、第二十条及第二十一条ヲ除クノ外在外指定学校ノ職員及其ノ遺族ニ関シ之ヲ準用ス但シ同法ニ規定スル府県知事ノ職務ハ領事官之ヲ行フ
在外指定学校ノ職員ノ資格並其ノ就職及退職ニ関スル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三条 市町村立小学校教員退隠料及遺族扶助料法、府県立師範学校長俸給並公立学校職員退隠料及遺族扶助料法、明治二十九年法律第十三号、明治三十三年法律第七十七号又ハ本法ニ依リ退隠料ヲ受クル者在外指定学校ノ職員トナリ退職現時ノ俸給額ト同額以上ノ俸給ヲ受クルトキハ其ノ間退隠料ノ支給ヲ停止ス
第四条 在外指定学校ノ職員左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ退隠料ヲ受クル資格ヲ失フ
一 年齢六十歳ニ至ラスシテ自己ノ便宜ニ因リ退職シタルトキ
二 服務上ノ義務ニ違背シ若ハ服務ヲ怠リ又ハ体面ヲ汚辱スルノ所為アリタル為其ノ職ヲ解カレタルトキ
三 教員免許状褫奪ノ処分ヲ受ケタルトキ
四 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
五 信用若ハ風俗ヲ害スル罪ヲ犯シ罰金ノ刑ニ処セラレ又ハ監視ニ付セラレタルトキ
六 破産若ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケタルトキ
第五条 本法ニ依リ退隠料ヲ受クル者及前条各号ノ一ニ該当スル者ニハ退職給与金ヲ給セス
第六条 明治二十九年法律第十三号ハ第一条、第三条、第四条及第五条ヲ除クノ外在外指定学校ノ職員ニ関シ之ヲ準用ス
在外指定学校ノ職員ノ在職年月数ト公立学校ノ学校長、正教員、舎監及書記ノ在職年月数トハ退隠料、扶助料及扶助金ノ支給ニ関シ相互通算ス
第七条 本法ニ依リ支給スヘキ退隠料、退職給与金、扶助料及扶助金並其ノ支給ニ関スル費用ハ国庫ノ負担トス
附 則
本法ハ明治三十八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス