(港務部設置ノ件)
法令番号: 勅令第七十三號
公布年月日: 明治35年3月28日
法令の形式: 勅令
朕港務部設置ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十五年三月二十七日
內閣總理大臣 伯爵 桂太郞
內務大臣 男爵 內海忠勝
勅令第七十三號
第一條 神奈川縣、兵庫縣、長崎縣及福岡縣ニハ地方官官制第十六條ニ揭クル部署ノ外港務部ヲ置キ海港檢疫所ヲ附屬セシム
長崎縣港務部ニハ海港檢疫所ノ外海港檢疫支所ヲ附屬セシム
第二條 港務部ヲ置キタル縣ニハ左ノ職員ヲ置ク
港務長
港務官
港務醫官
港吏
港務醫官補
港務調劑手
第三條 港務長ハ一人、港務官ハ二人及港務醫官ハ一人奏任トス
屬、港吏、港務醫官補及港務調劑手ハ判任トシ通シテ七十四人ヲ以テ定員トシ其ノ各縣ノ定員ハ內務大臣之ヲ定メ其ノ各官ノ定員ハ內務大臣ノ認可ヲ經テ知事之ヲ定ム
第四條 港務部ニ三課ヲ置キ事務ヲ分掌セシムルコト左ノ如シ
海務課
一 開港港則ニ關スル事項
二 開港港則施行區域內ニ於ケル行政警察及衞生ニ關スル事項
檢疫課
一 海港檢疫ニ關スル事項
庶務課
一 庶務ニ關スル事項
各課ニ課長ヲ置ク課長ハ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ課務ヲ處理ス
第五條 港務長ハ港務部長ト爲リ知事ノ命ヲ承ケ部下ノ官吏ヲ監督シ所部ノ事務ヲ掌理ス
港務長ハ港長ノ事務ヲ行ヒ所部ノ事務ニ關シテハ水上警察署長ヲ指揮監督ス
第六條 港務部長事故アルトキハ知事ニ於テ縣官吏ノ一人ヲシテ其ノ事務ヲ代理セシム
第七條 港務官ハ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ事務ヲ分掌ス
港務官ハ知事ノ命ヲ承ケ海務課長又ハ檢疫課長ト爲ル
第八條 港務醫官ハ上官ノ指揮ヲ承ケ醫務ニ從事ス
第九條 屬ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
屬ハ知事ノ命ヲ承ケ庶務課長ト爲ル
第十條 港吏ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ分掌ス
第十一條 港務醫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ醫務ニ從事ス
第十二條 港務調劑手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ調劑ニ從事ス
第十三條 港務部ヲ置キタル縣ニ於テハ知事ハ臨時必要アリト認ムルトキハ檢疫又ハ醫務ニ從事セシムル爲海港檢疫費豫算定額內ニ於テ港務部ニ檢疫員又ハ檢疫醫員ヲ置クコトヲ得
檢疫員及檢疫醫員ハ判任官ノ待遇トス
附 則
本令ハ明治三十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
海港檢疫所官制ハ之ヲ廢止ス
朕港務部設置ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十五年三月二十七日
内閣総理大臣 伯爵 桂太郎
内務大臣 男爵 内海忠勝
勅令第七十三号
第一条 神奈川県、兵庫県、長崎県及福岡県ニハ地方官官制第十六条ニ掲クル部署ノ外港務部ヲ置キ海港検疫所ヲ附属セシム
長崎県港務部ニハ海港検疫所ノ外海港検疫支所ヲ附属セシム
第二条 港務部ヲ置キタル県ニハ左ノ職員ヲ置ク
港務長
港務官
港務医官
港吏
港務医官補
港務調剤手
第三条 港務長ハ一人、港務官ハ二人及港務医官ハ一人奏任トス
属、港吏、港務医官補及港務調剤手ハ判任トシ通シテ七十四人ヲ以テ定員トシ其ノ各県ノ定員ハ内務大臣之ヲ定メ其ノ各官ノ定員ハ内務大臣ノ認可ヲ経テ知事之ヲ定ム
第四条 港務部ニ三課ヲ置キ事務ヲ分掌セシムルコト左ノ如シ
海務課
一 開港港則ニ関スル事項
二 開港港則施行区域内ニ於ケル行政警察及衛生ニ関スル事項
検疫課
一 海港検疫ニ関スル事項
庶務課
一 庶務ニ関スル事項
各課ニ課長ヲ置ク課長ハ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ課務ヲ処理ス
第五条 港務長ハ港務部長ト為リ知事ノ命ヲ承ケ部下ノ官吏ヲ監督シ所部ノ事務ヲ掌理ス
港務長ハ港長ノ事務ヲ行ヒ所部ノ事務ニ関シテハ水上警察署長ヲ指揮監督ス
第六条 港務部長事故アルトキハ知事ニ於テ県官吏ノ一人ヲシテ其ノ事務ヲ代理セシム
第七条 港務官ハ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ事務ヲ分掌ス
港務官ハ知事ノ命ヲ承ケ海務課長又ハ検疫課長ト為ル
第八条 港務医官ハ上官ノ指揮ヲ承ケ医務ニ従事ス
第九条 属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
属ハ知事ノ命ヲ承ケ庶務課長ト為ル
第十条 港吏ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ分掌ス
第十一条 港務医官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ医務ニ従事ス
第十二条 港務調剤手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ調剤ニ従事ス
第十三条 港務部ヲ置キタル県ニ於テハ知事ハ臨時必要アリト認ムルトキハ検疫又ハ医務ニ従事セシムル為海港検疫費予算定額内ニ於テ港務部ニ検疫員又ハ検疫医員ヲ置クコトヲ得
検疫員及検疫医員ハ判任官ノ待遇トス
附 則
本令ハ明治三十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
海港検疫所官制ハ之ヲ廃止ス