第十九條 町村會議員ハ其ノ町村ノ選擧人其ノ被選擧權アル者ヨリ之ヲ選擧ス其ノ定員ハ一町村四名以上十二名以下トシ北海道廳長官之ヲ定ム
第二十條 町村會議員ノ選擧權ヲ有スル者ハ帝國臣民ニシテ公權ヲ有スル獨立ノ男子一年以來(一)町村內ニ住居ヲ占メ(二)町村ノ負擔ヲ分任シ及(三)町村內ニ於テ地租年額十錢以上ヲ納メ又ハ直接國稅北海道水產稅若ハ直接國稅ト北海道水產稅トヲ合シテ年額五十錢以上ヲ納メ又ハ耕地一町步若ハ宅地百坪以上ヲ所有シ又ハ總納稅人ノ町村稅平均額以上ノ町村稅ヲ納ムル者ニ限ル
公費ヲ以テ貧民救助ヲ受ケタル後一年ヲ經サル者ハ選擧權ヲ有セス
前二項ノ期間ハ町村會ノ議決ニ依リ北海道廳長官ノ許可ヲ得テ之ヲ特免スルコトヲ得
町村ノ負擔ヲ分任セシムルコトナキ町村ニ於テハ第一項(二)ノ要件ヲ闕クト雖其ノ他ノ要件ヲ具備スル者ハ選擧權ヲ有ス
第一項ニ於テ獨立ト稱スルハ滿二十五歲以上ニシテ一戶ヲ構ヘ且治產ノ禁ヲ受ケサルモノヲ謂ヒ又耕宅地所有ノ期間ハ所有權ノ登記ヲ爲シタル日ヨリ之ヲ起算ス
第二十一條 選擧權ヲ有スル者公權停止中又ハ租稅滯納處分中ハ選擧權ヲ停止ス家資分散若ハ破產ノ宣吿ヲ受ケタルトキハ復權ノ決定アル迄又公權剝奪若ハ停止ヲ附加スヘキ重罪輕罪ノ爲公判ニ付セラレタルトキハ其ノ裁判ノ確定ニ至ル迄亦同シ
陸海軍ノ現役ニ服スル者ハ選擧ニ參與スルヲ得ス現役以外ノ兵役ニ在ル者ニシテ戰時又ハ事變ニ際シ召集セラレタルトキ亦同シ
左ニ揭クル者ハ被選擧權ヲ有セス
六 選擧權停止中ノ者及第二十一條第二項ニ依リ選擧ニ參與スルコトヲ得サル者
官吏ニシテ當選シ之ニ應セムトスルトキハ所屬長官ノ許可ヲ受クヘシ
第二十三條 町村會議員ハ名譽職トシ其ノ任期ハ二箇年トス
町村會議員中闕員アルトキハ補闕選擧ヲ行ヒ其ノ補闕ニ係ル議員ハ前任者ノ殘任期間在職スルモノトス
第二十四條 町村長ハ選擧前三十日ヲ期トシ其ノ日ノ現在ニ依リ選擧人名簿ヲ調製スヘシ
選擧人名簿ハ調製ノ日ヨリ十四日間町村役場ニ於テ關係者ノ縱覽ニ供スヘシ關係者ニ於テ異議アルトキハ縱覽期限內ニ之ヲ町村長ニ申立ツルコトヲ得町村長ハ其ノ申立ヲ受ケタル日ヨリ七日以內ニ之ヲ決定スヘシ
前項町村長ノ決定ニ不服アル者ハ北海道廳支廳長ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アル者ハ北海道廳長官ニ訴願スルコトヲ得
町村長ハ第二項異議ノ決定又ハ第三項訴願ノ裁決ノ確定ニ依リ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ選擧ノ日ヨリ五日前ニ修正ヲ加ヘテ確定名簿ト爲シ其ノ修正ノ要領ハ直ニ之ヲ公吿スヘシ
確定名簿ハ確定ノ日ヨリ一年以內ニ於テ行フ選擧ニ之ヲ用フ
確定名簿ニ登錄セラレサル者及登錄セラレタルモ選擧權ヲ有セサル者ハ選擧ニ參與スルコトヲ得ス但シ選擧人名簿ニ登錄セラルヘキ確定決定書又ハ確定裁決書ヲ所持スル者ハ此ノ限ニ在ラス
第二十五條 選擧ヲ行フトキハ町村長ハ選擧ノ日ヨリ少クトモ七日前ニ選擧ノ場所日時及議員ノ員數ヲ公吿スヘシ
選擧開場中ハ選擧人及選擧事務ニ從事スル者ヲ除クノ外選擧場ニ入ルコトヲ得ス
選擧ハ投票ヲ以テ之ヲ行フ投票ニハ被選擧人ノ氏名ヲ記シ封緘ノ上選擧人自ラ之ヲ町村長ニ差出スヘシ
選擧ハ代人ヲ以テ之ヲ行フコトヲ得代人ハ委任狀ヲ町村長ニ差出スヘシ
選擧人投票ヲ差出ストキハ自己ノ氏名及住所ヲ町村長ニ申立テ町村長ハ選擧人名簿ニ照シテ之ヲ受ケ封緘ノ儘投票函ニ投入スヘシ
投票ノ時間終リタルトキハ町村長ハ選擧場ニ於テ投票ヲ檢シ有效投票ノ多數ヲ得タル者ヲ當選トシ同數ナルトキハ年長者ヲ取リ同年ナルトキハ町村長自ラ抽籤シテ之ヲ定ム
町村長ハ當選者ニ當選ヲ通知シ其ノ人名ヲ公吿シ同時ニ之ヲ北海道廳支廳長ニ報吿スヘシ
第二十六條 選擧人選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ選擧ノ日ヨリ七日以內ニ北海道廳支廳長ニ申立テ其ノ決定ニ不服アル者ハ北海道廳長官ニ訴願スルコトヲ得
北海道廳支廳長ニ於テ選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ之ヲ取消スコトヲ得但シ北海道廳長官ノ認許ヲ受クルコトヲ要ス
第二十八條 町村會議員中被選擧權ヲ有セサル者アルトキハ其ノ職ヲ失フ
前項ニ該當スル者ハ北海道廳支廳長之ヲ決定ス其ノ決定ニ不服アル者ハ北海道廳長官ニ訴願スルコトヲ得
町村會議員ハ本條ノ決定確定シ又ハ裁決アル迄職務ヲ行フコトヲ妨ケス
第二十九條 町村會議員相當ノ理由ナクシテ其ノ當選ヲ辭シ又ハ任期中退職スルトキハ町村長ハ町村會ノ議決ニ依リ北海道廳長官ノ許可ヲ經二年以內選擧權被選擧權ヲ停止シ場合ニ依リ同年期間町村稅率四分ノ一以下ヲ增加スルコトヲ得