第一條 文部省外國留學生ハ特ニ外國留學ヲ必要トスル學術技藝ヲ硏究セシメムカ爲ニ文部省直轄學校ヲ卒業シタル者又ハ文部省直轄學校敎官ノ中ニ就キ檢定ヲ行ヒ文部大臣之ヲ命ス但シ適當ト認ムル場合ニ於テハ其ノ檢定ノ全部又ハ一部ヲ省略スルコトヲ得
前項ニ揭クル者ノ外文部大臣ニ於テ適當ト認ムル者アルトキハ檢定ヲ行ヒ特ニ文部省外國留學生ヲ命スルコトヲ得
第二條 文部省外國留學生ノ硏究學科、留學國及留學期間等ハ文部大臣之ヲ指定ス
第三條 文部省外國留學生ニハ文部大臣ノ定ムル所ニ依リ一箇年金千八百圓以內ノ學資ヲ支給ス但シ學科ノ硏究上各地ヲ巡歷セシムルトキ其ノ他特別ノ事由アルトキハ特ニ相當ノ學資ヲ增給スルコトヲ得
第四條 文部省外國留學生ニハ外國旅費規則ニ依リ判任官ニ準シ旅費ヲ支給ス但シ前條但書ニ依リ巡歷硏究ノ爲學資ヲ增給シタルトキハ別ニ旅費ヲ支給セサルモノトス
第五條 文部省直轄學校敎官ニシテ文部省外國留學生ヲ命セラレタル者ハ本邦出發ノ日ヨリ歸朝ノ日マテ當該學校敎官定員ノ外ニ置キ本官ノ俸給ヲ支給セス但シ時宜ニ依リ特ニ俸給三分ノ一以內ヲ支給スルコトヲ得
前項ノ規定ハ文部省外國留學生ニシテ文部省直轄學校敎官ニ任セラレタル者ニ關シ之ヲ準用ス
第六條 文部省外國留學生ハ歸朝ノ日ヨリ其ノ留學期間ノ二倍ニ當ル期間文部大臣ノ指定スル職務ニ從事スル義務ヲ有ス
第七條 文部省外國留學生ニシテ文部大臣ノ命令ニ違背シ又ハ不都合ノ行爲アリタルトキハ文部大臣ハ其ノ支給シタル學資及旅費ヲ償還セシム文部省外國留學生タリシ者ニシテ歸朝後前條ノ義務ヲ盡ササルトキ亦同シ
前項ニ該當スル者ニシテ特別ノ事情アルトキハ學資及旅費ノ一部ノ償還ヲ免除スルコトヲ得