(文部省外国留学生規程中改正追加ノ件)

法令番号: 勅令第六十號

公布年月日: 明治36年3月27日

法令の形式: 勅令

朕文部省外國留學生規程中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム

御名御璽

明治三十六年三月二十六日

文部大臣　理學博士　男爵　菊池大麓

勅令第六十號

文部省外國留學生規程中左ノ通改正ス

第三條　文部省外國留學生ニハ別表ニ依リ往復旅費、支度料及學資ヲ支給ス但シ數箇國ヘ留學スル者ノ支度料ハ其ノ多キ額ニ依ル

別表揭記以外ノ國ニ留學スル者ニハ學資ハ年額千八百圓以內支度料ハ二百圓以內ニ於テ文部大臣之ヲ定メ其ノ往復旅費ハ外國旅費規則ニ依リ判任官ニ準シ之ヲ支給ス

第三條ノ二　文部省外國留學生本邦出發前死亡シタルトキハ支度料ノ半額ヲ支給シ其ノ出發後死亡シタルトキハ死亡地ヨリ本邦出發港迄外國旅費規則第十三條ニ依リ判任官ニ準シ旅費ヲ支給ス

第三條ノ三　文部省外國留學生旅費定額支給ノ場合ニ於テ旅行中疾病、變災其ノ他避クヘカラサル事由ニ依リ同一地ニ滯在スルコト七日ヲ超過スルトキハ其ノ超過日數ニ對シ淸韓ニ在リテハ日額金六圓其ノ他ノ外國ニ在リテハ日額金九圓五十錢ノ割合ヲ以テ別ニ旅費ヲ支給ス但シ船舶中ノ滯在ハ此ノ限ニ在ラス

第四條　文部省外國留學生學科ノ硏究上各地ヲ巡歷シ又ハ轉學スルトキ其ノ他特別ノ事由アルトキハ相當ノ學資ヲ增給スルコトヲ得

前項ノ場合ニ於テハ別ニ旅費及支度料ヲ支給セス

第七條中「學資及旅費」ヲ「旅費、支度料及學資」ニ改ム

第八條　支度料及第三條第一項ノ旅費ハ前金渡ヲ爲スコトヲ得

附　則

本令ハ明治三十六年四月一日ヨリ之ヲ施行ス

本令施行前ニ本邦ヲ出發シ若ハ轉學、歸朝ノ途ニ就キタル者ニ關シテハ其ノ旅行ヲ終ル迄舊規程ニ依ル

（別表）

朕文部省外国留学生規程中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽

明治三十六年三月二十六日

文部大臣　理学博士　男爵　菊池大麓

勅令第六十号

文部省外国留学生規程中左ノ通改正ス

第三条　文部省外国留学生ニハ別表ニ依リ往復旅費、支度料及学資ヲ支給ス但シ数箇国ヘ留学スル者ノ支度料ハ其ノ多キ額ニ依ル

別表掲記以外ノ国ニ留学スル者ニハ学資ハ年額千八百円以内支度料ハ二百円以内ニ於テ文部大臣之ヲ定メ其ノ往復旅費ハ外国旅費規則ニ依リ判任官ニ準シ之ヲ支給ス

第三条ノ二　文部省外国留学生本邦出発前死亡シタルトキハ支度料ノ半額ヲ支給シ其ノ出発後死亡シタルトキハ死亡地ヨリ本邦出発港迄外国旅費規則第十三条ニ依リ判任官ニ準シ旅費ヲ支給ス

第三条ノ三　文部省外国留学生旅費定額支給ノ場合ニ於テ旅行中疾病、変災其ノ他避クヘカラサル事由ニ依リ同一地ニ滞在スルコト七日ヲ超過スルトキハ其ノ超過日数ニ対シ清韓ニ在リテハ日額金六円其ノ他ノ外国ニ在リテハ日額金九円五十銭ノ割合ヲ以テ別ニ旅費ヲ支給ス但シ船舶中ノ滞在ハ此ノ限ニ在ラス

第四条　文部省外国留学生学科ノ研究上各地ヲ巡歴シ又ハ転学スルトキ其ノ他特別ノ事由アルトキハ相当ノ学資ヲ増給スルコトヲ得

前項ノ場合ニ於テハ別ニ旅費及支度料ヲ支給セス

第七条中「学資及旅費」ヲ「旅費、支度料及学資」ニ改ム

第八条　支度料及第三条第一項ノ旅費ハ前金渡ヲ為スコトヲ得

附　則

本令ハ明治三十六年四月一日ヨリ之ヲ施行ス

本令施行前ニ本邦ヲ出発シ若ハ転学、帰朝ノ途ニ就キタル者ニ関シテハ其ノ旅行ヲ終ル迄旧規程ニ依ル

（別表）