第一條 私立學校ハ別段ノ規定アル場合ヲ除ク外地方長官ノ監督ニ屬ス
第二條 私立學校ヲ設立セントスル者ハ監督官廳ノ認可ヲ受クヘシ
私立學校ノ廢止及設立者ノ變更ハ監督官廳ニ開申スヘシ
第三條 私立學校ニ於テハ校長若ハ學校ヲ代表シ校務ヲ掌理スル者ヲ定メ監督官廳ノ認可ヲ受クヘシ
本令中校長ニ關スル規定ハ之ヲ學校ヲ代表シ校務ヲ掌理スル者ニ適用ス
第四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ私立學校ノ校長又ハ敎員ト爲ルコトヲ得ス
一 重罪ヲ犯シタル者但シ國事犯ニシテ復權シタル者ハ此ノ限ニ在ラス
三 破產若ハ家資分散ノ宣吿ヲ受ケ復權セサル者又ハ身代限ノ處分ヲ受ケ債務ノ辨償ヲ終ヘサル者
四 懲戒ニ依リ免職ニ處セラレ二箇年ヲ經過セス又ハ懲戒ヲ免除セラレサル者
五 敎員免許狀褫奪ノ處分ヲ受ケ二箇年ヲ經過セサル者
第五條 私立學校ノ敎員ハ相當學校ノ敎員免許狀ヲ有スル者ヲ除ク外其ノ學力及國語ニ通達スルコトヲ證明シ小學校、盲啞學校及小學校ニ類スル各種學校ノ敎員ニ在リテハ地方長官其ノ他ニ在リテハ文部大臣ノ認可ヲ受クヘシ但シ專ラ外國語、專門學科又ハ特種ノ技術ヲ敎授スル敎員及專ラ外國人ヲ入學セシムル爲ニ設立シタル學校ノ敎員ハ國語ニ通達スルコトヲ證明スルコトヲ要セス
第六條 前條ノ證明ヲ不充分ト認メタルトキハ監督官廳ハ本人ノ志望ニ依リ試驗ヲ施スコトアルヘシ
第七條 私立學校ノ校長又ハ敎員ニシテ不適當ナリト認メタルトキハ監督官廳ハ其ノ與ヘタル認可ヲ取消スコトヲ得
第八條 私立學校ニ於テハ公立學校ニ代用スル私立小學校ヲ除ク外學齡兒童ニシテ未タ就學ノ義務ヲ了ラサル者ヲ入學セシムルコトヲ得ス但シ小學校令第二十一條及第二十二條ニ依リ市町村長ノ許可ヲ受ケタル兒童ヲ入學セシムルハ此ノ限ニ在ラス
第九條 私立學校ノ設備授業及其ノ他ノ事項ニシテ敎育上有害ナリト認メタルトキハ監督官廳ハ之カ變更ヲ命スルコトヲ得
第十條 左ノ場合ニ於テハ監督官廳ハ私立學校ノ閉鎖ヲ命スルコトヲ得
二 安寧秩序ヲ紊亂シ又ハ風俗ヲ壞亂スルノ虞アルトキ
四 第九條ニ依リ監督官廳ノ爲セル命令ニ違反シタルトキ
第十一條 監督官廳ニ於テ學校ノ事業ヲ爲スモノト認メタルトキハ其ノ旨ヲ關係者ニ通吿シ本令ノ規定ニ依ラシムヘシ
第十二條 第十條ニ依ル處分ニ對シテハ訴願法ニ依リ訴願スルコトヲ得
第十三條 第十一條ノ通吿ヲ受ケ第二條第一項ノ手續ヲ爲ササル者及第二條第二項ノ規定ニ違反シタル者竝第十條ニ依リ閉鎖ヲ命セラレタル後尙私立學校ヲ繼續スル者ハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十四條 第三條又ハ第五條ノ認可ヲ得スシテ私立學校ノ校長又ハ敎員タル者及第七條ニ依リ認可ヲ取消サレタル後尙私立學校ノ校長又ハ敎員タル者ハ三十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十五條 第八條ニ違反シタル者ハ二十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十七條 文部大臣ハ本令施行ノ爲必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得