第一條 工業上ノ物品ニ應用スヘキ形狀、模樣、色彩又ハ其ノ結合ニ係ル新規ノ意匠ヲ按出シタル者若ハ其ノ承繼人ハ此ノ法律ニ依リ意匠ノ登錄ヲ受ケ之ヲ專用スルコトヲ得
第三條 意匠專用ノ年限ハ十年トシ原簿登錄ノ日ヨリ起算ス但シ類似意匠ノ專用年限ハ原意匠ノ有效年限ニ伴フ
第四條 意匠ノ專用ハ農商務大臣ノ定ムル類別ニ從ヒ出願人ノ指定シタル物品ニ限ル
第五條 他人ノ委託又ハ雇主ノ費用ヲ以テ按出シタル意匠ニ係ル登錄出願ノ權利ハ其ノ委託者若ハ雇主ニ屬ス但シ別ニ契約アル場合ニ於テハ此ノ限ニアラス
第六條 意匠專用權ハ制限ヲ付シ若ハ付セスシテ讓渡シ若ハ共有ト爲シ又ハ質權ノ目的ト爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ特許局ニ請求シ其ノ登錄ヲ受クルニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ス
類似意匠ヲ所有スル者ハ其ノ類似意匠ト共ニ讓渡シ共有ト爲シ又ハ質權ノ目的ト爲スニ非サレハ前項ノ登錄ヲ受クルコトヲ得ス
第七條 特許局ノ官吏ハ在職中意匠專用權ヲ有スルコトヲ得ス但シ相續ニ因リ之ヲ取得シ又ハ在職前ヨリ之ヲ有スルトキハ此ノ限ニアラス
第八條 意匠ノ登錄ヲ受ケントスル者ハ一意匠每ニ其ノ意匠ヲ應用スヘキ物品ヲ明記シ雛形、見本若ハ圖面ヲ添ヘ特許局長ニ出願スヘシ
特許局長ハ出願者ニ對シ雛形、見本、圖面、說明書ノ提出ヲ命スルコトヲ得
第九條 二人以上同一又ハ相類似スル意匠ノ登錄ヲ出願スル者アルトキハ出願ノ先ナルモノヲ登錄ス其ノ同時ノ出願ニ係ルモノハ共ニ之ヲ登錄セス但シ出願者共有ノ目的ヲ以テ連名登錄ノ申出ヲ爲シタルトキ又ハ出願者一人ト爲リタルトキハ此ノ限ニアラス
第十條 工業所有權保護同盟條約國ニ於テ意匠登錄ヲ出願シタル者四箇月以內ニ同一意匠ニ付登錄ヲ出願スルトキハ其ノ出願ハ最初出願ノ日ニ於テ之ヲ爲シタルト同一ノ效力ヲ有ス
第十一條 登錄ヲ受ケタル意匠ニシテ第一條第二條第五條又ハ第九條ニ違反シタルモノナルトキハ其ノ登錄ヲ無效トス
第十二條 登錄ヲ受ケタル意匠ニシテ左ノ場合ニ該當スルモノアルトキハ特許局長ニ於テ其ノ登錄ヲ取消スコトヲ得
一 意匠登錄證主意匠料納付期限後六十日ヲ經過シ仍其ノ納付ヲ怠リタルトキ
二 意匠登錄證主正當ノ事故ナクシテ六箇月以上第二十二條ニ依ル特許法第六條ノ代理人ヲ置カサルトキ
第十三條 意匠登錄證主ハ意匠料トシテ各意匠ニ付第一年ヨリ第三年マテハ每年金三圓第四年ヨリ第六年マテハ每年金五圓第七年ヨリ第十年マテハ每年金七圓ヲ納ムヘシ
類似意匠ノ登錄ヲ受ケタルトキハ各類似意匠ニ付一時ニ金三圓ヲ納ムヘシ
第十四條 意匠料ハ每年一年分ヲ登錄證ノ日付ニ應當スル日ニ於テ前納スヘシ第一年ニ係ルモノ及前條第二項ノ意匠料ハ登錄査定書到達ノ日ヨリ六十日以內ニ之ヲ納ムヘシ
前納シタル意匠料ハ之ヲ還付セス但シ一時ニ二年分以上ノ意匠料ヲ納付シタル場合ニ於テハ未タ其ノ納付期限ニ到ラサルモノニ限リ之ヲ還付ス
第十五條 意匠登錄證主ハ其ノ意匠ヲ應用シタル物品ニ意匠登錄ノ標記ヲ付スヘシ
第十六條 證人又ハ鑑定人ニシテ特許局又ハ囑託ヲ受ケタル裁判所ニ對シ僞證又ハ詐僞ノ鑑定ヲ爲シタルトキハ一月以上一年以下ノ重禁錮ニ處シ五圓以上五十圓以下ノ罰金ヲ附加ス
賄賂其ノ他ノ方法ヲ以テ人ニ囑託シ僞證又ハ詐僞ノ鑑定ヲ爲サシメタル者ハ罰前項ニ同シ
前二項ノ罪ヲ犯シタル者其ノ事件ノ査定若ハ審決ニ至ラサル前特許局又ハ囑託ヲ受ケタル裁判所ニ自首シタルトキハ本刑ヲ免ス
第十七條 他人ノ登錄意匠ヲ摸擬シタル者又ハ情ヲ知リテ其ノ摸擬シタル物品ヲ販賣シタル者ハ十五日以上一年以下ノ重禁錮又ハ十圓以上二百圓以下ノ罰金ニ處ス
他人ノ登錄意匠ヲ侵害スヘキ物品ナルコトヲ知リ之ヲ外國ヨリ輸入シタル者又ハ情ヲ知リテ其ノ物品ヲ販賣シタル者ハ罰前項ニ同シ
第十八條 前條ノ場合ニ於テ沒收シタル物件ハ之ヲ意匠登錄證主ニ給付ス
第十九條 詐僞ノ所爲ヲ以テ意匠ノ登錄ヲ受ケタル者又ハ登錄ヲ受ケサル意匠ヲ應用シタル物品ニ登錄標記ヲ付シ若ハ之ニ紛ハシキ表示ヲ爲シタル者又ハ情ヲ知リテ其ノ物品ヲ販賣シタル者ハ十五日以上六月以下ノ重禁錮又ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
登錄ヲ受ケサル意匠ヲ應用シタル物品ヲ販賣スル爲廣吿、看板、引札等ニ於テ其ノ意匠ノ登錄ヲ受ケタルニ紛ハシキ表示ヲ爲シタル者ハ罰前項ニ同シ
第二十條 第十七條ノ犯罪ハ被害者ノ吿訴ヲ待テ其ノ罪ヲ論ス
第二十一條 意匠登錄證主登錄標記ヲ付スルコトヲ怠リタルトキハ其ノ登錄意匠タルコトヲ知リテ其ノ權利ヲ侵害シタル者ニ對シテノミ要償ノ訴ヲ爲スコトヲ得
第二十二條 特許法第六條乃至第十條第十二條第十三條第十五條第二十一條第二十三條第二十八條乃至第三十七條第四十三條及第五十一條ノ規定ハ意匠ニ關シテ之ヲ準用ス