第一條 農工銀行法ニ依リ設立スル農工銀行ノ營業ヲ補助スル爲政府ハ豫算ニ定ムル所ニ從ヒ其ノ營業區域ヲ管轄スル府縣(沖繩縣ヲ除ク)ニ其ノ株式引受資金ヲ交付ス
前項ノ交付金額ハ該府縣ノ宅地鑛泉地池沼ヲ除キ有租地段別百町ニ付七十圓以內トス但シ如何ナル場合ニ於テモ一府縣ニ交付スル總額三十萬圓ヲ超過シ又ハ農工銀行拂込資本金ノ三分ノ一ヲ超過スルコトヲ得ス
第二條 北海道及沖繩縣ニ設立スル農工銀行ノ營業ヲ補助スル爲其ノ創立初季ヨリ十箇年ヲ限リ政府ハ豫算ニ定ムル所ニ從ヒ北海道ノ農工銀行ニ二萬五千圓以內沖繩縣ノ農工銀行ニ五千圓以內ヲ每年交付ス但シ農工銀行ノ拂込資本金額ニ對シ一箇年百分ノ五ノ割合ヲ超過スルコトヲ得ス
第三條 府縣ハ第一條ノ交付金ヲ農工銀行ノ株式引受ニ供スルノ外他ニ使用スルコトヲ得ス
第四條 此ノ法律ニ依リ府縣ノ引受ケタル株式ニ對シテハ農工銀行ハ其ノ創立初季ヨリ五箇年間ハ利益配當ヲ爲スコトヲ要セス
前項ノ期限經過後仍五箇年間ハ農工銀行ハ前項府縣引受ノ株式ニ對スル配當金ヲ悉皆準備金ニ繰入ルヘシ
第五條 農工銀行ハ前條ノ期限ヲ經過シタル後ハ此ノ法律ニ依リ府縣ノ引受ケタル株式ニ對シ他ノ株式ト同一ノ利益配當ヲ爲スヘシ
第六條 府縣ハ此ノ法律ニ依リ其ノ引受ケタル農工銀行ノ株式ヲ離權スルコトヲ得ス但シ第七條ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
第七條 農工銀行創立初季ヨリ十箇年經過ノ後府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經內務大臣及大藏大臣ノ認可ヲ得テ此ノ法律ニ依リ引受ケタル農工銀行ノ株式ヲ市町村ニ交付スルコトヲ得
市町村ハ前項ニ依リ交付セラレタル農工銀行ノ株式ヲ基本財產ト爲スヘシ