朕遞信省官制ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十月三十日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
遞信大臣 伯爵 黑田淸隆
勅令第百四十九號
遞信省官制
第一條 遞信大臣ハ鐵道、郵便、電信、船舶、海員、航路、航路標識、郵便爲替及郵便貯金ニ關スル事務ヲ管理シ水陸運輸及電氣事業ヲ監督ス
第二條 遞信省專任參事官ハ三人專任書記官ハ五人ヲ以テ定員トス
第三條 遞信省ニ左ノ三局ヲ置ク
鐵道局
通信局
管船局
第四條 鐵道局長、通信局長及管船局長ハ勅任トス
鐵道局長ハ鐵道技監ヲシテ之ヲ兼ネシム
第五條 鐵道局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 官設鐵道ノ敷設、保存及運輸ニ關スル事項
二 私設鐵道ノ許否及監督ニ關スル事項
三 官設鐵道ノ歲入、歲出、豫算、決算、出納竝需用物品購買、保管及出納ニ關スル事項
第六條 通信局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 郵便、小包郵便、郵便爲替及郵便貯金ニ關スル事項
二 電信、電話及其ノ建設保存ニ關スル事項
三 陸運及電氣事業ノ監督ニ關スル事項
第七條 管船局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 船舶、海員、航路標識及內外航路ニ關スル事項
二 水運及保護海事會社ノ監督ニ關スル事項
第八條 遞信省ニ鐵道技監二人ヲ置ク鐵道局ニ屬シ鐵道技術官ヲ指揮監督シ鐵道事業ヲ掌理ス
第九條 遞信省ニ鐵道事務官七人ヲ置ク奏任トス鐵道局ニ屬シ其ノ事務ヲ分掌ス
第十條 遞信省ニ專任技師五人專任鐵道技師十八人ヲ置ク
第十一條 遞信省屬ハ二百六十四人ヲ以テ定員トス
第十二條 遞信省ニ鐵道書記四百三十三人ヲ置ク判任トス鐵道局ニ屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ事務ニ從事ス
第十三條 遞信省技手ハ三十三人鐵道技手ハ百二十一人ヲ以テ定員トス
第十四條 遞信省ニ鐵道書記補二百七十人ヲ置ク判任トス鐵道局ニ屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ鐵道書記ノ事務ヲ助ク
第十五條 遞信大臣ハ必要ナリト認ムル地ニ鐵道事務取扱ノ部所ヲ置キ鐵道局員ヲ分派スルコトヲ得
附 則
第十六條 本令ハ明治二十六年十一月十日ヨリ施行ス
朕逓信省官制ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十月三十日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
逓信大臣 伯爵 黒田清隆
勅令第百四十九号
逓信省官制
第一条 逓信大臣ハ鉄道、郵便、電信、船舶、海員、航路、航路標識、郵便為替及郵便貯金ニ関スル事務ヲ管理シ水陸運輸及電気事業ヲ監督ス
第二条 逓信省専任参事官ハ三人専任書記官ハ五人ヲ以テ定員トス
第三条 逓信省ニ左ノ三局ヲ置ク
鉄道局
通信局
管船局
第四条 鉄道局長、通信局長及管船局長ハ勅任トス
鉄道局長ハ鉄道技監ヲシテ之ヲ兼ネシム
第五条 鉄道局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 官設鉄道ノ敷設、保存及運輸ニ関スル事項
二 私設鉄道ノ許否及監督ニ関スル事項
三 官設鉄道ノ歳入、歳出、予算、決算、出納並需用物品購買、保管及出納ニ関スル事項
第六条 通信局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 郵便、小包郵便、郵便為替及郵便貯金ニ関スル事項
二 電信、電話及其ノ建設保存ニ関スル事項
三 陸運及電気事業ノ監督ニ関スル事項
第七条 管船局ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 船舶、海員、航路標識及内外航路ニ関スル事項
二 水運及保護海事会社ノ監督ニ関スル事項
第八条 逓信省ニ鉄道技監二人ヲ置ク鉄道局ニ属シ鉄道技術官ヲ指揮監督シ鉄道事業ヲ掌理ス
第九条 逓信省ニ鉄道事務官七人ヲ置ク奏任トス鉄道局ニ属シ其ノ事務ヲ分掌ス
第十条 逓信省ニ専任技師五人専任鉄道技師十八人ヲ置ク
第十一条 逓信省属ハ二百六十四人ヲ以テ定員トス
第十二条 逓信省ニ鉄道書記四百三十三人ヲ置ク判任トス鉄道局ニ属シ上官ノ指揮ヲ承ケ其ノ事務ニ従事ス
第十三条 逓信省技手ハ三十三人鉄道技手ハ百二十一人ヲ以テ定員トス
第十四条 逓信省ニ鉄道書記補二百七十人ヲ置ク判任トス鉄道局ニ属シ上官ノ指揮ヲ承ケ鉄道書記ノ事務ヲ助ク
第十五条 逓信大臣ハ必要ナリト認ムル地ニ鉄道事務取扱ノ部所ヲ置キ鉄道局員ヲ分派スルコトヲ得
附 則
第十六条 本令ハ明治二十六年十一月十日ヨリ施行ス