朕官立學校及圖書館會計規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年三月二十七日
內閣總理大臣 伯爵 山縣有朋
大藏大臣 伯爵 松方正義
文部大臣 子爵 榎本武揚
農商務大臣 岩村通俊
勅令第五十三號
官立學校及圖書館會計規則
第一章 資金
第一條 資金ヲ分テ左ノ二種トス
第一 維持資金
第二 特別資金
維持資金ヨリ生スル利子其他ノ收入ハ學校一般ノ經費ニ充ツルモノトス
特別資金ヨリ生スル利子其他ノ收入ハ特定ノ用途ニ充テ其殘餘ハ該資金ノ增殖ニ充ツルモノトス
第二條 資金ハ所管大臣之ヲ管理スヘシ
第三條 資金ハ之ヲ支消スルコトヲ得ス但特別資金ニ限リ用途指定者ノ同意ヲ以テ元金ヲ使用スルコトヲ得
第四條 資金ニ屬スル現金ハ總テ預金局ニ寄托スヘシ
第五條 資金ニ屬スル現金ヲ以テ不動產公債證書其他ノ證券ニ換ヘ又ハ資金ニ屬スル不動產公債證書其他ノ證券ヲ離權シ又ハ他ノ不動產公債證書其他ノ證券ニ換ヘントスルトキハ所管大臣ハ大藏大臣ニ協議シテ之ヲ定ムヘシ但寄付ニ係ル不動產ハ寄付者ノ承諾ヲ得ルニアラサレハ離權スルコトヲ得ス
第六條 資金ニ屬スル現金ノ會計ハ別途ノ歲入歲出トシテ之ヲ整理スヘシ
第二章 歲入歲出
第七條 左ノ諸收入ヲ以テ學校ノ經常歲入トス
第一 政府ノ支出金
第二 授業料及試驗料
第三 寄付金
第四 公債證書及諸證券ノ利子又ハ配當金
第五 土地家屋ノ貸付料
第六 實驗用生產品賣拂代
第七 雜收入
第八條 左ノ諸費ヲ以テ學校ノ經常歲出トス
第一 敎員事務員ノ俸給諸給及旅費
第二 學術用器具器械圖書及標本費
第三 授業費及試驗費
第四 奬學費
第五 生徒費
第六 事務所費
第七 營繕費
第八 雜支出
第九條 左ノ諸收入ヲ以テ圖書館ノ經常歲入トス
第一 政府ノ支出金
第二 書籍借覽料
第三 寄附金
第四 公債證書及諸證券ノ利子又ハ配當金
第五 土地家屋ノ貸付料
第六 雜收入
第十條 左ノ諸費ヲ以テ圖書館ノ經常歲出トス
第一 事務員ノ俸給諸給及旅費
第二 圖書費
第三 閱覽室費
第四 事務所費
第五 營繕費
第六 雜支出
第十一條 經常歲出ハ經常歲入ヲ以テ之ヲ支辨スヘシ臨時ノ歲出ニ充ツル所ノ財源ハ其都度之ヲ定ム
第三章 豫算決算
第十二條 歲入歲出豫定計算書ハ所管大臣之ヲ調製シ前年度六月三十日マテニ各省豫定經費要求書ト俱ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
第十三條 所管大臣ハ其年三月三十一日現在ノ資金明細目錄ヲ調製シ每年度ノ豫算ニ添付スヘシ
第十四條 歲入歲出ノ決定計算書ハ所管大臣之ヲ調製シ翌年度八月三十一日マテニ之ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
第十五條 歲入歲出ノ豫定計算書及決定計算書ハ款項ニ區分シ成ルヘク歲入ノ性質歲出ノ用途ヲ明示スヘシ
第十六條 經費ノ所要ヲ明ニスル爲メ款項ノ金額ヲ細分シタル豫算明細書及決算明細書ヲ調製シ豫定計算書又ハ決定計算書ニ添付スヘシ
第四章 收入支出
第十七條 歲入歲出ノ豫算ハ決定ノ後所管大臣學校長若クハ圖書館長ニ命シテ之ヲ執行セシムヘシ
第十八條 學校及圖書館會計主任ノ官吏ハ收入官吏トシテ會計規則第二十五條第二十六條第二十八條若クハ第二十九條ノ手續ニ依リ學校又ハ圖書館ノ收入ヲ取扱ヒ學校長又ハ圖書館長之ヲ監督スヘシ
第十九條 學校長又ハ圖書館長ハ經費ヲ支出スル爲メ仕拂命令官ノ責任ヲ以テ金庫ニ向ヒテ仕拂請求書ヲ發スヘシ
第二十條 學校長又ハ圖書館長ハ正當債主若クハ其代理人ノ爲メニスルニアラサレハ仕拂請求書ヲ發スルコトヲ得ス
在外國人又ハ學術研究旅行者ニ物品ノ購買ヲ委托スル場合ニ於テハ其委托ヲナシタル在外國人又ハ旅行者ヲ請取人トシテ仕拂請求書ヲ發シ槪算ヲ以テ現金ヲ交付スルコトヲ得
學術試驗品標本品購入費奬學費生徒費事務所費ニ限リ所管大臣ノ定ムル所ニ依リ身元保證金額ノ二倍ヲ極度トシ學校會計主任ノ官吏ニ現金ノ前渡ヲナスコトヲ得
所管大臣ハ前項ニ依リ現金前渡ヲナスヘキ費目及金額ヲ定メタルトキハ之ヲ大藏大臣ニ通知スヘシ
第二十一條 學校長又ハ圖書館長ハ總テ仕拂請求書ヲ發スル前其支出ハ正當ニシテ必要ナルヤヲ調査シ其金額ヲ算定シ又其支出ハ豫算ニ違フコトナキヤ支出科目及所屬年度ヲ誤ルコトナキヤヲ調査スヘシ
第二十二條 學校長又ハ圖書館長ハ歲出豫算明細書ニ定メタル費目ノ彼是流用ヲ要スルトキハ所管大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第二十三條 仕拂請求書ニハ受取人ノ氏名(槪算渡現金前渡ノ場合ニハ受取人ノ資格トモ)仕拂ヲ要スル金額支出科目年度番號支出ノ目的ヲ記載スヘシ但俸給生徒給與ニ限リ集合仕拂請求書トシテ別ニ各受取人ノ金額氏名表ヲ添ユルコトヲ得
第二十四條 學校長又ハ圖書館長ノ發シタル仕拂請求書取扱ノ手續ハ會計規則第三十五條第三十六條第三十八條仕拂命令取扱ノ例ニ依ル
第二十五條 各年度ノ歲出ニ屬スル仕拂請求書ヲ發スルハ翌年度四月三十日ヲ限リトス
第二十六條 現金前渡ヲ受ケタル官吏監督ノ規則ハ大藏大臣所管大臣ニ協議シテ之ヲ定ムヘシ
第二十七條 金庫ニ於テ仕拂請求書ニ對シテ仕拂ヲ執行シ又ハ之ヲ拒絕スルハ會計規則第四十三條第四十五條第四十六條仕拂命令取扱ノ例ニ依ル
第二十八條 收入官吏ハ其收入ヲ記入スル帳簿ノ結果ニ據リ每月收入報吿書ヲ調製シ參照書類ヲ添ヘ翌月五日マテニ所管大臣ヲ經由シテ之ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
第二十九條 會計主務官ハ其支出ヲ記入スル帳簿ノ結果ニ據リ每月支出調定濟報吿書ヲ調製シ參照書類ヲ添ヘ翌月五日マテニ所管大臣ヲ經由シテ之ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
第五章 年度繰越歲入殘餘
第三十條 每年度內ニ於テ仕拂フヘキ義務ヲ生シ債主ノ支出請求ナキカ若クハ事故アリテ翌年度四月三十日マテニ仕拂請求書ヲ發セサルモノ及仕拂請求書ヲ發シタルモ同日マテニ金庫ニ於テ仕拂請求ヲ受ケサルモノハ支出未濟又ハ仕拂未濟トシテ翌年度ニ繰越シ計算ヲナスヘシ
第三十一條 工事又ハ製造費ニシテ年度內ニ仕拂義務ヲ生セス仕拂請求書ヲ發スルニ至ラサリシモノハ之ヲ翌年度ニ繰越スコトヲ得
第三十二條 所管大臣ハ學校又ハ圖書館ノ經費ヲ繰越サントスルトキハ年度經過後一箇月以內ニ繰越計算書ヲ作リ必要ノ參照書類ヲ添ヘ大藏大臣ノ承認ヲ經ヘシ
第三十三條 大藏大臣ハ前條繰越ヲ承認シタルトキハ之ヲ會計檢査院ニ通知スヘシ
第三十四條 特ニ用途ヲ指定シタル寄付金ニシテ別途整理ヲ要スルモノヽ每年度內ニ仕拂請求書ヲ發スルニ至ラサリシ殘額ハ總テ翌年度ヘ繰越シ使用スヘシ其仕拂請求書ヲ發シテ年度內ニ金庫ニ於テ仕拂ヲ終ラサリシモノハ第三十條仕拂未濟金整理ノ例ニ依ル但本條ノ支出殘額及仕拂未濟金ハ寄付者ノ同意ヲ得テ資金トナスコトヲ得
第三十五條 第三十條ニ依リ繰越シタル支出未濟及仕拂未濟ノ金額ニシテ會計法第十八條ニ依リ期滿免除トナリタルモノハ總テ資金ニ組入ルヘシ
第三十六條 每年度ノ歲入中仕拂濟額及繰越額ヲ扣除シタル殘餘ハ總テ資金ニ組入ルヘシ
第六章 工事及物件ノ賣買貸借
第三十七條 工事及物件ノ賣買貸借ニ關スル規則ハ會計規則第七章ノ例ニ依ル
第七章 出納官吏
第三十八條 出納官吏ニ關スル規則ハ會計規則第八章ノ例ニ依ル
第八章 帳簿
第三十九條 大藏省ハ各學校圖書館會計ノ主計簿ヲ備ヘ歲入ノ豫算額確定額收入濟額收入未濟額歲出ノ豫算額確定額支出濟額支出未濟額ヲ登記スヘシ
第四十條 收入官吏ハ收入簿ヲ備ヘ歲入ノ豫算額確定額收入濟額收入未濟額ヲ登記スヘシ
第四十一條 會計主務官ハ支出簿ヲ備ヘ歲出ノ豫算額確定額支出調定濟額支出調定未濟額ヲ登記スヘシ
第四十二條 會計主任ノ官吏ハ現金出納簿ヲ備ヘ一切其取扱タル現金ノ出納ヲ登記スヘシ
第九章 雜則
第四十三條 本規則ニ依リ出納官吏ヨリ會計檢査院ニ提出スル所ノ證明書ニ關スル規程樣式ハ會計檢査院ニ於テ之ヲ定ムヘシ
第四十四條 前條ノ外本規則ニ揭クル諸書類帳簿ノ樣式ハ大藏大臣之ヲ定ムヘシ
第四十五條 所管大臣ハ部下ノ高等官ヲ以テ學校會計監理官トシ學校ノ會計ヲ監督セシムヘシ
第四十六條 本規則ハ明治二十三年四月會計法施行ノ日ヨリ施行ス
本規則ト牴觸スル命令ハ總テ本規則施行ノ日ヨリ廢止ス
朕官立学校及図書館会計規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年三月二十七日
内閣総理大臣 伯爵 山県有朋
大蔵大臣 伯爵 松方正義
文部大臣 子爵 榎本武揚
農商務大臣 岩村通俊
勅令第五十三号
官立学校及図書館会計規則
第一章 資金
第一条 資金ヲ分テ左ノ二種トス
第一 維持資金
第二 特別資金
維持資金ヨリ生スル利子其他ノ収入ハ学校一般ノ経費ニ充ツルモノトス
特別資金ヨリ生スル利子其他ノ収入ハ特定ノ用途ニ充テ其残余ハ該資金ノ増殖ニ充ツルモノトス
第二条 資金ハ所管大臣之ヲ管理スヘシ
第三条 資金ハ之ヲ支消スルコトヲ得ス但特別資金ニ限リ用途指定者ノ同意ヲ以テ元金ヲ使用スルコトヲ得
第四条 資金ニ属スル現金ハ総テ預金局ニ寄托スヘシ
第五条 資金ニ属スル現金ヲ以テ不動産公債証書其他ノ証券ニ換ヘ又ハ資金ニ属スル不動産公債証書其他ノ証券ヲ離権シ又ハ他ノ不動産公債証書其他ノ証券ニ換ヘントスルトキハ所管大臣ハ大蔵大臣ニ協議シテ之ヲ定ムヘシ但寄付ニ係ル不動産ハ寄付者ノ承諾ヲ得ルニアラサレハ離権スルコトヲ得ス
第六条 資金ニ属スル現金ノ会計ハ別途ノ歳入歳出トシテ之ヲ整理スヘシ
第二章 歳入歳出
第七条 左ノ諸収入ヲ以テ学校ノ経常歳入トス
第一 政府ノ支出金
第二 授業料及試験料
第三 寄付金
第四 公債証書及諸証券ノ利子又ハ配当金
第五 土地家屋ノ貸付料
第六 実験用生産品売払代
第七 雑収入
第八条 左ノ諸費ヲ以テ学校ノ経常歳出トス
第一 教員事務員ノ俸給諸給及旅費
第二 学術用器具器械図書及標本費
第三 授業費及試験費
第四 奨学費
第五 生徒費
第六 事務所費
第七 営繕費
第八 雑支出
第九条 左ノ諸収入ヲ以テ図書館ノ経常歳入トス
第一 政府ノ支出金
第二 書籍借覧料
第三 寄附金
第四 公債証書及諸証券ノ利子又ハ配当金
第五 土地家屋ノ貸付料
第六 雑収入
第十条 左ノ諸費ヲ以テ図書館ノ経常歳出トス
第一 事務員ノ俸給諸給及旅費
第二 図書費
第三 閲覧室費
第四 事務所費
第五 営繕費
第六 雑支出
第十一条 経常歳出ハ経常歳入ヲ以テ之ヲ支弁スヘシ臨時ノ歳出ニ充ツル所ノ財源ハ其都度之ヲ定ム
第三章 予算決算
第十二条 歳入歳出予定計算書ハ所管大臣之ヲ調製シ前年度六月三十日マテニ各省予定経費要求書ト俱ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
第十三条 所管大臣ハ其年三月三十一日現在ノ資金明細目録ヲ調製シ毎年度ノ予算ニ添付スヘシ
第十四条 歳入歳出ノ決定計算書ハ所管大臣之ヲ調製シ翌年度八月三十一日マテニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
第十五条 歳入歳出ノ予定計算書及決定計算書ハ款項ニ区分シ成ルヘク歳入ノ性質歳出ノ用途ヲ明示スヘシ
第十六条 経費ノ所要ヲ明ニスル為メ款項ノ金額ヲ細分シタル予算明細書及決算明細書ヲ調製シ予定計算書又ハ決定計算書ニ添付スヘシ
第四章 収入支出
第十七条 歳入歳出ノ予算ハ決定ノ後所管大臣学校長若クハ図書館長ニ命シテ之ヲ執行セシムヘシ
第十八条 学校及図書館会計主任ノ官吏ハ収入官吏トシテ会計規則第二十五条第二十六条第二十八条若クハ第二十九条ノ手続ニ依リ学校又ハ図書館ノ収入ヲ取扱ヒ学校長又ハ図書館長之ヲ監督スヘシ
第十九条 学校長又ハ図書館長ハ経費ヲ支出スル為メ仕払命令官ノ責任ヲ以テ金庫ニ向ヒテ仕払請求書ヲ発スヘシ
第二十条 学校長又ハ図書館長ハ正当債主若クハ其代理人ノ為メニスルニアラサレハ仕払請求書ヲ発スルコトヲ得ス
在外国人又ハ学術研究旅行者ニ物品ノ購買ヲ委托スル場合ニ於テハ其委托ヲナシタル在外国人又ハ旅行者ヲ請取人トシテ仕払請求書ヲ発シ概算ヲ以テ現金ヲ交付スルコトヲ得
学術試験品標本品購入費奨学費生徒費事務所費ニ限リ所管大臣ノ定ムル所ニ依リ身元保証金額ノ二倍ヲ極度トシ学校会計主任ノ官吏ニ現金ノ前渡ヲナスコトヲ得
所管大臣ハ前項ニ依リ現金前渡ヲナスヘキ費目及金額ヲ定メタルトキハ之ヲ大蔵大臣ニ通知スヘシ
第二十一条 学校長又ハ図書館長ハ総テ仕払請求書ヲ発スル前其支出ハ正当ニシテ必要ナルヤヲ調査シ其金額ヲ算定シ又其支出ハ予算ニ違フコトナキヤ支出科目及所属年度ヲ誤ルコトナキヤヲ調査スヘシ
第二十二条 学校長又ハ図書館長ハ歳出予算明細書ニ定メタル費目ノ彼是流用ヲ要スルトキハ所管大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第二十三条 仕払請求書ニハ受取人ノ氏名(概算渡現金前渡ノ場合ニハ受取人ノ資格トモ)仕払ヲ要スル金額支出科目年度番号支出ノ目的ヲ記載スヘシ但俸給生徒給与ニ限リ集合仕払請求書トシテ別ニ各受取人ノ金額氏名表ヲ添ユルコトヲ得
第二十四条 学校長又ハ図書館長ノ発シタル仕払請求書取扱ノ手続ハ会計規則第三十五条第三十六条第三十八条仕払命令取扱ノ例ニ依ル
第二十五条 各年度ノ歳出ニ属スル仕払請求書ヲ発スルハ翌年度四月三十日ヲ限リトス
第二十六条 現金前渡ヲ受ケタル官吏監督ノ規則ハ大蔵大臣所管大臣ニ協議シテ之ヲ定ムヘシ
第二十七条 金庫ニ於テ仕払請求書ニ対シテ仕払ヲ執行シ又ハ之ヲ拒絶スルハ会計規則第四十三条第四十五条第四十六条仕払命令取扱ノ例ニ依ル
第二十八条 収入官吏ハ其収入ヲ記入スル帳簿ノ結果ニ拠リ毎月収入報告書ヲ調製シ参照書類ヲ添ヘ翌月五日マテニ所管大臣ヲ経由シテ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
第二十九条 会計主務官ハ其支出ヲ記入スル帳簿ノ結果ニ拠リ毎月支出調定済報告書ヲ調製シ参照書類ヲ添ヘ翌月五日マテニ所管大臣ヲ経由シテ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
第五章 年度繰越歳入残余
第三十条 毎年度内ニ於テ仕払フヘキ義務ヲ生シ債主ノ支出請求ナキカ若クハ事故アリテ翌年度四月三十日マテニ仕払請求書ヲ発セサルモノ及仕払請求書ヲ発シタルモ同日マテニ金庫ニ於テ仕払請求ヲ受ケサルモノハ支出未済又ハ仕払未済トシテ翌年度ニ繰越シ計算ヲナスヘシ
第三十一条 工事又ハ製造費ニシテ年度内ニ仕払義務ヲ生セス仕払請求書ヲ発スルニ至ラサリシモノハ之ヲ翌年度ニ繰越スコトヲ得
第三十二条 所管大臣ハ学校又ハ図書館ノ経費ヲ繰越サントスルトキハ年度経過後一箇月以内ニ繰越計算書ヲ作リ必要ノ参照書類ヲ添ヘ大蔵大臣ノ承認ヲ経ヘシ
第三十三条 大蔵大臣ハ前条繰越ヲ承認シタルトキハ之ヲ会計検査院ニ通知スヘシ
第三十四条 特ニ用途ヲ指定シタル寄付金ニシテ別途整理ヲ要スルモノヽ毎年度内ニ仕払請求書ヲ発スルニ至ラサリシ残額ハ総テ翌年度ヘ繰越シ使用スヘシ其仕払請求書ヲ発シテ年度内ニ金庫ニ於テ仕払ヲ終ラサリシモノハ第三十条仕払未済金整理ノ例ニ依ル但本条ノ支出残額及仕払未済金ハ寄付者ノ同意ヲ得テ資金トナスコトヲ得
第三十五条 第三十条ニ依リ繰越シタル支出未済及仕払未済ノ金額ニシテ会計法第十八条ニ依リ期満免除トナリタルモノハ総テ資金ニ組入ルヘシ
第三十六条 毎年度ノ歳入中仕払済額及繰越額ヲ扣除シタル残余ハ総テ資金ニ組入ルヘシ
第六章 工事及物件ノ売買貸借
第三十七条 工事及物件ノ売買貸借ニ関スル規則ハ会計規則第七章ノ例ニ依ル
第七章 出納官吏
第三十八条 出納官吏ニ関スル規則ハ会計規則第八章ノ例ニ依ル
第八章 帳簿
第三十九条 大蔵省ハ各学校図書館会計ノ主計簿ヲ備ヘ歳入ノ予算額確定額収入済額収入未済額歳出ノ予算額確定額支出済額支出未済額ヲ登記スヘシ
第四十条 収入官吏ハ収入簿ヲ備ヘ歳入ノ予算額確定額収入済額収入未済額ヲ登記スヘシ
第四十一条 会計主務官ハ支出簿ヲ備ヘ歳出ノ予算額確定額支出調定済額支出調定未済額ヲ登記スヘシ
第四十二条 会計主任ノ官吏ハ現金出納簿ヲ備ヘ一切其取扱タル現金ノ出納ヲ登記スヘシ
第九章 雑則
第四十三条 本規則ニ依リ出納官吏ヨリ会計検査院ニ提出スル所ノ証明書ニ関スル規程様式ハ会計検査院ニ於テ之ヲ定ムヘシ
第四十四条 前条ノ外本規則ニ掲クル諸書類帳簿ノ様式ハ大蔵大臣之ヲ定ムヘシ
第四十五条 所管大臣ハ部下ノ高等官ヲ以テ学校会計監理官トシ学校ノ会計ヲ監督セシムヘシ
第四十六条 本規則ハ明治二十三年四月会計法施行ノ日ヨリ施行ス
本規則ト牴触スル命令ハ総テ本規則施行ノ日ヨリ廃止ス