学校及図書館特別会計法
法令番号: 法律第二十三號
公布年月日: 明治40年3月27日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル學校及圖書館特別會計法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十年三月二十六日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
大藏大臣 法學博士 阪谷芳郞
文部大臣 牧野伸顯
法律第二十三號
學校及圖書館特別會計法
第一條 文部省直轄諸學校及帝國圖書館ハ之ヲ通シテ一ノ特別會計ヲ立テシメ資金ヲ所有シ政府ノ支出金、資金ヨリ生スル收入、授業料、寄附金其ノ他ノ收入ヲ以テ其ノ歲出ニ充テシム
第二條 前條ノ政府支出金ハ每年度豫算ノ定ムル所ニ依リ一般會計ヨリ之ヲ繰入ルヘシ
第三條 學校及圖書館資金ハ政府ヨリ交付シ又ハ他ヨリ寄附シタル動產及不動產竝歲入殘餘ヨリ成ル但シ第八條施行豫算ノ歲入殘餘ニシテ資金ニ編入セラレタルモノハ學校及圖書館每ニ區分シ之ヲ整理スヘシ
第四條 資金ハ之ヲ支消スルコトヲ得ス但シ用途ヲ指定シタル資金ハ用途指定者ノ同意ヲ得テ元金ヲ使用スルコトヲ得
第五條 學校及圖書館ニ屬スル收入ヲ以テ其ノ歲出ヲ支辨シ別ニ政府支出金ヲ要セサルニ至リタルトキハ當該學校及圖書館ノ爲ニ特別會計ヲ設クルモノトス
第六條 敎員事務員ノ俸給、諸給、旅費、器具機械圖書標本費、授業費、試驗費、生徒ニ關スル諸費、事務所費、修繕費、雜支出其ノ他寄附者ノ指定シタル費途ヲ以テ學校及圖書館特別會計ノ歲出トス
第七條 政府ハ每年學校及圖書館特別會計ノ歲入歲出豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之ヲ帝國議會ニ提出スヘシ
第八條 文部大臣ハ歲入歲出豫算決定ノ後學校及圖書館每ニ歲入歲出ノ施行豫算ヲ調製シ學校長及圖書館長ヲシテ之ヲ施行セシムヘシ
第九條 學校及圖書館ニ於テ外國ヨリ直接ニ圖書、機械、標本及實驗用材料ノ買入ヲ爲ス場合ニハ前金拂ヲ爲スコトヲ得
第十條 寄附金ニシテ特ニ用途ヲ指定シタルモノハ其ノ條件ニ從ヒ之ヲ使用スヘシ
第十一條 奬學ヲ目的トスル寄附金ハ之ヲ其ノ學校ニ交付シ學校長ニ經理ヲ委任スルコトヲ得
第十二條 委任經理ニ係ル會計ノ檢査ハ會計檢査院法第十六條ニ依ル
第十三條 學校及圖書館特別會計ノ收入支出ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法ハ明治四十年度ヨリ之ヲ施行ス
官立學校及圖書館會計法ハ之ヲ廢止ス
本法施行ノ際各學校及圖書館ニ於テ從來資金トシテ所有スル動產不動產ハ總テ學校及圖書館資金ニ之ヲ編入スヘシ但シ收入ノ目的ヲ以テ所有シタル資金ハ第三條但書ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル学校及図書館特別会計法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十年三月二十六日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
大蔵大臣 法学博士 阪谷芳郎
文部大臣 牧野伸顕
法律第二十三号
学校及図書館特別会計法
第一条 文部省直轄諸学校及帝国図書館ハ之ヲ通シテ一ノ特別会計ヲ立テシメ資金ヲ所有シ政府ノ支出金、資金ヨリ生スル収入、授業料、寄附金其ノ他ノ収入ヲ以テ其ノ歳出ニ充テシム
第二条 前条ノ政府支出金ハ毎年度予算ノ定ムル所ニ依リ一般会計ヨリ之ヲ繰入ルヘシ
第三条 学校及図書館資金ハ政府ヨリ交付シ又ハ他ヨリ寄附シタル動産及不動産並歳入残余ヨリ成ル但シ第八条施行予算ノ歳入残余ニシテ資金ニ編入セラレタルモノハ学校及図書館毎ニ区分シ之ヲ整理スヘシ
第四条 資金ハ之ヲ支消スルコトヲ得ス但シ用途ヲ指定シタル資金ハ用途指定者ノ同意ヲ得テ元金ヲ使用スルコトヲ得
第五条 学校及図書館ニ属スル収入ヲ以テ其ノ歳出ヲ支弁シ別ニ政府支出金ヲ要セサルニ至リタルトキハ当該学校及図書館ノ為ニ特別会計ヲ設クルモノトス
第六条 教員事務員ノ俸給、諸給、旅費、器具機械図書標本費、授業費、試験費、生徒ニ関スル諸費、事務所費、修繕費、雑支出其ノ他寄附者ノ指定シタル費途ヲ以テ学校及図書館特別会計ノ歳出トス
第七条 政府ハ毎年学校及図書館特別会計ノ歳入歳出予算ヲ調製シ歳入歳出ノ総予算ト共ニ之ヲ帝国議会ニ提出スヘシ
第八条 文部大臣ハ歳入歳出予算決定ノ後学校及図書館毎ニ歳入歳出ノ施行予算ヲ調製シ学校長及図書館長ヲシテ之ヲ施行セシムヘシ
第九条 学校及図書館ニ於テ外国ヨリ直接ニ図書、機械、標本及実験用材料ノ買入ヲ為ス場合ニハ前金払ヲ為スコトヲ得
第十条 寄附金ニシテ特ニ用途ヲ指定シタルモノハ其ノ条件ニ従ヒ之ヲ使用スヘシ
第十一条 奨学ヲ目的トスル寄附金ハ之ヲ其ノ学校ニ交付シ学校長ニ経理ヲ委任スルコトヲ得
第十二条 委任経理ニ係ル会計ノ検査ハ会計検査院法第十六条ニ依ル
第十三条 学校及図書館特別会計ノ収入支出ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法ハ明治四十年度ヨリ之ヲ施行ス
官立学校及図書館会計法ハ之ヲ廃止ス
本法施行ノ際各学校及図書館ニ於テ従来資金トシテ所有スル動産不動産ハ総テ学校及図書館資金ニ之ヲ編入スヘシ但シ収入ノ目的ヲ以テ所有シタル資金ハ第三条但書ニ依ル