朕海軍懲罰令ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年十二月二十三日
內閣總理大臣 公爵 三條實美
海軍大臣 伯爵 西鄕從道
勅令第百三十四號
海軍懲罰令
第一條 本令ハ軍人ノ故意疎虞懈怠過失等ノ所爲ニシテ刑法ニ該ラサル者及ヒ素行修マラス軍人ノ體面ヲ汚ス者ヲ懲戒スルノ罰典トス但他ノ法律規則ニ依テ論ス可キ者ハ各其法律規則ニ從フ
第二條 司令官ト稱スルハ鎭守府司令長官軍港司令官要港司令官艦隊司令長官艦隊司令官ヲ謂フ
第三條 艦團隊長ト稱スルハ海軍全般ノ艦船團隊ノ長ヲ謂フ
第四條 各廳長ト稱スルハ海軍大臣ニ直屬スル各廳ノ長司令官ニ直屬スル參謀長部長及ヒ其他ノ長ヲ謂フ
第五條 所轄長ト稱スルハ各廳長ニ屬スル校部所及ヒ監獄等ノ長ヲ謂フ
第六條 司令官艦團隊長及ヒ各廳長ハ部下軍人ノ本令ヲ犯シタル者ヲ處分ス
第七條 艦團隊副長及ヒ所轄長ハ部下ノ准士官十日以內ノ謹愼下士二十日以內ノ禁足卒三十日以內ノ禁足ニ該ル者ヲ處分ス
分隊長及ヒ分隊長ニ同シキ職權ヲ有スル者ハ部下ノ下士十日以內ノ禁足卒二十日以內ノ禁足ニ該ル者ヲ處分ス
第八條 懲罰權ノ全部ヲ有セサル各官部下軍人ノ犯行權限外ノ日數ニ該ルト認ムルトキハ意見ヲ附シテ上官ニ具申シ其處分ヲ請フ可シ
第九條 軍屬本令ヲ犯シタルトキハ軍人ト同シク處分ス海軍所屬ノ生徒乘艦中本令ヲ犯シタルトキ亦同シ但奏任官ハ將校ト同シク處分シ判任官一等ハ准士官ト同シク處分シ判任官二等以下及ヒ生徒ハ下士ト同シク處分シ其他ハ卒ト同シク處分ス
第十條 罰目左ノ如シ
一 謹愼
二 禁足
謹愼ハ准士官以上ニ科スル罰トシ禁足ハ下士以下ニ科スル罰トス
第十一條 謹愼ハ居宅又ハ艦團隊校內ニ於テス
居宅ニ於テスル者ハ他出及ヒ外人ト接見通信スルヲ禁ス但疾病アレハ醫ヲ延クコトヲ得
艦團隊校內ニ於テスル者ハ外出及ヒ他人ト會集通信スルヲ禁ス
謹愼ハ一日以上三十日以下トス
第十二條 禁足ハ勤務及ヒ演習ノ外艦團隊校若クハ居宅ヲ出ツルコトヲ禁ス
禁足ハ一日以上三十日以下トス
第十三條 軍中合圍ノ地若クハ艦團隊校內ニ在テハ謹愼ニ處セラレタル者ヲシテ勤務ニ服セシムルコトヲ得其勤務日數ハ謹愼日數ニ算入ス
第十一條ノ規則ハ前項ノ場合ニ於テ亦之ヲ適用ス但其勤務ニ關シテハ此限ニ在ラス
第十四條 犯行二個以上俱ニ發スルトキハ各其罰ヲ科ス但一所爲二個以上ノ犯行ニ觸ルヽトキハ其一ヲ科ス
第十五條 本令ニ依リ處分シタル軍屬ノ犯行ハ官吏服務規律ニ觸ルヽモ懲戒處分ヲ爲スコトナシ
第十六條 甲所ニ於テ本令ヲ犯シ未タ處分ヲ受スシテ乙所ニ轉シタル者ハ乙所ニ於テ之ヲ處分ス
第十七條 本令ヲ犯シタル者未タ處分ヲ受スシテ現役ヲ離レ若クハ非職ト爲リ若クハ海軍ノ名籍ヲ除カレタルトキハ其罰ヲ科セス
第十八條 犯行ノ科目左ノ如シ
一 擅ニ艦船團隊校ヲ離レ若クハ職役ヲ離レ又ハ勤務ヲ缺キ若クハ之ヲ懈リタル者
二 職務ノ權限ヲ侵シ若クハ之ヲ誤リタル者
三 成規ニ違ヒタル處置ヲ爲シ若クハ命令ヲ怠リ若クハ之ヲ誤リ若クハ之ヲ誤リ傳ヘタル者
四 祕密ノ事件ヲ漏洩シタル者
五 上申下達其他定期アル事件ヲ稽延シタル者
六 服順ノ道ヲ失ヒタル者
七 演習集合ノ期ニ後レ若クハ之ニ會セサル者
八 徵召ノ命ヲ受ケ故ナク到著ノ期限ニ後レタル者
九 允許ヲ得テ他方ニ赴キ故ナク歸著ノ期限ニ後レタル者
十 言語所爲詐僞ニ涉ル者
十一 暴行脅迫シタル者
十二 濫ニ銃砲ヲ發シ又ハ劒ヲ拔キタル者
十三 罵詈侮慢若クハ鬪爭シタル者
十四 犯罪アルコトヲ知テ之ヲ隱庇シタル者
十五 人ヲ懲罰ニ陷ル爲メ申吿ヲ爲シタル者
十六 疎虞懈怠過失ニ因テ官ノ文書若クハ器具物品ヲ毀損亡失若クハ汚シタル者
十七 圖書計算ヲ誤リタル者
十八 各自擔當ノ鎖鑰ヲ怠リタル者
十九 兵器彈藥器械船具糧餉其他物品ノ調製貯藏運搬若クハ支給ノ法ニ違ヒ若クハ之ヲ誤リタル者
二十 故ラニ糧食分配ノ不平均ヲ致シタル者
二十一 官物ヲ濫用若クハ浪費シタル者
二十二 兵器其他物品ノ配置保存法ニ違ヒタル者
二十三 允許ヲ得スシテ官給其他渡付ノ物品ヲ貸借シタル者
二十四 受寄ノ財物若クハ借用物ヲ典却シタル者
二十五 下士卒定數ノ被服ヲ所持セサル者
二十六 守兵ニ對シ濫ニ談話ヲ爲シ又ハ之ニ戱レタル者
二十七 酩酊シテ事ヲ省セサル者
二十八 軍人其態度ヲ失シタル者
二十九 禮節式ニ違ヒタル者
三十 服裝式ニ違ヒ又ハ制規外若クハ命令外ノ服ヲ著シタル者
三十一 法則命令ヲ誹謗シ若クハ之ニ違ヒタル者
三十二 素行修マラサル者
三十三 疎虞懈怠過失ニ因リ艦船若クハ其他ノ物件ヲ毀損シ或ハ艦船ヲ擱岸坐礁其他危嶮ニ付シタル者
三十四 艦船ノ乘員不能ニ因リ其艦船ヲ擱岸坐礁其他危嶮ニ付シ若クハ之ヲ毀損シタル者
三十五 允許ヲ得サル物品ヲ艦船ニ積載セタル者
三十六 砲具其他凭ル可ラサル場所ニ凭リタル者
三十七 艦船團隊校內ニ於テ巡檢後故ナク寢所ヲ離レタル者
三十八 艦船團隊校內ニ於テ濫ニ他人ノ室ニ入リタル者
三十九 艦船團隊校內ニ於テ濫ニ庖廚ニ入リタル者
四十 艦船團隊校內ニ於テ允許ヲ得スシテ火藥其他破裂スヘキ物品ヲ携帶シタル者
四十一 艦船團隊校內ニ於テ定所外ヨリ物品ヲ出入若クハ投棄シタル者
四十二 艦船團隊校若クハ工場內ニ於テ醜行ヲ爲シタル者
四十三 舷側柵塀牆壁等ニ貼紙又ハ樂書シタル者
四十四 允許ヲ得スシテ艦船團隊校內ニ酒類ヲ入レ又ハ艦船團隊校內ニ於テ酒類ヲ授受若クハ賣買シ又ハ工場內ニ於テ飮酒シタル者
四十五 擅ニ艦船團隊校內ニ於テ鳥獸類ヲ蓄ヒ又ハ工場內ニ於テ濫ニ菓實貝藻ヲ採取シ若クハ樹木花卉ヲ折採シ又ハ魚鳥ヲ捕ル者
四十六 艦船團隊校內ニ於テ濫ニ定所外ニ睡眠シ又ハ工場內ニ於テ就業時間中睡眠シタル者
四十七 濫ニ砲門ヨリ艦內ニ出入シ又ハ柵塀牆壁等ヲ踰越シテ團隊校工場構內ニ出入シタル者
四十八 濫ニ團隊校工場構內ニ立入リ故ナク諸方ヲ徘徊シ又ハ構內海岸ヘ著船シタル者
四十九 艦船團隊校內ニ於テ定所外ニ飮食シ又ハ工場內ニ於テ就業時間中喫飯若クハ喫飯ノ准備ヲ爲シタル者
五十 艦船團隊校工場內ニ於テ定時限ノ外又ハ禁制ノ場所ニ於テ燈火其他ノ火ヲ用ヒ又ハ火ノ取扱ヲ疎ニシ若クハ吸烟シタル者
五十一 守所又ハ整列就業中ニ在テ喧噪戱譃若クハ雜話シタル者
五十二 艦船團隊校若クハ工場內ニ於テ定所外ニ屎尿シタル者
五十三 濫ニ裸體ト爲リタル者
五十四 工場內ニ於テ濫ニ禁止ノ場所ニ立入リタル者
五十五 工場內ニ於テ火ノ始末ヲ爲サスシテ退散シ又ハ濫ニ焚火シタル者
五十六 工場內ニ於テ濫ニ遊戱放歌シ又ハ高聲ヲ發シタル者
五十七 工場內ニ於テ賭勝負及ヒ之ニ類スル所爲ヲ爲シタル者
五十八 工場內ニ在テ碁將棋雙六骨牌等ノ戱具ヲ携帶スル者
五十九 就業時間中私用ノ物品ヲ製造シ若クハ他人ノ依賴ニ應シ之ヲ製造スル者又ハ之ヲ依賴シ及ヒ依賴ヲ紹介シタル者
六十 就業時間中濫ニ他ノ工場ニ至リ若クハ他人ノ工業ヲ妨害シ若クハ自己ノ工業ヲ休止シタル者
六十一 工場內ニ於テ各自使用スヘキ器具材料ヲ整頓セスシテ散亂セシメタル者
六十二 工場內ニ於テ揭示標札其他諸報吿榜標等ヲ毀損シタル者
六十三 工場內ニ於テ瓦礫等ヲ抛チタル者
六十四 工場內ニ於テ故ラニ職札ヲ毀損シ或ハ紛失セシメ又ハ札場ニ於テ投擲シタル者
六十五 工場內ニ於テ職札ノ掛ケ外シヲ他人ニ依賴シタル者及ヒ之ヲ承諾シテ掛ケ外シヲ爲シタル者
第十九條 練習所病院監獄ニ於テ犯行ノ者ハ艦團校內ニ於ケル犯行ト同シク處分ス
朕海軍懲罰令ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年十二月二十三日
内閣総理大臣 公爵 三条実美
海軍大臣 伯爵 西郷従道
勅令第百三十四号
海軍懲罰令
第一条 本令ハ軍人ノ故意疎虞懈怠過失等ノ所為ニシテ刑法ニ該ラサル者及ヒ素行修マラス軍人ノ体面ヲ汚ス者ヲ懲戒スルノ罰典トス但他ノ法律規則ニ依テ論ス可キ者ハ各其法律規則ニ従フ
第二条 司令官ト称スルハ鎮守府司令長官軍港司令官要港司令官艦隊司令長官艦隊司令官ヲ謂フ
第三条 艦団隊長ト称スルハ海軍全般ノ艦船団隊ノ長ヲ謂フ
第四条 各庁長ト称スルハ海軍大臣ニ直属スル各庁ノ長司令官ニ直属スル参謀長部長及ヒ其他ノ長ヲ謂フ
第五条 所轄長ト称スルハ各庁長ニ属スル校部所及ヒ監獄等ノ長ヲ謂フ
第六条 司令官艦団隊長及ヒ各庁長ハ部下軍人ノ本令ヲ犯シタル者ヲ処分ス
第七条 艦団隊副長及ヒ所轄長ハ部下ノ准士官十日以内ノ謹慎下士二十日以内ノ禁足卒三十日以内ノ禁足ニ該ル者ヲ処分ス
分隊長及ヒ分隊長ニ同シキ職権ヲ有スル者ハ部下ノ下士十日以内ノ禁足卒二十日以内ノ禁足ニ該ル者ヲ処分ス
第八条 懲罰権ノ全部ヲ有セサル各官部下軍人ノ犯行権限外ノ日数ニ該ルト認ムルトキハ意見ヲ附シテ上官ニ具申シ其処分ヲ請フ可シ
第九条 軍属本令ヲ犯シタルトキハ軍人ト同シク処分ス海軍所属ノ生徒乗艦中本令ヲ犯シタルトキ亦同シ但奏任官ハ将校ト同シク処分シ判任官一等ハ准士官ト同シク処分シ判任官二等以下及ヒ生徒ハ下士ト同シク処分シ其他ハ卒ト同シク処分ス
第十条 罰目左ノ如シ
一 謹慎
二 禁足
謹慎ハ准士官以上ニ科スル罰トシ禁足ハ下士以下ニ科スル罰トス
第十一条 謹慎ハ居宅又ハ艦団隊校内ニ於テス
居宅ニ於テスル者ハ他出及ヒ外人ト接見通信スルヲ禁ス但疾病アレハ医ヲ延クコトヲ得
艦団隊校内ニ於テスル者ハ外出及ヒ他人ト会集通信スルヲ禁ス
謹慎ハ一日以上三十日以下トス
第十二条 禁足ハ勤務及ヒ演習ノ外艦団隊校若クハ居宅ヲ出ツルコトヲ禁ス
禁足ハ一日以上三十日以下トス
第十三条 軍中合囲ノ地若クハ艦団隊校内ニ在テハ謹慎ニ処セラレタル者ヲシテ勤務ニ服セシムルコトヲ得其勤務日数ハ謹慎日数ニ算入ス
第十一条ノ規則ハ前項ノ場合ニ於テ亦之ヲ適用ス但其勤務ニ関シテハ此限ニ在ラス
第十四条 犯行二個以上俱ニ発スルトキハ各其罰ヲ科ス但一所為二個以上ノ犯行ニ触ルヽトキハ其一ヲ科ス
第十五条 本令ニ依リ処分シタル軍属ノ犯行ハ官吏服務規律ニ触ルヽモ懲戒処分ヲ為スコトナシ
第十六条 甲所ニ於テ本令ヲ犯シ未タ処分ヲ受スシテ乙所ニ転シタル者ハ乙所ニ於テ之ヲ処分ス
第十七条 本令ヲ犯シタル者未タ処分ヲ受スシテ現役ヲ離レ若クハ非職ト為リ若クハ海軍ノ名籍ヲ除カレタルトキハ其罰ヲ科セス
第十八条 犯行ノ科目左ノ如シ
一 擅ニ艦船団隊校ヲ離レ若クハ職役ヲ離レ又ハ勤務ヲ欠キ若クハ之ヲ懈リタル者
二 職務ノ権限ヲ侵シ若クハ之ヲ誤リタル者
三 成規ニ違ヒタル処置ヲ為シ若クハ命令ヲ怠リ若クハ之ヲ誤リ若クハ之ヲ誤リ伝ヘタル者
四 秘密ノ事件ヲ漏洩シタル者
五 上申下達其他定期アル事件ヲ稽延シタル者
六 服順ノ道ヲ失ヒタル者
七 演習集合ノ期ニ後レ若クハ之ニ会セサル者
八 徴召ノ命ヲ受ケ故ナク到著ノ期限ニ後レタル者
九 允許ヲ得テ他方ニ赴キ故ナク帰著ノ期限ニ後レタル者
十 言語所為詐偽ニ渉ル者
十一 暴行脅迫シタル者
十二 濫ニ銃砲ヲ発シ又ハ剣ヲ抜キタル者
十三 罵詈侮慢若クハ闘争シタル者
十四 犯罪アルコトヲ知テ之ヲ隠庇シタル者
十五 人ヲ懲罰ニ陥ル為メ申告ヲ為シタル者
十六 疎虞懈怠過失ニ因テ官ノ文書若クハ器具物品ヲ毀損亡失若クハ汚シタル者
十七 図書計算ヲ誤リタル者
十八 各自担当ノ鎖鑰ヲ怠リタル者
十九 兵器弾薬器械船具糧餉其他物品ノ調製貯蔵運搬若クハ支給ノ法ニ違ヒ若クハ之ヲ誤リタル者
二十 故ラニ糧食分配ノ不平均ヲ致シタル者
二十一 官物ヲ濫用若クハ浪費シタル者
二十二 兵器其他物品ノ配置保存法ニ違ヒタル者
二十三 允許ヲ得スシテ官給其他渡付ノ物品ヲ貸借シタル者
二十四 受寄ノ財物若クハ借用物ヲ典却シタル者
二十五 下士卒定数ノ被服ヲ所持セサル者
二十六 守兵ニ対シ濫ニ談話ヲ為シ又ハ之ニ戲レタル者
二十七 酩酊シテ事ヲ省セサル者
二十八 軍人其態度ヲ失シタル者
二十九 礼節式ニ違ヒタル者
三十 服装式ニ違ヒ又ハ制規外若クハ命令外ノ服ヲ著シタル者
三十一 法則命令ヲ誹謗シ若クハ之ニ違ヒタル者
三十二 素行修マラサル者
三十三 疎虞懈怠過失ニ因リ艦船若クハ其他ノ物件ヲ毀損シ或ハ艦船ヲ擱岸坐礁其他危嶮ニ付シタル者
三十四 艦船ノ乗員不能ニ因リ其艦船ヲ擱岸坐礁其他危嶮ニ付シ若クハ之ヲ毀損シタル者
三十五 允許ヲ得サル物品ヲ艦船ニ積載セタル者
三十六 砲具其他凭ル可ラサル場所ニ凭リタル者
三十七 艦船団隊校内ニ於テ巡検後故ナク寝所ヲ離レタル者
三十八 艦船団隊校内ニ於テ濫ニ他人ノ室ニ入リタル者
三十九 艦船団隊校内ニ於テ濫ニ庖厨ニ入リタル者
四十 艦船団隊校内ニ於テ允許ヲ得スシテ火薬其他破裂スヘキ物品ヲ携帯シタル者
四十一 艦船団隊校内ニ於テ定所外ヨリ物品ヲ出入若クハ投棄シタル者
四十二 艦船団隊校若クハ工場内ニ於テ醜行ヲ為シタル者
四十三 舷側柵塀牆壁等ニ貼紙又ハ楽書シタル者
四十四 允許ヲ得スシテ艦船団隊校内ニ酒類ヲ入レ又ハ艦船団隊校内ニ於テ酒類ヲ授受若クハ売買シ又ハ工場内ニ於テ飲酒シタル者
四十五 擅ニ艦船団隊校内ニ於テ鳥獣類ヲ蓄ヒ又ハ工場内ニ於テ濫ニ菓実貝藻ヲ採取シ若クハ樹木花卉ヲ折採シ又ハ魚鳥ヲ捕ル者
四十六 艦船団隊校内ニ於テ濫ニ定所外ニ睡眠シ又ハ工場内ニ於テ就業時間中睡眠シタル者
四十七 濫ニ砲門ヨリ艦内ニ出入シ又ハ柵塀牆壁等ヲ踰越シテ団隊校工場構内ニ出入シタル者
四十八 濫ニ団隊校工場構内ニ立入リ故ナク諸方ヲ徘徊シ又ハ構内海岸ヘ著船シタル者
四十九 艦船団隊校内ニ於テ定所外ニ飲食シ又ハ工場内ニ於テ就業時間中喫飯若クハ喫飯ノ准備ヲ為シタル者
五十 艦船団隊校工場内ニ於テ定時限ノ外又ハ禁制ノ場所ニ於テ灯火其他ノ火ヲ用ヒ又ハ火ノ取扱ヲ疎ニシ若クハ吸烟シタル者
五十一 守所又ハ整列就業中ニ在テ喧噪戲譃若クハ雑話シタル者
五十二 艦船団隊校若クハ工場内ニ於テ定所外ニ屎尿シタル者
五十三 濫ニ裸体ト為リタル者
五十四 工場内ニ於テ濫ニ禁止ノ場所ニ立入リタル者
五十五 工場内ニ於テ火ノ始末ヲ為サスシテ退散シ又ハ濫ニ焚火シタル者
五十六 工場内ニ於テ濫ニ遊戲放歌シ又ハ高声ヲ発シタル者
五十七 工場内ニ於テ賭勝負及ヒ之ニ類スル所為ヲ為シタル者
五十八 工場内ニ在テ碁将棋双六骨牌等ノ戲具ヲ携帯スル者
五十九 就業時間中私用ノ物品ヲ製造シ若クハ他人ノ依頼ニ応シ之ヲ製造スル者又ハ之ヲ依頼シ及ヒ依頼ヲ紹介シタル者
六十 就業時間中濫ニ他ノ工場ニ至リ若クハ他人ノ工業ヲ妨害シ若クハ自己ノ工業ヲ休止シタル者
六十一 工場内ニ於テ各自使用スヘキ器具材料ヲ整頓セスシテ散乱セシメタル者
六十二 工場内ニ於テ掲示標札其他諸報告榜標等ヲ毀損シタル者
六十三 工場内ニ於テ瓦礫等ヲ抛チタル者
六十四 工場内ニ於テ故ラニ職札ヲ毀損シ或ハ紛失セシメ又ハ札場ニ於テ投擲シタル者
六十五 工場内ニ於テ職札ノ掛ケ外シヲ他人ニ依頼シタル者及ヒ之ヲ承諾シテ掛ケ外シヲ為シタル者
第十九条 練習所病院監獄ニ於テ犯行ノ者ハ艦団校内ニ於ケル犯行ト同シク処分ス