内閣法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第22号
公布年月日: 平成25年5月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

内閣官房における情報通信技術の活用に関する総合調整機能を強化するため、内閣官房に特別職の国家公務員として内閣情報通信政策監を設置する。内閣情報通信政策監は、内閣官房長官及び内閣官房副長官を補佐し、情報通信技術の活用による国民の利便性向上と行政運営の改善に関する事務を統理する。また、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の本部員に内閣情報通信政策監を加え、府省横断的な計画や施策の実施に関する指針作成などの事務を担当させることができるようにするとともに、本部長である内閣総理大臣との意見交換や報告体制を整備する。

参照した発言:
第183回国会 衆議院 本会議 第12号

審議経過

第183回国会

衆議院
(平成25年3月22日)
(平成25年3月27日)
(平成25年4月3日)
(平成25年4月5日)
(平成25年4月11日)
(平成25年4月24日)
(平成25年4月26日)
(平成25年5月9日)
参議院
(平成25年5月16日)
(平成25年5月21日)
(平成25年5月23日)
(平成25年5月24日)
内閣法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十五年五月三十一日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第二十二号
内閣法等の一部を改正する法律
(内閣法の一部改正)
第一条 内閣法(昭和二十二年法律第五号)の一部を次のように改正する。
第二十三条を第二十四条とし、第十九条から第二十二条までを一条ずつ繰り下げる。
第十八条第二項中「及び内閣危機管理監」を「、内閣危機管理監及び内閣情報通信政策監」に改め、同条を第十九条とする。
第十七条第二項中「及び内閣危機管理監」を「、内閣危機管理監及び内閣情報通信政策監」に改め、同条を第十八条とする。
第十六条第二項中「及び内閣危機管理監」を「、内閣危機管理監及び内閣情報通信政策監」に改め、同条第三項中「前条第三項」を「第十五条第三項」に改め、同条を第十七条とし、第十五条の次に次の一条を加える。
第十六条 内閣官房に、内閣情報通信政策監一人を置く。
2 内閣情報通信政策監は、内閣官房長官及び内閣官房副長官を助け、命を受けて内閣官房の事務のうち情報通信技術の活用による国民の利便性の向上及び行政運営の改善に関するものを統理する。
3 前条第三項から第五項までの規定は、内閣情報通信政策監について準用する。
(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の一部改正)
第二条 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(平成十二年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三十四条」を「第三十五条」に、「第三十五条」を「第三十六条」に改める。
第二十六条の見出しを「(所掌事務等)」に改め、同条に次の二項を加える。
2 第二十八条第一項に規定する本部長は、前項に規定する事務(高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策で重要なものの実施の推進に限る。)のうち次に掲げる事項に係るもの及び第三十一条第一項に規定する協力の求めに係る事務を第三十条第二項第二号に掲げる者をもって充てる同条第一項に規定する本部員に行わせることができる。
一 府省横断的な計画の作成
二 関係行政機関の経費の見積りの方針の作成
三 施策の実施に関する指針の作成
四 施策の評価
3 前項に規定する本部員は、同項に規定する事務を行う場合において、必要があると認めるときは、第二十八条第一項に規定する本部長に対し、当該事務に関し意見を述べることができる。
第二十八条に次の二項を加える。
3 本部長は、第二十六条第二項に規定する本部員が同項に規定する事務を行う場合において、当該事務の適切な実施を図るため必要があると認めるときは、当該本部員に対し、当該事務の実施状況その他必要な事項の報告を求めることができる。
4 本部長は、第二十六条第三項の意見及び前項の報告に基づき、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、勧告することができる。
第三十条第二項第一号中「すべて」を「全て」に改め、同項中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 内閣情報通信政策監
第三十五条を第三十六条とする。
第三章中第三十四条を第三十五条とし、第三十三条を第三十四条とし、第三十二条を第三十三条とし、第三十一条の次に次の一条を加える。
(地方公共団体への協力)
第三十二条 地方公共団体は、第十一条に規定する施策の策定又は実施のために必要があると認めるときは、本部に対し、情報の提供その他の協力を求めることができる。
2 本部は、前項の規定による協力を求められたときは、その求めに応じるよう努めるものとする。
(国家公務員法及び特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)
第三条 次に掲げる法律の規定中「内閣危機管理監」の下に「及び内閣情報通信政策監」を加える。
一 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第三項第五号の二
二 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)第一条第七号及び別表第一官職名の欄
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次項(第四号に係る部分に限る。)の規定は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)の公布の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。
(検討)
2 政府は、第一条の規定による改正後の内閣法第十六条第一項の規定により内閣官房に内閣情報通信政策監が置かれることを踏まえ、情報通信技術の活用により国民の利便性の向上及び行政運営の改善を図る観点から、強化された内閣官房の総合調整機能を十全に発揮して、次に掲げる方策について総合的かつ一体的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
一 行政機関が保有する情報をインターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて公表するための方策
二 前号の情報を民間事業者が加工し、インターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて国民に提供するための方策(当該情報の提供を受ける者が本人であることを確認するための措置を簡素化するための方策を含む。)
三 行政機関による情報システムの共用を推進するための方策
四 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第二条第十四項に規定する情報提供ネットワークシステムを効率的に整備するための方策
内閣総理大臣 安倍晋三
総務大臣 新藤義孝