精神病院という用語には、医療施設ではなく精神病者の収容施設というイメージが残存しており、これが精神科医療機関への正しい理解や患者の自発的受診を妨げている。精神障害者施策は地域ケア中心の体制へと移行し、人権確保や社会復帰促進の理念のもと改善が図られてきたが、法令用語としての「精神病院」は変更されないまま今日に至っている。そこで、専門的医療を提供する施設であることを明確にし、患者や家族の心理的抵抗を軽減するため、「精神病院」を「精神科病院」に改める。また、警察官職務執行法の「精神病者収容施設」という用語も不適当として削除する。これにより、うつ病患者の受診環境改善や自殺対策にも寄与することを目指す。
参照した発言:
第164回国会 参議院 厚生労働委員会 第28号