(受刑者証人移送の決定等)
第十九条 法務大臣は、要請国から、条約に基づき、国内受刑者(日本国において懲役刑若しくは禁錮刑又は国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第二条第二号に定める共助刑の執行として拘禁されている者をいう。以下同じ。)に係る受刑者証人移送の要請があつた場合において、第二条第一号若しくは第二号又は次の各号(第三条第一項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理を行う場合にあつては、第二条第一号若しくは第二号、第四条第一号又は次の各号)のいずれにも該当せず、かつ、要請に応ずることが相当であると認めるときは、国内受刑者を移送する期間を定めて、当該受刑者証人移送の決定をするものとする。
三 国内受刑者を移送する期間として要請された期間が三十日を超えるとき。
四 国内受刑者の犯した罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき。
2 第十四条第五項及び第六項並びに第十六条第一項の規定は、国内受刑者に係る受刑者証人移送の要請があつた場合について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 法務大臣は、第一項の決定をしたときは、国内受刑者が在監する監獄の長に対し、当該決定に係る引渡しを命ずるとともに、当該国内受刑者にその旨を通知しなければならない。
(引渡しに関する措置)
第二十条 法務大臣は、前条第三項の規定による命令をしたときは、外務大臣に受領許可証を送付しなければならない。
2 外務大臣は、前項の規定による受領許可証の送付を受けたときは、直ちに、これを要請国に送付しなければならない。
3 前二項の規定にかかわらず、第三条第一項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理を行う場合においては、要請国への受領許可証の送付は、法務大臣が行うものとする。
4 前条第三項の規定による命令を受けた監獄の長は、要請国の官憲から受領許可証を示して国内受刑者の引渡しを求められたときは、国内受刑者を引き渡さなければならない。
5 前項の規定により国内受刑者の引渡しを受けた要請国の官憲は、速やかに、国内受刑者を要請国内に護送するものとする。
(国内受刑者の移送期間の取扱い)
第二十一条 国内受刑者が受刑者証人移送として移送されていた期間(身体の拘束を受けていなかつた期間を除く。)は、刑の執行を受けた期間とみなす。
(監獄法の特則)
第二十二条 第二十条第四項の規定により国内受刑者を要請国の官憲に引き渡す場合には、監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第二十八条第二項及び第五十五条の規定は、適用しない。
2 監獄法第五十六条及び第五十七条の規定は、第二十条第四項の規定により要請国の官憲に引き渡した国内受刑者の遺留物について準用する。