刑法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第122号
公布年月日: 平成15年7月18日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

国際的な人の移動の日常化に伴い、日本国外で日本国民が殺人や誘拐、強盗等の重大な犯罪の被害に遭う機会が増加している。刑法は明治40年の制定時には、国外で日本国民に対して罪を犯した外国人への適用規定があったが、昭和22年の改正で削除された。犯罪地国での対応が相当な場合が多いものの、国外にいる日本国民の保護の見地から、また諸外国の立法例も踏まえ、日本国民が生命、身体等に対する重大な犯罪の被害を受けた場合の国外犯処罰規定を整備する必要がある。具体的には、国外で日本国民に対して強制わいせつ、強姦、殺人、傷害、逮捕、監禁、略取、誘拐、強盗の罪を犯した外国人に刑法を適用することとする。

参照した発言:
第156回国会 衆議院 法務委員会 第11号

審議経過

第156回国会

衆議院
(平成15年5月9日)
(平成15年5月13日)
(平成15年5月15日)
参議院
(平成15年7月8日)
(平成15年7月10日)
(平成15年7月11日)
刑法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十五年七月十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百二十二号
刑法の一部を改正する法律
刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
第三条の次に次の一条を加える。
(国民以外の者の国外犯)
第三条の二 この法律は、日本国外において日本国民に対して次に掲げる罪を犯した日本国民以外の者に適用する。
一 第百七十六条から第百七十九条まで(強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ及び準強姦、未遂罪)及び第百八十一条(強制わいせつ等致死傷)の罪
二 第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
三 第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
四 第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
五 第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、国外移送目的略取等、被略取者収受等、未遂罪)の罪
六 第二百三十六条(強盗)及び第二百三十八条から第二百四十一条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷、強盗強姦及び同致死)の罪並びにこれらの罪の未遂罪
第四条の二中「前三条」を「第二条から前条まで」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律による改正後の刑法第三条の二の規定並びに附則第三条による改正後の暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第三項及び附則第四条による改正後の人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和五十三年法律第四十八号)第五条の規定(刑法第三条の二に係る部分に限る。)は、この法律の施行前にした行為については、適用しない。
(暴力行為等処罰に関する法律の一部改正)
第三条 暴力行為等処罰に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条ノ二第三項中「第三条」を「第三条、第三条の二」に改める。
(人質による強要行為等の処罰に関する法律の一部改正)
第四条 人質による強要行為等の処罰に関する法律の一部を次のように改正する。
第五条中「第三条」を「第三条、第三条の二」に改める。
法務大臣 森山眞弓
内閣総理大臣 小泉純一郎
刑法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十五年七月十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百二十二号
刑法の一部を改正する法律
刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
第三条の次に次の一条を加える。
(国民以外の者の国外犯)
第三条の二 この法律は、日本国外において日本国民に対して次に掲げる罪を犯した日本国民以外の者に適用する。
一 第百七十六条から第百七十九条まで(強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ及び準強姦、未遂罪)及び第百八十一条(強制わいせつ等致死傷)の罪
二 第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
三 第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
四 第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
五 第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、国外移送目的略取等、被略取者収受等、未遂罪)の罪
六 第二百三十六条(強盗)及び第二百三十八条から第二百四十一条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷、強盗強姦及び同致死)の罪並びにこれらの罪の未遂罪
第四条の二中「前三条」を「第二条から前条まで」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律による改正後の刑法第三条の二の規定並びに附則第三条による改正後の暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第三項及び附則第四条による改正後の人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和五十三年法律第四十八号)第五条の規定(刑法第三条の二に係る部分に限る。)は、この法律の施行前にした行為については、適用しない。
(暴力行為等処罰に関する法律の一部改正)
第三条 暴力行為等処罰に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条ノ二第三項中「第三条」を「第三条、第三条の二」に改める。
(人質による強要行為等の処罰に関する法律の一部改正)
第四条 人質による強要行為等の処罰に関する法律の一部を次のように改正する。
第五条中「第三条」を「第三条、第三条の二」に改める。
法務大臣 森山真弓
内閣総理大臣 小泉純一郎