労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第四十五号
公布年月日: 平成11年5月21日
法令の形式: 法律
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十一年五月二十一日
内閣総理大臣 小渕恵三
法律第四十五号
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律
(労働安全衛生法の一部改正)
第一条 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五十四条の五」を「第五十四条の六」に改める。
第二十八条第三項第一号中「第五十七条の二第四項」を「第五十七条の三第四項」に、「第五十七条の三第一項」を「第五十七条の四第一項」に改める。
第五十四条の三第二項第一号及び第二号中「第五十四条の五第二項」を「第五十四条の六第二項」に改める。
第五十四条の五第二項第二号中「前条」を「第五十四条の四」に改め、第五章第一節中同条を第五十四条の六とする。
第五十四条の四の次に次の一条を加える。
第五十四条の五 検査業者がその事業の全部を譲り渡し、又は検査業者について相続若しくは合併があつたときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この項において同じ。)若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、その検査業者の地位を承継する。ただし、当該事業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人が第五十四条の三第二項各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
2 前項の規定により検査業者の地位を承継した者は、労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を労働大臣又は都道府県労働基準局長に届け出なければならない。
第五十七条の四を第五十七条の五とし、第五十七条の三を第五十七条の四とし、第五十七条の二を第五十七条の三とし、第五十七条の次に次の一条を加える。
(文書の交付等)
第五十七条の二 労働者に健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定めるもの又は第五十六条第一項の物(以下この条において「通知対象物」という。)を譲渡し、又は提供する者は、文書の交付その他労働省令で定める方法により通知対象物に関する次の事項(前条第二項に規定する者にあつては、同項に規定する事項を除く。)を、譲渡し、又は提供する相手方に通知しなければならない。ただし、主として一般消費者の生活の用に供される製品として通知対象物を譲渡し、又は提供する場合については、この限りでない。
一 名称
二 成分及びその含有量
三 物理的及び化学的性質
四 人体に及ぼす作用
五 貯蔵又は取扱い上の注意
六 流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置
七 前各号に掲げるもののほか、労働省令で定める事項
2 通知対象物を譲渡し、又は提供する者は、前項の規定により通知した事項に変更を行う必要が生じたときは、文書の交付その他労働省令で定める方法により、変更後の同項各号の事項を、速やかに、譲渡し、又は提供した相手方に通知するよう努めなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、前二項の通知に関し必要な事項は、労働省令で定める。
第五十八条に次の二項を加える。
2 労働大臣は、第二十八条第一項及び第三項に定めるもののほか、前項の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
3 労働大臣は、前項の指針に従い、事業者に対し、必要な指導、援助等を行うことができる。
第六十六条第六項を削る。
第六十六条の五第一項中「又は当該」を「若しくは当該」に、「の結果」を「又は第六十六条の二の規定による健康診断の結果」に改め、同条を第六十六条の七とする。
第六十六条の四を第六十六条の六とする。
第六十六条の三第一項中「短縮」の下に「、深夜業の回数の減少」を加え、同条を第六十六条の五とする。
第六十六条の二中「前条第一項」を「第六十六条第一項」に、「又は第五項ただし書」を「若しくは第五項ただし書又は第六十六条の二」に改め、同条を第六十六条の四とする。
第六十六条の次に次の二条を加える。
(自発的健康診断の結果の提出)
第六十六条の二 午後十時から午前五時まで(労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間における業務(以下この条及び第六十六条の五第一項において「深夜業」という。)に従事する労働者であつて、その深夜業の回数その他の事項が深夜業に従事する労働者の健康の保持を考慮して労働省令で定める要件に該当するものは、労働省令で定めるところにより、自ら受けた健康診断(前条第五項ただし書の規定による健康診断を除く。)の結果を証明する書面を事業者に提出することができる。
(健康診断の結果の記録)
第六十六条の三 事業者は、労働省令で定めるところにより、第六十六条第一項から第四項まで及び第五項ただし書並びに前条の規定による健康診断の結果を記録しておかなければならない。
第七十五条の四第一項中「指定試験機関」を「試験事務に従事する指定試験機関」に改める。
第八十三条の次に次の二条を加える。
(指定コンサルタント試験機関)
第八十三条の二 労働大臣は、労働省令で定めるところにより、労働大臣の指定する者(以下「指定コンサルタント試験機関」という。)に労働安全コンサルタント試験又は労働衛生コンサルタント試験の実施に関する事務(合格の決定に関する事務を除く。以下「コンサルタント試験事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
(指定コンサルタント試験機関の指定等についての準用)
第八十三条の三 第七十五条の二第二項及び第三項並びに第七十五条の三から第七十五条の十二までの規定は、前条の規定による指定、指定コンサルタント試験機関及びコンサルタント試験事務について準用する。この場合において、第七十五条の二第三項及び第七十五条の十二中「都道府県労働基準局長」とあるのは「労働大臣」と、第七十五条の二第三項中「第一項」とあるのは「第八十三条の二」と、第七十五条の四第二項中「第七十五条の六第一項に規定する試験事務規程」とあるのは「コンサルタント試験事務の実施に関する規程」と、第七十五条の五第一項中「免許を受ける者として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定」とあるのは「労働安全コンサルタント試験又は労働衛生コンサルタント試験の問題の作成及び採点」と、同条及び第七十五条の八中「免許試験員」とあるのは「コンサルタント試験員」と、第七十五条の五第四項中「次条第一項に規定する試験事務規程」とあるのは「コンサルタント試験事務の実施に関する規程」と、第七十五条の六第一項中「規程(以下この条及び第七十五条の十一第二項第四号において「試験事務規程」という。)」とあるのは「規程」と、同条第二項及び第三項並びに第七十五条の十一第二項第四号中「試験事務規程」とあるのは「コンサルタント試験事務の実施に関する規程」と読み替えるものとする。
第八十五条第二項中「次条」を「第八十六条」に改め、同条の次に次の二条を加える。
(指定登録機関)
第八十五条の二 労働大臣は、労働大臣の指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、コンサルタントの登録の実施に関する事務(前条の規定による登録の取消しに関する事務を除く。以下「登録事務」という。)を行わせることができる。
2 指定登録機関が登録事務を行う場合における第八十四条第一項の規定の適用については、同項中「労働省に」とあるのは「指定登録機関に」とする。
(指定登録機関の指定等についての準用)
第八十五条の三 第七十五条の二第二項及び第三項、第七十五条の三、第七十五条の四並びに第七十五条の六から第七十五条の十二までの規定は、前条第一項の規定による指定、指定登録機関及び登録事務について準用する。この場合において、第七十五条の二第三項及び第七十五条の十二中「都道府県労働基準局長」とあるのは「労働大臣」と、第七十五条の二第三項中「第一項」とあるのは「第八十五条の二第一項」と、第七十五条の四第二項中「第七十五条の六第一項に規定する試験事務規程」とあるのは「登録事務の実施に関する規程」と、第七十五条の六第一項中「規程(以下この条及び第七十五条の十一第二項第四号において「試験事務規程」という。)」とあるのは「規程」と、同条第二項及び第三項並びに第七十五条の十一第二項第四号中「試験事務規程」とあるのは「登録事務の実施に関する規程」と、第七十五条の八中「職員(免許試験員を含む。)」とあるのは「職員」と、第七十五条の十中「試験事務の全部又は一部」とあるのは「登録事務」と、第七十五条の十一第二項及び第七十五条の十二中「試験事務の全部若しくは一部」とあるのは「登録事務」と読み替えるものとする。
第九十三条第三項中「第五十七条の二第四項」を「第五十七条の三第四項」に、「第五十七条の三第一項」を「第五十七条の四第一項」に改める。
第九十六条第三項中「又は指定教習機関」を「、指定教習機関、指定コンサルタント試験機関又は指定登録機関」に改める。
第百一条の見出しを「(法令等の周知)」に改め、同条中「備え付ける等の」を「備え付けることその他の労働省令で定める」に改め、同条に次の一項を加える。
2 事業者は、第五十七条の二第一項又は第二項の規定により通知された事項を、化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物で当該通知された事項に係るものを取り扱う各作業場の見やすい場所に常時掲示し、又は備え付けることその他の労働省令で定める方法により、当該物を取り扱う労働者に周知させなければならない。
第百三条第二項中「又は教習」を「、教習、労働安全コンサルタント試験、労働衛生コンサルタント試験又はコンサルタントの登録」に改める。
第百六条第一項中「第五十七条の四」を「第五十七条の五、第五十八条第三項」に改める。
第百十一条第二項中「又は」を「若しくはその不作為、指定コンサルタント試験機関が行うコンサルタント試験事務に係る処分若しくはその不作為又は指定登録機関が行う登録事務に係る処分若しくは」に改める。
第百十二条第一項中「、指定試験機関」を「指定試験機関、指定コンサルタント試験機関が行う労働安全コンサルタント試験又は労働衛生コンサルタント試験を受けようとする者にあつては指定コンサルタント試験機関、指定登録機関が行う登録を受けようとする者にあつては指定登録機関」に改め、同条第二項中「指定試験機関」の下に「、指定コンサルタント試験機関又は指定登録機関」を、「手数料は」の下に「、それぞれ」を加える。
第百十二条の二第一号中「又は第七十五条の二第一項」を「、第七十五条の二第一項、第八十三条の二又は第八十五条の二第一項」に改め、同条第三号中「第七十五条の十」の下に「(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)」を加え、同条第四号中「第七十五条の十一第一項」の下に「(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)」を加え、同条第五号中「第七十五条の十一第二項」の下に「(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)」を加え、「業務の全部若しくは一部」を「製造時等検査、性能検査、個別検定若しくは型式検定の業務、試験事務若しくはコンサルタント試験事務の全部若しくは一部若しくは登録事務」に改め、同条第六号中「第七十五条の十二第一項」の下に「(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)」を、「都道府県労働基準局長」の下に「若しくは労働大臣」を、「試験事務」の下に「若しくはコンサルタント試験事務」を、「一部」の下に「若しくは登録事務」を加える。
第百十七条中「第七十五条の八第一項」の下に「(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)」を加える。
第百十八条中「第五十四条の五第二項」を「第五十四条の六第二項」に改め、「第七十五条の十一第二項」の下に「(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)」を加える。
第百十九条第一号中「第五十七条の二第五項、第五十七条の三第五項」を「第五十七条の三第五項、第五十七条の四第五項」に改める。
第百二十条第一号中「第五十七条の二第一項」を「第五十七条の三第一項」に、「若しくは第六項、第六十六条の四」を「、第六十六条の三、第六十六条の六」に、「第百一条」を「第百一条第一項」に改め、同条第二号中「第五十七条の三第一項」を「第五十七条の四第一項」に改める。
第百二十一条第一号中「第七十五条の十」の下に「(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)」を加え、「、型式検定又は試験事務の業務の全部」を「若しくは型式検定の業務、試験事務若しくはコンサルタント試験事務の全部又は登録事務」に改める。
(作業環境測定法の一部改正)
第二条 作業環境測定法(昭和五十年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第三十二条第二項中「こえない」を「超えない」に改める。
第三十四条第一項中「並びに第五十三条(」を「、第五十三条(」に改め、「同じ。)」の下に「並びに第五十四条の五」を加え、「こえない」を「超えない」に、「読み替える」を「、同法第五十四条の五第一項中「第五十四条の三第二項各号のいずれか」とあるのは「作業環境測定法第三十四条第一項において準用する第四十六条第二項各号のいずれか」と読み替える」に改める。
第五十二条及び第五十三条中「十万円」を「百万円」に改める。
第五十四条及び第五十五条中「五万円」を「五十万円」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、第一条中労働安全衛生法の目次の改正規定、同法第五十四条の三第二項第一号及び第二号並びに第五十四条の五第二項第二号の改正規定、同法第五章第一節中同条を第五十四条の六とする改正規定並びに同法第五十四条の四の次に一条を加える改正規定、第二条並びに次条の規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 前条ただし書に規定する規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第三条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第一条の規定による改正後の労働安全衛生法第五十七条の二及び第百一条第二項の規定の実施状況等を勘案し、これらの規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部改正)
第四条 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。
第四十五条第一項中「第六十六条の三第一項」を「第六十六条の五第一項」に改め、同条第三項中「第五十七条の二」を「第五十七条の三」に、「、第五項」を「並びに第五項」に、「並びに第六項」を「、第六十六条の三」に、「、第六十六条の二」を「、第六十六条の四」に、「第六十六条の二中「前条第一項」を「第六十六条の四中「第六十六条第一項」に、「又は第五項ただし書」」を「若しくは第五項ただし書又は第六十六条の二」」に、「前条第二項前段若しくは後段(派遣先の事業を行う者が同項後段の政令で定める業務に従事させたことのある労働者(」を「第六十六条第二項前段若しくは後段(派遣先の事業を行う者が同項後段の政令で定める業務に従事させたことのある労働者(労働者派遣法第四十四条第一項に規定する」に、「同条第二項前段」を「第六十六条第二項前段」に改め、同条第十項中「同条第六項」を「第六十六条の三」に改め、同条第十四項中「第六十六条の二」を「第六十六条の四」に改め、同条第十五項中「第六十六条の三第三項」を「第六十六条の五第三項」に、「第百一条」を「第百一条第一項」に改め、同条第十六項中「第七十五条の三第二項第三号」及び「第七十五条の四第二項」の下に「(同法第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)」を、「第七十五条の五第四項」の下に「(同法第八十三条の三において準用する場合を含む。)」を加える。
(労働省設置法の一部改正)
第五条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。
第四条第二十四号中「第七十五条の二第一項の指定試験機関」の下に「、指定教習機関、指定コンサルタント試験機関、同法第八十五条の二第一項の指定登録機関」を加え、「指定登録機関」を「同法第三十二条の二第二項の指定登録機関」に改める。
第五条第二十二号中「及び指定教習機関」を「、指定教習機関、指定コンサルタント試験機関及び指定登録機関」に改める。
労働大臣 甘利明
内閣総理大臣 小渕恵三