労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第九十号
公布年月日: 平成8年6月19日
法令の形式: 法律
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成八年六月十九日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第九十号
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律
(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部改正)
第一条 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四十八条」を「第四十七条の二」に改める。
第四条に次の一項を加える。
4 労働者派遣事業を行う事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その指揮命令の下に当該労働者派遣に係る派遣労働者を適用対象業務以外の業務に従事させてはならない。
第十条第四項中「三年」を「五年」に改める。
第十一条第一項ただし書中「もの」の下に「及び事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの」を加え、同条第三項中「変更」の下に「又は事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの」を加える。
第十二条第一項に次のただし書を加える。
ただし、一般派遣元事業主で二以上の事業所を設けているものが、一の事業所に関して同項第一号又は第二号に掲げる事項の変更を届け出たときは、当該事業所以外の事業所に係る当該事項の変更に関しては、この限りでない。
第十九条第一項ただし書中「もの」の下に「及び事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの」を加え、同条第二項中「軽微な変更」の下に「若しくは事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの」を加え、同項に次のただし書を加える。
ただし、特定派遣元事業主で二以上の事業所を設けているものが、一の事業所に関して同項第一号又は第二号に掲げる事項の変更を届け出たときは、当該事業所以外の事業所に係る当該事項の変更に関しては、この限りでない。
第二十四条の次に次の一条を加える。
(派遣元事業主以外の労働者派遣事業を行う事業主からの労働者派遣の受入れの禁止)
第二十四条の二 適用対象業務について労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣元事業主以外の労働者派遣事業を行う事業主から、労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。
第二十六条第一項中第七号を第九号とし、第六号の次に次の二号を加える。
七 派遣労働者から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項
八 労働者派遣契約の解除に当たつて講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
第三十七条第一項中第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。
六 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
第四十二条第一項中第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
第四章中第四十八条の前に次の一条を加える。
(指針)
第四十七条の二 労働大臣は、前章第一節から第三節までの規定により派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
第四十九条の見出しを「(改善命令等)」に改め、同条に次の一項を加える。
2 労働大臣は、派遣先が第四条第四項の規定に違反している場合において、同項の規定に違反している派遣就業を継続させることが著しく不適当であると認めるときは、当該派遣先に労働者派遣をする派遣元事業主に対し、当該派遣就業に係る労働者派遣契約による労働者派遣の停止を命ずることができる。
第四十九条の次に次の一条を加える。
(公表等)
第四十九条の二 労働大臣は、第四条第四項又は第二十四条の二の規定に違反している者に対し、第四十八条第一項の規定による指導又は助言をした場合において、その者がなお第四条第四項又は第二十四条の二の規定に違反しており、又は違反するおそれがあると認めるときは、当該者に対し、第四条第四項又は第二十四条の二の規定に違反する派遣就業を是正するために必要な措置又は当該派遣就業が行われることを防止するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
2 労働大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
第五十八条中「五万円以上百万円以下」を「二十万円以上三百万円以下」に改める。
第五十九条中「二十万円」を「五十万円」に改める。
第六十条及び第六十一条中「十万円」を「三十万円」に改める。
(育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正)
第二条 育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)の一部を次のように改正する。
第三十九条第一項中「この項」の下に「、第四十条の二及び第四十条の三」を加える。
第四十条の次に次の二条を加える。
(育児休業等取得者の業務について行われる労働者派遣事業の特例)
第四十条の二 労働者が育児休業又は介護休業をする場合に当該労働者の業務について行われる労働者派遣事業(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第三号の労働者派遣事業をいい、労働者派遣法第五条第一項(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)第十一条の三の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の許可を受けて行われるもの及び労働者派遣法第十六条第一項(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第十一条の三の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する届出書を提出して行われるものを除く。)については、労働者派遣法第四条第二項、第五条第二項第四号及び第二十六条第二項の規定は適用せず、次の表の上欄に掲げる労働者派遣法の規定の同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句に読み替えて、これらの規定を適用する。
第四条第一項
業務のうち、次の各号のいずれかに該当する業務であつて、労働力の需要及び供給の迅速かつ的確な結合を図るためには、労働者派遣により派遣労働者に従事させることができるようにする必要があるものとして政令で定める業務(以下「適用対象業務」という。)
業務(以下「育児・介護休業派遣適用対象業務」という。)
第四条第三項及び第四項、第五条第一項、第十六条第一項、第二十四条の二
適用対象業務
育児・介護休業派遣適用対象業務
第六条第一号
この法律
育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児休業法」という。)第四十条の二の規定による読替え後のこの法律(以下「読替え後のこの法律」という。)
第七条第一項第一号
事業対象業務
育児・介護休業派遣適用対象業務
第十条第五項、第十一条第二項
第五条第二項
第五条第二項(第四号を除く。)
第十一条の見出し
事業対象業務の種類等
事業所の所在地
第十一条第一項
同条第二項各号
同条第二項各号(第四号を除く。)
第十一条第一項、第十九条第一項
所在地又は事業対象業務の種類
所在地
もの及び事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの
もの
第十一条第三項
変更又は事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの
変更
第十四条第一項第二号
この法律(第三章第四節の規定を除く。)
読替え後のこの法律(第三章第四節の規定を除く。第二十一条第二項、第四十八条、第五十条及び第五十一条において同じ。)、育児休業法第四十条の三
第十六条第一項
第五条第二項各号
第五条第二項各号(第四号を除く。)
第十九条第二項
変更若しくは事業対象業務の種類の変更であつてその種類を減ずるもの
変更
第二十一条第二項
この法律(第三章第四節の規定を除く。
読替え後のこの法律、育児休業法第四十条の三
第二十五条
この法律
読替え後のこの法律及び育児休業法第四十条の三
第二十六条第三項
前二項
第一項
第三十七条第一項第七号、第四十二条第一項第六号
その他
育児休業法第四十条の三第一項各号に掲げる事項その他
第三十九条
第二十六条第一項各号
第二十六条第一項各号及び育児休業法第四十条の三第一項各号
第四十一条第一号イ
この法律
読替え後のこの法律、育児休業法第四十条の三
第四十八条第一項
この法律(前章第四節の規定を除く。第五十条及び第五十一条において同じ。)
読替え後のこの法律及び育児休業法第四十条の三の規定
第五十条、第五十一条第一項
この法律
読替え後のこの法律及び育児休業法第四十条の三の規定
第五十五条
この法律
読替え後のこの法律
第四十条の三 前条の場合において、派遣元事業主(労働者派遣法第二十三条第一項の派遣元事業主をいう。次項において同じ。)及び派遣先(労働者派遣法第三十一条の派遣先をいう。次項において同じ。)は、労働者派遣契約(労働者派遣法第二十六条第一項の労働者派遣契約をいう。)の締結に際し、労働者派遣法第二十六条第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 労働者派遣(労働者派遣法第二条第一号の労働者派遣をいう。次項において同じ。)に係る育児休業又は介護休業をする労働者の氏名及び業務
二 前号の労働者の育児休業又は介護休業をする期間
2 前条の場合において、派遣元事業主は、派遣先に対し、前項第二号に掲げる期間(その期間が一年を超えるときは、一年)を超える期間継続して同項第一号の労働者に係る労働者派遣を行つてはならない。
第四十五条第一項中「第四十条」を「第四十条の三」に改める。
第四十六条第一項中「、第四十条」を「から第四十条の三まで」に改める。
(育児休業等に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第三条 育児休業等に関する法律の一部を改正する法律(平成七年法律第百七号)の一部を次のように改正する。
第二条のうち、育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第四十六条第一項の改正規定中「、第四十条」を「から第四十条の三まで」に、「、第四十六条」を「から第四十六条の三まで」に改め、同法第四十五条第一項の改正規定中「第四十条」を「第四十条の三」に、「第四十六条」を「第四十六条の三」に改め、同法第四十二条を第四十八条とし、第四十一条を第四十七条とし、第四十条を第四十六条とする改正規定中「第四十条を第四十六条」を「第四十条の三を第四十六条の三」に改め、同改正規定の次に次の改正規定を加える。
第四十条の二の表第六条第一号の項中「育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児休業法」という。)第四十条の二」を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)第四十六条の二」に改め、同表第十四条第一項第二号の項、第二十一条第二項の項、第二十五条の項、第三十七条第一項第七号、第四十二条第一項第六号の項、第三十九条の項、第四十一条第一号イの項、第四十八条第一項の項及び第五十条、第五十一条第一項の項中「育児休業法第四十条の三」を「育児・介護休業法第四十六条の三」に改め、同条を第四十六条の二とする。
第四十条を第四十六条とする。
第二条のうち、育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第三十九条第一項の改正規定中「この項」の下に「、第四十条の二及び第四十条の三」を、「いう」の下に「。以下この項、第四十条の二及び第四十条の三」を加え、「含む」」を「含む。以下この項、第四十六条の二及び第四十六条の三」」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第八条の規定は、平成十一年四月一日から施行する。
(更新を受けた許可の有効期間に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に第一条の規定による改正前の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「旧労働者派遣法」という。)第十条第二項の許可の有効期間の更新を受けた者に係る同項の更新を受けた許可の有効期間は、第一条の規定による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「新労働者派遣法」という。)第十条第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(事業対象業務の種類の変更の許可に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に旧労働者派遣法第十一条第一項の許可の申請であって、新労働者派遣法第十一条第一項ただし書に規定する事業対象業務の種類の変更であってその種類を減ずるものに相当するものに係る許可の申請をしている者は、この法律の施行の日に、新労働者派遣法第十一条第三項の規定による届出をした者とみなす。
(氏名等の変更の届出に関する経過措置)
第四条 新労働者派遣法第十二条第一項ただし書及び第十九条第二項ただし書の規定は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律第五条第二項第一号又は第二号に掲げる事項の変更であってこの法律の施行後にあるものについて適用し、この法律の施行前にあった当該事項の変更については、なお従前の例による。
(派遣元管理台帳及び派遣先管理台帳に関する経過措置)
第五条 新労働者派遣法第三十七条第一項第六号及び第四十二条第一項第五号の規定は、この法律の施行後に締結される労働者派遣契約に基づき行われる労働者派遣に係る派遣労働者から申出を受けた苦情について適用する。
(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為及び附則第四条の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正)
第七条 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
第十一条の三中「労働者派遣法第五条第一項」の下に「(育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号。以下この条において「育児休業法」という。)第四十条の二の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」を、「労働者派遣法第十六条第一項」の下に「(育児休業法第四十条の二の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」を加え、同条の表第四条第三項、第五条第一項、第十六条第一項の項中「第四条第三項」の下に「及び第四項」を、「第十六条第一項」の下に「、第二十四条の二」を加える。
第八条 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を次のように改正する。
第十一条の三中「育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号。以下この条において「育児休業法」という。)第四十条の二」を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号。以下この条において「育児・介護休業法」という。)第四十六条の二」に、「育児休業法第四十条の二」を「育児・介護休業法第四十六条の二」に改める。
(港湾労働法の一部改正)
第九条 港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
第十五条中「及び第四十八条第二項」を「、第四十八条第二項、第四十九条第二項及び第四十九条の二」に改める。
労働大臣 永井孝信
内閣総理大臣 橋本龍太郎