厚生年金保険法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十一号
公布年月日: 昭和63年5月24日
法令の形式: 法律
厚生年金保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十三年五月二十四日
内閣総理大臣 竹下登
法律第六十一号
厚生年金保険法の一部を改正する法律
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の一部を次のように改正する。
第四十四条の二第二項を次のように改める。
2 前項の規定は、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得する前に厚生年金基金連合会が解散した場合における当該厚生年金基金連合会がその支給に関する義務を負つていた年金たる給付の額の計算の基礎となる厚生年金基金の加入員であつた期間については、適用しない。
第四十四条の二第三項を削り、同条第四項中「厚生年金基金連合会に」を「当該厚生年金基金連合会が」に、「義務が承継されている」を「義務を負つている」に、「、厚生年金基金連合会が」を「、当該厚生年金基金連合会が」に改め、同項を同条第三項とする。
第八十五条の二(見出しを含む。)及び第百二条第二項中「厚生年金基金又は」を削る。
第百二十条中第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は代議員会に意見を提出することができる。
第百三十条第六項中「生命保険会社」の下に「、厚生年金基金連合会」を加え、同項に次のただし書を加える。
ただし、年金数理に関する業務は、厚生年金基金連合会に委託することができない。
第百三十条の次に次の一条を加える。
(年金数理)
第百三十条の二 基金は、適正な年金数理に基づいてその業務を行わなければならない。
第百三十二条に次の一項を加える。
3 基金は、その支給する年金給付の水準が前項に規定する額に二・七を乗じて得た額に相当する水準に達するよう努めるものとする。
第百三十六条中「死亡を支給理由とする一時金たる給付」の下に「(以下「死亡一時金」という。)」を加える。
第百四十七条第五項中「解散した基金の財産の処分の方法その他」を「前各項に定めるもののほか、解散した基金の」に改め、同項を同条第六項とし、同条中第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 解散した基金の残余財産は、規約の定めるところにより、その解散した日において当該基金が年金給付の支給に関する義務を負つていた者(以下「解散基金加入員」という。)に分配しなければならない。
第百四十九条第一項中「中途脱退者」の下に「及び解散基金加入員」を加え、「行なう」を「行う」に改める。
第百五十三条第一項第六号中「年金給付」の下に「及び一時金たる給付」を加える。
第百五十八条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は評議員会に意見を提出することができる。
第百五十九条第一項中「次条第五項」を「第百六十条第五項」に、「中途脱退者に対し、」を「中途脱退者及び解散基金加入員に対し」に、「行なう」を「行うほか、第百六十条の二第三項及び第百六十二条の三第五項の規定により一時金たる給付の支給を行う」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 連合会は、次の事業を行うことができる。ただし、第一号に掲げる事業を行う場合には、厚生大臣の認可を受けなければならない。
一 解散基金加入員に支給する年金給付につき一定額が確保されるよう、基金の拠出金等を原資として、年金給付の額を付加する事業
二 基金の行う事業の健全な発展を図るために必要な事業であつて政令で定めるもの
第百五十九条中第六項を第七項とし、第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 連合会は、第百三十条第六項の規定による委託を受けて、基金の業務の一部を行うことができる。
第百五十九条の次に次の一条を加える。
(年金数理)
第百五十九条の二 連合会は、適正な年金数理に基づいてその業務を行わなければならない。
第百六十条の次に次の一条を加える。
第百六十条の二 基金は、規約の定めるところにより、前条第一項の規定による申出に係る中途脱退者に支給すべき脱退を支給理由とする第百三十条第二項の一時金たる給付(以下「脱退一時金」という。)の額に相当する額(以下「脱退一時金相当額」という。)の交付を連合会に申し出ることができる。
2 前項の規定により申出をした基金は、当該中途脱退者に係る前条第三項の規定による現価相当額の交付をするときに、当該申出に係る脱退一時金相当額を連合会に交付しなければならない。
3 連合会は、前項の規定により脱退一時金相当額の交付を受けたときは、当該交付金を原資として、政令の定めるところにより、当該中途脱退者に係る年金給付の額を加算し、又は死亡一時金その他の一時金たる給付を支給するものとする。
4 基金は、第二項の規定により脱退一時金相当額を交付したときは、当該中途脱退者に係る脱退一時金の支給に関する義務を免れる。
5 連合会は、第三項の規定により中途脱退者に係る年金給付の額を加算し、又は一時金たる給付を支給することとなつたときは、前条第六項の規定による通知に併せて、その旨を当該中途脱退者に通知しなければならない。
6 前条第二項の規定は、第一項の規定による申出について、同条第七項の規定は、前項の規定による通知について準用する。
第百六十一条第一項中「前条第五項」を「第百六十条第五項」に改め、「当該年金給付の支給に関する義務」の下に「(前条第三項の規定により連合会が当該年金給付の額を加算して支給するものとされている場合にあつては、当該加算された額の年金給付の支給に関する義務とし、同項の規定により連合会が一時金たる給付を支給するものとされている場合にあつては、当該一時金たる給付の支給に関する義務を含む。)」を加え、同条第二項中「年金給付」の下に「及び一時金たる給付」を加える。
第百六十二条の次に次の二条を加える。
第百六十二条の二 第百六十一条第一項の規定により加算された額の年金給付及び一時金たる給付の支給に関する義務を承継した基金の当該義務の承継に係る加入員について第百六十条から前条までの規定を適用する場合においては、第百六十条第一項及び第三項中「に係る年金給付」とあるのは「に係る次条第三項の規定によりその額が加算された年金給付及び同項の規定による一時金たる給付」と、同条第五項及び第六項中「年金給付」とあるのは「年金給付及び一時金たる給付」と、第百六十条の二第三項中「一時金たる給付を支給する」とあるのは「一時金たる給付の額を加算する」と、同条第五項中「の額を加算し、又は一時金たる給付を支給する」とあるのは「又は一時金たる給付の額を加算する」と、第百六十一条第一項及び前条第一項中「年金給付」とあるのは「年金給付及び一時金たる給付」とする。
(解散基金加入員に係る措置)
第百六十二条の三 連合会は、基金が解散したときは、解散基金加入員に係る第八十五条の二に規定する責任準備金に相当する額を当該解散した基金から徴収する。
2 解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を取得したとき又は基金が解散した日において当該基金に係る解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を有していたときは、連合会は、当該解散基金加入員に年金給付を支給するものとする。
3 前項の年金給付の額は、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となつた被保険者であつた期間のうち同時に当該解散した基金の加入員であつた期間に係る第百三十二条第二項に規定する額とする。
4 解散した基金は、規約の定めるところにより、第百四十七条第四項の規定により解散基金加入員に分配すべき残余財産の交付を連合会に申し出ることができる。
5 連合会は、前項の規定による申出に従い解散基金加入員に分配すべき残余財産の交付を受けたときは、当該交付金を原資として、政令の定めるところにより、当該解散基金加入員に係る年金給付の額を加算し、又は死亡一時金その他の一時金たる給付を支給するものとする。
6 連合会が前項に規定する残余財産の交付を受けたときは、第百四十七条第四項の規定の適用については、当該残余財産は、当該解散基金加入員に分配されたものとみなす。
7 連合会は、第五項の規定により解散基金加入員に係る年金給付の額を加算し、又は一時金たる給付を支給することとなつたときは、その旨を当該解散基金加入員に通知しなければならない。
8 第百六十条第二項の規定は、第四項の規定による申出について、同条第七項の規定は、前項の規定による通知について準用する。
第百六十三条中「年金給付」の下に「及び一時金たる給付」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(年金給付の支給停止)
第百六十三条の二 連合会が第百六十二条の三第二項の規定により支給する年金給付は、当該解散基金加入員が受給権を有する老齢厚生年金につき第三十八条第一項前段の規定によりその支給が停止されているときは、その間、その支給を停止するものとする。ただし、当該年金給付のうち、第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分については、この限りでない。
第百六十四条第一項前段を次のように改める。
第三十七条、第四十条、第四十条の二及び第四十一条第一項の規定は、連合会が支給する年金給付及び一時金たる給付について、第三十六条第一項及び第二項、第三十九条第二項前段並びに第百三十五条の規定は、連合会が支給する年金給付について、第三十五条及び第四十五条の規定は、連合会が第百六十二条の三第二項の規定により支給する年金給付について、第四十一条第二項の規定は、死亡一時金について準用する。
第百六十四条第一項後段中「この場合において」の下に「、第三十五条中「(第四十四条第一項、第五十条の二第一項又は第六十二条第一項の規定により加算する額を除く。)又は当該加算する額」とあるのは「(第百六十二条の三第五項の規定により加算された額を除く。)」と」を加え、「及び第四十条」を「、第四十条及び第四十五条」に、「同条」を「第四十条」に改め、「第四十一条第一項」の下に「及び第四十五条」を加え、同条第二項中「第四十条の二」の下に「の規定及び第百六十二条の三第一項」を加える。
第百六十七条の見出し中「年金給付」を「年金給付等」に改め、同条中「第百六十条第五項の規定により年金給付の支給に関する義務を承継している中途脱退者に係る当該義務」を「中途脱退者及び解散基金加入員に係る年金給付及び一時金たる給付の支給に関する義務」に改め、「であつた年金給付」の下に「又は一時金たる給付」を加える。
第百六十八条第三項中「から第五項まで及び」を「、第三項、第五項及び第六項並びに」に改める。
第百七十六条中「第百五十九条第四項」を「第百五十九条第五項」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(年金数理関係書類の年金数理人による確認等)
第百七十六条の二 この法律に基づき基金(第百十一条第一項若しくは第百四十三条第四項の規定に基づき基金を設立しようとする事業主又は第百四十二条第二項の規定に基づき合併により基金を設立しようとする設立委員を含む。)又は連合会が厚生大臣に提出する年金数理に関する業務に係る書類であつて厚生省令で定めるものについては、当該書類が適正な年金数理に基づいて作成されていることを年金数理人(年金数理に関して必要な知織経験を有する者として厚生省令で定める要件に適合する者をいう。)が確認し、署名押印したものでなければならない。
第百八十二条に次の一項を加える。
3 解散した基金が、正当な理由がなくて、第百六十二条の三第一項の規定により負担すべき徴収金を督促状に指定する期限までに納付しないときも、第一項と同様とする。
第百八十六条第二号中「第百六十条第六項」の下に「、第百六十条の二第五項又は第百六十二条の三第七項」を加え、同条第三号中「第百六十条第七項」の下に「(第百六十条の二第六項及び第百六十二条の三第八項において準用する場合を含む。)」を加える。
附則第十三条の次に次の一条を加える。
第十三条の二 附則第八条第四項及び第十一条の規定は、第百六十二条の三第二項の規定により連合会が解散基金加入員(附則第八条の規定による老齢厚生年金の受給権を有する者に限る。)に支給する年金給付(第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分を除く。)について準用する。この場合において、附則第八条第四項及び第十一条中「受給権者」とあるのは「受給権を有する者」と、同条中「老齢厚生年金の額(附則第九条第四項において準用する第四十四条第一項に規定する加給年金額を除く。)」とあるのは「年金給付の額(第百六十二条の三第五項の規定により加算された額を除く。)」と読み替えるものとする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十三年九月一日から施行する。ただし、第四十四条の二第二項の改正規定、同条第三項を削る改正規定、同条第四項、第八十五条の二、第百二条第二項、第百三十六条及び第百四十七条第五項の改正規定、同条第三項の次に一項を加える改正規定、第百四十九条第一項、第百五十三条第一項並びに第百五十九条第一項及び第二項の改正規定、第百六十条の次に一条を加える改正規定、第百六十一条第一項及び第二項の改正規定、第百六十二条の次に二条を加える改正規定、第百六十三条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第百六十四条、第百六十七条及び第百六十八条第三項の改正規定、第百八十二条に一項を加える改正規定、第百八十六条の改正規定、附則第十三条の次に一条を加える改正規定並びに次条、附則第三条、附則第五条から第八条まで、附則第十条及び附則第十一条の規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「一部施行日」という。)から施行する。
(解散基金加入員に支給する老齢厚生年金等に関する経過措置)
第二条 この法律による改正後の厚生年金保険法(以下「新法」という。)第四十四条の二の規定は、一部施行日以後に解散した厚生年金基金(以下「基金」という。)に係る新法第百四十七条第四項に規定する解散基金加入員(以下「解散基金加入員」という。)であつて国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下「法律第三十四号」という。)附則第六十三条第一項に規定する者(以下「旧厚生年金適用者」という。)でない者に支給する老齢厚生年金又は特例老齢年金について適用し、一部施行日前に解散した基金に係る解散基金加入員に支給する老齢厚生年金又は特例老齢年金については、なお従前の例による。
2 一部施行日以後に解散した基金に係る解散基金加入員であつて旧厚生年金適用者である者に支給する法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法による老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金については、法律第三十四号附則第七十八条第二項の規定にかかわらず、同項の規定によりなおその効力を有するものとされた法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第四十四条の二の規定を適用せず、新法第四十四条の二の規定の例による。
(基金の解散に伴う責任準備金相当額の徴収に関する経過措置)
第三条 一部施行日前に解散した基金に係る解散基金加入員に係るこの法律による改正前の厚生年金保険法第八十五条の二に規定する責任準備金に相当する額の徴収については、なお従前の例による。
(基金又は連合会の規約の変更)
第四条 基金は、一部施行日までに、その規約を新法第百四十七条第四項の規定に適合するように変更し、当該規約の変更につき厚生大臣の認可を受けなければならない。
2 厚生年金基金連合会(以下「連合会」という。)は、一部施行日までに、その規約を新法第百五十三条第一項の規定に適合するように変更し、当該規約の変更につき厚生大臣の認可を受けなければならない。
3 前二項の場合において、認可の効力は、一部施行日から生ずるものとする。
(中途脱退者に係る措置に関する経過措置)
第五条 新法第百六十条の二の規定は、基金が一部施行日以後に新法第百六十条第一項の規定による申出をした同項に規定する中途脱退者であつて旧厚生年金適用者でない者について適用する。
2 基金が一部施行日以後に新法第百六十条第一項の規定による申出をした同項に規定する中途脱退者であつて旧厚生年金適用者である者については、法律第三十四号附則第八十三条第二項(法律第三十四号附則第八十五条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定によりなお従前の例によるものとされた法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第百六十条から第百六十二条までの規定を適用せず、新法第百六十条から第百六十二条の二までの規定の例による。
(解散基金加入員に係る措置に関する経過措置)
第六条 新法第百六十二条の三の規定は、一部施行日以後に解散した基金及び当該基金に係る解散基金加入員について適用する。
第七条 法律第三十四号附則第八十二条第一項に規定する者である解散基金加入員が同項に規定する老齢厚生年金の受給権を取得したとき又は基金が解散した日において当該基金に係る解散基金加入員が当該老齢厚生年金の受給権を有していたときに連合会が当該解散基金加入員に支給する年金たる給付(以下「年金給付」という。)の額については、新法第百六十二条の三第三項中「第百三十二条第二項」とあるのは、「国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第八十二条第一項」とする。
2 新法第百六十二条の三第二項の規定により連合会が支給する年金給付については、新法第百六十三条の二に定める場合のほか、当該年金給付に係る解散基金加入員が受給権を有する老齢厚生年金又は特例老齢年金について法律第三十四号附則第五十六条第一項の規定によりその支給が停止されているときは、その間、その支給を停止するものとする。ただし、当該年金給付のうち、新法第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分については、この限りでない。
第八条 一部施行日以後に解散した基金に係る解散基金加入員であつて旧厚生年金適用者である者については、新法第百六十二条の三第二項中「老齢厚生年金の受給権を取得したとき」とあるのは「国民年金法等の一部を改正する法律による改正前のこの法律による老齢年金、通算老齢年金若しくは特例老齢年金の受給権を取得したとき」と、「老齢厚生年金の受給権を有していたとき」とあるのは「当該老齢年金、通算老齢年金若しくは特例老齢年金の受給権を有していたとき」と、同条第三項中「当該老齢厚生年金」とあるのは「当該老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金」と、「第百三十二条第二項に規定する額」とあるのは「国民年金法等の一部を改正する法律による改正前の第百三十二条第二項の規定の例により計算した額」とする。
2 前項の規定により読み替えて適用される新法第百六十二条の三第二項の規定により連合会が支給する年金給付の支給の停止については、前条第二項及び新法第百六十三条の二の規定にかかわらず、次項から第六項までに定めるところによる。
3 前項に規定する年金給付は、当該年金給付に係る解散基金加入員が受給権を有する法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法による老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金について法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第三十八条第一項又は法律第三十四号附則第五十六条第二項前段の規定によりその支給が停止されているときは、その間、その支給を停止するものとする。ただし、当該年金給付のうち、新法第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分については、この限りでない。
4 前項に規定する老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金について法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第三十八条第二項の規定の適用がある場合には、第二項に規定する年金給付(新法第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分を除く。次項及び第六項において同じ。)は、前項本文の規定にかかわらず、法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第三十八条第二項に規定する控除して得た額から当該老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金の額を控除して得た額の限度において、その支給の停止を行わない。
5 第三項に規定する老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金について法律第三十四号附則第五十六条第六項の規定の適用がある場合には、第二項に規定する年金給付は、第三項本文の規定にかかわらず、当該年金給付の額の二分の一に相当する部分の支給の停止を行わない。
6 第二項に規定する年金給付は、法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第四十六条第三項並びに第四十六条の七第三項及び第四項の規定並びに法律第三十四号附則第七十八条第二項の規定により読み替えられた法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第四十六条第一項並びに第四十六条の七第一項及び第二項の規定(これらの規定に基づく政令の規定を含む。)の例により、その支給を停止する。
7 第二項に規定する年金給付については、新法第百六十四条第一項に定めるもののほか、新法第七十三条の二の規定を準用する。この場合において、同条中「被保険者又は被保険者であつた者」とあるのは、「第百四十七条第四項に規定する解散基金加入員」と読み替えるものとする。
(罰則に関する経過措置)
第九条 この法律(附則第一条ただし書に規定する改正規定については、当該改正規定)の施行前にした行為及び附則第三条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部改正)
第十条 厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第九十二号)の一部を次のように改正する。
附則第五条第四項中「及び第四項」を削る。
(厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部改正に伴う経過措置)
第十一条 前条の規定による改正後の厚生年金保険法等の一部を改正する法律附則第五条第四項の規定は、一部施行日以後に解散した基金に係る解散基金加入員であつて旧厚生年金適用者でない者に支給する老齢厚生年金又は特例老齢年金について適用し、一部施行日前に解散した基金に係る解散基金加入員に支給する老齢厚生年金又は特例老齢年金については、なお従前の例による。
2 一部施行日以後に解散した基金に係る解散基金加入員であつて旧厚生年金適用者である者に支給する法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法による老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金については、法律第三十四号附則第七十八条第二項の規定にかかわらず、同項の規定によりなおその効力を有するものとされた法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法等の一部を改正する法律附則第五条第四項の規定を適用せず、前条の規定による改正後の同法附則第五条第四項の規定の例による。
(法人税法の一部改正)
第十二条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第八十四条第二項第一号ロ中「国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の規定による長期給付に準ずる給付」を「厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百三十二条第三項(年金給付の基準)に規定する相当する水準の給付」に改め、同項第二号ロ中「国家公務員等共済組合法の規定による長期給付に準ずる給付」を「厚生年金保険法第百三十二条第三項に規定する相当する水準の給付」に改め、同条第三項中「(昭和二十九年法律第百十五号)」を削り、「第百五十九条第四項」を「第百五十九条第五項」に改める。
別表第二第一号中「国家公務員等共済組合法」の下に「(昭和三十三年法律第百二十八号)」を加える。
(法人税法の一部改正に伴う経過措置)
第十三条 前条の規定による改正後の法人税法第八十四条の規定は、退職年金業務等を行う内国法人の昭和六十三年九月一日以後に開始する事業年度の退職年金等積立金に対する法人税について適用し、退職年金業務等を行う内国法人の同日前に開始した事業年度の退職年金等積立金に対する法人税については、なお従前の例による。
(地方税法の一部改正)
第十四条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
附則第九条第二項中「第百五十九条第四項」を「第百五十九条第五項」に改める。
大蔵大臣 宮澤喜一
厚生大臣 藤本孝雄
自治大臣 梶山静六
内閣総理大臣 竹下登
厚生年金保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十三年五月二十四日
内閣総理大臣 竹下登
法律第六十一号
厚生年金保険法の一部を改正する法律
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の一部を次のように改正する。
第四十四条の二第二項を次のように改める。
2 前項の規定は、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得する前に厚生年金基金連合会が解散した場合における当該厚生年金基金連合会がその支給に関する義務を負つていた年金たる給付の額の計算の基礎となる厚生年金基金の加入員であつた期間については、適用しない。
第四十四条の二第三項を削り、同条第四項中「厚生年金基金連合会に」を「当該厚生年金基金連合会が」に、「義務が承継されている」を「義務を負つている」に、「、厚生年金基金連合会が」を「、当該厚生年金基金連合会が」に改め、同項を同条第三項とする。
第八十五条の二(見出しを含む。)及び第百二条第二項中「厚生年金基金又は」を削る。
第百二十条中第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は代議員会に意見を提出することができる。
第百三十条第六項中「生命保険会社」の下に「、厚生年金基金連合会」を加え、同項に次のただし書を加える。
ただし、年金数理に関する業務は、厚生年金基金連合会に委託することができない。
第百三十条の次に次の一条を加える。
(年金数理)
第百三十条の二 基金は、適正な年金数理に基づいてその業務を行わなければならない。
第百三十二条に次の一項を加える。
3 基金は、その支給する年金給付の水準が前項に規定する額に二・七を乗じて得た額に相当する水準に達するよう努めるものとする。
第百三十六条中「死亡を支給理由とする一時金たる給付」の下に「(以下「死亡一時金」という。)」を加える。
第百四十七条第五項中「解散した基金の財産の処分の方法その他」を「前各項に定めるもののほか、解散した基金の」に改め、同項を同条第六項とし、同条中第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 解散した基金の残余財産は、規約の定めるところにより、その解散した日において当該基金が年金給付の支給に関する義務を負つていた者(以下「解散基金加入員」という。)に分配しなければならない。
第百四十九条第一項中「中途脱退者」の下に「及び解散基金加入員」を加え、「行なう」を「行う」に改める。
第百五十三条第一項第六号中「年金給付」の下に「及び一時金たる給付」を加える。
第百五十八条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は評議員会に意見を提出することができる。
第百五十九条第一項中「次条第五項」を「第百六十条第五項」に、「中途脱退者に対し、」を「中途脱退者及び解散基金加入員に対し」に、「行なう」を「行うほか、第百六十条の二第三項及び第百六十二条の三第五項の規定により一時金たる給付の支給を行う」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 連合会は、次の事業を行うことができる。ただし、第一号に掲げる事業を行う場合には、厚生大臣の認可を受けなければならない。
一 解散基金加入員に支給する年金給付につき一定額が確保されるよう、基金の拠出金等を原資として、年金給付の額を付加する事業
二 基金の行う事業の健全な発展を図るために必要な事業であつて政令で定めるもの
第百五十九条中第六項を第七項とし、第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 連合会は、第百三十条第六項の規定による委託を受けて、基金の業務の一部を行うことができる。
第百五十九条の次に次の一条を加える。
(年金数理)
第百五十九条の二 連合会は、適正な年金数理に基づいてその業務を行わなければならない。
第百六十条の次に次の一条を加える。
第百六十条の二 基金は、規約の定めるところにより、前条第一項の規定による申出に係る中途脱退者に支給すべき脱退を支給理由とする第百三十条第二項の一時金たる給付(以下「脱退一時金」という。)の額に相当する額(以下「脱退一時金相当額」という。)の交付を連合会に申し出ることができる。
2 前項の規定により申出をした基金は、当該中途脱退者に係る前条第三項の規定による現価相当額の交付をするときに、当該申出に係る脱退一時金相当額を連合会に交付しなければならない。
3 連合会は、前項の規定により脱退一時金相当額の交付を受けたときは、当該交付金を原資として、政令の定めるところにより、当該中途脱退者に係る年金給付の額を加算し、又は死亡一時金その他の一時金たる給付を支給するものとする。
4 基金は、第二項の規定により脱退一時金相当額を交付したときは、当該中途脱退者に係る脱退一時金の支給に関する義務を免れる。
5 連合会は、第三項の規定により中途脱退者に係る年金給付の額を加算し、又は一時金たる給付を支給することとなつたときは、前条第六項の規定による通知に併せて、その旨を当該中途脱退者に通知しなければならない。
6 前条第二項の規定は、第一項の規定による申出について、同条第七項の規定は、前項の規定による通知について準用する。
第百六十一条第一項中「前条第五項」を「第百六十条第五項」に改め、「当該年金給付の支給に関する義務」の下に「(前条第三項の規定により連合会が当該年金給付の額を加算して支給するものとされている場合にあつては、当該加算された額の年金給付の支給に関する義務とし、同項の規定により連合会が一時金たる給付を支給するものとされている場合にあつては、当該一時金たる給付の支給に関する義務を含む。)」を加え、同条第二項中「年金給付」の下に「及び一時金たる給付」を加える。
第百六十二条の次に次の二条を加える。
第百六十二条の二 第百六十一条第一項の規定により加算された額の年金給付及び一時金たる給付の支給に関する義務を承継した基金の当該義務の承継に係る加入員について第百六十条から前条までの規定を適用する場合においては、第百六十条第一項及び第三項中「に係る年金給付」とあるのは「に係る次条第三項の規定によりその額が加算された年金給付及び同項の規定による一時金たる給付」と、同条第五項及び第六項中「年金給付」とあるのは「年金給付及び一時金たる給付」と、第百六十条の二第三項中「一時金たる給付を支給する」とあるのは「一時金たる給付の額を加算する」と、同条第五項中「の額を加算し、又は一時金たる給付を支給する」とあるのは「又は一時金たる給付の額を加算する」と、第百六十一条第一項及び前条第一項中「年金給付」とあるのは「年金給付及び一時金たる給付」とする。
(解散基金加入員に係る措置)
第百六十二条の三 連合会は、基金が解散したときは、解散基金加入員に係る第八十五条の二に規定する責任準備金に相当する額を当該解散した基金から徴収する。
2 解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を取得したとき又は基金が解散した日において当該基金に係る解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を有していたときは、連合会は、当該解散基金加入員に年金給付を支給するものとする。
3 前項の年金給付の額は、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となつた被保険者であつた期間のうち同時に当該解散した基金の加入員であつた期間に係る第百三十二条第二項に規定する額とする。
4 解散した基金は、規約の定めるところにより、第百四十七条第四項の規定により解散基金加入員に分配すべき残余財産の交付を連合会に申し出ることができる。
5 連合会は、前項の規定による申出に従い解散基金加入員に分配すべき残余財産の交付を受けたときは、当該交付金を原資として、政令の定めるところにより、当該解散基金加入員に係る年金給付の額を加算し、又は死亡一時金その他の一時金たる給付を支給するものとする。
6 連合会が前項に規定する残余財産の交付を受けたときは、第百四十七条第四項の規定の適用については、当該残余財産は、当該解散基金加入員に分配されたものとみなす。
7 連合会は、第五項の規定により解散基金加入員に係る年金給付の額を加算し、又は一時金たる給付を支給することとなつたときは、その旨を当該解散基金加入員に通知しなければならない。
8 第百六十条第二項の規定は、第四項の規定による申出について、同条第七項の規定は、前項の規定による通知について準用する。
第百六十三条中「年金給付」の下に「及び一時金たる給付」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(年金給付の支給停止)
第百六十三条の二 連合会が第百六十二条の三第二項の規定により支給する年金給付は、当該解散基金加入員が受給権を有する老齢厚生年金につき第三十八条第一項前段の規定によりその支給が停止されているときは、その間、その支給を停止するものとする。ただし、当該年金給付のうち、第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分については、この限りでない。
第百六十四条第一項前段を次のように改める。
第三十七条、第四十条、第四十条の二及び第四十一条第一項の規定は、連合会が支給する年金給付及び一時金たる給付について、第三十六条第一項及び第二項、第三十九条第二項前段並びに第百三十五条の規定は、連合会が支給する年金給付について、第三十五条及び第四十五条の規定は、連合会が第百六十二条の三第二項の規定により支給する年金給付について、第四十一条第二項の規定は、死亡一時金について準用する。
第百六十四条第一項後段中「この場合において」の下に「、第三十五条中「(第四十四条第一項、第五十条の二第一項又は第六十二条第一項の規定により加算する額を除く。)又は当該加算する額」とあるのは「(第百六十二条の三第五項の規定により加算された額を除く。)」と」を加え、「及び第四十条」を「、第四十条及び第四十五条」に、「同条」を「第四十条」に改め、「第四十一条第一項」の下に「及び第四十五条」を加え、同条第二項中「第四十条の二」の下に「の規定及び第百六十二条の三第一項」を加える。
第百六十七条の見出し中「年金給付」を「年金給付等」に改め、同条中「第百六十条第五項の規定により年金給付の支給に関する義務を承継している中途脱退者に係る当該義務」を「中途脱退者及び解散基金加入員に係る年金給付及び一時金たる給付の支給に関する義務」に改め、「であつた年金給付」の下に「又は一時金たる給付」を加える。
第百六十八条第三項中「から第五項まで及び」を「、第三項、第五項及び第六項並びに」に改める。
第百七十六条中「第百五十九条第四項」を「第百五十九条第五項」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(年金数理関係書類の年金数理人による確認等)
第百七十六条の二 この法律に基づき基金(第百十一条第一項若しくは第百四十三条第四項の規定に基づき基金を設立しようとする事業主又は第百四十二条第二項の規定に基づき合併により基金を設立しようとする設立委員を含む。)又は連合会が厚生大臣に提出する年金数理に関する業務に係る書類であつて厚生省令で定めるものについては、当該書類が適正な年金数理に基づいて作成されていることを年金数理人(年金数理に関して必要な知織経験を有する者として厚生省令で定める要件に適合する者をいう。)が確認し、署名押印したものでなければならない。
第百八十二条に次の一項を加える。
3 解散した基金が、正当な理由がなくて、第百六十二条の三第一項の規定により負担すべき徴収金を督促状に指定する期限までに納付しないときも、第一項と同様とする。
第百八十六条第二号中「第百六十条第六項」の下に「、第百六十条の二第五項又は第百六十二条の三第七項」を加え、同条第三号中「第百六十条第七項」の下に「(第百六十条の二第六項及び第百六十二条の三第八項において準用する場合を含む。)」を加える。
附則第十三条の次に次の一条を加える。
第十三条の二 附則第八条第四項及び第十一条の規定は、第百六十二条の三第二項の規定により連合会が解散基金加入員(附則第八条の規定による老齢厚生年金の受給権を有する者に限る。)に支給する年金給付(第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分を除く。)について準用する。この場合において、附則第八条第四項及び第十一条中「受給権者」とあるのは「受給権を有する者」と、同条中「老齢厚生年金の額(附則第九条第四項において準用する第四十四条第一項に規定する加給年金額を除く。)」とあるのは「年金給付の額(第百六十二条の三第五項の規定により加算された額を除く。)」と読み替えるものとする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十三年九月一日から施行する。ただし、第四十四条の二第二項の改正規定、同条第三項を削る改正規定、同条第四項、第八十五条の二、第百二条第二項、第百三十六条及び第百四十七条第五項の改正規定、同条第三項の次に一項を加える改正規定、第百四十九条第一項、第百五十三条第一項並びに第百五十九条第一項及び第二項の改正規定、第百六十条の次に一条を加える改正規定、第百六十一条第一項及び第二項の改正規定、第百六十二条の次に二条を加える改正規定、第百六十三条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第百六十四条、第百六十七条及び第百六十八条第三項の改正規定、第百八十二条に一項を加える改正規定、第百八十六条の改正規定、附則第十三条の次に一条を加える改正規定並びに次条、附則第三条、附則第五条から第八条まで、附則第十条及び附則第十一条の規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「一部施行日」という。)から施行する。
(解散基金加入員に支給する老齢厚生年金等に関する経過措置)
第二条 この法律による改正後の厚生年金保険法(以下「新法」という。)第四十四条の二の規定は、一部施行日以後に解散した厚生年金基金(以下「基金」という。)に係る新法第百四十七条第四項に規定する解散基金加入員(以下「解散基金加入員」という。)であつて国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下「法律第三十四号」という。)附則第六十三条第一項に規定する者(以下「旧厚生年金適用者」という。)でない者に支給する老齢厚生年金又は特例老齢年金について適用し、一部施行日前に解散した基金に係る解散基金加入員に支給する老齢厚生年金又は特例老齢年金については、なお従前の例による。
2 一部施行日以後に解散した基金に係る解散基金加入員であつて旧厚生年金適用者である者に支給する法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法による老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金については、法律第三十四号附則第七十八条第二項の規定にかかわらず、同項の規定によりなおその効力を有するものとされた法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第四十四条の二の規定を適用せず、新法第四十四条の二の規定の例による。
(基金の解散に伴う責任準備金相当額の徴収に関する経過措置)
第三条 一部施行日前に解散した基金に係る解散基金加入員に係るこの法律による改正前の厚生年金保険法第八十五条の二に規定する責任準備金に相当する額の徴収については、なお従前の例による。
(基金又は連合会の規約の変更)
第四条 基金は、一部施行日までに、その規約を新法第百四十七条第四項の規定に適合するように変更し、当該規約の変更につき厚生大臣の認可を受けなければならない。
2 厚生年金基金連合会(以下「連合会」という。)は、一部施行日までに、その規約を新法第百五十三条第一項の規定に適合するように変更し、当該規約の変更につき厚生大臣の認可を受けなければならない。
3 前二項の場合において、認可の効力は、一部施行日から生ずるものとする。
(中途脱退者に係る措置に関する経過措置)
第五条 新法第百六十条の二の規定は、基金が一部施行日以後に新法第百六十条第一項の規定による申出をした同項に規定する中途脱退者であつて旧厚生年金適用者でない者について適用する。
2 基金が一部施行日以後に新法第百六十条第一項の規定による申出をした同項に規定する中途脱退者であつて旧厚生年金適用者である者については、法律第三十四号附則第八十三条第二項(法律第三十四号附則第八十五条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定によりなお従前の例によるものとされた法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第百六十条から第百六十二条までの規定を適用せず、新法第百六十条から第百六十二条の二までの規定の例による。
(解散基金加入員に係る措置に関する経過措置)
第六条 新法第百六十二条の三の規定は、一部施行日以後に解散した基金及び当該基金に係る解散基金加入員について適用する。
第七条 法律第三十四号附則第八十二条第一項に規定する者である解散基金加入員が同項に規定する老齢厚生年金の受給権を取得したとき又は基金が解散した日において当該基金に係る解散基金加入員が当該老齢厚生年金の受給権を有していたときに連合会が当該解散基金加入員に支給する年金たる給付(以下「年金給付」という。)の額については、新法第百六十二条の三第三項中「第百三十二条第二項」とあるのは、「国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第八十二条第一項」とする。
2 新法第百六十二条の三第二項の規定により連合会が支給する年金給付については、新法第百六十三条の二に定める場合のほか、当該年金給付に係る解散基金加入員が受給権を有する老齢厚生年金又は特例老齢年金について法律第三十四号附則第五十六条第一項の規定によりその支給が停止されているときは、その間、その支給を停止するものとする。ただし、当該年金給付のうち、新法第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分については、この限りでない。
第八条 一部施行日以後に解散した基金に係る解散基金加入員であつて旧厚生年金適用者である者については、新法第百六十二条の三第二項中「老齢厚生年金の受給権を取得したとき」とあるのは「国民年金法等の一部を改正する法律による改正前のこの法律による老齢年金、通算老齢年金若しくは特例老齢年金の受給権を取得したとき」と、「老齢厚生年金の受給権を有していたとき」とあるのは「当該老齢年金、通算老齢年金若しくは特例老齢年金の受給権を有していたとき」と、同条第三項中「当該老齢厚生年金」とあるのは「当該老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金」と、「第百三十二条第二項に規定する額」とあるのは「国民年金法等の一部を改正する法律による改正前の第百三十二条第二項の規定の例により計算した額」とする。
2 前項の規定により読み替えて適用される新法第百六十二条の三第二項の規定により連合会が支給する年金給付の支給の停止については、前条第二項及び新法第百六十三条の二の規定にかかわらず、次項から第六項までに定めるところによる。
3 前項に規定する年金給付は、当該年金給付に係る解散基金加入員が受給権を有する法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法による老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金について法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第三十八条第一項又は法律第三十四号附則第五十六条第二項前段の規定によりその支給が停止されているときは、その間、その支給を停止するものとする。ただし、当該年金給付のうち、新法第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分については、この限りでない。
4 前項に規定する老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金について法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第三十八条第二項の規定の適用がある場合には、第二項に規定する年金給付(新法第百六十二条の三第五項の規定により加算された額に相当する部分を除く。次項及び第六項において同じ。)は、前項本文の規定にかかわらず、法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第三十八条第二項に規定する控除して得た額から当該老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金の額を控除して得た額の限度において、その支給の停止を行わない。
5 第三項に規定する老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金について法律第三十四号附則第五十六条第六項の規定の適用がある場合には、第二項に規定する年金給付は、第三項本文の規定にかかわらず、当該年金給付の額の二分の一に相当する部分の支給の停止を行わない。
6 第二項に規定する年金給付は、法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第四十六条第三項並びに第四十六条の七第三項及び第四項の規定並びに法律第三十四号附則第七十八条第二項の規定により読み替えられた法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法第四十六条第一項並びに第四十六条の七第一項及び第二項の規定(これらの規定に基づく政令の規定を含む。)の例により、その支給を停止する。
7 第二項に規定する年金給付については、新法第百六十四条第一項に定めるもののほか、新法第七十三条の二の規定を準用する。この場合において、同条中「被保険者又は被保険者であつた者」とあるのは、「第百四十七条第四項に規定する解散基金加入員」と読み替えるものとする。
(罰則に関する経過措置)
第九条 この法律(附則第一条ただし書に規定する改正規定については、当該改正規定)の施行前にした行為及び附則第三条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部改正)
第十条 厚生年金保険法等の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第九十二号)の一部を次のように改正する。
附則第五条第四項中「及び第四項」を削る。
(厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部改正に伴う経過措置)
第十一条 前条の規定による改正後の厚生年金保険法等の一部を改正する法律附則第五条第四項の規定は、一部施行日以後に解散した基金に係る解散基金加入員であつて旧厚生年金適用者でない者に支給する老齢厚生年金又は特例老齢年金について適用し、一部施行日前に解散した基金に係る解散基金加入員に支給する老齢厚生年金又は特例老齢年金については、なお従前の例による。
2 一部施行日以後に解散した基金に係る解散基金加入員であつて旧厚生年金適用者である者に支給する法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法による老齢年金、通算老齢年金又は特例老齢年金については、法律第三十四号附則第七十八条第二項の規定にかかわらず、同項の規定によりなおその効力を有するものとされた法律第三十四号による改正前の厚生年金保険法等の一部を改正する法律附則第五条第四項の規定を適用せず、前条の規定による改正後の同法附則第五条第四項の規定の例による。
(法人税法の一部改正)
第十二条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第八十四条第二項第一号ロ中「国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の規定による長期給付に準ずる給付」を「厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百三十二条第三項(年金給付の基準)に規定する相当する水準の給付」に改め、同項第二号ロ中「国家公務員等共済組合法の規定による長期給付に準ずる給付」を「厚生年金保険法第百三十二条第三項に規定する相当する水準の給付」に改め、同条第三項中「(昭和二十九年法律第百十五号)」を削り、「第百五十九条第四項」を「第百五十九条第五項」に改める。
別表第二第一号中「国家公務員等共済組合法」の下に「(昭和三十三年法律第百二十八号)」を加える。
(法人税法の一部改正に伴う経過措置)
第十三条 前条の規定による改正後の法人税法第八十四条の規定は、退職年金業務等を行う内国法人の昭和六十三年九月一日以後に開始する事業年度の退職年金等積立金に対する法人税について適用し、退職年金業務等を行う内国法人の同日前に開始した事業年度の退職年金等積立金に対する法人税については、なお従前の例による。
(地方税法の一部改正)
第十四条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
附則第九条第二項中「第百五十九条第四項」を「第百五十九条第五項」に改める。
大蔵大臣 宮沢喜一
厚生大臣 藤本孝雄
自治大臣 梶山静六
内閣総理大臣 竹下登