砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第27号
公布年月日: 昭和57年4月6日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

砂糖の需要減少や異性化糖の急増、国内産糖の自給力向上により、輸入糖の数量が大幅に減少している。この結果、国内産糖の価格支持に関する輸入糖の単位当たり負担が急増し、また市価低迷時における事業団収支への対応が必要となっている。そこで、異性化糖を蚕糸砂糖類価格安定事業団の売買対象に加え、砂糖との価格調整を行うとともに、市価参酌措置を円滑に行うため、輸入糖及び異性化糖の売戻し価格について特例措置を定めることとした。

参照した発言:
第96回国会 衆議院 農林水産委員会 第9号

審議経過

第96回国会

衆議院
(昭和57年3月23日)
参議院
(昭和57年3月23日)
衆議院
(昭和57年3月24日)
(昭和57年3月26日)
参議院
(昭和57年3月30日)
(昭和57年3月31日)
(昭和57年3月31日)
(昭和57年4月9日)
砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十七年四月六日
内閣総理大臣 鈴木善幸
法律第二十七号
砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律
砂糖の価格安定等に関する法律(昭和四十年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三章 国内産糖及び国内産ぶどう糖の価格支持に関する措置(第十九条―第二十九条)」を
第二章の二
異性化糖の砂糖との価格調整に関する措置(第十八条の二―第十八条の八)
第三章
国内産糖及び国内産ぶどう糖の価格支持に関する措置(第十九条―第二十九条)
に、「補則(第三十条・第三十一条)」を「雑則(第三十条―第三十四条)」に、「第三十二条・第三十三条」を「第三十五条―第三十七条」に改める。
第一条中「防止するための措置」の下に「、異性化糖の砂糖との価格調整に関する措置」を加える。
第二条中第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 この法律において「異性化糖」とは、でん粉を酵素又は酸により加水分解して得られた主としてぶどう糖からなる糖液を酵素又はアルカリにより異性化した果糖又はぶどう糖を主成分とする糖をいう。
第十条第一項第一号イ中「乗じて得た額」の下に「から当該輸入申告の時について適用される農林水産大臣の定める額(粗糖以外の指定糖にあつては、その種類に応じて、当該額に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額。以下この号において同じ。)(当該農林水産大臣の定める額がその乗じて得た額を超えるときは、その乗じて得た額)を控除して得た額」を加え、同号ロ中「乗じて得た額」の下に「から当該輸入申告の時について適用されるイの農林水産大臣の定める額(当該額がその乗じて得た額を超えるときは、その乗じて得た額)を控除して得た額」を加える。
第十条第三項を次のように改める。
3 第一項第一号イの農林水産大臣の定める額は、第十八条の三第一項の期間ごとにその各期間を適用期間とし、その適用期間における第十八条の二第一項の異性化糖調整基準価格と第十八条の三第一項の異性化糖の平均移出価格(当該異性化糖の平均移出価格が当該異性化糖調整基準価格以上の額である場合には、当該異性化糖調整基準価格)との差額にその適用期間の属する砂糖年度に係る第十八条の六第一項の農林水産大臣の定める率を乗じて得た額に、当該年度の前年度における異性化糖の製造数量を基準とし当該年度におけるその製造数量の見込数量を参酌して定めた異性化糖の推定製造数量を政令で定めるところにより標準異性化糖(農林水産省令で定める規格の異性化糖に含まれる固形分としての糖をいう。以下同じ。)の数量に換算した数量(同条第二項において「標準異性化糖推定製造数量」という。)を当該年度における前項に規定する砂糖及び国内産ぶどう糖の推定総供給数量で除して得た数を乗じて得た額を政令で定めるところにより輸入に係る粗糖についての事業団の売戻しの価格に換算した額を限度として、定めるものとする。
第十条に次の一項を加える。
4 第三条第六項の規定は第一項第一号イの農林水産大臣の定める率について、第七条第二項から第四項までの規定は同号イの農林水産大臣の定める額について、それぞれ、準用する。この場合において、同条第三項中「海外における粗糖の市価が著しく騰貴した場合」とあるのは「第十八条の二第一項の異性化糖調整基準価格又は第十八条の三第一項の異性化糖の平均移出価格が改定された場合」と、同条第四項中「第一項」とあるのは「第十条第三項」と、「政令で定める期間」とあるのは「第十八条の三第一項の期間」と読み替えるものとする。
第二章の次に次の一章を加える。
第二章の二 異性化糖の砂糖との価格調整に関する措置
(異性化糖の事業団への売渡し)
第十八条の二 農林水産省令で定める施設により異性化糖を製造する者(以下「異性化糖製造者」という。)は、製造した異性化糖をその製造場から移出する場合においてその移出の時について適用される次条第一項の異性化糖の平均移出価格が異性化糖調整基準価格(国内産糖合理化目標価格を政令で定めるところにより標準異性化糖の価格に換算して農林水産大臣が定める価格をいう。以下同じ。)に満たない額であるときは、その移出に係る異性化糖を事業団に売り渡さなければならない。ただし、輸入に係る粗糖につき当該移出の時について適用される平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格に満たない額である場合であり、かつ、当該移出の時について適用される同項の異性化糖の平均移出価格が当該移出の時について適用される異性化糖標準価格(第七条第一項の政令で定める期間(当該期間をその適用期間とする平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格以上の額である場合における当該期間を除く。)ごとにその各期間を適用期間とし、その期間における輸入に係る粗糖についての第十条第一項第一号に規定する事業団の売戻しの価格を政令で定めるところにより標準異性化糖の価格に換算して農林水産大臣が定める価格をいう。以下同じ。)を超える場合は、この限りでない。
2 異性化糖調整基準価格は、毎砂糖年度、当該年度の開始前十五日までに定めなければならない。
3 異性化糖調整基準価格は、第四条第一項の規定により国内産糖合理化目標価格が改定される場合には、併せて改定しなければならない。
4 農林水産大臣は、異性化糖調整基準価格を定め、又はこれを改定したときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
5 第七条第二項から第四項までの規定は、異性化糖標準価格について準用する。この場合において、同条第三項中「海外における粗糖の市価が著しく騰貴した場合」とあるのは「平均輸入価格の改定により輸入に係る粗糖についての第十条第一項第一号に規定する事業団の売戻しの価格が変動する場合」と、「改定することができる」とあるのは「併せて改定しなければならない」と、同条第四項中「第一項の」とあるのは「第十八条の二第一項ただし書の異性化糖標準価格の決定に関する」と、「政令で定める期間」とあるのは「第七条第一項の政令で定める期間(当該期間をその適用期間とする平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格以上の額である場合における当該期間を除く。)」と読み替えるものとする。
6 第一項の規定による異性化糖の売渡しは、当該異性化糖をその製造場から移出する前に、売渡申込書を事業団に提出してしなければならない。
7 前項の規定による売渡申込書の提出があつた場合における当該申込みに対する事業団の承諾に関し必要な事項は、政令で定める。
8 異性化糖製造者が異性化糖の製造場において行う次の行為は、製造した異性化糖のその製造場からの移出とみなす。
一 製造した異性化糖と当該異性化糖以外の物とを混合すること。
二 製造した異性化糖を消費すること。
9 異性化糖製造者が異性化糖の製造を廃止する場合において、製造した異性化糖がその製造場に現存するときは、当該異性化糖製造者がその製造を廃止する日に当該異性化糖を当該製造場から移出するものとみなす。
(異性化糖平均移出価格)
第十八条の三 異性化糖の平均移出価格(以下「異性化糖平均移出価格」という。)は、標準異性化糖につき、政令で定めるところにより砂糖年度を区分した期間ごとにその各期間を適用期間とし、政令で定めるところにより、異性化糖の原料でん粉の価格並びに異性化糖の製造及び販売に要する標準的な費用の額を基準として、農林水産大臣が定める。
2 第七条第二項から第四項までの規定は、異性化糖平均移出価格について準用する。この場合において、同条第三項中「海外における粗糖の市価が著しく騰貴した場合」とあるのは「異性化糖の原料でん粉の価格が著しく変動した場合」と、同条第四項中「第一項」とあるのは「第十八条の三第一項」と、「政令で定める期間」とあるのは「政令で定めるところにより砂糖年度を区分した期間」と読み替えるものとする。
(異性化糖の買入れの価格)
第十八条の四 第十八条の二第一項の規定による売渡しに係る異性化糖についての事業団の買入れの価格は、当該異性化糖の移出の時について適用される異性化糖平均移出価格(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該異性化糖平均移出価格に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額)とする。
(異性化糖の売戻し)
第十八条の五 事業団は、第十八条の二第一項の規定による異性化糖の売渡しをした者に対し、その異性化糖を売り戻さなければならない。
2 第九条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により異性化糖の売戻しについて準用する。この場合において、同条第二項中「第五条第一項又は第六条第一項の規定による指定糖の売渡し」とあるのは「第十八条の二第一項の規定による異性化糖の売渡し」と、「その売渡しに係る指定糖」とあるのは「その売渡しに係る異性化糖」と、同条第三項中「第五条第一項の規定による指定糖の売渡し」とあるのは「第十八条の二第一項の規定による異性化糖の売渡し」と読み替えるものとする。
(異性化糖の売戻しの価格)
第十八条の六 前条第一項の規定による事業団の異性化糖の売戻しの価格は、異性化糖調整基準価格(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該異性化糖調整基準価格に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額)と当該異性化糖の移出の時について適用される異性化糖平均移出価格(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該異性化糖平均移出価格に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額。以下この項において同じ。)との差額に当該移出の日の属する砂糖年度に係る農林水産大臣の定める率を乗じて得た額を当該異性化糖平均移出価格に加えて得た額とする。ただし、輸入に係る粗糖につき当該移出の時について適用される平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格に満たない額である場合であり、かつ、当該加えて得た額が当該移出の時について適用される異性化糖標準価格(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該異性化糖標準価格に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額。以下この項において同じ。)を超える場合は、当該異性化糖の売戻しの価格は、当該異性化糖標準価格とする。
2 前項の農林水産大臣の定める率は、毎砂糖年度、当該年度の開始前十五日までに、当該年度における第十条第二項に規定する国内産糖及び国内産ぶどう糖の推定総製造数量を当該年度における同項に規定する砂糖及び国内産ぶどう糖の指定総供給数量と標準異性化糖推定製造数量に砂糖の価格形成に及ぼす異性化糖の影響の程度を示すものとして政令で定めるところにより算出される数を乗じて得た数量との合計数量で除して得た数に当該算出される数を乗じて得た数を限度として、定めるものとする。
3 第三条第六項の規定は、第一項の農林水産大臣の定める率について準用する。
(異性化糖の移出の制限)
第十八条の七 異性化糖製造者は、第十八条の二第一項の規定による売渡しをすべき異性化糖を、事業団に売り渡し、かつ、事業団から買い戻した後でなければ、移出してはならない。
(製造開始等の屈出)
第十八条の八 第十八条の二第一項の施設により異性化糖を製造しようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。異性化糖製造者がその製造を廃止し、又は休止しようとする場合も、同様とする。
2 異性化糖製造者は、前項の規定による届出に係る事項に変更があつたときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に届け出なければならない。
「第四章 補則」を「第四章 雑則」に改める。
第三十三条中「前条」を「前二条」に、「同条の罰金刑」を「各本条の刑」に改め、同条を第三十七条とする。
第三十二条中「三万円」を「十万円」に改め、同条第一号中「第十六条」の下に「又は第十八条の八第一項若しくは第二項」を加え、同条第二号中「第三十条」を「第三十三条」に、「前条第一項」を「第三十四条第一項」に改め、同条を第三十六条とし、第五章中同条の前に次の一条を加える。
第三十五条 第十八条の七の規定に違反した者は、三百万円以下の罰金に処する。
第三十一条第一項中「ぶどう糖製造事業者」の下に「、異性化糖製造者」を、「精製糖」の下に「若しくはでん粉」を加え、「甘しよでん粉若しくは馬鈴しよでん粉」を「異性化糖若しくはでん粉」に改め、第四章中同条を第三十四条とし、第三十条を第三十三条とし、同条の前に次の見出し及び三条を加える。
(輸入に係る指定糖及び異性化糖の売戻しの価格の特例)
第三十条 農林水産大臣は、砂糖の市価が平均輸入価格又は輸入に係る粗糖につき第十条第一項の規定により定められる事業団の売戻しの価格を政令で定めるところにより精製糖の価格に換算した額を下回つて推移し、又は推移するおそれがある場合において、第二十四条第一項又は前条第一項の規定により国内産糖又は国内産ぶどう糖の売戻しの価格が砂糖の市価を参酌して定めることとされていることからみて、事業団の行う国内産糖及び国内産ぶどう糖の買入れ及び売戻しの業務の適正円滑な運営に支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、その事態に対処するため、事業団に対し、次条第一項及び第三十二条第一項に規定する売戻しの価格により売戻しをすべきことを指示するとともに、その旨を告示するものとする。
2 農林水産大臣は、前項に規定する事態が消滅したと認めるときは、遅滞なく、同項の指示を取り消すとともに、その旨を告示するものとする。
第三十一条 第五条第一項の規定による指定糖の売渡しの申込みがあつた場合において、その申込みをした指定糖輸入申告者等の当該申込みの日の属する農林水産省令で定めるところにより砂糖年度を区分した期間における指定糖の売渡申込数量を政令で定めるところにより粗糖の数量に換算した数量を合計した数量が通常年のその者に対する当該期間における指定糖の第九条第一項の規定による売戻しの数量を政令で定めるところにより粗糖の数量に換算した数量を合計した数量として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定めてその者及び事業団に通知した数量(その数量によることが著しく不適当であると認められる場合において、通常年のその者の当該期間における指定糖の輸入数量等を基礎として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定める数量をその者及び事業団に通知したときは、当該数量)を超えるときは、その超える数量に係る指定糖の前条第一項の規定による告示が行われた日から同条第二項の規定による告示が行われる日までの間における事業団の売戻しの価格は、第十条第一項第一号の規定にかかわらず、同号に規定する売戻しの価格に、政令で定めるところにより砂糖の供給数量の増加が砂糖の市価並びに国内産糖及び国内産ぶどう糖の事業団の売戻しの価格に及ぼす影響の程度を参酌して粗糖につき当該超える数量に係る指定糖の輸入申告の日の属する砂糖年度について農林水産大臣が定める額(粗糖以外の指定糖にあつては、その種類に応じて、当該額に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額)を加えて得た額とする。
2 前項に規定する農林水産大臣の通知は、前条第一項の規定による告示が行われた日(当該告示が行われた日後四日から同条第二項の規定による告示が行われる日までに開始する前項の期間にあつては、当該期間の初日前三日まで)に(農林水産省令で定める過去一定年間に事業団への売渡しの申込みをしていない者で、その日以後当該申込みをしたものについては、当該申込みの後遅滞なく)しなければならない。
3 第一項の農林水産大臣が定める額は、毎砂糖年度、当該年度の開始前十五日までに定めて告示するものとする。
第三十二条 第十八条の二第一項の規定による異性化糖の売渡しの申込みがあつた場合において、その申込みをした異性化糖製造者の当該申込みの日の属する前条第一項の期間における異性化糖の売渡申込数量を政令で定めるところにより標準異性化糖の数量に換算した数量を合計した数量が通常年のその者に対する当該期間における異性化糖の第十八条の五第一項の規定による売戻しの数量を政令で定めるところにより標準異性化糖の数量に換算した数量を合計した数量として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定めてその者及び事業団に通知した数量(その数量によることが著しく不適当であると認められる場合において、通常年のその者の当該期間における異性化糖の製造数量等を基礎として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定める数量をその者及び事業団に通知したときは、当該数量)を超えるときは、その超える数量に係る異性化糖の第三十条第一項の規定による告示が行われた日から同条第二項の規定による告示が行われる日までの間における事業団の売戻しの価格は、第十八条の六第一項の規定にかかわらず、同項に規定する売戻しの価格に、前条第一項の農林水産大臣が定める額を基準とし砂糖と異性化糖との性状、用途、市価等の差異を勘案して標準異性化糖につき当該超える数量に係る異性化糖の移出の日の属する砂糖年度について農林水産大臣が定める額(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該額に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額)を加えて得た額とする。
2 前条第二項の規定は前項に規定する農林水産大臣の通知について、同条第三項の規定は前項の農林水産大臣が定める額について、それぞれ、準用する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 改正後の砂糖の価格安定等に関する法律(以下「新法」という。)第十条の規定は、昭和五十七年十月一日以後に輸入申告をする指定糖について適用するものとし、同日前に輸入申告をする指定糖については、なお従前の例による。
第三条 新法第二章の二(第十八条の八を除く。)、第三十二条、第三十五条及び第三十七条(第三十五条に係る部分に限る。)の規定は、昭和五十七年十月一日以後にその製造場から移出する異性化糖について適用する。
第四条 昭和五十七年十月一日以後三年を経過する日までの間における新法第三十二条第一項の規定の適用については、同項中「通常年のその者に対する当該期間における異性化糖の第十八条の五第一項の規定による売戻しの数量を政令で定めるところにより標準異性化糖の数量に換算した数量を合計した数量として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定めてその者及び事業団に通知した数量(その数量によることが著しく不適当であると認められる場合において、通常年のその者の当該期間における異性化糖の製造数量等を基礎として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定める数量をその者及び事業団に通知したときは、当該数量)」とあるのは、「通常年のその者の当該期間における異性化糖の製造数量を政令で定めるところにより標準異性化糖の数量に換算した数量等を基礎として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定めてその者及び事業団に通知した数量」とする。
第五条 この法律の施行の際現に新法第十八条の二第一項の施設により異性化糖を製造している者は、この法律の施行の日から一月以内に、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出は、新法第十八条の八第二項の規定の適用については、同条第一項前段の規定による届出とみなす。
第六条 前条第一項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
第七条 この法律の施行の日の属する砂糖年度についての新法第三十一条第一項の農林水産大臣が定める額は、同条第三項の規定にかかわらず、同日に定めて告示するものとする。
(蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部改正)
第八条 蚕糸砂糖類価格安定事業団法(昭和五十六年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第一条中「価格調整」の下に「、異性化糖の砂糖との価格調整」を加える。
第二十八条第一項第二号中ロをハとし、イの次に次のように加える。
ロ 異性化糖の買入れ及び売戻しを行うこと。
第三十七条第三項中「売戻しの価格」の下に「(同法第三十条第一項の規定による告示が行われた場合において、同法第三十一条第一項に規定する売戻しの価格により売戻しがされるときは、当該売戻しの価格)」を加える。
(農林水産省設置法の一部改正)
第九条 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項第十三号及び第十二条第十六号中「及びぶどう糖」を「、ぶどう糖及び異性化糖」に改める。
農林水産大臣 田澤吉郎
内閣総理大臣 鈴木善幸
砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十七年四月六日
内閣総理大臣 鈴木善幸
法律第二十七号
砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律
砂糖の価格安定等に関する法律(昭和四十年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三章 国内産糖及び国内産ぶどう糖の価格支持に関する措置(第十九条―第二十九条)」を
第二章の二
異性化糖の砂糖との価格調整に関する措置(第十八条の二―第十八条の八)
第三章
国内産糖及び国内産ぶどう糖の価格支持に関する措置(第十九条―第二十九条)
に、「補則(第三十条・第三十一条)」を「雑則(第三十条―第三十四条)」に、「第三十二条・第三十三条」を「第三十五条―第三十七条」に改める。
第一条中「防止するための措置」の下に「、異性化糖の砂糖との価格調整に関する措置」を加える。
第二条中第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 この法律において「異性化糖」とは、でん粉を酵素又は酸により加水分解して得られた主としてぶどう糖からなる糖液を酵素又はアルカリにより異性化した果糖又はぶどう糖を主成分とする糖をいう。
第十条第一項第一号イ中「乗じて得た額」の下に「から当該輸入申告の時について適用される農林水産大臣の定める額(粗糖以外の指定糖にあつては、その種類に応じて、当該額に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額。以下この号において同じ。)(当該農林水産大臣の定める額がその乗じて得た額を超えるときは、その乗じて得た額)を控除して得た額」を加え、同号ロ中「乗じて得た額」の下に「から当該輸入申告の時について適用されるイの農林水産大臣の定める額(当該額がその乗じて得た額を超えるときは、その乗じて得た額)を控除して得た額」を加える。
第十条第三項を次のように改める。
3 第一項第一号イの農林水産大臣の定める額は、第十八条の三第一項の期間ごとにその各期間を適用期間とし、その適用期間における第十八条の二第一項の異性化糖調整基準価格と第十八条の三第一項の異性化糖の平均移出価格(当該異性化糖の平均移出価格が当該異性化糖調整基準価格以上の額である場合には、当該異性化糖調整基準価格)との差額にその適用期間の属する砂糖年度に係る第十八条の六第一項の農林水産大臣の定める率を乗じて得た額に、当該年度の前年度における異性化糖の製造数量を基準とし当該年度におけるその製造数量の見込数量を参酌して定めた異性化糖の推定製造数量を政令で定めるところにより標準異性化糖(農林水産省令で定める規格の異性化糖に含まれる固形分としての糖をいう。以下同じ。)の数量に換算した数量(同条第二項において「標準異性化糖推定製造数量」という。)を当該年度における前項に規定する砂糖及び国内産ぶどう糖の推定総供給数量で除して得た数を乗じて得た額を政令で定めるところにより輸入に係る粗糖についての事業団の売戻しの価格に換算した額を限度として、定めるものとする。
第十条に次の一項を加える。
4 第三条第六項の規定は第一項第一号イの農林水産大臣の定める率について、第七条第二項から第四項までの規定は同号イの農林水産大臣の定める額について、それぞれ、準用する。この場合において、同条第三項中「海外における粗糖の市価が著しく騰貴した場合」とあるのは「第十八条の二第一項の異性化糖調整基準価格又は第十八条の三第一項の異性化糖の平均移出価格が改定された場合」と、同条第四項中「第一項」とあるのは「第十条第三項」と、「政令で定める期間」とあるのは「第十八条の三第一項の期間」と読み替えるものとする。
第二章の次に次の一章を加える。
第二章の二 異性化糖の砂糖との価格調整に関する措置
(異性化糖の事業団への売渡し)
第十八条の二 農林水産省令で定める施設により異性化糖を製造する者(以下「異性化糖製造者」という。)は、製造した異性化糖をその製造場から移出する場合においてその移出の時について適用される次条第一項の異性化糖の平均移出価格が異性化糖調整基準価格(国内産糖合理化目標価格を政令で定めるところにより標準異性化糖の価格に換算して農林水産大臣が定める価格をいう。以下同じ。)に満たない額であるときは、その移出に係る異性化糖を事業団に売り渡さなければならない。ただし、輸入に係る粗糖につき当該移出の時について適用される平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格に満たない額である場合であり、かつ、当該移出の時について適用される同項の異性化糖の平均移出価格が当該移出の時について適用される異性化糖標準価格(第七条第一項の政令で定める期間(当該期間をその適用期間とする平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格以上の額である場合における当該期間を除く。)ごとにその各期間を適用期間とし、その期間における輸入に係る粗糖についての第十条第一項第一号に規定する事業団の売戻しの価格を政令で定めるところにより標準異性化糖の価格に換算して農林水産大臣が定める価格をいう。以下同じ。)を超える場合は、この限りでない。
2 異性化糖調整基準価格は、毎砂糖年度、当該年度の開始前十五日までに定めなければならない。
3 異性化糖調整基準価格は、第四条第一項の規定により国内産糖合理化目標価格が改定される場合には、併せて改定しなければならない。
4 農林水産大臣は、異性化糖調整基準価格を定め、又はこれを改定したときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
5 第七条第二項から第四項までの規定は、異性化糖標準価格について準用する。この場合において、同条第三項中「海外における粗糖の市価が著しく騰貴した場合」とあるのは「平均輸入価格の改定により輸入に係る粗糖についての第十条第一項第一号に規定する事業団の売戻しの価格が変動する場合」と、「改定することができる」とあるのは「併せて改定しなければならない」と、同条第四項中「第一項の」とあるのは「第十八条の二第一項ただし書の異性化糖標準価格の決定に関する」と、「政令で定める期間」とあるのは「第七条第一項の政令で定める期間(当該期間をその適用期間とする平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格以上の額である場合における当該期間を除く。)」と読み替えるものとする。
6 第一項の規定による異性化糖の売渡しは、当該異性化糖をその製造場から移出する前に、売渡申込書を事業団に提出してしなければならない。
7 前項の規定による売渡申込書の提出があつた場合における当該申込みに対する事業団の承諾に関し必要な事項は、政令で定める。
8 異性化糖製造者が異性化糖の製造場において行う次の行為は、製造した異性化糖のその製造場からの移出とみなす。
一 製造した異性化糖と当該異性化糖以外の物とを混合すること。
二 製造した異性化糖を消費すること。
9 異性化糖製造者が異性化糖の製造を廃止する場合において、製造した異性化糖がその製造場に現存するときは、当該異性化糖製造者がその製造を廃止する日に当該異性化糖を当該製造場から移出するものとみなす。
(異性化糖平均移出価格)
第十八条の三 異性化糖の平均移出価格(以下「異性化糖平均移出価格」という。)は、標準異性化糖につき、政令で定めるところにより砂糖年度を区分した期間ごとにその各期間を適用期間とし、政令で定めるところにより、異性化糖の原料でん粉の価格並びに異性化糖の製造及び販売に要する標準的な費用の額を基準として、農林水産大臣が定める。
2 第七条第二項から第四項までの規定は、異性化糖平均移出価格について準用する。この場合において、同条第三項中「海外における粗糖の市価が著しく騰貴した場合」とあるのは「異性化糖の原料でん粉の価格が著しく変動した場合」と、同条第四項中「第一項」とあるのは「第十八条の三第一項」と、「政令で定める期間」とあるのは「政令で定めるところにより砂糖年度を区分した期間」と読み替えるものとする。
(異性化糖の買入れの価格)
第十八条の四 第十八条の二第一項の規定による売渡しに係る異性化糖についての事業団の買入れの価格は、当該異性化糖の移出の時について適用される異性化糖平均移出価格(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該異性化糖平均移出価格に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額)とする。
(異性化糖の売戻し)
第十八条の五 事業団は、第十八条の二第一項の規定による異性化糖の売渡しをした者に対し、その異性化糖を売り戻さなければならない。
2 第九条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により異性化糖の売戻しについて準用する。この場合において、同条第二項中「第五条第一項又は第六条第一項の規定による指定糖の売渡し」とあるのは「第十八条の二第一項の規定による異性化糖の売渡し」と、「その売渡しに係る指定糖」とあるのは「その売渡しに係る異性化糖」と、同条第三項中「第五条第一項の規定による指定糖の売渡し」とあるのは「第十八条の二第一項の規定による異性化糖の売渡し」と読み替えるものとする。
(異性化糖の売戻しの価格)
第十八条の六 前条第一項の規定による事業団の異性化糖の売戻しの価格は、異性化糖調整基準価格(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該異性化糖調整基準価格に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額)と当該異性化糖の移出の時について適用される異性化糖平均移出価格(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該異性化糖平均移出価格に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額。以下この項において同じ。)との差額に当該移出の日の属する砂糖年度に係る農林水産大臣の定める率を乗じて得た額を当該異性化糖平均移出価格に加えて得た額とする。ただし、輸入に係る粗糖につき当該移出の時について適用される平均輸入価格が国内産糖合理化目標価格に満たない額である場合であり、かつ、当該加えて得た額が当該移出の時について適用される異性化糖標準価格(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該異性化糖標準価格に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額。以下この項において同じ。)を超える場合は、当該異性化糖の売戻しの価格は、当該異性化糖標準価格とする。
2 前項の農林水産大臣の定める率は、毎砂糖年度、当該年度の開始前十五日までに、当該年度における第十条第二項に規定する国内産糖及び国内産ぶどう糖の推定総製造数量を当該年度における同項に規定する砂糖及び国内産ぶどう糖の指定総供給数量と標準異性化糖推定製造数量に砂糖の価格形成に及ぼす異性化糖の影響の程度を示すものとして政令で定めるところにより算出される数を乗じて得た数量との合計数量で除して得た数に当該算出される数を乗じて得た数を限度として、定めるものとする。
3 第三条第六項の規定は、第一項の農林水産大臣の定める率について準用する。
(異性化糖の移出の制限)
第十八条の七 異性化糖製造者は、第十八条の二第一項の規定による売渡しをすべき異性化糖を、事業団に売り渡し、かつ、事業団から買い戻した後でなければ、移出してはならない。
(製造開始等の屈出)
第十八条の八 第十八条の二第一項の施設により異性化糖を製造しようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。異性化糖製造者がその製造を廃止し、又は休止しようとする場合も、同様とする。
2 異性化糖製造者は、前項の規定による届出に係る事項に変更があつたときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に届け出なければならない。
「第四章 補則」を「第四章 雑則」に改める。
第三十三条中「前条」を「前二条」に、「同条の罰金刑」を「各本条の刑」に改め、同条を第三十七条とする。
第三十二条中「三万円」を「十万円」に改め、同条第一号中「第十六条」の下に「又は第十八条の八第一項若しくは第二項」を加え、同条第二号中「第三十条」を「第三十三条」に、「前条第一項」を「第三十四条第一項」に改め、同条を第三十六条とし、第五章中同条の前に次の一条を加える。
第三十五条 第十八条の七の規定に違反した者は、三百万円以下の罰金に処する。
第三十一条第一項中「ぶどう糖製造事業者」の下に「、異性化糖製造者」を、「精製糖」の下に「若しくはでん粉」を加え、「甘しよでん粉若しくは馬鈴しよでん粉」を「異性化糖若しくはでん粉」に改め、第四章中同条を第三十四条とし、第三十条を第三十三条とし、同条の前に次の見出し及び三条を加える。
(輸入に係る指定糖及び異性化糖の売戻しの価格の特例)
第三十条 農林水産大臣は、砂糖の市価が平均輸入価格又は輸入に係る粗糖につき第十条第一項の規定により定められる事業団の売戻しの価格を政令で定めるところにより精製糖の価格に換算した額を下回つて推移し、又は推移するおそれがある場合において、第二十四条第一項又は前条第一項の規定により国内産糖又は国内産ぶどう糖の売戻しの価格が砂糖の市価を参酌して定めることとされていることからみて、事業団の行う国内産糖及び国内産ぶどう糖の買入れ及び売戻しの業務の適正円滑な運営に支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、その事態に対処するため、事業団に対し、次条第一項及び第三十二条第一項に規定する売戻しの価格により売戻しをすべきことを指示するとともに、その旨を告示するものとする。
2 農林水産大臣は、前項に規定する事態が消滅したと認めるときは、遅滞なく、同項の指示を取り消すとともに、その旨を告示するものとする。
第三十一条 第五条第一項の規定による指定糖の売渡しの申込みがあつた場合において、その申込みをした指定糖輸入申告者等の当該申込みの日の属する農林水産省令で定めるところにより砂糖年度を区分した期間における指定糖の売渡申込数量を政令で定めるところにより粗糖の数量に換算した数量を合計した数量が通常年のその者に対する当該期間における指定糖の第九条第一項の規定による売戻しの数量を政令で定めるところにより粗糖の数量に換算した数量を合計した数量として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定めてその者及び事業団に通知した数量(その数量によることが著しく不適当であると認められる場合において、通常年のその者の当該期間における指定糖の輸入数量等を基礎として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定める数量をその者及び事業団に通知したときは、当該数量)を超えるときは、その超える数量に係る指定糖の前条第一項の規定による告示が行われた日から同条第二項の規定による告示が行われる日までの間における事業団の売戻しの価格は、第十条第一項第一号の規定にかかわらず、同号に規定する売戻しの価格に、政令で定めるところにより砂糖の供給数量の増加が砂糖の市価並びに国内産糖及び国内産ぶどう糖の事業団の売戻しの価格に及ぼす影響の程度を参酌して粗糖につき当該超える数量に係る指定糖の輸入申告の日の属する砂糖年度について農林水産大臣が定める額(粗糖以外の指定糖にあつては、その種類に応じて、当該額に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額)を加えて得た額とする。
2 前項に規定する農林水産大臣の通知は、前条第一項の規定による告示が行われた日(当該告示が行われた日後四日から同条第二項の規定による告示が行われる日までに開始する前項の期間にあつては、当該期間の初日前三日まで)に(農林水産省令で定める過去一定年間に事業団への売渡しの申込みをしていない者で、その日以後当該申込みをしたものについては、当該申込みの後遅滞なく)しなければならない。
3 第一項の農林水産大臣が定める額は、毎砂糖年度、当該年度の開始前十五日までに定めて告示するものとする。
第三十二条 第十八条の二第一項の規定による異性化糖の売渡しの申込みがあつた場合において、その申込みをした異性化糖製造者の当該申込みの日の属する前条第一項の期間における異性化糖の売渡申込数量を政令で定めるところにより標準異性化糖の数量に換算した数量を合計した数量が通常年のその者に対する当該期間における異性化糖の第十八条の五第一項の規定による売戻しの数量を政令で定めるところにより標準異性化糖の数量に換算した数量を合計した数量として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定めてその者及び事業団に通知した数量(その数量によることが著しく不適当であると認められる場合において、通常年のその者の当該期間における異性化糖の製造数量等を基礎として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定める数量をその者及び事業団に通知したときは、当該数量)を超えるときは、その超える数量に係る異性化糖の第三十条第一項の規定による告示が行われた日から同条第二項の規定による告示が行われる日までの間における事業団の売戻しの価格は、第十八条の六第一項の規定にかかわらず、同項に規定する売戻しの価格に、前条第一項の農林水産大臣が定める額を基準とし砂糖と異性化糖との性状、用途、市価等の差異を勘案して標準異性化糖につき当該超える数量に係る異性化糖の移出の日の属する砂糖年度について農林水産大臣が定める額(標準異性化糖以外の異性化糖にあつては、農林水産省令で定める規格の区分に応じて、当該額に農林水産省令で定めるところにより算出される額を加減して得た額)を加えて得た額とする。
2 前条第二項の規定は前項に規定する農林水産大臣の通知について、同条第三項の規定は前項の農林水産大臣が定める額について、それぞれ、準用する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 改正後の砂糖の価格安定等に関する法律(以下「新法」という。)第十条の規定は、昭和五十七年十月一日以後に輸入申告をする指定糖について適用するものとし、同日前に輸入申告をする指定糖については、なお従前の例による。
第三条 新法第二章の二(第十八条の八を除く。)、第三十二条、第三十五条及び第三十七条(第三十五条に係る部分に限る。)の規定は、昭和五十七年十月一日以後にその製造場から移出する異性化糖について適用する。
第四条 昭和五十七年十月一日以後三年を経過する日までの間における新法第三十二条第一項の規定の適用については、同項中「通常年のその者に対する当該期間における異性化糖の第十八条の五第一項の規定による売戻しの数量を政令で定めるところにより標準異性化糖の数量に換算した数量を合計した数量として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定めてその者及び事業団に通知した数量(その数量によることが著しく不適当であると認められる場合において、通常年のその者の当該期間における異性化糖の製造数量等を基礎として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定める数量をその者及び事業団に通知したときは、当該数量)」とあるのは、「通常年のその者の当該期間における異性化糖の製造数量を政令で定めるところにより標準異性化糖の数量に換算した数量等を基礎として農林水産省令で定めるところにより農林水産大臣が定めてその者及び事業団に通知した数量」とする。
第五条 この法律の施行の際現に新法第十八条の二第一項の施設により異性化糖を製造している者は、この法律の施行の日から一月以内に、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出は、新法第十八条の八第二項の規定の適用については、同条第一項前段の規定による届出とみなす。
第六条 前条第一項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
第七条 この法律の施行の日の属する砂糖年度についての新法第三十一条第一項の農林水産大臣が定める額は、同条第三項の規定にかかわらず、同日に定めて告示するものとする。
(蚕糸砂糖類価格安定事業団法の一部改正)
第八条 蚕糸砂糖類価格安定事業団法(昭和五十六年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第一条中「価格調整」の下に「、異性化糖の砂糖との価格調整」を加える。
第二十八条第一項第二号中ロをハとし、イの次に次のように加える。
ロ 異性化糖の買入れ及び売戻しを行うこと。
第三十七条第三項中「売戻しの価格」の下に「(同法第三十条第一項の規定による告示が行われた場合において、同法第三十一条第一項に規定する売戻しの価格により売戻しがされるときは、当該売戻しの価格)」を加える。
(農林水産省設置法の一部改正)
第九条 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項第十三号及び第十二条第十六号中「及びぶどう糖」を「、ぶどう糖及び異性化糖」に改める。
農林水産大臣 田沢吉郎
内閣総理大臣 鈴木善幸