農産種苗法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第89号
公布年月日: 昭和53年7月10日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

近年、種苗の国際交流が活発化し、植物新品種の育成者保護に関する国際的協調の必要性が高まっている。しかし、日本には諸外国並みの植物新品種保護制度が整備されておらず、種苗の国際交流に支障が生じている。また、国内では最近の農業情勢に即応した品種育成の必要性が各作物で痛感されており、種苗の流通においても品質管理の徹底が求められている。これらの課題を解決し、品種育成の振興と種苗の品質向上を円滑に進めるため、必要な措置を講ずることを目的として本法律案を提出するものである。

参照した発言:
第84回国会 衆議院 農林水産委員会 第20号

審議経過

第84回国会

参議院
(昭和53年4月18日)
衆議院
(昭和53年4月27日)
(昭和53年5月24日)
(昭和53年5月30日)
(昭和53年5月31日)
(昭和53年6月1日)
(昭和53年6月2日)
参議院
(昭和53年6月6日)
(昭和53年6月13日)
(昭和53年6月15日)
(昭和53年6月16日)
(昭和53年6月16日)
(昭和53年7月21日)
農産種苗法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十三年七月十日
内閣総理大臣 福田赳夫
法律第八十九号
農産種苗法の一部を改正する法律
農産種苗法(昭和二十二年法律第百十五号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
種苗法
第一条及び第一条の二を次のように改める。
(目的)
第一条 この法律は、指定種苗の表示に関する規制、新品種の保護のための品種登録に関する制度等について定めることにより、種苗の流通の適正化と品種の育成の振興を図り、もつて農林水産業の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第一条の二 この法律において「農林水産植物」とは、農産物、林産物及び水産物の生産のために栽培される植物で政令で定めるものをいう。
この法律において「種苗」とは、植物体(農林水産植物の個体をいう。以下同じ。)の全部又は一部で繁殖の用に供されるものをいい、「指定種苗」とは、種苗(稲、大麦、はだか麦、小麦、大豆及び林業の用に供される樹木の種苗を除く。)のうち、種子、胞子、茎、根、苗、苗木、穂木、台木又は種菌で品質の識別を容易にするため販売に際して一定の事項を表示する必要があるものとして農林水産大臣が指定するものをいう。
この法律において「種苗業者」とは、指定種苗の販売を業とする者をいう。
この法律において「固定品種」とは、同一の繁殖の段階及び異なる繁殖の段階に属する植物体のすべてが次に掲げる要件を満たす場合におけるその植物体のすべてをいい、「交雑品種」とは、一の固定品種の植物体と他の固定品種の植物体とを交雑させて得られる植物体のすべてが次に掲げる要件を満たす場合におけるその植物体のすべてをいい、「品種」とは、固定品種及び交雑品種をいう。
一 重要な形質に係る特性(以下単に「特性」という。)において十分に類似していること。
二 一又は二以上の特性によつて他の植物体と明確に区別されること。
農林水産大臣は、農業資材審議会の意見を聴いて、農林水産植物について農林水産省令で定める区分ごとに、前項第一号の重要な形質を定め、これを公示するものとする。
第二条に見出しとして「(種苗業者の届出)」を付し、同条第一項中「その営業所ごとに、左の事項を当該営業所の所在地の市町村長」を「農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を農林水産大臣」に改め、第二号を削り、同項第三号中「当該営業所において取り扱う保証種苗」を「取り扱う指定種苗」に改め、同号を同項第二号とし、同項第四号を削り、同項第五号を同項第三号とし、同条第三項中「あらたに営業を」を「新たに営業を」に改め、「、あらたに営業所を設けた場合にあつてはその設置後二週間以内に」を削り、同条第四項を削る。
第三条に見出しとして「(指定種苗についての表示)」を付し、同条第一項を次のように改める。
指定種苗は、その包装に次に掲げる事項を表示したもの又は当該事項を表示する証票を添付したものでなければ、販売してはならない。ただし、掲示その他見やすい方法をもつてその指定種苗につき、第一号から第四号まで及び第六号に掲げる事項を表示する場合又は種苗業者以外の者が販売する場合は、この限りでない。
一 表示をした種苗業者の氏名又は名称及び住所
二 種類及び品種(接木した苗木にあつては、穂木及び台木の種類及び品種)
三 生産地
四 種子については、採種の年月又は有効期限及び発芽率
五 数量
六 その他農林水産省令で定める事項
第四条及び第五条を削り、第六条に見出しとして「(指定種苗についての命令)」を付し、同条中「第三条」を「前条」に、「同条の規定による表示の変更」を「同条第一項各号に掲げる事項を表示し、若しくは当該事項の表示を変更すべき旨」に、「保証種苗」を「指定種苗」に改め、同条を第四条とし、同条の次に次の三条を加える。
(指定種苗の生産等に関する基準)
第五条 農林水産大臣は、優良な品質の指定種苗の流通を確保するため特に必要があると認められるときは、当該指定種苗の生産、調整、保管又は包装について当該指定種苗の生産を業とする者及び種苗業者が遵守すべき基準を定め、これを公表するものとする。
農林水産大臣は、前項の規定により定められた基準を遵守しない指定種苗の生産を業とする者又は種苗業者があるときは、これらの者に対し、その基準を遵守すべき旨の勧告をすることができる。
農林水産大臣は、前項の勧告に従わない指定種苗の生産を業とする者又は種苗業者があるときは、その旨を公表することができる。
(指定種苗の集取)
第五条の二 農林水産大臣は、その職員に、種苗業者から検査のために必要な数量の指定種苗を集取させることができる。ただし、時価によつてその対価を支払わなければならない。
前項の場合において種苗業者の要求があつたときは、その職員は、その身分を示す証明書を示さなければならない。
(報告の徴収等)
第六条 農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、種苗業者に対し、その業務に関し必要な報告を命じ、又は帳簿その他の書類の提出を命ずることができる。
第七条から第十二条までを次のように改める。
(登録の出願)
第七条 品種の育成(人為的変異又は自然的変異に係る特性を固定し又は検定することをいう。以下同じ。)をした者又はその承継人は、当該品種について登録の出願をすることができる。この場合において、育成をした者又はその承継人が二人以上あるときは、これらの者が共同して出願をしなければならない。
前項の出願は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した願書及び説明書並びに出願に係る品種(以下「出願品種」という。)の植物体の全部若しくは一部又はその写真を農林水産大臣に提出してしなければならない。
(職務育成品種)
第八条 従業者、法人の業務を執行する役員又は国若しくは地方公共団体の公務員(以下「従業者等」という。)が育成をした品種については、その育成がその性質上使用者、法人又は国若しくは地方公共団体(以下「使用者等」という。)の業務の範囲に属し、かつ、その育成をするに至つた行為が従業者等の職務に属する品種(以下「職務育成品種」という。)である場合を除き、あらかじめ使用者等が前条第一項の出願をすること又は従業者等が第十二条の四第一項の規定による品種登録を受けた場合にはその者の名義を使用者等に変更することを定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とする。
従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより、職務育成品種について使用者等が前条第一項の出願をしたとき、又は従業者等が第十二条の四第一項の規定による品種登録を受けた場合においてその者の名義を使用者等に変更したときは、使用者等に対し、その職務育成品種により使用者等が受けるべき利益の額及びその職務育成品種の育成がされるについて使用者等が貢献した程度を考慮して定められる対価の支払を請求することができる。
(出願者の名義の変更)
第九条 出願者の名義は、相続その他の一般承継による場合を除き、変更することができない。
出願者について相続その他の一般承継による名義の変更があつたときは、その一般承継人は、遅滞なく、農林水産省令で定めるところにより、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
(出願品種の名称等)
第十条 品種についての登録(以下「品種登録」という。)は、出願品種の名称が次の各号の一に該当する場合には、受けることができない。
一 一の出願品種につき一でないとき。
二 出願品種の種苗に係る登録商標又は当該種苗と類似の商品に係る登録商標と同一又は類似のものであるとき。
三 出願品種に関し誤認を生じ、又はその識別に関し混同を生ずるおそれがあるものであるとき(前号に掲げる場合を除く。)。
品種登録は、出願品種の植物体の全部又は一部が、日本国内において第七条第一項の出願の日前に、外国においてその出願の日から四年(永年性植物として農林水産省令で定める農林水産植物の種類に属する品種にあつては、六年)さかのぼつた日前に、それぞれ業として譲渡されていた場合には、受けることができない。ただし、その譲渡が、試験若しくは研究のためのものである場合又は品種の育成をした者(その者について承継があつた場合にあつては、その者及びその承継人)の意に反してされたものである場合は、この限りでない。
(先願)
第十一条 同一の品種については、最先の出願者に限り、品種登録を受けることができる。
(外国人に関する特例)
第十二条 日本国内に住所及び居所(法人にあつては、営業所)を有しない外国人は、その者の属する国が、日本国民に対し品種の育成に関してその国の国民と同一の条件による保護を認める国(その国の国民に対し日本国が品種登録を認めることを条件として日本国民に対し当該保護を認める国を含む。以下「特定国」という。)であり、かつ、その者の出願品種につき当該保護を認める場合を除き、品種登録を受けることができない。
第十二条の次に次の十一条を加える。
(出願日に関する特例)
第十二条の二 特定国に対する第七条第一項の出願に相当する出願(以下「特定国出願」という。)をした者又はその承継人が特定国出願のうち最先の出願をした日(以下「特定国への出願日」という。)の翌日から一年以内に当該特定国出願に係る品種につき同項の出願をした場合には、その出願は、第十一条の規定の適用については、特定国への出願日にされたものとみなす。
(出願品種の審査)
第十二条の三 農林水産大臣は、出願者に対し出願品種の審査のために必要な資料の提出を求めることができる。
農林水産大臣は、出願品種の審査をするに当たつては、その職員に現地調査又は栽培試験を行わせるものとする。ただし、出願品種の審査上その必要がないと認められる場合は、この限りでない。
農林水産大臣は、前項の規定による現地調査又は栽培試験を関係行政機関、学校その他適当と認める者に依頼することができる。
(品種登録)
第十二条の四 農林水産大臣は、第七条第一項の出願がこの法律及びこの法律に基づく命令に規定する要件を満たすものであると認めたときは、品種登録をしなければならない。
品種登録の有効期間は、十五年(第十条第二項に規定する品種にあつては、十八年)とする。
品種登録は、品種登録簿に品種の名称、植物体の特性、有効期間、品種登録を受ける者の氏名又は名称及び住所その他農林水産省令で定める事項を記載してするものとする。
農林水産大臣は、第一項の規定による品種登録をしたときは、農林水産省令で定める事項を公示しなければならない。
(品種登録の効力)
第十二条の五 品種登録を受けている品種(以下「登録品種」という。)の植物体の全部又は一部については、当該登録品種について品種登録を受けている者(以下「品種登録者」という。)以外の者は、業として次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該登録品種の植物体の全部又は一部を種苗として、有償で譲渡し、若しくは有償で譲渡する旨の申出をし、又は有償で譲渡する目的をもつて、生産し、若しくは輸入すること。
二 当該登録品種が、通常種苗以外のものとされているその植物体の一部を利用しても極めて容易に繁殖する農林水産植物の種類として農林水産省令で定めるものに属する場合にあつては、当該植物体の一部を繁殖させて得られる植物体の全部又は一部を有償で譲渡すること(前号に掲げる行為を除く。)。
三 当該登録品種が固定品種である場合にあつては、当該登録品種の植物体と他の固定品種の植物体とを交雑させて得られる種子又は胞子を種苗として、有償で譲渡し、若しくは有償で譲渡する旨の申出をし、又は有償で譲渡する目的をもつて、生産し、若しくは輸入すること。
次の各号に掲げる者は、前項の規定にかかわらず、業として当該各号に定める行為をすることができる。
一 品種登録者から前項各号に掲げる行為をすることについての許諾(その許諾の後に品種登録者の名義の変更(相続その他の一般承継による場合を除く。)があつた場合にあつては、農林水産省令で定めるところにより品種登録簿に記載された許諾に限る。)を得た者 当該許諾の内容に従つてする同項各号に掲げる行為
二 登録品種の育成をした者よりも先に当該登録品種と同一の品種の育成をした者 前項各号に掲げる行為
三 交雑品種の植物体を得るために交雑させる植物体が属する固定品種(以下「親品種」という。)についての品種登録者 当該交雑品種で品種登録を受けているものの植物体の全部又は一部についてする前項第一号に掲げる行為
四 交雑品種についての品種登録者で当該交雑品種につきその親品種よりも先に品種登録を受けたもの 当該親品種で品種登録を受けているものの植物体についてする当該交雑品種に係る前項第三号に掲げる行為
五 登録品種の育成をする方法についての特許権を有する者又はその特許につき専用実施権若しくは通常実施権を有する者で当該特許に係る方法により植物体の全部又は一部を生産するもの 当該植物体の全部又は一部についてする前項各号に掲げる行為
六 前号の特許権の消滅後において同号の特許に係る方法により植物体の全部又は一部を生産する者 当該植物体の全部又は一部についてする前項各号に掲げる行為
七 従業者等又はその承継人が職務育成品種についての品種登録を受けている場合におけるその従業者等に係る使用者等又はその一般承継人 当該職務育成品種の植物体の全部又は一部についてする前項各号に掲げる行為
八 次に掲げる植物体の全部又は一部を種苗として譲り受けた者 当該譲受けに係る植物体の全部又は一部を、その数を増加させることなく、種苗として、有償で譲渡し、又は有償で譲渡する旨の申出をすること。
イ 品種登録者が業として有償で譲渡した植物体の全部又は一部
ロ 第十二条の八第六項に規定する裁定を受けた者が当該裁定で定めるところにより有償で譲渡した植物体の全部又は一部
ハ 前各号に掲げる者が業としてする当該各号に定める行為により譲渡された植物体の全部又は一部
品種登録者は、登録品種の植物体の全部又は一部につき第一項の規定に違反して同項各号に掲げる行為をしている者に対し、その行為をやめるべきことを請求することができる。ただし、損害賠償を請求することを妨げない。
(品種名称の使用制限)
第十二条の六 登録品種の種苗を業として販売する場合には、当該登録品種の名称以外の名称を使用してはならない。
登録品種が属する農林水産植物の種類又はこれと類似の農林水産植物の種類として農林水産省令で定めるものに属する当該登録品種以外の品種の種苗を業として販売する場合には、当該登録品種の名称を使用してはならない。
(品種登録者の名義の変更)
第十二条の七 品種登録者の名義は、相続その他の事由により変更することができる。
品種登録者の名義の変更は、相続その他の一般承継による場合を除き、品種登録簿に登録しなければ、その効力を生じない。
第九条第二項の規定は、相続その他の一般承継による品種登録者の名義の変更について準用する。
(裁定)
第十二条の八 登録品種の植物体の全部若しくは一部につき第十二条の五第一項第一号若しくは第三号に掲げる行為が継続して二年以上適当にされていないとき、又は当該行為がされることが公共の利益のため特に必要であるときは、当該登録品種の植物体の全部又は一部につき業として当該行為をしようとする者は、当該登録品種についての品種登録者に対し当該行為をすることについての許諾につき協議を求めることができる。
前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、同項に規定する者は、農林水産大臣の裁定を申請することができる。
農林水産大臣は、前項の規定による申請があつたときは、その旨を当該申請に係る品種登録者に対し、文書をもつて通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。
農林水産大臣は、登録品種の植物体の全部又は一部につき第十二条の五第一項第一号又は第三号に掲げる行為がされることが公共の利益のため特に必要である場合を除き、当該行為が適当にされていないことについて正当な理由がある場合は、当該行為をすることについての許諾をすべき旨の裁定をしてはならない。
農林水産大臣は、第二項の裁定をしようとするときは、農業資材審議会の意見を聴かなければならない。
第十二条の五第一項第一号又は第三号に掲げる行為をすることについての許諾をすべき旨の裁定においては、第二項の規定による申請をした者がすることができる当該行為の内容並びに対価及びその支払の方法を定めなければならない。
農林水産大臣は、第二項の裁定をしたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。
前項の規定により第六項に規定する裁定の通知があつたときは、当該裁定で定めるところにより、当事者間に協議が成立したものとみなす。
(登録品種の調査)
第十二条の九 農林水産大臣は、登録品種の植物体の特性が保持されているかどうかについて調査の必要があると認める場合は、品種登録者に対し登録品種の植物体の全部又は一部その他の資料の提出を求めることができる。
農林水産大臣は、前項に規定する場合には、その職員に現地調査又は栽培試験を行わせるものとする。
(品種登録の取消し)
第十二条の十 農林水産大臣は、次に掲げる場合には、品種登録を取り消さなければならない。
一 登録品種の植物体の特性が品種登録をした時における植物体の特性と異なることとなつたことが判明したとき。
二 品種登録者が第十二条の十二第四項又は第五項の期間内に各年分の登録料を納付しないとき。
農林水産大臣は、次に掲げる場合には、品種登録を取り消すことができる。
一 第七条第一項の出願がこの法律又はこの法律に基づく命令に規定する要件を満たしていなかつたことが判明したとき。
二 品種登録者が、正当な理由がないのに、前条第一項の規定により提出を求められた資料を提出せず、又は同条第二項の規定による現地調査を拒んだとき。
農林水産大臣は、第一項第一号又は前項の規定による品種登録の取消しをしようとするときは、当該品種登録に係る品種登録者に対し、その理由を文書をもつて通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。
農林水産大臣は、第一項又は第二項の規定による品種登録の取消しをしたときは、その旨を、当該品種登録に係る品種登録者に通知するとともに、公示しなければならない。
(品種登録の消除等)
第十二条の十一 農林水産大臣は、次に掲げる場合には、品種登録簿につき、品種登録を消除しなければならない。
一 第十二条の四第二項の有効期間が満了したとき。
二 前条第一項又は第二項の規定により品種登録を取り消したとき。
三 品種登録者が存在しなくなつたとき。
この法律に定めるもののほか、品種登録及び品種登録簿に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
(出願料及び登録料)
第十二条の十二 品種登録の出願者は、一件につき三万円を超えない範囲内で農林水産省令で定める額の出願料を納付しなければならない。
品種登録者は、第十二条の四第二項に規定する十五年又は十八年の各年について、一件ごとに、五万円を超えない範囲内で農林水産省令で定める額の登録料を納付しなければならない。
前二項の規定は、これらの規定により出願料又は登録料を納付すべき者が国であるときは、適用しない。
第二項の規定による第一年分の登録料は、第十二条の四第四項の規定による公示があつた日から三十日以内に納付しなければならない。
第二項の規定による第二年以後の各年分の登録料は、前年以前に納付しなければならない。
第十三条の前に見出しとして「(罰則)」を付し、同条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「三十万円」に改め、第一号から第三号までを削り、同条第四号中「を以て第七条の規定による登録」を「により品種登録」に改め、同号を同条第一号とし、同号の次に次の一号を加える。
二 第十二条の五第一項の規定に違反して登録品種の植物体の全部又は一部を種苗として有償で譲渡した者
第十三条第五号及び第六号を削り、同条に次の一項を加える。
前項第二号の罪は、告訴をまつて論ずる。
第十三条の次に次の一条を加える。
第十三条の二 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第三条の規定により表示すべき事項について虚偽の表示をした指定種苗を販売した者
二 第四条の規定による処分に違反して指定種苗を販売した者
第十四条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「十万円」に改め、同条第一号中「怠り」を「せず」に改め、同条第二号中「第四条第一項」を「第五条の二第一項」に改め、同条第三号中「第五条」を「第六条」に、「怠り」を「せず」に改める。
第十五条中「第十三条」を「第十三条第一項、第十三条の二」に、「外」を「ほか」に改める。
本則に次の一条を加える。
第十六条 第十二条の六の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(農業資材審議会の意見の聴取の特例)
第二条 改正後の種苗法(以下「新法」という。)第一条の二第五項の規定による重要な形質の指定については、農林水産大臣は、この法律の施行前においても農業資材審議会の意見を聴くことができる。
(種苗業者の届出に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に改正前の農産種苗法(以下「旧法」という。)第二条第一項及び第二項の規定による届出をした者は、新法第二条第一項及び第二項の規定による届出をしたものとみなす。
(旧法の規定による登録等に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に旧法第七条第一項の規定による登録を受けている種苗で旧法第九条第三項の規定により定められた期間が満了していないものについては、当該期間が満了するまでの間は、その種苗の属する品種について新法第十二条の四第一項の規定による品種登録を受けているものとみなす。この場合において、新法第十二条の十第二項第一号中「第七条第一項の」とあるのは「農産種苗法の一部を改正する法律による改正前の農産種苗法第七条第一項の規定による」と、「この法律」とあるのは「同法」と、新法第十二条の十一第一項第一号中「第十二条の四第二項の有効期間」とあるのは「農産種苗法の一部を改正する法律による改正前の農産種苗法第九条第三項の規定により定められた期間」と読み替えてこれらの規定を適用し、新法第十二条の五第一項第二号及び第三号、第十二条の十第一項第二号並びに第十二条の十二の規定は適用がないものとする。
2 前項の規定によりその属する品種について新法第十二条の四第一項の規定による品種登録を受けているものとみなされた種苗についてこの法律の施行の際現にされている旧法第十条第一項第一号の許諾は、新法第十二条の五第一項第一号に掲げる行為に係る同条第二項第一号の許諾とみなす。
3 新法第十二条の五第一項第一号の規定は、この法律の施行の際現に前項に規定する種苗を旧法第七条第一項の規定による登録に係る種苗の名称を使用しないで業として販売している者が新法第十二条の五第一項第一号に掲げる行為を業としてする場合については、適用しない。
4 この法律の施行の際現に旧法第七条第一項の規定による登録の出願がされている種苗については、当該種苗の属する品種について当該出願の日に新法第七条第一項の出願がされたものとみなす。この場合において、新法第十条第二項中「出願の日前」とあるのは「出願の日から二年さかのぼつた日前」と、新法第十二条の四第一項中「認めた」とあるのは「認め、かつ、農産種苗法の一部を改正する法律附則第四条第五項の規定により出願手続の補完を命じた場合において当該補完がされたと認めた」と読み替えてこれらの規定を適用し、新法第七条第一項後段、第十二条及び第十二条の二の規定は適用がないものとする。
5 農林水産大臣は、新法の適用上必要と認められる範囲内において、前項の規定により新法第七条第一項の出願がされたものとみなされた種苗の属する品種についての出願者に対し、相当の期間を指定して、出願手続の補完を命ずることができる。
(罰則の適用に関する経過措置)
第五条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第六条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(農林水産省設置法の一部改正)
第七条 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第二十三号を次のように改める。
二十三 農薬及び肥料の登録、肥料の仮登録並びに農林水産植物の品種登録を行うこと。
第十条第一項第六号の次に次の一号を加える。
六の二 農林水産植物の品種登録に関すること。
第三十四条第一項の表農業資材審議会の項中「農産種苗法」を「種苗法」に、「並びに農産種苗」を「並びに種苗」に改める。
(商標法の一部改正)
第八条 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第十四号中「農産種苗法」を「種苗法」に、「第七条第一項」を「第十二条の四第一項」に、「登録」を「品種登録」に、「名称」を「品種の名称」に、「その種苗」を「その品種の種苗」に改める。
農林水産大臣 中川一郎
通商産業大臣 河本敏夫
内閣総理大臣 福田赳夫