労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第七十六号
公布年月日: 昭和52年7月1日
法令の形式: 法律
労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十二年七月一日
内閣総理大臣 福田赳夫
法律第七十六号
労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律
(労働安全衛生法の一部改正)
第一条 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五十四条」を「第五十四条の五」に改める。
第二条第三号中「行なう」を「行う」に改め、同号の次に次の一号を加える。
三の二 化学物質 元素及び化合物をいう。
第三条第一項中「単に」の下に「この法律で定める」を加える。
第十一条に次の一項を加える。
3 労働基準監督署長は、前項の規定により安全管理者の解任を命じようとするときは、あらかじめ、事業者及び当該安全管理者にその理由を通知し、意見を述べ、及び証拠を提出する機会を与えなければならない。
第十二条第二項中「前条第二項」の下に「及び第三項」を加える。
第十五条に次の一項を加える。
4 第十条第三項の規定は、統括安全衛生責任者の業務の執行について準用する。この場合において、同項中「事業者」とあるのは、「当該統括安全衛生責任者を選任した事業者」と読み替えるものとする。
第二十八条の見出し中「及び望ましい作業環境の標準」を「等」に改め、同条第三項中「前二項の規定により」を「前三項の規定により、」に改め、「技術上の指針」の下に「、労働者の健康障害を防止するための指針」を加え、「行なう」を「行う」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 労働大臣は、次の化学物質で労働大臣が定めるものを製造し、又は取り扱う事業者が当該化学物質による労働者の健康障害を防止するための指針を公表するものとする。
一 第五十七条の二第四項の規定による勧告又は第五十七条の三第一項の規定による指示に係る化学物質
二 前号に掲げる化学物質以外の化学物質で、がんその他の重度の健康障害を労働者に生ずるおそれのあるもの
第四十四条の見出しを「(個別検定)」に改め、同条第一項中「機械等のうち、」を「機械等(次条第一項に規定する機械等を除く。)のうち、その構造、性能等を考慮して」に改め、「、当該機械等について」を削り、「検定代行機関」を「個別検定代行機関」に、「行なう」を「個々に行う当該機械等についての」に改め、同条第四項中「第二項」を「第三項」に、「附されていない」を「付されていない」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「検定」を「個別検定」に、「附し、」を「付し、」に、「附してはならない」を「付してはならない」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項の検定(以下「検定」という。)」を「個別検定」に、「当該検定」を「当該個別検定」に、「附さなければならない」を「付さなければならない」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 労働大臣、都道府県労働基準局長又は個別検定代行機関は、前項の規定による検定(以下「個別検定」という。)を受けようとする者から申請があつた場合には、当該申請に係る機械等が労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、当該機械等を個別検定に合格させてはならない。
第四十四条の次に次の見出し及び二条を加える。
(型式検定)
第四十四条の二 第四十二条の機械等のうち、個別検定によることが適当でない機械等で政令で定めるものを製造し、又は輸入した者は、労働省令で定めるところにより、労働大臣又は労働大臣の指定する者(以下「型式検定代行機関」という。)が行う当該機械等の型式についての検定を受けなければならない。
2 労働大臣又は型式検定代行機関は、前項の規定による検定(以下「型式検定」という。)を受けようとする者から申請があつた場合には、当該申請に係る型式の機械等の構造並びに当該機械等を製造し、及び検査する設備等が労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、当該型式を型式検定に合格させてはならない。
3 労働大臣又は型式検定代行機関は、型式検定に合格した型式について、型式検定合格証を申請者に交付する。
4 型式検定を受けた者は、当該型式検定に合給した型式の機械等を製造し、又は輸入したときは、当該機械等に、労働省令で定めるところにより、型式検定に合格した型式の機械等である旨の表示を付さなければならない。
5 型式検定に合格した型式の機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。
6 第一項の機械等で、第四項の表示が付されていないものは、使用してはならない。
第四十四条の三 型式検定合格証の有効期間(次項の規定により型式検定合格証の有効期間が更新されたときにあつては、当該更新された型式検定合格証の有効期間)は、前条第一項の機械等の種類に応じて、労働省令で定める期間とする。
2 型式検定合格証の有効期間の更新を受けようとする者は、労働省令で定めるところにより、型式検定を受けなければならない。
第四十五条に次の三項を加える。
2 事業者は、前項の機械等で政令で定めるものについて同項の規定による自主検査のうち労働省令で定める自主検査(以下「特定自主検査」という。)を行うときは、その使用する労働者で労働省令で定める資格を有するもの又は第五十四条の三第一項に規定する登録を受け、他人の求めに応じて当該機械等について特定自主検査を行う者(以下「検査業者」という。)に実施させなければならない。
3 労働大臣は、第一項の規定による自主検査の適切かつ有効な実施を図るため必要な自主検査指針を公表するものとする。
4 労働大臣は、前項の自主検査指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者若しくは検査業者又はこれらの団体に対し、当該自主検査指針に関し必要な指導等を行うことができる。
第四十六条第一項中「この条」の下に「及び第五十三条」を加え、「行なおう」を「行おう」に、「行なう」を「行う」に改める。
第五十四条(見出しを含む。)中「検定代行機関」を「個別検定代行機関」に、「「検定」」を「「個別検定」」に改め、第五章第一節中同条の次に次の四条を加える。
(型式検定代行機関)
第五十四条の二 第四十四条の二第一項の規定による指定は、労働省令で定める区分ごとに全国を通じて一を限り、型式検定を行おうとする者の申請により行う。
2 第四十六条第二項及び第三項並びに第四十七条から第五十三条までの規定は、型式検定代行機関に関して準用する。この場合において、第四十六条第二項各号列記以外の部分中「指定」とあるのは「第四十四条の二第一項の規定による指定(以下この条及び第五十三条において「指定」という。)」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「第五十四条の二第一項」と、第四十七条、第四十八条第一項及び第三項、第四十九条、第五十一条第一項、第五十二条並びに第五十三条第二項中「性能検査」とあるのは「型式検定」と、第五十一条中「検査員」とあるのは「検定員」と読み替えるものとする。
(検査業者)
第五十四条の三 検査業者になろうとする者は、労働省令で定めるところにより、労働省又は都道府県労働基準局に備える検査業者名簿に、氏名又は名称、住所その他労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の登録を受けることができない。
一 第四十五条第一項若しくは第二項の規定若しくはこれらの規定に基づく命令に違反し、又は第五十四条の五第二項の規定による命令に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
二 第五十四条の五第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
三 法人で、その業務を行う役員のうちに第一号に該当する者があるもの
3 第一項の登録は、検査業者になろうとする者の申請により行う。
4 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前項の申請が労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、第一項の登録をしてはならない。
5 事業者その他の関係者は、検査業者名簿の閲覧を求めることができる。
第五十四条の四 検査業者は、他人の求めに応じて特定自主検査を行うときは、労働省令で定める資格を有する者にこれを実施させなければならない。
第五十四条の五 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、検査業者が第五十四条の三第二項第一号又は第三号に該当するに至つたときは、その登録を取り消さなければならない。
2 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、検査業者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その登録を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて特定自主検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第五十四条の三第四項の基準に適合しなくなつたと認められるとき。
二 前条の規定に違反したとき。
三 第百十条第一項の条件に違反したとき。
第五十七条の見出しを「(表示等)」に改め、同条中「前条第一項の物を」の下に「容器に入れ、又は包装して、」を加え、「容器(容器に入れないで譲渡し、又は提供するときにあつては、その包装。以下同じ。)」を「容器又は包装(容器に入れ、かつ、包装して、譲渡し、又は提供するときにあつては、その容器)」に、「容器のうち」を「容器又は包装のうち」に改め、同条に次の一項を加える。
2 前項の政令で定める物又は前条第一項の物を前項に規定する方法以外の方法により譲渡し、又は提供する者は、労働省令で定めるところにより、同項各号の事項を記載した文書を、譲渡し、又は提供する相手方に交付しなければならない。
第五十七条の次に次の三条を加える。
(化学物質の有害性の調査)
第五十七条の二 化学物質による労働者の健康障害を防止するため、既存の化学物質として政令で定める化学物質(第三項の規定によりその名称が公表された化学物質を含む。)以外の化学物質(以下この条において「新規化学物質」という。)を製造し、又は輸入しようとする事業者は、あらかじめ、労働省令で定める有害性の調査(当該新規化学物質が労働者の健康に与える影響についての調査をいう。以下この条において同じ。)を行い、労働省令で定めるところにより、当該新規化学物質の名称、有害性の調査の結果その他の事項を労働大臣に届け出なければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときその他政令で定める場合は、この限りでない。
一 当該新規化学物質に関し、労働省令で定めるところにより、当該新規化学物質について予定されている製造又は取扱いの方法等からみて労働者が当該新規化学物質にさらされるおそれがない旨の労働大臣の確認を受けたとき。
二 当該新規化学物質に関し、労働省令で定めるところにより、既に得られている知見等に基づき労働省令で定める有害性がない旨の労働大臣の確認を受けたとき。
三 当該新規化学物質を試験研究のため製造し、又は輸入しようとするとき。
四 当該新規化学物質が主として一般消費者の生活の用に供される製品(当該新規化学物質を含有する製品を含む。)として輸入される場合で、労働省令で定めるとき。
2 有害性の調査を行つた事業者は、その結果に基づいて、当該新規化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要な措置を速やかに講じなければならない。
3 労働大臣は、第一項の規定による届出があつた場合(同項第二号の規定による確認をした場合を含む。)には、労働省令で定めるところにより、当該新規化学物質の名称を公表するものとする。
4 労働大臣は、第一項の規定による届出があつた場合には、労働省令で定めるところにより、有害性の調査の結果について学識経験者の意見を聴き、当該届出に係る化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要があると認めるときは、届出をした事業者に対し、施設又は設備の設置又は整備、保護具の備付けその他の措置を講ずべきことを勧告することができる。
5 前項の規定により有害性の調査の結果について意見を求められた学識経験者は、当該有害性の調査の結果に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、労働者の健康障害を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
第五十七条の三 労働大臣は、化学物質で、がんその他の重度の健康障害を労働者に生ずるおそれのあるものについて、当該化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要があると認めるときは、労働省令で定めるところにより、当該化学物質を製造し、輸入し、又は使用している事業者その他労働省令で定める事業者に対し、政令で定める有害性の調査(当該化学物質が労働者の健康障害に及ぼす影響についての調査をいう。)を行い、その結果を報告すべきことを指示することができる。
2 前項の規定による指示は、化学物質についての有害性の調査に関する技術水準、調査を実施する機関の整備状況、当該事業者の調査の能力等を総合的に考慮し、労働大臣の定める基準に従つて行うものとする。
3 労働大臣は、第一項の規定による指示を行おうとするときは、あらかじめ、労働省令で定めるところにより、学識経験者の意見を聴かなければならない。
4 第一項の規定による有害性の調査を行つた事業者は、その結果に基づいて、当該化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要な措置を速やかに講じなければならない。
5 第三項の規定により第一項の規定による指示について意見を求められた学識経験者は、当該指示に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、労働者の健康障害を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
(国の援助等)
第五十七条の四 国は、前二条の規定による有害性の調査の適切な実施に資するため、化学物質について、有害性の調査を実施する施設の整備、資料の提供その他必要な援助に努めるほか、自ら有害性の調査を実施するよう努めるものとする。
第五十八条の見出し中「有害性の」を「事業者の行うべき」に改め、同条中「化学薬品」を「化学物質」に改める。
第六十五条に次の一項を加える。
6 事業者は、第一項又は前項の規定による作業環境測定の結果、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、施設又は設備の設置又は整備、健康診断の実施その他の適切な措置を講じなければならない。
第六十六条第六項中「前項ただし書」を「第五項ただし書」に改め、「短縮」の下に「等の措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備」を加え、同項を同条第七項とし、同条第五項の次に次の一項を加える。
6 事業者は、労働省令で定めるところにより、第一項から第四項まで及び前項ただし書の規定による健康診断の結果を記録しておかなければならない。
第六十七条第一項中「離職の際に」の下に「又は離職の後に」を加える。
第七十一条中「第六十五条の」を削り、「第六十六条及び第六十七条の」を「労働者に対する」に、「又は健康診断」を「又は労働者に対する健康診断」に改める。
第七十五条の見出しを「(免許試験)」に改め、同条第二項中「免許試験」の下に「(以下「免許試験」という。)」を加え、「行なう」を「行う」に改め、同条第四項中「第一項の」及び「同項の」を削り、同条の次に次の十一条を加える。
(指定試験機関の指定)
第七十五条の二 労働大臣は、労働省令で定めるところにより、労働大臣の指定する者(以下「指定試験機関」という。)に前条第一項の規定により都道府県労働基準局長が行う免許試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
2 前項の規定による指定(以下第七十五条の十二までにおいて「指定」という。)は、試験事務を行おうとする者の申請により行う。
3 都道府県労働基準局長は、第一項の規定により指定試験機関が試験事務の全部又は一部を行うこととされたときは、当該試験事務の全部又は一部を行わないものとする。
(指定の基準)
第七十五条の三 労働大臣は、他に指定を受けた者がなく、かつ、前条第二項の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
一 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が、試験事務の適正かつ確実な実施に適合したものであること。
二 経理的及び技術的な基礎が、前号の試験事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に足るものであること。
2 労働大臣は、前条第二項の申請が次の各号のいずれかに該当するときは、指定をしてはならない。
一 申請者が、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人以外の者であること。
二 申請者が行う試験事務以外の業務により申請者が試験事務を公正に実施することができないおそれがあること。
三 申請者がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者であること。
四 申請者が第七十五条の十一第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。
五 申請者の役員のうちに、第三号に該当する者があること。
六 申請者の役員のうちに、次条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者があること。
(役員の選任及び解任)
第七十五条の四 指定試験機関の役員の選任及び解任は、労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 労働大臣は、指定試験機関の役員が、この法律(これに基づく命令又は処分を含む。)若しくは第七十五条の六第一項に規定する試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、当該役員を解任すべきことを命ずることができる。
(免許試験員)
第七十五条の五 指定試験機関は、試験事務を行う場合において、免許を受ける者として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、免許試験員に行わせなければならない。
2 指定試験機関は、免許試験員を選任しようとするときは、労働省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
3 指定試験機関は、免許試験員を選任したときは、労働省令で定めるところにより、労働大臣にその旨を届け出なければならない。免許試験員に変更があつたときも、同様とする。
4 労働大臣は、免許試験員が、この法律(これに基づく命令又は処分を含む。)若しくは次条第一項に規定する試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、当該免許試験員の解任を命ずることができる。
(試験事務規程)
第七十五条の六 指定試験機関は、試験事務の開始前に、試験事務の実施に関する規程(以下この条及び第七十五条の十一第二項第四号において「試験事務規程」という。)を定め、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 試験事務規程で定めるべき事項は、労働省令で定める。
3 労働大臣は、第一項の認可をした試験事務規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定試験機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
(事業計画の認可等)
第七十五条の七 指定試験機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定試験機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、労働大臣に提出しなければならない。
(秘密保持義務等)
第七十五条の八 指定試験機関の役員若しくは職員(免許試験員を含む。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員(免許試験員を含む。)は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(監督命令)
第七十五条の九 労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(試験事務の休廃止)
第七十五条の十 指定試験機関は、労働大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(指定の取消し等)
第七十五条の十一 労働大臣は、指定試験機関が第七十五条の三第二項第三号又は第五号に該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
2 労働大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第七十五条の三第二項第六号に該当するとき。
二 第七十五条の四第二項、第七十五条の五第四項、第七十五条の六第三項又は第七十五条の九の規定による命令に違反したとき。
三 第七十五条の五第一項から第三項まで、第七十五条の七又は前条の規定に違反したとき。
四 第七十五条の六第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行つたとき。
五 第百十条第一項の条件に違反したとき。
(都道府県労働基準局長による免許試験の実施)
第七十五条の十二 都道府県労働基準局長は、指定試験機関が第七十五条の十の規定による労働大臣の許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定により労働大臣が指定試験機関に対し試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該試験事務の全部若しくは一部を自ら行うものとする。
2 都道府県労働基準局長が前項の規定により試験事務を自ら行う場合、指定試験機関が第七十五条の十の規定による労働大臣の許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を廃止する場合、又は前条の規定により労働大臣が指定試験機関の指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎその他の必要な事項については、労働省令で定める。
第七十七条第一項中「以下この条及び第百十二条第十二号」を「第百十二条第一項第十二号」に、「行なおう」を「行おう」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第二項中「行なう」を「行う」に、「以下」を「第九十六条第二項及び第百十二条第一項第二号において」に、「第四十六条第三項、」を「第四十六条第二項各号列記以外の部分中「指定」とあるのは「第七十七条第一項に規定する指定(以下この条及び第五十三条において「指定」という。)」と、同条第三項、」に改める。
第八十七条第一項中「(明治二十九年法律第八十九号)」を削る。
第九十三条第三項中「第五十六条第一項の許可」の下に「、第五十七条の二第四項の規定による勧告、第五十七条の三第一項の規定による指示」を加え、「に関する事務」を削る。
第九十六条第二項中「若しくは検定代行機関又は指定教習機関」を「、個別検定代行機関、型式検定代行機関、検査業者、指定試験機関又は指定教習機関(以下「検査代行機関等」という。)」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 都道府県労働基準局長は、労働衛生指導医を前条第二項の規定による事務に参画させるため必要があると認めるときは、当該労働衛生指導医をして事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は作業環境測定若しくは健康診断の結果の記録その他の物件を検査させることができる。
第百条第二項中「検査代行機関、検定代行機関又は指定教習機関」を「検査代行機関等」に改める。
第百三条第二項中「検査代行機関、検定代行機関又は指定教習機関」を「検査代行機関等」に、「検定、」を「個別検定、型式検定、特定自主検査、免許試験、」に改める。
第百四条中「第六十六条第一項から第四項までの」を「第六十五条第六項及び第六十六条第一項から第四項までに規定する」に改める。
第百五条第一項中「第五十四条」の下に「、第五十四条の二第二項」を、「場合を含む。)」の下に「、第五十四条の五第二項」を、「第七十四条第二項」の下に「、第七十五条の十一第二項」を加え、「行なわなければならない」を「行わなければならない」に改める。
第百六条中「国は」の下に「、第五十七条の四」を加え、「行なう」を「行う」に改める。
第百八条の次に次の一条を加える。
(疫学的調査等)
第百八条の二 労働大臣は、労働者がさらされる化学物質等又は労働者の従事する作業と労働者の疾病との相関関係をは握するため必要があると認めるときは、疫学的調査その他の調査(以下この条において「疫学的調査等」という。)を行うことができる。
2 労働大臣は、疫学的調査等の実施に関する事務の全部又は一部を、疫学的調査等について専門的知識を有する者に委託することができる。
3 労働大臣又は前項の規定による委託を受けた者は、疫学的調査等の実施に関し必要があると認めるときは、事業者、労働者その他の関係者に対し、質問し、又は必要な報告若しくは書類の提出を求めることができる。
4 第二項の規定により労働大臣が委託した疫学的調査等の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、労働者の健康障害を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
第百十条第一項中「又は指定」を「、指定又は登録」に、「附し」を「付し」に改め、同条第二項中「又は指定」を「、指定又は登録」に改める。
第百十一条の見出しを「(不服申立て)」に改め、同条中「又は検定」を「、個別検定、型式検定又は免許試験」に改め、同条に次の一項を加える。
2 指定試験機関が行う試験事務に係る処分(免許試験の結果についての処分を除く。)又はその不作為については、労働大臣に対し、行政不服審査法による審査請求をすることができる。
第百十二条中「手数料を」の下に「国(指定試験機関が行う免許試験を受けようとする者にあつては、指定試験機関)に」を加え、同条第一号中「(第七十五条第一項の免許試験に合格した者を除く。)」を削り、同条第二号及び第六号中「行なう」を「行う」に改め、同条第七号中「検定(検定代行機関が行なうものを除く。)」を「個別検定(個別検定代行機関が行うものを除く。)」に改め、同号の次に次の二号を加える。
七の二 型式検定(型式検定代行機関が行うものを除く。)を受けようとする者
七の三 第五十四条の三第一項の登録を受けようとする者
第百十二条第十一号中「第七十五条第一項の」を削り、同条に次の一項を加える。
2 前項の規定により指定試験機関に納められた手数料は、指定試験機関の収入とする。
第百十二条の次に次の一条を加える。
(公示)
第百十二条の二 労働大臣は、次の場合には、労働省令で定めるところにより、その旨を官報で告示しなければならない。
一 第四十一条第二項、第四十四条第一項、第四十四条の二第一項又は第七十五条の二第一項の規定による指定をしたとき。
二 第四十九条(第五十四条及び第五十四条の二第二項において準用する場合を含む。)又は第七十五条の十の許可をしたとき。
三 第五十三条第一項(第五十四条及び第五十四条の二第二項において準用する場合を含む。)又は第七十五条の十一第一項の規定による取消しをしたとき。
四 第五十三条第二項(第五十四条及び第五十四条の二第二項において準用する場合を含む。)又は第七十五条の十一第二項の規定により指定を取り消し、又は業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
五 第七十五条の十二第一項の規定により都道府県労働基準局長が試験事務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は同項の規定により都道府県労働基準局長が自ら行つていた試験事務の全部若しくは一部を行わないものとするとき。
第百十六条中「三十万円」を「二百万円」に改める。
第百十七条中「第五十六条第一項」を「第四十四条の二第一項、第五十六条第一項、第七十五条の八第一項」に、「十万円」を「五十万円」に改める。
第百十八条中「第五十四条」の下に「、第五十四条の二第二項」を、「場合を含む。)」の下に「、第五十四条の五第二項又は第七十五条の十一第二項」を加え、「検査代行機関、検定代行機関又は指定教習機関」を「検査代行機関等」に、「十万円」を「五十万円」に改める。
第百十九条中「五万円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「第四十四条第四項、第五十六条第三項若しくは第四項」を「第四十四条第五項、第四十四条の二第六項、第五十六条第三項若しくは第四項、第五十七条の二第五項、第五十七条の三第五項」に、「又は第百四条」を「、第百四条又は第百八条の二第四項」に改め、同条第三号中「第五十七条」を「第五十七条第一項」に、「又は」を「若しくは」に、「した者」を「し、又は同条第二項の規定による文書を交付せず、若しくは虚偽の文書を交付した者」に改める。
第百二十条中「五万円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「第四十四条第三項、第四十五条」を「第四十四条第四項、第四十四条の二第五項、第四十五条第一項若しくは第二項、第五十七条の二第一項」に改め、「第六十六条第一項から第三項まで」の下に「若しくは第六項」を加え、同条第二号中「場合を含む。)」の下に「、第五十七条の三第一項」を加え、同条第三号中「第四十四条第二項」を「第四十四条第三項又は第四十四条の二第四項」に改め、同条第四号中「第九十六条第一項」の下に「若しくは第三項」を加える。
第百二十一条中「検査代行機関、検定代行機関又は指定教習機関」を「検査代行機関等」に、「五万円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「第五十四条」の下に「及び第五十四条の二第二項」を、「場合を含む。)」の下に「又は第七十五条の十」を加え、「又は検定」を「、個別検定、型式検定又は試験事務」に改める。
(じん肺法の一部改正)
第二条 じん肺法(昭和三十五年法律第三十号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四条」を「第六条」に、「第二章 予防及び健康管理(第五条―第二十三条)を
第二章
健康管理
第一節
じん肺健康診断の実施(第七条―第十一条)
第二節
じん肺管理区分の決定等(第十二条―第二十条)
第三節
健康管理のための措置(第二十条の二―第二十三条)
に、「第三十六条―第四十四条」を「第三十五条の二―第四十四条の二」に改める。
第二条第一項第一号を次のように改める。
一 じん肺 粉じんを吸入することによつて肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病をいう。
第二条第一項第四号中「使用者」を「事業者」に、「行なう」を「行う」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 合併症 じん肺と合併した肺結核その他のじん肺の進展経過に応じてじん肺と密接な関係があると認められる疾病をいう。
第二条第二項中「前項第二号の」を削り、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 合併症の範囲については、労働省令で定める。
第三条を次のように改める。
(じん肺健康診断)
第三条 この法律の規定によるじん肺健康診断は、次の方法によつて行うものとする。
一 粉じん作業についての職歴の調査及びエックス線写真(直接撮影による胸部全域のエックス線写真をいう。以下同じ。)による検査
二 労働省令で定める方法による胸部に関する臨床検査及び肺機能検査
三 労働省令で定める方法による結核精密検査その他労働省令で定める検査
2 前項第二号の検査は、同項第一号の調査及び検査の結果、じん肺の所見がないと診断された者以外の者について行う。ただし、肺機能検査については、エックス線写真に一側の肺野の三分の一を超える大きさの大陰影(じん肺によるものに限る。次項及び次条において同じ。)があると認められる者その他労働省令で定める者を除く。
3 第一項第三号の結核精密検査は同項第一号及び第二号の調査及び検査(肺機能検査を除く。)の結果、じん肺の所見があると診断された者のうち肺結核にかかつており、又はかかつている疑いがあると診断された者について、同項第三号の労働省令で定める検査は同項第一号及び第二号の調査及び検査の結果、じん肺の所見があると診断された者のうち肺結核以外の合併症にかかつている疑いがあると診断された者(同項第三号の労働省令で定める検査を受けることが必要であると認められた者に限る。)について行う。ただし、エックス線写真に一側の肺野の三分の一を超える大きさの大陰影があると認められる者を除く。
第四条の見出し中「健康管理の区分」を「じん肺管理区分」に改め、同条第一項中「中欄及び」を削り、同項の表を次のように改める。
エックス線写真の像
第一型
両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が少数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
第二型
両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
第三型
両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が極めて多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
第四型
大陰影があると認められるもの
第四条第二項中「行なう」を「行う」に改め、同項の表を次のように改める。
じん肺管理区分
じん肺健康診断の結果
管理一
じん肺の所見がないと認められるもの
管理二
エックス線写真の像が第一型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの
管理三
エックス線写真の像が第二型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの
エックス線写真の像が第三型又は第四型(大陰影の大きさが一側の肺野の三分の一以下のものに限る。)で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの
管理四
(1) エックス線写真の像が第四型(大陰影の大きさが一側の肺野の三分の一を超えるものに限る。)と認められるもの(2) エックス線写真の像が第一型、第二型、第三型又は第四型(大陰影の大きさが一側の肺野の三分の一以下のものに限る。)で、じん肺による著しい肺機能の障害があると認められるもの
「第二章 予防及び健康管理」を削る。
第五条の見出しを「(予防)」に改め、同条中「使用者」を「事業者」に改め、「発散の」の下に「防止及び」を加える。
第六条中「使用者」を「事業者」に、「行なわなければならない」を「行わなければならない」に改める。
第七条の前に次の章名及び節名を付する。
第二章 健康管理
第一節 じん肺健康診断の実施
第七条の見出しを「(就業時健康診断)」に改め、同条中「使用者」を「事業者」に、「労働者に対して」を「労働者(当該作業に従事することとなつた日前一年以内にじん肺健康診断を受けて、じん肺管理区分が管理二又は管理三イと決定された労働者その他労働省令で定める労働者を除く。)に対して」に、「行なわなければならない」を「行わなければならない」に改め、同条ただし書を削り、同条に後段として次のように加える。
この場合において、当該じん肺健康診断は、労働省令で定めるところにより、その一部を省略することができる。
第八条の見出しを「(定期健康診断)」に改め、同条中「使用者」を「事業者」に、「行なわなければならない」を「行わなければならない」に改め、同条第二号中「健康管理の区分」を「じん肺管理区分」に改め、同条第三号を次のように改める。
三 常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理二である労働者(労働省令で定める労働者を除く。) 三年
第八条に次の一号を加える。
四 常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理三である労働者(労働省令で定める労働者を除く。) 一年
第八条に次の一項を加える。
2 前条後段の規定は、前項の規定によるじん肺健康診断を行う場合に準用する。
第九条の見出しを「(定期外健康診断)」に改め、同条中「使用者」を「事業者」に、「行なわなければならない」を「行わなければならない」に改め、同条後段を削り、同条各号を次のように改める。
一 常時粉じん作業に従事する労働者(じん肺管理区分が管理二、管理三又は管理四と決定された労働者を除く。)が、労働安全衛生法第六十六条第一項又は第二項の健康診断において、じん肺の所見があり、又はじん肺にかかつている疑いがあると診断されたとき。
二 合併症により一年を超えて療養のため休業した労働者が、医師により療養のため休業を要しなくなつたと診断されたとき。
三 前二号に掲げる場合のほか、労働省令で定めるとき。
第九条に次の一項を加える。
2 第七条後段の規定は、前項の規定によるじん肺健康診断を行う場合に準用する。
第九条の次に次の一条を加える。
(離職時健康診断)
第九条の二 事業者は、次の各号に掲げる労働者で、離職の日まで引き続き労働省令で定める期間を超えて使用していたものが、当該離職の際にじん肺健康診断を行うように求めたときは、当該労働者に対して、じん肺健康診断を行わなければならない。ただし、当該労働者が直前にじん肺健康診断を受けた日から当該離職の日までの期間が、次の各号に掲げる労働者ごとに、それぞれ当該各号に掲げる期間に満たないときは、この限りでない。
一 常時粉じん作業に従事する労働者(次号に掲げる者を除く。) 一年六月
二 常時粉じん作業に従事する労働者でじん肺管理区分が管理二又は管理三であるもの 六月
三 常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理二又は管理三である労働者(労働省令で定める労働者を除く。) 六月
2 第七条後段の規定は、前項の規定によるじん肺健康診断を行う場合に準用する。
第十条中「使用者」を「事業者」に、「行なつた」を「行つた」に、「行なわなくてもよい」を「行わなくてもよい」に改める。
第十一条中「使用者」を「事業者」に、「行なう」を「行う」に改める。
第十二条の前に次の節名を付する。
第二節 じん肺管理区分の決定等
第十二条の見出しを「(事業者によるエックス線写真等の提出)」に改め、同条第一項中「使用者」を「事業者」に、「第九条」を「第九条の二」に、「行なつた」を「行つた」に改め、「遅滞なく」の下に「、労働省令で定めるところにより」を加え、「にかかつている」を「の所見がある」に、「次の各号に掲げる書面」を「じん肺健康診断の結果を証明する書面その他労働省令で定める書面」に改め、同項各号及び同条第二項を削る。
第十三条の見出しを「(じん肺管理区分の決定手続等)」に改め、同条第一項中「第九条」を「第九条の二」に、「にかかつていない」を「の所見がない」に、「健康管理の区分」を「じん肺管理区分」に改め、同条第二項中「又は労働安全衛生法第六十六条第一項若しくは第二項の健康診断に関する」を「の結果を証明する書面その他労働省令で定める」に、「当該労働者がじん肺にかかつているかどうかの別及び健康管理の区分」を「当該労働者についてじん肺管理区分」に改め、同条第三項中「、じん肺が相当に進行している疑いがあると認められる労働者について」を削り、「行なうため」を「行うため」に、「使用者」を「事業者」に、「又は」を「若しくは」に、「行なうべきこと」を「行うべきこと又はその指定する物件を提出すべきこと」に改め、同条第四項中「使用者」を「事業者」に、「行なつた」を「行つた」に改める。
第十四条第一項中「使用者」を「事業者」に、「前条第四項」を「前条第三項若しくは第四項」に改め、同条第二項中「使用者」を「事業者」に、「その内容を当該労働者に」を「労働省令で定めるところにより、当該労働者(労働省令で定める労働者であつた者を含む。)に対して、その者について決定されたじん肺管理区分及びその者が留意すべき事項を」に改め、同条に次の一項を加える。
3 事業者は、前項の規定による通知をしたときは、労働省令で定めるところにより、その旨を記載した書面を作成し、これを三年間保存しなければならない。
第十五条第一項中「何時でも」を「いつでも」に改め、「受けて」の下に「、労働省令で定めるところにより」を加え、「じん肺にかかつているかどうかの別及び健康管理の区分」を「じん肺管理区分」に改め、同条第二項中「、粉じん作業についての職歴を証明する書面、当該じん肺健康診断の結果を証明する書面」を「及びじん肺健康診断の結果を証明する書面」に改め、同条第三項中「第十三条第三項」を「第十三条第二項中「前条」とあるのは「第十五条第二項」と、同条第三項」に「使用者」を「事業者」に、「読み替える」を「、「第十二条又は前条第三項若しくは第四項」とあるのは「前条第三項若しくは第四項又は次条第二項」と読み替える」に改める。
第十六条第一項中「使用者は、何時でも」を「事業者は、いつでも」に、「行ない」を「行い、労働省令で定めるところにより」に、「じん肺にかかつているかどうかの別及び健康管理の区分」を「じん肺管理区分」に改め、同条第二項に後段として次のように加える。
この場合において、第十三条第二項中「前条」とあるのは「第十六条第二項の規定により準用する第十五条第二項」と、第十四条第一項中「第十二条又は前条第三項若しくは第四項」とあるのは「前条第三項若しくは第四項又は第十六条第二項の規定により準用する次条第二項」と読み替えるものとする。
第十六条の次に次の一条を加える。
(エックス線写真等の提出命令)
第十六条の二 都道府県労働基準局長は、常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であつた者について、適正なじん肺管理区分を決定するため必要があると認めるときは、労働省令で定めるところにより、事業者に対して、エックス線写真及びじん肺健康診断の結果を証明する書面その他労働省令で定める書面(次項において「エックス線写真等」という。)を提出すべきことを命ずることができる。
2 第十三条第二項から第四項まで及び第十四条の規定は、前項の規定によりエックス線写真等の提出があつた場合に準用する。この場合において、第十四条第一項中「第十二条又は前条第三項若しくは第四項」とあるのは「前条第三項若しくは第四項又は第十六条の二第一項」と読み替えるものとする。
第十七条の見出しを「(記録の作成及び保存等)」に改め、同条中「使用者」を「事業者」に、「行なつた」を「行つた」に、「作成し、これを五年間保存しなければならない」を「作成しなければならない」に改め、同条に次の一項を加える。
2 事業者は、労働省令で定めるところにより、前項の記録及びじん肺健康診断に係るエックス線写真を七年間保存しなければならない。
第十八条第一項中「及び第十六条第二項」を「、第十六条第二項及び第十六条の二第二項」に改める。
第十九条第二項中「労働者であつた者がじん肺にかかつているかどうかの別及びその者の健康管理の区分」を「労働者であつた者についてじん肺管理区分」に改め、同条第三項中「これらの規定中」の下に「「都道府県労働基準局長」とあるのは「労働大臣」と、」を加え、「「使用者」」を「「前項の決定」とあるのは「裁決」と、「事業者」」に改め、同条第四項中「第十三条第四項」を「第十三条第三項若しくは第四項」に改める。
第二十条の次に次の節名及び二条を加える。
第三節 健康管理のための措置
(事業者の責務)
第二十条の二 事業者は、じん肺健康診断の結果、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業上適切な措置を講ずるように努めるとともに、適切な保健指導を受けることができるための配慮をするように努めなければならない。
(粉じんにさらされる程度を低減させるための措置)
第二十条の三 事業者は、じん肺管理区分が管理二又は管理三イである労働者について、粉じんにさらされる程度を低減させるため、就業場所の変更、粉じん作業に従事する作業時間の短縮その他の適切な措置を講ずるように努めなければならない。
第二十一条第一項中「健康管理の区分が管理三」を「じん肺管理区分が管理三イ」に、「使用者」を「事業者」に、「勧告」を「勧奨」に改め、同条第二項中「使用者は、前項の勧告を受けた」を「事業者は、前項の規定による勧奨を受けたとき、又はじん肺管理区分が管理三ロである労働者が現に常時粉じん作業に従事している」に改め、同条第三項を次のように改める。
3 事業者は、前項の規定により、労働者を粉じん作業以外の作業に常時従事させることとなつたときは、労働省令で定めるところにより、その旨を都道府県労働基準局長に通知しなければならない。
第二十一条に次の一項を加える。
4 都道府県労働基準局長は、じん肺管理区分が管理三ロである労働者が現に常時粉じん作業に従事している場合において、地方じん肺診査医の意見により、当該労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働省令で定めるところにより、事業者に対して、その者を粉じん作業以外の作業に常時従事させるべきことを指示することができる。
第二十二条中「使用者は、前条第一項の勧告を受けた」を「事業者は、次の各号に掲げる」に改め、「従事しなくなつたとき」の下に「(労働契約の期間が満了したことにより離職したときその他労働省令で定める場合を除く。)」を加え、「労働省令で定めるところにより」を「その日から七日以内に」に改め、「その者に対して、」の下に「次の各号に掲げる労働者ごとに、それぞれ」を加え、「三十日分」を「当該各号に掲げる日数分」に改め、同条に次のただし書及び各号を加える。
ただし、労働大臣が必要があると認めるときは、転換手当の額について、労働省令で別段の定めをすることができる。
一 前条第一項の規定による勧奨を受けた労働者又はじん肺管理区分が管理三ロである労働者(次号に掲げる労働者を除く。) 三十日分
二 前条第四項の規定による指示を受けた労働者 六十日分
第二十二条の次に次の一条を加える。
(作業転換のための教育訓練)
第二十二条の二 事業者は、じん肺管理区分が管理三である労働者を粉じん作業以外の作業に常時従事させるために必要があるときは、その者に対して、作業の転換のための教育訓練を行うように努めなければならない。
第二十三条第一項中「健康管理の区分」を「じん肺管理区分」に改め、「決定された者」の下に「及び合併症にかかつていると認められる者」を加え、同条第二項を削る。
第二十七条第一項中「関係使用者」を「関係事業者」に改め、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまでその職務を行うものとする。
第三十二条第一項中「使用者」を「事業者」に改め、「発散の」の下に「防止及び」を加え、「行なう」を「行う」に改める。
第三十三条第一項中「使用者が行なう」を「事業者が行う」に、「行なわせる」を「行わせる」に改める。
第三十四条中「第二十一条第一項の勧告を受けてもなお」を「じん肺管理区分が管理三である労働者が」に、「労働者」を「ときは、当該労働者」に改める。
第五章中第三十六条の前に次の二条を加える。
(法令の周知)
第三十五条の二 事業者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨を粉じん作業を行う作業場の見やすい場所に常時掲示し、又は備え付ける等の方法により、労働者に周知させなければならない。
(じん肺健康診断に関する秘密の保持)
第三十五条の三 第七条から第九条の二まで及び第十六条第一項のじん肺健康診断の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の心身の欠陥その他の秘密を漏らしてはならない。
第三十九条第一項中「この法律の規定によるじん肺の診断又は審査及びこれらに関する事務を行なわせるため、」を削り、同条第三項を同条第五項とし、同条第二項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。
2 中央じん肺診査医は、この法律の規定によるじん肺の診断又は審査及びこれらに関する事務を行うものとする。
3 地方じん肺診査医は、この法律の規定によるじん肺の診断又は審査及びこれらに関する事務を行うほか、第二十一条第四項の規定による指示に関する事務に参画するものとする。
第四十条第一項中「この法律の規定による診断又は審査のため」を「前条第二項又は第三項の規定による職務を行うため」に、「行なう」を「行う」に改める。
第四十三条の次に次の一条を加える。
(労働者の申告)
第四十三条の二 労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働基準局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。
2 事業者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
第四十四条中「使用者」を「事業者」に改め、第五章中同条の次に次の一条を加える。
(経過措置)
第四十四条の二 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第四十五条中「五千円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「第六条から第九条まで」を「第六条、第七条、第八条第一項、第九条第一項」に改め、「第十三条第四項」の下に「(第十六条の二第二項において準用する場合を含む。)」を、「第十六条第二項」の下に「及び第十六条の二第二項」を、「場合を含む。)」の下に「、第十四条第三項(第十六条第二項及び第十六条の二第二項において準用する場合を含む。)」を加え、「又は第二十三条第二項」を「、第三十五条の二、第三十五条の三又は第四十三条の二第二項」に改め、同条第二号中「第十三条第三項」の下に「(第十六条の二第二項において準用する場合を含む。)、第十六条の二第一項又は第二十一条第四項」を、「命令」の下に「又は指示」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に掲げる日から施行する。
一 第二条の規定及び附則第四条の規定(労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)第四条第三十二号の二の改正規定及び同法第八条第一項第四号の改正規定に限る。) 公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日
二 第一条の規定(労働安全衛生法第四十五条に三項を加える改正規定(同条第二項に係る部分に限る。)、同法第五十七条の次に三条を加える改正規定及び同法第九十三条第三項の改正規定に限る。) 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において、各規定につき、政令で定める日
(政令への委任)
第二条 次条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(罰則に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(労働省設置法の一部改正)
第四条 労働省設置法の一部を次のように改正する。
第四条第二十六号中「検定」を「個別検定及び型式検定」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第二十七号中「検定代行機関」を「個別検定代行機関、型式検定代行機関、指定試験機関」に、「行なう」を「行う」に改め、同号の次に次の二号を加える。
二十七の二 労働安全衛生法に基づいて、検査業者の登録を行い、これに対し監督を行うこと。
二十七の三 労働安全衛生法に基づいて、化学物質による労働者の健康障害を防止するため、有害性の調査を行うべきことを指示すること。
第四条第二十八号中「免許に係る試験」を「免許試験」に改め、同条第三十二号の二中「労働者の健康管理の区分」を「労働者についてのじん肺管理区分」に、「勧告」を「指示」に改める。
第八条第一項第四号を次のように改める。
四 労働者についてのじん肺管理区分の決定に関すること。
第八条第一項第八号及び第二項中「検定代行機関」を「個別検定代行機関、型式検定代行機関、検査業者、労働安全衛生法第七十五条の二第一項の指定試験機関」に、「指定試験機関」を「作業環境測定法第二十条第二項の指定試験機関」に改める。
労働大臣 石田博英
内閣総理大臣 福田赳夫