(特定事業場からの下水の排除の制限)
第十二条の二 特定施設(政令で定めるものを除く。第十二条の十一、第十八条の二及び第三十九条の二を除き、以下同じ。)を設置する工場又は事業場(以下「特定事業場」という。)から下水を排除して公共下水道(終末処理場を設置しているもの又は終末処理場を設置している流域下水道に接続しているものに限る。以下この条、次条、第十二条の五、第十二条の十第一項及び第三十七条の三において同じ。)を使用する者は、政令で定める場合を除き、その水質が当該公共下水道への排出口において政令で定める基準に適合しない下水を排除してはならない。
2 前項の政令で定める基準は、下水に含まれる物質のうち人の健康に係る被害又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあり、かつ、終末処理場において処理することが困難なものとして政令で定めるものの量について、当該物質の種類ごとに、公共下水道からの放流水又は流域下水道から河川その他の公共の水域若しくは海域に放流される水(以下「流域下水道からの放流水」という。)の水質を第八条(第二十五条の十において準用する場合を含む。第四項(第十二条の十第二項において準用する場合を含む。)、第十三条第一項及び第三十七条の二第一項において同じ。)の技術上の基準に適合させるため必要な限度において定めるものとする。
3 前項の政令で定める物質に係るものを除き、公共下水道管理者は、政令で定める基準に従い、条例で、特定事業場から公共下水道に排除される下水の水質の基準を定めることができる。
4 前項の条例は、公共下水道からの放流水又は流域下水道からの放流水の水質を第八条の技術上の基準に適合させるために必要な最小限度のものであり、かつ、公共下水道を使用する者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
5 第三項の規定により公共下水道管理者が条例で水質の基準を定めた場合においては、特定事業場から下水を排除して公共下水道を使用する者は、政令で定める場合を除き、その水質が当該公共下水道への排出口において当該条例で定める基準に適合しない下水を排除してはならない。
6 第一項及び前項の規定は、一の施設が特定施設となつた際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)が当該施設を設置している工場又は事業場から公共下水道に排除する下水については、当該施設が特定施設となつた日から六月間(当該施設が政令で定める施設である場合にあつては、一年間)は、適用しない。ただし、当該施設が特定施設となつた際既に当該工場又は事業場が特定事業場であるとき、及びその者に適用されている地方公共団体の条例の規定で河川その他の公共の水域又は海域に排除される汚水の水質につき第一項及び前項に規定する規制に相当するものがあるとき(当該規定の違反行為に対する処置規定がないときを除く。)は、この限りでない。
(特定施設の設置等の届出)
第十二条の三 工場又は事業場から継続して下水を排除して公共下水道を使用する者は、当該工場又は事業場に特定施設を設置しようとするときは、建設省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を公共下水道管理者に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
七 公共下水道に排除される下水の量及び水質その他の建設省令で定める事項
2 一の施設が特定施設となつた際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)で当該施設に係る工場又は事業場から継続して下水を排除して公共下水道を使用するものは、当該施設が特定施設となつた日から三十日以内に、建設省令で定めるところにより、前項各号に掲げる事項を公共下水道管理者に届け出なければならない。
3 特定施設の設置者は、前二項の規定により届出をしている場合を除き、当該特定施設を設置している工場又は事業場から継続して下水を排除して公共下水道を使用することとなつたときは、その日から三十日以内に、建設省令で定めるところにより、第一項各号に掲げる事項を公共下水道管理者に届け出なければならない。
(特定施設の構造等の変更の届出)
第十二条の四 前条の規定による届出をした者は、その届出に係る同条第一項第四号から第七号までに掲げる事項を変更しようとするときは、建設省令で定めるところにより、その旨を公共下水道管理者に届け出なければならない。
(計画変更命令)
第十二条の五 公共下水道管理者は、第十二条の三第一項又は前条の規定による届出があつた場合において、当該特定事業場から公共下水道に排除される下水の水質が公共下水道への排出口において第十二条の二第一項の政令で定める基準又は同条第三項の規定による条例で定める基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から六十日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る特定施設の構造若しくは使用の方法若しくは特定施設から排出される汚水の処理の方法に関する計画の変更(前条の規定による届出に係る計画の廃止を含む。)又は第十二条の三第一項の規定による届出に係る特定施設の設置に関する計画の廃止を命ずることができる。
(実施の制限)
第十二条の六 第十二条の三第一項又は第十二条の四の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から六十日を経過した後でなければ、その届出に係る特定施設を設置し、又は特定施設の構造若しくは使用の方法若しくは特定施設から排出される汚水の処理の方法を変更してはならない。
2 公共下水道管理者は、第十二条の三第一項又は第十二条の四の規定による届出に係る事項の内容が相当であると認めるときは、前項の期間を短縮することができる。
(氏名の変更等の届出)
第十二条の七 第十二条の三の規定による届出をした者は、その届出に係る同条第一項第一号若しくは第二項に掲げる事項に変更があつたとき、又は特定施設の使用を廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を公共下水道管理者に届け出なければならない。
(承継)
第十二条の八 第十二条の三の規定による届出をした者からその届出に係る特定施設を譲り受け、又は借り受けた者は、当該届出をした者の地位を承継する。
2 第十二条の三の規定による届出をした者について相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、当該届出をした者の地位を承継する。
3 前二項の規定により第十二条の三の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があつた日から三十日以内に、その旨を公共下水道管理者に届け出なければならない。
(流域下水道管理者への通知)
第十二条の九 流域関連公共下水道の管理者は、第十二条の三、第十二条の四、第十二条の七又は前条第三項の規定による届出を受理したときは当該届出に係る事項を、第十二条の五の規定による命令をしたときは当該命令の内容を、遅滞なく、当該流域関連公共下水道に係る流域下水道の管理者に通知しなければならない。
(除害施設の設置等)
第十二条の十 公共下水道管理者は、継続して次の各号に掲げる下水(第十二条の二第一項又は第五項の規定により公共下水道に排除してはならないこととされるものを除く。)を排除して公共下水道を使用する者に対し、条例で、除害施設を設け、又は必要な措置をしなければならない旨を定めることができる。
一 その水質が第十二条の二第二項の政令で定める物質に関し政令で定める基準に適合しない下水
二 その水質(第十二条の二第二項の政令で定める物質に係るものを除く。)が政令で定める基準に従い条例で定める基準に適合しない下水
2 第十二条の二第四項の規定は、前項の条例について準用する。